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2015年度(2016年3月期)連結業績のレビューと分析

経営環境


世界経済は、世界金融危機後の先進国経済が伸び悩む中で、中国やアジアの新興国、ブラジルやロシアなどの資源国の経済回復にけん引されてきました。しかしながら2015年に入り、アメリカの景気が回復を見せる一方で、中国経済が減速し、それにつられるようにアジアの新興国の景気も下押し気味になり、世界経済全体としては緩やかな回復のレベルにとどまりました。その後については、中国の経済減速と資源国の経済不振が続いていることがリスク要因となり、世界経済の先行きは不透明感が漂う状況となっています。

国内経済については、2013年の秋以降、消費増税に伴う駆け込み需要とその反動の影響から脱するには至らず個人消費は弱いままでした。一方、2014年度に比べ、一段と円安に振れた為替相場の恩恵を受けて、自動車、電機などの製造業の輸出が好調であったため、企業部門の好調さは継続しました。

市場環境を、当社の事業分野別に見てみますと国内の住宅分野では、新設住宅着工戸数が消費増税に伴う駆け込み需要の反動減の影響から徐々に脱した結果、2015年度の着工戸数は前期比4.6%増の92万537戸となり、2期ぶりにプラスに転じました。

塩ビ管などの水インフラ関連分野でも、マンション着工が3期ぶりに増加に転じたことなどから比較的堅調に推移しました。一方、官需では、建設労務費の高騰は続いており、公共事業は低調なレベルで推移しました。

海外では、業種ごとにまだら模様の事業環境となりました。エレクトロニクス分野では、近年需要をけん引してきたスマートフォンの成長スピードが減速し、需要が伸び悩みました。一方、車輌・輸送分野は、主力の自動車向けが一部新興国で停滞が見られたものの、米国を中心に堅調に推移しました。このほか、比較的景気に左右されないライフサイエンス分野では、新興国の生活水準向上の影響を受け、新興国の検査薬需要が拡大する一方、先進国の需要は安定的に推移しました。

また為替については、2015年内は1ドル120円前後で推移したものの、2016年に入ると急速に円高が進み、2016年3月末時点では1ドル=112円台にまで円高が進みました。なお、当社における2015年度の年平均為替レートは1ドル=120円、1ユーロ=133円で前年に比べ、対ドルでは10円の円安となりました。




新設住宅着工戸数 為替レート

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経営成績および財政状態の分析

1. 2015年度経営成績の分析

(1)売上高


2015年度の売上高は1,096,317百万円(前期比1.5%、16,430百万円減)となりました。

売上高

このうち、住宅カンパニーの2015年度売上高は前期比4.2%減の473,441百万円となりました。2015年度は、前期の住宅市場の落ち込みによる期初受注残の減少などにより、減収減益となりましたが、下半期は前年同期並みの収益を回復しました。中でも、新築住宅事業は、分譲住宅が順調に推移したものの、上半期の戸建て住宅の受注の落ち込みが大きく、受注棟数は前期並みとなりました。このような中、「スマートパワーステーション」シリーズを中心に太陽光発電システムと蓄電池との一体での訴求を推進し、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)基準をクリアする高い省エネ性を低価格で実現した木質系住宅「グランツーユー(f エフ)」を発売したほか、分譲住宅への取り組みを強化しました。住環境事業は、定期診断を通じてお客様への接点強化を図るとともに、住まいの温熱環境を改善するオリジナルリフォームメニューを展開しました。

環境・ライフラインカンパニーの2015年度売上高は前期比0.6%減の226,279百万円となりました。国内事業は、管路更生事業の出荷抑制による流通在庫の適正化や汎用品の出荷平準化を推進したことにより、売上はほぼ前期並みとなりました。分野別から製品別へ組織体制を再編し、製品別の利益管理強化と汎用品の収益性向上を推進しました。海外事業は、米国の管路更生事業の構造改革に伴う費用発生や中国の水インフラ事業の市況悪化により苦戦しましたが、欧州の管路更生事業を譲渡するなど抜本的な構造改革を推進しました。

