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特集:持続可能な社会の実現に向けた積水化学グループの進化更新日:2018年8月31日

特集:持続可能な社会の実現に向けた積水化学グループの進化

グローバルでの持続可能な社会実現のために、これまで以上に企業が貢献することが求められています。そこで積水化学グループはこれまで実施してきた環境経営と事業活動を統合した新たな経営への取り組みを開始しています。

グローバルでの持続可能な社会実現

進化の軌跡 —環境保全、環境経営そして、CSR経営—

積水化学グループの環境における取り組みも2000年頃までは世の中の大半と同様に、公害防止を中心とするものでした。しかし、1999年に社長就任した大久保が「エコロジーとエコノミーの両立」をスローガンに掲げ、環境とは公害防止であるとする“守り”の施策から、環境に優れた製品などを経営の武器とする“攻め”の施策への転換を図りました。この考えは、その後、「3つの際立ち」と「3つの誠実さ」を軸とする環境中期計画によるCSR経営へと受け継がれました。そして今、社会への責任を伴った持続的な成長を目指すために、事業活動にESG視点を組み込んだ統合思考による経営へと継承されています。

環境経営進化の3つのステージ

社会への責任を伴った成長を目指し統合思考へ進化

当社グループは現在、2019年度までの3か年で「量的成長」と「質的転換」を両立するとともに、社会への責任を伴った持続的な成長を目指す中期経営計画「SHIFT2019 -Fusion-」を推進しています。
この計画は、Sustainable、Human Resources、Innovation、Frontier、Transformationの5つをテーマとしており、中でもSustainableでは、ESG視点で持続可能な経営基盤を構築していくこと、すなわち統合思考の具現化を目指しています。
その核となるのが、「環境貢献製品の市場拡大と創出」「環境負荷の低減」「自然環境の保全」の3つです。これらを推進していくことで積水グループが目指す「生物多様性が保全された地球」が実現され、同時に、「SDGsで提唱されている課題が解決され、持続可能な社会が実現された地球」にもつながると考えています。
当社はこれらの第一歩として2014年には自然資本に対する負荷と貢献量のバランスを見える化し、これを統合指標として2017年度から会社のKPIとして活用しています。さらに、自然環境へのリターンを実現しつつ、企業としての成長を実現していくためのカギとなるのが環境貢献製品の市場拡大と創出であると考えています。

中期経営計画「SHIFT 2019 -Fusion-」

新たなる視点による環境貢献製品での挑戦

当社グループはこれまで、環境保全の見地から環境負荷低減の効果が大きい製品を環境貢献製品と認定し、グループの売上高に占める比率を引き上げていく取り組みを推進してきました。
しかしながら持続可能な社会実現に向けては、自然環境の保全だけでは十分でないため、「世界のひとびとのくらしの向上」という視点でみた社会環境に対する課題解決に資する製品についても、環境貢献製品の対象となるように範囲を拡大しました。
そして、新たな定義における環境貢献製品においては、まずは、「健康寿命の延長」「社会インフラの強靭化と普及促進」「暮らしの安全性と災害耐性強化」というカテゴリでの貢献を拡大していき、「生物多様性が保全された地球」の実現を目指していく方針です。

新たなる視点による環境貢献製品での挑戦
環境貢献製品とは

製品・サービスを通じたSDGsへの取り組み

当社グループでは、創業以来さまざまな製品・事業を通じて、社会課題の解決に貢献してきました。また、2009年に国連グローバル・コンパクトへの支持を表明するなど、国際機関や国際ルールへの積極的な関与を推進してきました。ここでは、国連が主導になってまとめたアジェンダ「持続可能な開発目標(SDGs)」のうち、グループが事業活動を通じて貢献している製品・サービスをご紹介します。

UN GLOBAL COMPACT Network Japan WE SUPPORT
  • SUSTAINABLE DEVELOPMENT GOALS 世界を変えるための17の目標
  • 環境にやさしいサステナブルなまちづくり
  • ごみからつくるエタノール
  • 自動車用遮音・遮熱中間膜
  • 太陽光発電システム搭載住宅
  • タイにおける住宅
  • フィルム型リチウムイオンバッテリー
  • ポリエチレン管エスロハイパーシリーズ
  • 合成木材FFU
  • 管路更生SPR工法
  • ウイルス性疾患の検査薬

今、あらためて環境分野のフロントランナーを目指す

当社グループでは、環境貢献製品の対象範囲を社会環境にまで拡大する一方で、自然環境保全への取り組みを深化させる取り組みを活発化させています。その一つが今後30年でGHGを計画的に削減していこうとする長期構想です。
この構想では、2013年度のGHG排出量94万2000トンを基準として、ここ数年では既存設備の更新など環境貢献投資※1によって排出抑制を図り、その後は生産方式の革新やエネルギー消費量の削減、そしてエネルギーの調達方法の切り替えや創エネルギーなどによってGHGを削減し、2030年度には2013年度比26%減を目指しています。
また、この長期削減目標が、「パリ協定」の「2℃目標」を達成するために科学的根拠のある意欲的な水準であることを示すため、2018年3月に「SBT※2イニシアチブ」での認証を申請し、6月に化学業界として世界で初めて承認されました。この中で、SCOPE3※3に関する取り組みに関して上下流サプライチェーンに対する働きかけも宣言していますが、当社グループの場合、排出量の大きい「原材料調達」および「製品の使用」段階での削減を推進していくよう取り組んでいきます(2030年度までに2016年度比でGHG排出量を27%削減)。
これらの取り組みを通じて、2017年度には84.1%だった自然資本に対する総合的なリターンを3年間で90%以上に拡大し、2030年には100%以上に拡大していきたいと考えています。企業単独でも、国際的な協力の枠組みの中でも環境分野のフロントランナーを目指していきます。

※1:現在の中計では売上高比で約0.3%を環境貢献投資枠に設定しています。
※2:SBT(Science Based Targets):パリ協定の採択を契機として国連グローバルコンパクトをはじめとする共同イニシアチブが提唱。SBTイニシアチブにより、企業が定めた温室効果ガス削減目標が、長期的な気候変動対策に貢献する科学的に整合した目標(SBT)であることが認定される。
※3:SCOPE3:その他の間接排出、サプライチェーンでの製造、輸送、お客様の製品の使用、廃棄等

環境負荷の低減/GHG削減 長期構想環境貢献投資の拡大

組織体制の一新により変革を推進

ここまでご説明しましたように積水化学グループは、環境貢献製品の拡大と積極的な環境保全施策の推進、さらには自然環境の保全によって、グローバルレベルでの持続可能な社会の実現に参画していこうとしています。
しかし、全社的かつ中長期的な取り組みを持続していくには、組織レベルの変革を遂行し、変革が一過性のものに終わらないようにすることもまた重要と考えています。このため、他社に先駆けて、中長期的な企業経営をつかさどる経営戦略部の中に経営企画、CSR関連、IRを統合し、経営計画の中に、事業計画とCSRを一体的に推進する体制を整えました。
他方、内部組織だけでなく、外部視点によるチェック機能も重要と考えています。このため、環境貢献製品に関しては、その製品認定にあたり社外アドバイザーによる承認が必要な仕組みを導入しています。
2019年には売上に対する環境貢献製品の比率を60%(2017年度は50.2%)にまで高める計画です。製品やサービスを通じた社会貢献によって、社会への責任を伴った持続的な成長を実現し、今まで以上に社会にとってなくてはならない存在を目指しています。

統合思考への組織変革/環境貢献製品売上高・売上高比率推移 統合思考への組織変革/環境貢献製品売上高・売上高比率推移