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2010年度( 2011年3月期)連結業績のレビューと分析

経営環境

2010年度の世界経済は、中国など新興国が高い経済成長となったことから、上期には力強い回復を示しました。しかし、下期以降は、先進国の景気刺激策による効果が薄れてきたことや、欧州での信用不安、中東地域での政情不安などのマイナス要因により、回復に陰りが見られました。

日本経済については、上期には、新興国の需要増を背景とした輸出企業の好調や、政府による経済対策効果などにけん引され、こちらも回復基調でしたが、下期には経済対策も終了し、世界経済の減速や円高の影響を受けたことから減速傾向が強まりました。さらに、3月11日に発生した東日本大震災は、個人消費、企業業績両方に影響を与え、景気の先行きへの不透明感が高まりました。

このような状況の中、積水化学グループの2010年度は、2009年度にスタートした中期経営計画「GS21-SHINKA!」(2009年度-2013年度)のファーストステージの最終年度でした。当社は、このファーストステージにおいて、リーマンショック発生前の利益水準回復を達成するために、「フロンティア7事業」を中心に成長需要の獲得と損益分岐点引き下げ、さらなる成長のための戦略投資や事業強化などの施策を着実に実行してきました。

2010年度を分野別にみると、住宅分野なかでも国内の新設住宅は、政府による住宅着工支援策が奏功した結果、住宅着工戸数は、前期比でプラスに転じ、81万9,020戸となりました。この結果、当社においても、住宅受注の回復、拡大に成功し、通期の住宅受注は前期比5%増となりました。その結果、期初の受注残の回復にも成功し、2011年度初の受注残は、前年同期比16%増となりました。

住宅着工の回復は、住宅設備・建築資材など周辺ビジネスにも好影響を与えました。当社においても塩ビコア製品などが、戸建て需要の回復にと販売量を回復することができました。また、省エネ分野などの差別化製品やストック分野の売り上げを拡大することもできました。

インフラ分野、特に海外での管路更生分野については、2009年度に発生した世界的な天候不順による工事延期などの要因が解消し、東欧地域などで、売上を拡大することができました。一方、海外水インフラ分野に関しては、新疆ウイグル地区の騒乱の影響などから、苦戦を余儀なくされました。しかしながら、世界的な水環境問題は深刻化しており、人口の急増が続く新興国ではインフラ新設需要、施設の老朽化が著しい先進国では既設インフラ更新需要はまったなしの状況が続いています。

このほか、自動車分野については、新興国での需要増のほか、欧米市場の回復もあり、2010年度は大幅に伸長しました。IT分野に関しても、競争力の高い製品を中心として、大幅な伸長を果たすことができました。一方、メディカル分野は、前年の新型インフルエンザ流行の影響が消失し、インフルエンザ検査薬の需要は減少しましたが、それ以外の検査薬に関しては、売上伸長を果たすことができました。

2010年度は、当社を取り巻く経営環境に関しては必ずしも楽観できるものばかりではありませんでしたが、「フロンティア7事業」の拡大や、アジア地域を中心とした成長需要の獲得に成功し、売上拡大を達成しました。同時に、収益体質強化が進んだことで、カンパニー制導入以降で最高の営業利益を確保することができました。

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経営成績および財政状態の分析

(1)2010年度経営成績の分析

(1)-1売上高

売上高 

2010年度の売上高は915,492百万円(前期比6.6%、56,978百万円増)となりました。

住宅カンパニーの新築住宅事業については、東日本大震災による生産拠点の一時操業停止や完工遅れ等の影響があったものの、商品の環境性能・経済性・高性能等の先進性の訴求が奏功したこと、コストパフォーマンスに優れた商品及び40周年記念商品の拡販が寄与したことから、増収となりました。住環境事業については、太陽光発電システムや環境・快適性能を訴求する商品の販売が順調に推移しました。以上の結果、2010年度の住宅カンパニーの売上高は418,687百万円 (前期比5.1%、20,442百万円増)となりました。

環境・ライフラインカンパニーにおいては、海外事業が順調に推移する一方、国内事業については、戸建て需要の回復により主力の塩化ビニル管、雨といが販売数量を伸ばしたものの、競争激化に伴い販売価格が下落し、大幅な増収には至りませんでした。以上の結果、2010年度の環境・ライフラインカンパニーの売上高は195,570百万円(前期比0.5%、921百万円増)となりました。

