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事業基盤 / Foundation更新日:2017年10月4日

foundation 事業基盤の強化に向けたCSR

人的資本

積水化学グループは、従業員の権利を守りつつ、働きやすい職場に配慮すると同時に、人材の育成に努め、その人材を有効に活用することによって企業価値向上につなげていくことを目指しています。

人材に関する考え方

当社グループは「人を活かし、人を伸ばす」という考えのもと、「際立つ人材」になるためのさまざまな機会を提供し、従業員の自立的なキャリア開発を応援しています。
また、「100年経っても存在感のある企業グループ」の実現のためには多様性が不可欠である、との認識に立ち、従業員一人ひとりの「仕事・生活両面における志向」や「持ち味」が異なることを理解し、認め、積極的に活かし、その組織風土創りに向け、雇用や活躍機会の提供、成長を支援するさまざまな環境整備を、従業員との対話を通じて図り続けることを定めています。

人権の尊重と配慮

積水化学グループは、個々人の人権を尊重することは社会的な責務であると認識し、一人ひとりの多様性、人格、個性を尊重するとともに、各国・地域に対応した多様な働き方・安心して働ける職場づくりを推進します。このために、「人権に関する基本方針」で人権の尊重と差別の禁止、ハラスメントの禁止、強制労働および児童労働の禁止、労働基本権の尊重を定めています。

人権に関連する研修・教育の実施

積水化学グループは、人権配慮の経営を行うため、従業員に対して入社や昇進などの節目に研修を実施しています。強制労働、児童労働、ハラスメントなど人権に関わる問題について意識を高める内容を取り入れています。

人権に配慮した調達活動

積水化学グループは、サプライチェーン全体で人権に配慮した事業活動を行うこととしており、お取引先に対してはCSR調達を通じて人権への配慮状況を確認しています。調達基準に満たない場合は、改善の申し入れを行うとともに、その実施をお取引先と協働で進めています。

労使関係

当社グループでは、会社と労働組合をはじめとした従業員が、相互の立場や考え方を尊重しながら協調し、密なコミュニケーションを通じて会社の発展という共通目的のために、良好な労使関係を維持・発展させていくこととしています。国内グループにおいては、「全積水労働組合連合会」に、2017年7月1日時点で5,012人が加入しています。

安全な職場

安全の基本は、「自分の安全は自分で守る」ことであり、従業員一人ひとりが危険を危険と判断できる感受性を持つことが大切です。同時に、従業員が安全に、安心して働くことができる職場づくりは企業としての責任であり、経営における最重要課題の一つとなっています。そこで、当社グループでは、5つのテーマ※を柱とするトータルセーフティー活動(労働災害ゼロ、設備災害ゼロ、通勤災害ゼロ、疾病長欠ゼロ)に取り組んでいます。

※ 5つのテーマ:「設備」の本質安全化、OHSMSによる「安全管理」、従業員の「安全教育」、危険予知活動などの「リスク予防」、安全衛生・防災に関する「安全監査」。

「健康経営優良法人2017」に認定

当社は、従業員の健康に関する課題解決に取り組んでいることが認められ、経済産業省および日本健康会議により、「健康経営優良法人2017※」の大規模法人部門(ホワイト500)に認定されました。
※ 日本健康会議が進める健康増進の取り組みをもとに、特に優良な健康経営を実践している法人を顕彰する制度

健康経営有料法人

ストレスチェック

2016年より毎年6月に「ストレスチェック」を実施しています。これは、従業員一人ひとりのストレスへの気付きを促し、メンタル不調者の発生を未然に防ぐことと、各自のストレス値を部署ごとに集計・分析し、職場環境改善につなげ、働きやすい職場づくりを目指すことを目的とした取り組みです。初年度は、集団分析の正しい「読み方」を習得するために読み方ワークショップを開催し、グループ会社を含む60事業所が参加しました。

ストレスチェック実施率

「設備安全基準」の見直し

重篤な労働災害の発生を防止するために、事故が起きにくい安全な設備の導入が重要と捉えて、設備安全に関わる設計基準の見直しを行いました。あわせて、設備の導入や保全を担う従業員を対象に法令要求事項や新基準を詳しく解説する研修を実施しています。

