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高機能プラスチックスカンパニー

高機能プラスチックスカンパニ- プレジデント 松永 隆善

松永 隆善
高機能プラスチックスカンパニープレジデント

At A Glance

2009年度 売上高2,477億円、営業利益192億円
 
高機能プラスチックスカンパニーは、独自技術である微粒子技術、粘接着技術、精密成型技術などを強みとして、先端分野の材料を中心に幅広く事業を展開しています。近年ではAT(車輌材料)、IT(電子情報材料)、MD(メディカル)の3分野を戦略事業と位置づけ、事業拡大に注力してきました。AT分野の高機能中間膜、自動車内装用架橋発泡ポリオレフィン、IT分野の液晶用スペーサー、導電性微粒子などは世界シェアNo.1であり、高付加価値品を中心とした事業展開で全社営業利益の半分を稼ぎ出す主力カンパニーです。この実績をもとに、ますます高度化するAT、IT、MDの分野を中心に、既存コア商品の強化と新製品の開発による事業拡大を進めています。

AT(車輌材料分野)

合わせガラス用中間膜、発泡ポリオレフィン、
車輌用樹脂成型品・両面テープ

 

エスレック®(中間膜)
ソフトロン®(発泡材料)

IT(電子情報材料分野)

液晶用微粒子、感光性材料、半導体材料、
光学用テープ・フィルム

 

ミクロパール®(スペーサー、導電性微粒子)

MD(メディカル分野)

検査薬、真空採血管、テープ医薬、薬物動態事業

 

コレステスト®(コレステロール検査薬)
インセパック®(真空採血管)

機能材料ほか

接着剤、耐火テープ・シート、包装用テープ、包装用・農業用フィルム、プラスチックコンテナ

 

フィブロック®(熱膨張耐火材)

財務ハイライト
※2011年度計画は4月27日発表の数値です。最新の計画についてはIR説明会の資料をご覧下さい。
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2010年度の業績

売上高2,816億円(前期比+340億円)
営業利益244億円(前期比+52億円)


高機能プラスチックスカンパニーは、“Chemistry for your Win”をスローガンに掲げ、市場の成長性が高く、当社技術の競争優位性を活かした差別化製品を投入できるAT(車輌材料)分野、IT(電子情報材料)分野、MD(メディカル)分野を戦略事業分野と位置付けて、この3分野へ経営資源を集中し拡大伸長していく事業戦略をとっています。

高機能プラスチックスカンパニーの2010年度は、この3分野の回復・成長需要を確実に獲得、また成長の加速と基盤強化のための施策を実行し、着実に増収増益を果たしました。

売上高に関しては、戦略事業、海外事業が拡大した結果、前期比340億円増の2,816億円となりました。それぞれをみると、戦略事業分野の売上高は、AT分野やIT分野の売上の伸びが寄与し、前期比147億円増の1,346億円となりました。海外売上高についても大きく伸長し、前期比354億円増の1,426億円となりました。これは、アジアなど新興市場を中心とした成長需要を取り込むべく、生産能力の強化や市場の開拓を進めたことが奏功したものであり、また、AT分野でのM&Aによる事業補強も寄与しました。

2010年度営業利益要因分析(前期比)

2010年度営業利益要因分析(前期比)

一方、営業利益は244億円となりました。営業利益の増減を要因別にみると、売上高が増加したことによる影響がプラス122億円あり、原料費やコストダウンの効果を合算した影響はマイナス18億円でした。この結果、これらを合わせた限界利益は、実質ベースで103億円改善しました。このほか、固定費で事業拡大にともなう海外での人件費増加によるマイナス影響が28億円、新規連結によるプラス影響が6億円、円高の進行による為替のマイナス影響が29億円などとなり、カンパニーの2010年度の営業利益は前期比で52億円増加しました。

これは、期初の目標であった210億円を上回っており、当カンパニーの過去最高であった2007年度245億円にほぼ匹敵する水準を達成することができました。

戦略分野を個別分野ごとにみると、AT分野の売上高は前期比85億円増の581億円となりました。これは、円高や原材料の高騰などの影響はあったものの、新興国の需要増や欧米の需要回復によって、市場の力強い回復が見られたことなどで、合わせガラス用中間膜や発泡ポリオレフィンなどの売上が大幅に伸びた結果です。

このようにAT分野では、成長需要を着実に捉え売上拡大を図る一方で、将来に向けた施策も実行しました。中でもコア製品である中間膜に関しては、生産能力の増強を実施しました。高機能製品を生産する日本国内の滋賀水口工場で付加価値の高い高機能中間膜の生産増強を行ったほか、中間膜の原料であるPVB樹脂の生産に関しても、滋賀水口工場、オランダ工場でライン増強を行っています。

次に、IT分野では、液晶パネル関連製品など競争力のある製品を中心に大幅に売上を伸ばしました。その結果、2010年度の売上高は、前期比81億円増の380億円となりました。また、この分野では、スマートフォンなどの普及により増加しているタッチパネル向け製品の需要をにらみ、テープ、フィルムの生産能力増強を実施しました。