高機能プラスチックスカンパニーにおいては、アジアを中心とした新興国における需要の増加及び国内・欧米における市場の回復により車輌分野が順調に推移しました。また、IT分野においては2010年度の第3四半期会計期間に顧客の在庫調整の影響を受けたものの、第2四半期累計期間においては順調に推移しました。メディカル分野については2009年度に増加したインフルエンザ検査薬の出荷が減少したことにより減収となったものの、インフルエンザ検査薬以外の検査薬事業は順調に推移しました。以上の結果、2010年度の高機能プラスチックスカンパニーの売上高は281,642百万円(前期比13.7%、33,958百万円増)となりました。

その他事業では、2010年度の売上高は43,140百万円(前期比0.8%、355百万円増)となりました。


(1)-2 営業利益

営業利益および営業利益率

2010年度の営業利益は49,335百万円(前期比37.2%、13,379百万円増)となりましたこれは、販売費及び一般管理費が4,253百万円増加したものの、増収により売上総利益が17,633百万円増加したことによるものです。


(1)-3営業外損益

営業外費用については、雑支出が4,977百万円減少する一方、為替差損が1,505百万円増加しました。その結果、前期と比較して3,426百万円減少しました。

(1)-4特別損益

特別損失については、事業構造改善費用3,967百万円、災害による損失1,239百万円、投資有価証券評価損1,109百万円、減損損失984百万円、及び固定資産除売却損1,189百万円の合計8,491百万円(前期比2.9%、256百万円減)を計上しました。

(1)-5当期純利益

以上の結果、2010年度の税金等調整前当期純利益は前期に比べて16,456百万円増加し、39,801百万円となりました。税金費用と少数株主利益を控除した結果、当期純利益は23,574百万円(前期比102.8%、11,947百万円増)となりました。

当期純利益自己資本当期純利益率

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(2)財政状態

総資産および総資産経常利益率有利子負債および有利子負債自己資本比率

(2)-1 資産、負債及び純資産の状況

2010年度末の総資産は前期末から2,928百万円増加し790,189百万円となりました。

資産

流動資産については、前年同期と比較して、35,960百万円増加し、379,485百万円となりました。主な要因は、現金及び預金、有価証券が合計で20,345百万円、棚卸資産が10,653百万円増加したことです。

固定資産については33,032百万円減少して410,704百万円となりました。主な要因は、設備投資額が減価償却費を下回ったことにより有形固定資産が20,731百万円減少したことです。

負債

支払手形、買掛金、未払費用等の仕入債務が合計で5,524百万円、前受金が6,341百万円増加する一方、有利子負債を合計で8,577百万円削減したこと等により負債合計では4,588百万円増加し、440,143百万円となりました。

純資産

当期純利益23,574百万円、配当金の支払5,256百万円等の増減により利益剰余金は18,336百万円増加しました。一方、円高の影響により為替換算調整勘定が11,101百万円減少するとともに、上場株式の時価評価額の下落によってその他有価証券評価差額金が7,164百万円減少しました。以上の結果、2010年度末の純資産は1,660百万円減少し、350,045百万円となりました。

(2)-2 キャッシュ・フロー

2010年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、2009年度末より11,088百万円増加(20.2%)し、当連結会計年度末には65,944百万円となりました。 2010年度における各キャッシュ・フローの状況と要因は次のとおりです。

キャッシュフロー 

営業活動によるキャッシュ・フロー

2010年度において営業活動の結果増加した資金は64,197百万円(前期比10,785百万円の減少)となりました。これは、税金等調整前当期純利益39,801百万円、減価償却費34,530百万円に加えて、仕入債務の増加9,538百万円、前受金の増加6,359百万円、のれん償却額2,730百万円等の増加要因が、たな卸資産の増加13,347百万円、法人税等の支払額13,056百万円、売上債権の増加6,071百万円等の減少要因を上回ったためです。

投資活動によるキャッシュ・フロー

2010年度において投資活動の結果減少した資金は46,051百万円(前期は55,496百万円の減少)となりました。これは、主に重点及び成長分野を中心に有形固定資産21,232百万円を取得するとともに、定期預金の預入による支出17,646百万円などがあったためです。

財務活動によるキャッシュ・フロー

2010年度において財務活動の結果減少した資金は5,197百万円(前期は5,749百万円の減少)となりました。これは、配当金の支払額5,544百万円(少数株主への配当金の支払額を含む)、自己株式の取得による支出2,171百万円、有利子負債の純増2,489百万円等があったためです。

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