設備安全研修受講者数

ダイバーシティマネジメント

積水化学グループは、「多様性」を性別、年齢、国籍、経歴等の属性のちがいで捉えるだけでなく、価値観、性格なども含めたちがいにも着目し、従業員一人ひとりのちがいを理解し、認め、強みとして活かしていきます。

ダイバーシティマネジメント方針

「100年経っても存在感のある企業グループ」の実現のためには多様性が不可欠である、との認識に立ち、従業員一人ひとりの「仕事・生活両面における志向」や「持ち味」が異なることを理解し、認め、積極的に活かす。その組織風土創りに向け、雇用や活躍機会の提供、成長を支援するさまざまな環境整備を、従業員との対話を通じて図り続ける。

組織単位のダイバーシティ実践活動

ダイバーシティ経営を実現する組織風土づくりとして、国内140組織によるボトムアップ型活動を開始しました。この取り組みは、事業部やグループ会社の組織ごとにダイバーシティマネジメント推進責任者・担当者を選任し、各組織それぞれにあった独自の活動を通して、より良い組織風土づくりを目指していきます。

活動組織数

ダイバーシティマネジメント実践研修

ダイバーシティ経営の実現に向けては、キーパーソンである上司層が、メンバー一人ひとりの「仕事・生活両面における志向」や「持ち味」が異なることを理解し、認め、積極的に活かすことが重要であるため、国内グループ会社のライン部課長を対象にした「ダイバーシティマネジメント実践研修」を実施しています。この研修では、リーダーのあり方やコミュニケーション、新たな可能性を見出すマネジメントスタイルなどを学び、実際の職場で実践しています。

ダイバーシティマネジメント実践研修受講者数

女性活躍推進

ダイバーシティマネジメントのファーストステップとして、「女性が活躍できる組織」を目指し、2016年度より全グループに規模を拡大してさまざまな施策を実施しています。
また新卒採用に占める女性の比率と女性管理職者数について、具体的な目標値を設定しています。

新卒女性採用比率

女性管理職候補者育成

5年以内に管理職に登用される可能性が高い女性社員と直属上司を対象に、管理職に相応しい意識の醸成と実績の獲得を目指す実践型の研修「女性キャリアディベロップメントプログラム」を実施しています。2016年度からグループ全体に必須研修として展開しています。

女性管理職者数

なでしこ銘柄に選定

当社では、2007年度から女性活躍推進、2015年度からはダイバーシティマネジメントの取り組みをグループ全体で行ってきました。これらの取り組みが評価され、経済産業省および東京証券取引所の「平成28年度 なでしこ銘柄」に選定されました。今後も100年経っても存在感のある企業グループであり続けることを目指し、さらなるダイバーシティ推進に取り組んでいきます。

自律的なキャリア形成支援

ダイバーシティマネジメントを実現していくためには、従業員一人ひとりの側にも、自分自身の持ち味を積極的に発揮し、学び自ら成長していくことが求められます。その支援施策として「自分自身の志向や持ち味と向き合い、今後のキャリアを自分で考える機会」である年代別キャリアプラン研修(若手、30、40、50歳)を実施しています。2016年度からは国内グループ全体に対象を拡大し、一層の浸透を図っています。

年代別キャリアプラン研修受講者数

障がい者雇用推進

ダイバーシティ経営として真に一人ひとりが持ち味を発揮して活躍できるために、障がい者雇用についてもグループ全体で取り組んでいます。
2016年度は新たな取り組みとして、グループ合同で障がい者雇用研鑽会を実施しました。ケーススタディなどを通して障がい者雇用に関する知識の理解、雇用計画立案などを行いました。

積水化学単体の障がい者雇用率

甲府積水産業が「新・ダイバーシティ経営企業100選」を受賞

グループ会社の甲府積水産業(株)では、重度障がい者8名を含む16名の障がい者を雇用しています。各自の特性を活かした部門配置や作業マニュアルに写真を多く取り入れ、表示を見やすくし、誰もが間違いなく仕事ができる仕組みを構築しています。この取り組みの効果は障がい者に限らず一般従業員にも波及し、生産性向上やクレーム削減などの業務改善を達成しました。これらの取り組みが評価され、「新・ダイバーシティ経営企業100選」の経済産業大臣表彰を受けました。

