事業所敷地の土壌・地下水の調査結果について

2008年04月16日

積水化学グループは、事業活動に伴う環境負荷を減らし、環境保全・快適環境創造の役割を果たすことが企業の社会的責任と考え、事業活動・生産に伴う環境負荷、環境リスクを低減する取り組みを自主的に行っています。その自主活動の一環として、土壌汚染対策法で指定されている化学物質を過去に又は現在取り扱っている事業所を対象として土壌・地下水の状況調査を、計画的に実施しています。このたび、四国積水工業株式会社の調査を行いましたのでお知らせします。

1.四国積水工業株式会社の概要

1)住所 愛媛県西条市氷見乙880番地

2)主な生産品
昭和39年に設立以来、コンテナ、塩化ビニール管等の塩ビ製品、ポリエチレン発泡製品などのプラスチック成形品を生産しています。

3)調査物質及びその使用履歴
調査物質は、土壌汚染対策法で指定されている化学物質の中で使用履歴があるモノを対象としました。調査物質及びその使用履歴を下表に示します。

調査物質 用 途 期 間
ベンゼン ガソリン中の不純物 ガソリン4.6KL/年 昭和39年~現在
(フォークリフト燃料) 軽油22KL/年
塩ビ樹脂用の添加剤(粉状) 14トン/年 昭和39年~現在
カドミウム化合物 コンテナの着色剤(粉状) 500kg/年 昭和39年~昭和56年

2.調査方法と調査結果

1)調査方法:調査は、調査専門業者に依頼して土地汚染対策法に準拠して行いました。

2)調査結果

(1)土壌

①ベンゼン、カドミウム:
全ての調査地点で指定基準値の超過はありませんでした。
②鉛:
敷地内の5エリア(17箇所)で指定基準値の超過が確認されました。また、指定基準値を超過していた深度は、2地点の調査箇所を除き1m以浅でした。(詳細は別表及び別紙)

(2)地下水

①カドミウム及び法定有機溶剤11種類(ベンゼンを含む):
全ての調査地点で指定基準値の超過はありませんでした。
②鉛:
水質を3回測定しました。その結果、地下水位の低下があった平成19年5月時点でのみ、敷地内の2箇所で、地下水の指定基準値を僅かに超過しました。しかし、他の時期に行った2回の測定結果(指定基準値超過箇所は3回)では、全ての箇所で鉛は検出されず(定量下限値未満)、指定基準値を満足していました(下表)。また、平成20年3月に地下水の流れの下流にある近隣の井戸水を分析した結果、鉛は検出されませんでした。


調査位置 サンプリング時期
平成18年12月 平成19年5月 平成19年7月16日 平成19年7月31日
敷地北側 定量下限値未満 0.025 mg/L 定量下限値未満 定量下限値未満
敷地南西側 定量下限値未満 0.012 mg/L 定量下限値未満 定量下限値未満

指定基準値:0.01 mg/L  定量下限値:0.005 mg/L

3.鉛の指定基準値超過の原因について

1)土壌

指定基準値超過の原因は、平成1年に建物の建築に伴って盛土を行った際に混ざった廃棄物による、または塩ビ製品の安定剤として使用している鉛化合物の取扱いの時の飛散・こぼれが徐々に蓄積したことによると考えられます。

2)地下水

以下の理由により、一時的な現象と考えられます。
(1)過去6年間の降水量を見ると例年にない渇水が生じていた。
(平成19年6月まで平成17年に並ぶ少ない降水量)
(2)平成19年5月の地下水量は他の2回の測定時に比べて少なかった。
(地下水位は北側の井戸で、平成18年12月に比べて最大1.2m低下)
(3)地下水位が低かった平成19年5月の結果と、地下水位が高かった他の2回の測定結果は明らかに異なり、後者の測定では、鉛は検出されていない。

4.今後の対応について

調査結果につきましては、関係行政及び近隣に報告しました。今後は、行政のご指導、近隣のご要望等を踏まえて、関係者のご理解・ご協力をいただきながら下記の対策を早急に講じます。

1)土壌について
基準値超過があった場所の未舗装箇所は、応急措置として、防水シートで覆う等を行っています。
今後は、基準値超過箇所の土壌は、建屋の下で掘削除去できない所を除き掘削除去し、清浄な土壌に置き換えます。

2)地下水について
地下水の指定基準値超過の原因は、例年にない地下水の渇水に伴う地下水量の減少による一時的な現象と考えられますが、法の規定に準じ、地下水水質のモニタリングを行います。

3)廃棄物管理について
現在、当事業所は廃棄物のゼロエミッションを達成し、その維持活動の中で、廃棄物の分別・外部業者委託により再資源化等を行っています。今後は、更にこの活動を徹底します。

4)鉛化合物の取り扱いについて
鉛化合物の受入保管・使用等の段階の取り扱いについては、飛散・流出防止のために保管場所の変更・空袋の廃棄方法の変更などの対策を講じることにより、更に飛散・流出管理を徹底します。

以上

(別表) 鉛の調査結果まとめ

敷地内の位置 調査項目 調査結果 指定基準値超過数 最大深度
北西側 溶出量 最大0.28 mg/L 5箇所 4箇所 1m
含有量 最大6,500 mg/kg 5箇所 1m
北側 溶出量 最大0.016 mg/L 8箇所 3箇所 1m
含有量 最大2,100 mg/kg 7箇所 2m
北東側 溶出量 最大0.10 mg/L 2箇所 1箇所 4m
含有量 最大4,600 mg/kg 2箇所 3m
西側 溶出量 最大0.031 mg/L 1箇所 1箇所 0.5m
(再調査結果は未検出) (0箇所)
含有量 最大390 mg/kg 1箇所 0.05m
東側 溶出量 最大0.018 mg/L 1箇所 1箇所 0.5m
(再調査結果は未検出) (0箇所)
含有量 最大340 mg/kg 1箇所 0.05m
総計 17箇所

指定基準値 ①溶出量:0.01 mg/L ②含有量:150 mg/kg

(別紙) 鉛の指定基準値超過箇所

本件に関するお問い合わせ先

<マスコミ関係の方>
積水化学工業(株)
広報部 TEL:03-6748-6467

<マスコミ関係以外の方>
四国積水工業(株)
生産統括部 環境安全課 TEL:0897-57-9111(代表)


修正いたしました。(2019年11月)