MD分野では、検査機器ビジネスや海外での検査薬の拡販が順調に進みましたが、インフルエンザの流行が前年ほどではなく、インフルエンザ検査薬の売上が減少したため20億円の減収となりました。しかしながら、季節要因の強いインフルエンザ検査薬の売上を除くと16億円の増収となっています。また、今後のさらなる成長に向け、米国Genzyme Corporation(ジェンザイム社)から生化学・糖尿病・感染症・免疫検査を中心とした検査薬事業を買収しました。

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2011年度の計画(2011年4月末時点)

売上高3,100億円(前期比+284億円)
営業利益260億円(前期比+16億円)



※下記の「東日本大震災の影響」と「市場環境」に関しては、2011年度第1四半期終了時点での明らかになった状況をふまえたご報告をさせていただいています。この二つに関する2010年度決算説明会(2011年4月27日)時点での予測をご確認されたい方は、アニュアルレポート2011(Version1)をご覧ください。また、2011年度上期を総括して、震災が 当社業績にどのような影響を与えたのか (2011年10月末時点)をまとめております。そちらについては、レポート「東日本大震災の上期業績への影響(総括)」をご覧ください。

東日本大震災の影響

2011年度の期初(2011年4月時点)、当カンパニーにおいてはAT、IT関連事業の今期計画の前提として、今期のグローバルでの自動車生産台数を前年比106%、液晶パネルの売上高を105%と見ておりましたが、東日本大震災に伴い、業績に大きな影響を与えうる事項として、主にサプライチェーン上の問題発生による需要の滞りを想定していました。

震災によるサプライチェーン上の問題については、当初は2011年度下期まで影響が残るとみていましたが、第1四半期を終了した時点においては、実際第1四半期には影響を受けたものの、想定以上に早期に回復しており、第2四半期以降の需要は正常化に向かう見通しです。その結果、震災による需要変動の影響はほぼ第1四半期に限定される見通しです。


震災による影響(1Q終了時点)

震災による影響(1Q終了時点)

市場環境

期初、2011年度の市場環境について、国内の事業環境は不透明ながら、新興国、欧米など海外市場を中心に需要は堅調に推移すると見ていました。第1四半期を終了した時点では、海外市場に関して、ほぼ予測通りに推移しており、国内市場に関してもサプライチェーン問題が解消に向かい、不透明感が払しょくされつつあります。

市場分野別にみた場合、戦略事業分野の中のAT分野では、新興国での自動車生産の拡大、IT分野では、タブレット型PCやスマートフォン向けの製品などを中心に概ね期初予測通り需要は拡大しています。

一方で、MD分野は、被災地向けの検査薬需要減等により、第1四半期の国内需要は伸び悩みました。しかしながら、第2四半期には、震災影響も解消に向かうと見ています。それ以外の製品も含め、海外マーケットは、期初の予想通り、新興国の経済成長に支えられ、堅調に推移すると見ています。


売上高、利益計画

  

2011年度(計画)営業利益要因分析(前期比)

2011年度(計画)営業利益要因分析(前期比)

  

売上高に関しては、戦略事業分野、海外事業で引き続き拡大を目指します。2011年度の3戦略事業分野を合わせた売上高は、前期比210億円増の1,556億円を目指します。また、海外売上高もさらに大きく伸ばし、前期比174億円増の1,600億円を計画しています。戦略事業分野、海外事業の拡大によって、当カンパニーは、2011年度売上高3,100億円を目指します。

一方、営業利益も増益を図っていきます。原料費の上昇(コストダウン効果含めマイナス30億円)、新規連結会社の労務費増など固定費の増加(マイナス55億円)、新規連結による影響(マイナス14億円)、為替による影響(マイナス27億円)を、売上増による限界利益の増加(142億円)でカバーし、営業利益は前期比16億円増の260億円を目指します。

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2011年度の事業方針(2011年4月末時点)


戦略事業分野別売上高

戦略事業分野別売上高

海外売上高

海外売上高

まず、サプライチェーン、電力不足への対策を行います。ここでは、東日本大震災の影響により、供給不足が懸念される部品の調達体制や夏場の停電・省エネなどに対して対策を打ち、お客様への納品への影響を抑えます。特に、グローバルで高シェアを持っている液晶関連材料や自動車用中間膜などの安定的な生産、供給を維持します。

その上で、成長の加速と基盤の強化を図るべく、成長戦略、経営基盤強化を重点的に実施します。

成長戦略に関しては、戦略分野や海外事業を引き続き強化するとともに、新製品・新事業の開発を進めます。戦略分野では、AT分野で為替変動リスクに対応すべく、グローバルでの最適な生産アロケーションを追求し、利益の最大化を図ります。IT分野では現在コアとなっている事業・製品の周辺事業・技術を対象に事業強化を推進、MD分野では買収した3社を本格稼働させていきます。

戦略分野を強化するための戦略投資に関しては、AT分野では、新興国の需要増や先進国を中心とした高機能品の需要増に対応した増産投資が完了しました。MD分野では、M&Aにより海外への事業展開基盤ができ上がりました。2011年度からは、これらを実績化しさらなる売上拡大を図っていきます。またIT分野では、タッチパネル向け製品などの旺盛な需要を獲得すべく、機能フィルムメーカー「株式会社鈴寅」を買収し、事業の拡大・強化を図っていきます。

海外事業では、現地でのマネジメントを強化するとともに、為替対策としての海外拠点活用や海外原料の調達も進めます。また、さらなる成長のための新興市場の開拓も行っていきます。

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