グループ人材力の向上

当社グループをけん引するビジネスリーダーを計画的に育成するために、入社から管理職に至る一貫した育成体系を整備しています。成長のベースは、日常の業務を通した「経験」とそこからの「学び」にあるという考え方に基づき、それらが連動するように育成体系を整備。「経験によって成長を促進するサイクル」により、ビジネスリーダーに必要な能力を一人ひとりが高めていきます。
ビジネスリーダーの育成と同時に、現場力の向上に現場を支える人材の育成も進めています。現場で実務面から経営基盤を支える人材は、長期間経験を積み、専門性の高い知識やスキルを獲得して自己を成長させていくことが大切です。この考えのもと、現場を支える人材を正社員として採用し、長期にわたり安心して力を発揮できる環境づくりや現場力向上を目的としたマイスター制度などを展開しています。

モノづくり教育体系の再構築

すべての職場にモノづくり教育の浸透を促し、ベテラン技術者のノウハウを若い世代に伝えるため、2013年度より製造部門管理者を対象とした階層別研修を再構築し、テクニカルスキル、ヒューマンスキル、コンセプチュアルスキルの3分野など16講座を開設しています。2016年度は、累計で受講者数が2,252人となりました。

製造部門管理者階層別研修参加者数(累計)

グローバルで活躍する人材

当社グループでは、連結売上高に占める海外売上高の比率が年々高まっており、2016年度には23.6%となっています。生産拠点・販売拠点は合計で90を超え、約27ヶ国に広がっています。世界各地で働く従業員一人ひとりが、仕事を通じて成長し、各地のニーズに合った良い製品やサービスを提供することが、グループ全体の事業の発展につながると考えています。

グローバルトレーニー制度

海外で業務経験を積むことができる「グローバルトレーニー制度」を設けています。これは営業、経理、開発などの職種で一定の業務実績を挙げている希望者が、実際に海外関係会社に赴任する制度です。2016年度は、この制度を利用し、7人が新たに海外赴任しました。今後も、世界各国のより多くの従業員が海外業務経験を積めるよう、制度の拡充に努めていきます。

グローバルトレーニー制度利用者数

グローバル人材の育成

グローバル人材を育成する「グローバル社員制度」を設けており、国内グループ従業員約1,700人が登録しています。登録した従業員は、海外赴任に必要な異文化研修や専門教育を受講しています。2020年度までにグローバル人材数を400人まで増やす目標に向け、実際に海外で業務経験を積むことのできる施策を推進しています。

グローバル人材数

グローバル経営人材育成

事業のグローバル化が急速に展開する中で、海外現地人材の育成も急務となっていることから、グローバルな市場で活躍する次期経営人材を育成するために「グローバル際塾」を実施しました。北米、欧州、オセアニア、日本の各エリアのグループ各社の幹部社員9人が、「積水の価値観の発現力」「マネジメント力」「事業創造力」など、グローバルな舞台で活躍する人材に求められる経営能力を高めるプログラムに参加しました。

知的資本(研究開発・モノづくり・知的財産)

積水化学グループにとって、価値創造の根幹は、際立つ技術にあると考えています。中でも、住インフラ分野とケミカルソリューション分野に強みを持つ技術プラットフォームがその土台となっています。我々はこの技術的な際立ちを持続させるために、研究開発やモノづくり、さらには知的財産の分野において人員、組織の両面で継続した強化を進めています。

研究開発・モノづくり

研究開発に対する考え方と研究開発体制

当社グループは、グループビジョンの実践が中期的な経営戦略の骨格であり、100年経っても存在感のある企業グループであり続けることを目指しています。2017年度からスタートした中期経営計画「SHIFT 2019 -Fusion-」は、その実現に向けた「新次元の成長」への第一歩と位置づけ、「技術の融合」による新事業創造の加速を重点課題の一つに設定しています。社内および社外との技術の融合を積極的に推進し、当社グループの未来を担う新市場・新分野での事業化の加速と、その次を見据えた魅力あるテーマの創出に取り組んでいます。

