下水熱利用技術が国土交通省「下水道革新的技術実証事業」に採択されました

- 大阪市、東亜グラウト工業株式会社と共同で実施 -
2012年4月18日
積水化学工業株式会社

 積水化学工業株式会社(代表取締役社長:根岸修史、以下当社)の環境・ライフラインカンパニー(プレジデント:髙見浩三)は、大阪市(市長:橋下徹)、東亜グラウト工業株式会社(代表取締役会長:大岡伸吉)と共同して、国土交通省が公募した「平成24年度下水道革新的技術実証事業(B-DASHプロジェクト※)」のうち、「下水熱利用技術」について提案し、3月29日付けで採択されました。
 

※下水道革新的技術実証事業(B-DASHプロジェクト)

 

バイオマスである下水汚泥の固形燃料化、下水熱利用、栄養塩除去の高効率化を図り、下水道施設のコストを大幅に低減するとともに、省エネルギー、創エネルギー効果の増大に寄与する革新的技術について、実規模レベルの施設を設置して実証を行い、併せて本邦企業による水ビジネスの海外展開の支援を図るもの。
B-DASHプロジェクト:Breakthrough by Dynamic Approach in Sewage High Technology Project

 

事業の概要

 

実施事業名

: 管路内設置型熱回収技術を用いた下水熱利用に関する実証事業

 

実施者

: 当社・大阪市・東亜グラウト工業株式会社の共同研究体(代表者:当社)

 

実証フィールド

: 大阪市海老江下水処理場

 

 管路内設置型熱回収技術は、老朽化した下水管路の改築更新・耐震化技術である管路更生工法を活用し、管路更生工事と同時に管路内に熱交換器を設置して、管路内を流れる未処理下水から熱を回収・利用するもので、実規模レベルでの実証は国内で初めての事例となります。

 

 今回の実証事業では、その省エネルギー効果やCO2削減効果、コスト削減効果等を検証するものです。実証に際しては当社の下水熱回収技術と大阪市の下水処理施設管理技術・ノウハウ、東亜グラウト工業株式会社の下水熱利用技術を結集し、熱回収・利用システムの設置とデータの収集・分析を行います。具体的には下記の内容について検討・実証を行い、将来の国内外での利用拡大を目指します。

 

実証事業の主な内容

 

①  実証方針・計画の検討

 

②  管路内設置型下水熱回収システム(管路更生、熱回収技術、熱利用技術)の設計

 

③  同システムの設置工事

 

④  同システムの実運転とデータ収集・分析

 

⑤  国内外への拡大へ向けたモデル化検討

 

 当社では、東日本大震災における復興支援スキーム検討の一環として、国土交通省からの委託で「仙台市をモデルとした下水熱利用事業の事業可能性調査」を昨年度実施しました。下水熱回収技術を活用して、震災復興への寄与、持続可能な社会実現へ向けた取り組みに注力して参ります。

 

【ご参考】

下水熱利用 空調システム概念図

 

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