高機能プラスチックスカンパニーの2015年度売上高は前期比1.7%増の378,552百万円となりました。戦略分野のエレクトロニクス分野が苦戦したものの、車輌・輸送、住インフラ材、ライフサイエンスの3分野が収益を伸ばし、4期連続で増収増益を達成しました。このうち、エレクトロニクス分野は、中国景気の減速などによるスマートフォンやタブレットなどモバイル端末の生産調整の影響により、微粒子群・シール剤などの液晶ケミカル製品、両面テープなどの売上が減少しました。車輌・輸送分野は、欧米を中心に海外の需要が安定的に推移したことなどにより、高機能品を中心に売上が増加しました。住インフラ材分野は、タイで建設を進めていた塩素化塩化ビニル(CPVC)樹脂工場ならびにコンパウンド工場の本格稼働を開始しました。ライフサイエンス分野は、検査薬、検査機器を中心に国内外の売上が大幅に増加しました。

その他事業の2015年度売上高は前期比1.6%減の38,300百万円となりました。


(2)営業利益


2015年度の営業利益は89,823百万円(前期比4.7%、4,058百万円増)となりました。


(3)営業外損益


営業外収益については、為替差益の計上がなくなったことに加え、受取配当金の計上が309百万円減少したことにより、前期と比較して8,763百万円減少しました。営業外費用については、為替差損を3,155百万円計上したことにより、前期と比較して2,059百万円増加しました。


(4)特別損益


特別利益については、投資有価証券売却益10,769百万円を計上しました。特別損失については、事業譲渡損6,638百万円、事業譲渡損失引当金繰入額3,241百万円、減損損失2,313百万円、固定資産除売却損1,838百万円の合計14,032百万円(前期比58.9%、5,201百万円増)を計上しました。


(5)親会社株主に帰属する当期純利益


以上の結果、2015年度の税金等調整前当期純利益は前期に比べて6,281百万円減少し、77,950百万円となりました。税金費用と非支配株主に帰属する当期純利益を控除した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は56,653百万円(前期比6.9%、3,658百万円増)となりました。なお、2015年度より、「企業結合に関する会計基準」(企業結合基準第21号 2013年9月13日)等を適用し、「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」としています。



営業利益および営業利益率 親会社株主に帰属する当期純利益

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2. 財政状態

(1)資産、負債及び純資産の状況


2015年度末の総資産は前期末から31,967百万円減少し936,043百万円となりました。


総資産および総資産計上利益率
資産

流動資産については、前期末より31,651百万円減少し、434,513百万円となりました。主な要因は、現金及び預金が19,162百万円減少したことです。また、固定資産については、316百万円減少し、501,530百万円となりました。


負債

支払手形、電子記録債務、買掛金、未払費用等の仕入債務が合計で8,939百万円、未払法人税等が7,498百万円及び前受金が2,669百万円減少し、また有利子負債が合計で10,782百万円減少したこと等により負債合計では40,831百万円減少し、391,887百万円となりました。


純資産

2015年度末の純資産は8,863百万円増加し、544,156百万円となりました。主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益56,653百万円、配当金の支払13,836百万円等の増減による利益剰余金30,413百万円の増加と、円高影響による為替換算調整勘定の10,600百万円の減少です。




有利子負債および有利子負債自己資本比率 自己資本および自己資本当期純利益率



(2)キャッシュ・フロー


2015年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前期末より4,323百万円増加し、当期末には67,104百万円となりました。2015年度における各キャッシュ・フローの状況と要因は次のとおりです。


営業活動によるキャッシュ・フロー

2015年度において営業活動の結果増加した資金は71,389百万円(前期は67,760百万円の増加)となりました。これは、税金等調整前当期純利益77,950百万円、減価償却費34,735百万円に加えて、事業譲渡損6,638百万円等の増加要因が、法人税等の支払額30,707百万円、預り金の減少10,801百万円等の減少要因を上回ったためです。


投資活動によるキャッシュ・フロー

2015年度において投資活動の結果減少した資金は23,715百万円(前期は4,127百万円の増加)となりました。これは、保有する積水ハウス株式会社の株式の一部等の投資有価証券の売却および償還による収入21,408百万円、定期預金の純減23,412百万円等の増加要因があった一方で、主に重点および成長分野を中心とした有形固定資産の取得39,444百万円や臨床検査薬の製造・販売会社であるエーディア株式会社の株式を取得し子会社化したことに伴う支出12,232百万円や、投資有価証券の取得による支出8,314百万円等があったためです。


財務活動によるキャッシュ・フロー

2015年度において財務活動の結果減少した資金は41,726百万円(前期は63,856百万円の減少)となりました。これは、自己株式の取得16,783百万円、配当金の支払額14,299百万円(非支配株主への配当金の支払額を含む)に加えて、有利子負債の純減11,360百万円等があったためです。



キャッシュ・フロー フリーキャシュ・フロー

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