このベースとなるのが、我々の2つの事業領域である「住・社会のインフラ創造」「ケミカルソリューション」に関連する25の技術プラットフォームです。これは当社グループの製品群を支える基盤技術であり、長年にわたって培ってきた競争力の源泉ともいうべきものです。近年の外部環境および当社グループの事業領域の変化に適合するとともに、より実践的なものとすべく、今中期経営計画の開始に合わせて再設定いたしました。これらの技術プラットフォーム一つ一つを磨き上げると同時に、複数のプラットフォームを効果的に融合することで、厳しい競争環境の中でも圧倒的に勝ち切れる新たな製品やサービスの開発をしていきます。

これらを担う当社グループにおける研究開発体制としては、住宅カンパニー、環境・ライフラインカンパニー、高機能プラスチックスカンパニーの3カンパニーおよびコーポレートに4つの主要研究開発拠点を、また積水メディカル株式会社など主要関係会社にも独自の研究所または研究開発部門を設けています。

カンパニーの研究開発では既存事業の強化およびフロンティアの開拓に直結し、近未来の収益につながる製品開発、生産技術テーマを手掛けています。2016年度はセキスイハイム45周年記念商品「Gシリーズ」、モバイル端末用機能フォームテープなどを市場に投入しました。また2017年度もインフラガード(インフラ老朽化対策製品)や、半導体製造プロセスを革新するインクジェット塗布材料などの大型製品の上市を予定しています。

一方、コーポレートでは独立した研究組織として、技術的なハードルが極めて高く中長期的な時間軸で取り組むべきテーマ、カンパニーをまたぐ業際の橋渡しとなるような大型テーマ、これまで取り組んだことのない新しい事業領域のテーマなどの研究を行っています。その研究開発の一つの成果である大容量フィルム型リチウムイオン電池は、2016年度に住宅用蓄電システムに採用されました。さらに2017年度は、熱可塑CFRP(炭素繊維強化プラスチック)、フィルム型色素増感太陽電池などを事業化すべく精力的に準備を進めています。

25の技術プラットフォーム

モノづくり力の強化

当社グループでは、新製品開発につながる研究開発だけでなく、既存製品の競争力強化にもつながるモノづくり力の強化にも取り組んでいます。

中期経営計画「SHIFT 2019 -Fusion-」では、モノづくり力に関連する方針として「モノづくりリスクの極小化とモノづくり新時代※への対応力強化」を掲げました。その重点施策の一つであるモノづくりリスク低減文化の構築として、設備の本質安全化、安全人材育成の徹底推進、CS品質情報ナレッジシステム構築などによるCS品質基盤の強化を推進していきます。さらにモノづくり力の継続強化として、生産技術力の定量化による技術力強化とともに新技術導入(ICT化、自働化)を行っていきます。同時に、これまで取り組んできたモノづくり人材育成を通じ、モノづくり基盤力をさらに強化してまいります。

このような活動を通して、当社グループは際立つ技術と品質により「住・社会のインフラ創造」と「ケミカルソリューション」のフロンティアを開拓し続け、世界のひとびとのくらしと地球環境の向上に貢献します。

※第3次産業革命:IT・情報化社会、第4次産業革命:AI

研究開発・モノづくりに関する人事・処遇

当社グループでは、優れた研究者・技術者への高い評価・処遇の一環として「発明大賞」を定めています。発明大賞は、特に独占性が高く、事業貢献の大きい発明を評価・認定した上で、その発明者の功績に報いる対価を定めています。2016年度は「薄物延伸フォーム」などを認定して発明者を処遇しています。

また、専門性の高い研究者・技術者を対象に「スペシャリティ職」制度も設けています。高度な専門性を有する際立つ人材をスペシャリティ職に任命し、社外においても通用する際立つ技術者の育成を図っています。2017年4月現在では19名がスペシャリティ職に任命されています。

さらに、2009年度に新設した「マイスター職」は、当社グループの持つ技能領域と目指すべき方向性を示し、技能者一人ひとりのモチベーションの向上と優れた技能の伝承を図ることを目的としています。2017年4月現在では7名がマイスター職に任命されています。今後もモノづくり技能者の育成・活性化の一環として高度なモノづくり技能者を高く処遇するとともに、当社グループのモノづくり力をさらに高めていきます。

知的財産

知的財産戦略の目的と基本方針

研究開発活動の成果としての「知的財産」は、企業価値の最大化に向けて、当社グループの成長・収益を支える重要な経営資源となります。そこで当社グループでは、技術の「際立ち」を最大限に活かすため、知的財産戦略を重視しています。

当社グループの「知的財産規則」では、知的財産管理の目的を「自他の知的財産を尊重し、知的財産に対する取り組み、その取り扱いおよび手続きなどを明確にすることにより、知的財産の創造、保護、活用を奨励し、事業の成長と企業価値の向上に寄与すること」と定め、「強い特許の獲得による事業競争力の確保」を基本方針としています。

全社の知的財産中期計画は2017年3月に策定され、戦略性の高い特許群を継続的に創出させるとともに、戦える強い知的財産人材を育成することで、経営に貢献することを目指しています。具体的には以下の2点に注力します。

1.戦略知的財産活動の推進

ビッグデータ解析技術の進化によりますます高度化する知的財産情報分析ツールを活用して、競争環境を詳細に分析します。その結果に基づいて、開発着手前に勝ち切る知的財産戦略を立案し、効率的な研究開発の実行と新規事業の成功確率の向上に貢献します。

2.知的財産部員の育成加速

開発や企画部門とのローテーションや海外特許事務所への駐在を経験させることで、知的財産部員の技術力・企画提案力やグローバル対応力の向上を目指します。

知的財産戦略の推進体制と主な取り組み

当社グループでは、判断、意思決定のスピードアップのため、コーポレートと各カンパニーに知的財産部門を設けています。

コーポレートの知的財産部門の役割は、全社共通の基本的知的財産戦略の企画・立案から知的財産教育、そして特許管理システムの運用・管理です。知的財産の意識向上のため、コーポレートが主体となって、研究開発・営業に対して知的財産に関する教育を計画的に行っています。また2017年度更新の特許管理システムでは群管理を可能とし、戦略的な特許群構築のプラットフォームを導入します。

一方、各カンパニーの知的財産部門の役割は、各カンパニーの事業環境に即した独自の知的財産戦略を構築し展開することで、知的財産部門と事業部門、研究開発部門が定期的に「開発知財戦略会議」を開催し、戦略的な特許群構築を目指して活動しています。
このように、コーポレートと各カンパニーの知的財産部門が有機的に連携することで、当社グループの知的財産レベルの向上に努めています。

研究開発・モノづくり・知的財産推進体制

社会・関係資本

積水化学グループは、お客様が満足し、継続的に選択いただける製品・サービスの提供こそが、社会やステークホルダーとの関係強化に重要と考えています。このため、人、モノ、仕組みの品質を高めて、「指名され続ける品質」実現を目指しています。同時に、原材料調達時における「CSR調達」の徹底や「グリーン調達」の推進、非人道的行為に関わる紛争鉱物を使用しないなどの対応も推進しています。さらに、企業は社会の一員であるという視点にたち、「環境」「次世代」「地域コミュニティ」の3つの分野で従業員の環境・社会貢献活動を支援しています。

CS品質経営―
「指名され続ける品質」の実現を目指して

積水化学グループは、1999年から「お客様満足(CS)」に重点を置くCS経営に取り組んできました。2004年からは、全事業でモノの品質革新に徹底的にこだわり、お客様から継続的に選択していただける価値を常にお届けする「CS品質経営」に取り組んでいます。「モノづくりのはじまりはお客様の声から」をモットーに「人の品質」「モノの品質」「仕組みの品質」を向上させ、お客様に提供する「魅力品質」と「基盤品質」を磨き上げます。そして、「指名され続ける品質」の実現のためにグループ一丸となって取り組んでいます。

このCS品質をテーマとした取り組みにあたっては、「外部損失費※1」と「重要品質問題※2の発生件数」の2つを重点指標として設けています。中期計画(2014~2016年度)では、「2016年度に重要品質問題ゼロ、外部損失費50%削減(2013年度比)」という目標を掲げ、さまざまな取り組みを進めてきました。

※1 外部損失費:製品に関するクレーム対応の費用。
※2 重要品質問題:「製品・技術・サービスの品質」に関し、緊急に根本解決を図らなければ、お客様・社会・積水化学グループに対し重大な損害を与える問題。

3つのゼロへの取り組み(外部損失費などの削減)

品質の不備は、クレームへの対応や廃棄物の増加といったロス・ムダ…つまりコストにつながるという考えのもと、「事故・不良ゼロ、廃棄物ゼロ、クレームゼロ」という「3つのゼロ」に取り組んでいます。

事故・不良、廃棄物、クレームの発生状況(2013年度比)

重要品質問題への取り組み

当社は、「製品・技術・サービスの品質」に関し、緊急に根本解決を図らなければ、お客様・社会・積水化学グループに対し重大な損害を与える問題を「重要品質問題」と定義して問題発生の防止に努めており、2014年度以降3年連続でゼロを達成しています。

重要品質問題の発生件数

品質問題防止のための教育

品質問題の未然防止をテーマに、効果的な未然防止手法を習得することを目的とした「開発未然防止セミナー」と、デザインレビューを行う者のスキルアップをねらいとした「DRレビューア育成セミナー」を開催しています。

開発未然防止セミナー参加者数

協力会社の品質維持・向上

住宅カンパニーでは、セキスイハイムの材料・部品を供給する協力会社が組織する「セキスイハイム共栄会」会員会社に対して「品質講習会」を実施し、サプライチェーン全体で品質の維持・向上を図っています。

お客様の声をまとめた冊子を発行

積水化学グループのお客様相談室には、1年間で1万件を超えるお問い合わせ・ご意見などが寄せられます。この内容を独自に分析し、お客様の「見えないニーズ」を発掘しています。
さらに、2015年度からは、お客様相談室に寄せられた声をまとめた『VOICE』を発行し、お客様の声の経営への活用、全従業員へのCS品質風土の醸成と定着および担当分野の垣根を越えた全社事業展開の理解の促進などを狙っています。

お客様の声をまとめた冊子を発行

資材調達

積水化学グループは、資材調達にあたり、「オープン」、「公平・公正」、「法令遵守」、「相互信頼」、「環境配慮」という5つの基本的な考え方をもとに推進しています。お取引先とのパートナーシップを深め、公正な取引により共存共栄を図ります。また、調達活動において、お取引先のご協力のもとで、CSR活動の推進に取り組んでおり、いわゆる「CSR調達」を推進しています。
そのために、すべてのお取引先の皆様に対して、優良な品質の確保、環境への配慮、法令・社会規範の遵守、安全衛生の活動を積極的に行うことを求めています。中でも、法令・社会規範の遵守に関連して、グループだけでなく、お取引先に対しても、事業活動を行っている各国・地域の関連する法令・社会規範の遵守を依頼するとともに、強制労働、児童労働の撤廃や従業員に対する差別待遇の禁止を求めています。

グリーン調達

積水化学グループでは、2001年10月より、原材料などの調達の際に従来のQCDに加えてE(環境)についても評価し、環境負荷の低い商品を環境負荷の低い取引先から調達する、いわゆる「グリーン調達」を実施することにより、「調達のグリーン化」を推進しています。
2017年4月には、グリーン調達基準書の定期見直しを実施するとともに、「特定化学物質障害予防規則」の法改正に伴い関連書類を改定しています。

紛争鉱物への対応について

積水化学グループでは、調達における法令・社会規範の遵守に向けた取り組みの一環として、アメリカのドッド・フランク法に連動して、コンゴ民主共和国およびその周辺国の現地武装勢力による非人道的行為に関わる紛争鉱物(金(Au)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、錫(Sn))の排除に努めています。商流調査の中で、懸念のある鉱物であることが判明した場合は、責任ある調達を推進するために、お取引先と協働して適切な措置を行っていきます。
この法律は、米国証券取引委員会(SEC)登録企業を対象としており、積水化学工業(株)は、SEC登録企業ではないため、紛争鉱物の使用についての開示義務はありませんが、サプライチェーン全体にわたって紛争鉱物使用の状況の調査を実施していきます。

社会貢献活動
地域社会とともに生きる企業として

積水化学グループでは、「環境」「次世代」「地域コミュニティ」を主な分野とした環境・社会貢献活動を進めています。
こうした活動を、社会とともに生きる企業市民の取り組みとして位置づけ、グループの従業員が積極的に社会と関わりを持てるよう活動を支援しています。
具体的には、「環境」をテーマにした活動では、環境長期ビジョンの実現に向けて、森林保全活動、生物多様性の保全、緑地化活動の3つの活動を進めています。「次世代」では、地域の小・中学校また米国の日本語補習校への「化学教室」の出張授業、研究活動への支援・助成などを行っています。さらに、「地域コミュニティ」に関しては、地域と協力した「安全・安心の街づくり」や発展途上国への支援プログラムを推進しています。

積水メディカル(株)による理科教室

「化学教室」による出張授業の様子

自然資本

地球は、地球を構成する大気、水、土壌などが相互に作用しながら健全な生存基盤をなし、豊かな生物多様性を形成しています。くらしや経済活動は、自然資本※である地球からの恵みを受け、持続可能に発展しています。積水化学グループの企業活動も、土地の上に工場や事務所を建てたり、石油や木材を消費したりするなど、地球の財産(自然資本)を利用しています。このことを認識し、利用した自然資本を還していく取り組みを進めています。
※自然資本: 土地、大気、水、鉱物、動物、植物などの地球上のあらゆる資源であり、自らの手でつくり出せないもの。

環境長期ビジョン
SEKISUI環境サステナブルビジョン2030

当社グループは、事業活動が自然資本に依存していることを認識しています。経営層および社員一人ひとりが“環境活動推進力の高い人材”へと進化を図るとともに、2030年には“地球から授かったもの以上に地球に返していく”ために、「環境貢献製品の市場拡大と創出」「環境負荷の低減」「自然環境の保全」の3つの活動による貢献を軸に環境経営を推進していきます。そして、「自然資本へのリターンに貢献」していくことで、“生物多様性が保全された地球”の実現に向けて際立つ価値を創造し続けます。

環境マネジメントシステム

当社グループは、社長を委員長とするCSR委員会およびその下部委員会の環境分科会を、それぞれ年2回ずつ開催し、グループ全体の環境の方針および主要な取り組みを決めています。これらの委員会の決定事項を受け、カンパニー・コーポレート間の環境責任者会議にて具体的な活動計画を策定しています。生産事業所・研究所ではISO14001にのっとった環境マネジメントシステムを構築し、環境活動を運用しています。
2017年3月末時点で、国内生産事業所・研究所は100%(52事業所)、海外生産事業所は83%相当の35事業所がISO14001などの認証を取得しています(全社比率は93%)

環境中期計画
「SEKISUI環境サステナブルプランAccelerate」

当社グループは、長期ビジョン「SEKISUI環境サステナブルビジョン2030」からバックキャスティングし、環境中期計画「SEKISUI環境サステナブルプランAccelerate」(2017~2019年度)を策定し、具体的な目標を掲げて取り組みを行っています。
当計画では、前環境中期計画「SEKISUI環境サステナブルプランTake-Off」より、企業活動が環境に与える負荷(自然資本の利用)と環境への貢献(自然資本へのリターン)の度合いを一つの指標“SEKISUI環境サステナブルインデックス”として算出しています。当計画でも引き続き、リターン率の向上を加速します。

SEKISUI環境サステナブルインデックスの推移

環境貢献製品

地球上の資源を活用し、製品・事業を生み出す我々にとって、環境貢献は大切な使命です。当社グループは高いレベルの環境貢献効果を有し、かつお客様の使用段階において、その効果を発揮することを認められた製品を「環境貢献製品」と定義し、市場拡大と創出を行うことで地球の自然資本へのリターンに貢献していきます。
前計画では、連結売上高に占める環境貢献製品の売上高比率および新製品の創出拡大に取り組み、環境貢献製品の売上高は4,812億円、売上高比率は45.2%となりました。

環境貢献投資枠の設定

2015年11月~12月にフランス・パリでCOP21が開催され、世界共通の長期目標として、世界の平均気温上昇を産業革命以前と比べて2℃より十分低く保つとともに、1.5℃に抑える努力を追求することなどを含む「パリ協定」が採択されました。このパリ協定では、日本も2030年度に2013年度比で26%削減を約束しています。
当社グループでも、この地球レベルでの課題を最重要と捉え、温室効果ガス削減の実効性向上策として、売上高※の0.3%以上に相当する120億円の環境貢献投資枠を設定しました。
具体的な用途として、設備投資を支援する「環境投資促進策」や、GHG排出量削減に大きく寄与した事業所に対しての社長表彰「温暖化対策優秀賞」新設などの施策を推進中です。環境投資促進策としては、樹脂工場の冷水設備更新やパイプ関連製品の成型機更新などの設備投資がすでに起案され、着工に向けて進んでいます。

※2017~2019年度の売上高目標の概算累計額

環境貢献投資―エコファクトリーへのリニューアル

地球温暖化対策を目的とした環境貢献投資の一環として、住宅のユニット生産工場のリニューアルを行っています。その一つとして、九州セキスイハイム工業(株)では、工場リニューアル第1期工事が2016年6月に完了。ハイム新工場は環境に配慮したエコファクトリーに生まれ変わりました。
当工場は、断熱屋根・遮熱壁面、地中熱を利用した空調設備、雨水利用貯水タンク、蓄電池と太陽光発電システム、全館LED照明の採用などを行い、同じ規模の従来型工場のCO2排出量を100とすると、82まで排出量を削減しています。

九州セキスイハイム工業(株)

温室効果ガスの排出削減目標

当社グループは、原材料の調達から開発・生産・輸送・使用の各段階にわたって温室効果ガス排出量の削減に取り組んでいます。自事業所(Scope1,2)だけでなく、原材料調達先や販売した製品の使用を含めたサプライチェーン全体(Scope3)での排出量の把握を行っています。
前計画では、生産事業所における2016年度の温室効果ガスの総量について2013年度比で総排出量維持を目指しました。実績では、国内で11.3%削減、海外で7.5%増となった結果、総量0.3%削減となり、目標を達成しました。
さらに、新計画では、2019年度のGHG排出量を2013年度比で6%以上削減するとの目標を設定し、初年度の2017年度には3%削減を目指しています。

廃棄物の削減

廃棄物については、ライフサイクル全体で「3R」を徹底し、廃棄物すべてを資源として再利用する「ゼロエミッション活動」の取り組みを継続しています。前中期3年間での目標(国内4事業所、海外8事業所)に対し、国内5事業所、海外7事業所がゼロエミッションを達成しました。

ゼロエミッション達成事業所数

水資源の保全

水資源は持続的な事業活動に欠かせない重要な自然資本であるため、取水量の削減はもちろん排水が生物多様性に与える影響や、事業継続に影響する水リスクの把握にも取り組んでいます。前計画では、2015年度までに調査を完了し、水リスクへの対応の緊急性はないことを確認しました。新計画では、取水量の削減だけでなく、排水の質を向上させることも目標設定しています。

自然環境の保全

当社グループでは、従業員による自然環境保全のための活動を世界各地の事業所で展開しています。事業所ごとに宣言する連続1週間において、環境に貢献する活動を推進する「SEKISUI環境ウィーク」は、全事業所全従業員参加を目標としています。第4回を迎えた2016年度は、20,449人の従業員が参加。総人員数に対する参加者数の割合は、70%に達しました。

「環境貢献製品」の新たな挑戦

当社は2006年度に、当社製品・サービスをご利用いただくお客様の使用段階において高い環境貢献効果を発揮する製品を「環境貢献製品」とする社内制度を設け、一定の基準に基づいて認定を行い、社外有識者からなるアドバイザリーボードでその妥当性などに関して評価、判断をいただいてきました。
ただし、当社の事業領域であれば、地球の持続可能性を向上させるための課題に対し、自然環境の領域だけでなく、社会環境の領域でも貢献を拡大していくことが可能であり、また貢献をけん引していくことが使命であると考えました。
そこで当社は、環境貢献製品の定義を進化させ、自然環境に加えて、人的資本や社会資本なども含んだ社会環境を包含して環境と捉え、配慮範囲を拡大して貢献を高めていきたいと考えています。
このような環境貢献に対する視点の多様化により、具体的には、当社グループで展開する検査薬などメディカル事業や介護関連の住生活サービス事業(SDGs課題のno.3「健康と福祉の促進」に該当)、また、上下水道や輸送・交通インフラ向けの各種プラスチック製品や老朽化対応技術(SDGs課題のno.9「強靭なインフラ構築」に該当)などが、新たな課題を解決可能な環境貢献製品となります。当社は、これら環境貢献製品の創出を図り、新たに30件以上の登録を目指します。

環境貢献製品の概念図 定義、範囲の見直し

2016年度に登録された環境貢献製品(一例)

2016年度に登録された環境貢献製品(一例) 2016年度に登録された環境貢献製品(一例)
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