Foundation

更新日:2019年9月3日

人的資本

積水化学グループは、従業員の権利を守りつつ、働きやすい職場に配慮すると同時に、人材の育成に努め、その人材を有効に活用することによって企業価値向上につなげていくことを目指しています。

人材に関する考え方

積水化学グループは、「従業員は社会からお預かりした貴重な財産である」という考え方に基づき、従業員が活き活きと働くことができる環境づくりに取り組むとともに、一人ひとりが自分の“得意技”を磨き、成長していくことを支援するさまざまな機会を提供します。

また、個々人の人権を擁護することは社会的な責務であると認識し、一人ひとりの多様性、人格、個性を尊重するとともに、各国・地域に対応した多様な働き方・安心して働ける職場づくりを推進します。この人材に対する基本的な考えをグループ全体で共有し、多様な人材が活躍できる、働き甲斐のある職場づくりを推進しています。

人権の尊重と配慮

当社グループは、すべてのステークホルダーに対する責任を果たすため、お取引先とともに、人権に配慮した事業活動を行っています。全グループ従業員に対して「コンプライアンス・マニュアル」を提供し、人権尊重と差別の禁止、ハラスメントの防止、個人情報の保護などを厳格に求めており、ハラスメントの防止については、研修やe-ラーニングを併せて実施し、従業員の理解促進に努めています。

労使関係

当社グループでは、会社と労働組合が相互の立場や考え方を尊重しながら協調し、密なコミュニケーションをすることを通じて、会社の発展という共通目的のもと、労使の共通課題について建設的な協議を重ねています。国内グループにおいては、「全積水労働組合連合会」に2018年度で15単独労組、5,349人が加入しています。

ダイバーシティマネジメント

当社グループは、「多様性」を性別、年齢、国籍、経歴などの属性の違いでとらえるだけでなく、価値観、性格なども含めた違いにも着目し、従業員一人ひとりの違いを理解し、認め、強みとして活かしていきます。

積水化学グループ ダイバーシティマネジメント方針

「100年経っても存在感のある企業グループであり続ける」ためには多様性が不可欠との認識に立ち、従業員一人ひとりの「仕事・生活両面における志向」や「持ち味」が異なることを理解し、認め、積極的に活かします。その組織風土づくりに向け、雇用や活躍機会の提供、成長を支援する様々な環境整備を、従業員との対話を通じて図り続けます。

ダイバーシティマネジメント推進体制(CSR委員会、人材分科会)

CSR委員会は、ダイバーシティ経営を含むCSR全般の施策について審議を行っています。CSR委員会は社長が委員長となり、カンパニープレジデントなど経営層と女性社員、労働組合を含む従業員代表から構成されています。CSR委員会での決議事項は取締役会にも報告しています。

人材分科会は、当社グループにおけるダイバーシティ経営に必要な人材の確保・育成・活躍、働き方改革についての審議・決定・モニタリングを行っています。人材分科会は人事担当役員が委員長となり、各カンパニーから選抜された執行役員・人事部門長から構成されています。

働き方改革への取り組み

ダイバーシティマネジメントを加速するため、2018年を「働き方改革元年」と定め、全社を挙げて取り組んでいくための第一歩として、働き方改革宣言を制定しました。限られた時間で成果を最大化するために「業務改革」「人事制度改革」「就業環境改革」の3つの改革への取り組みをスタートし、少しずつ改善が進んでいます。

生産性向上の実現により長時間労働を是正し、働きがいのある職場づくりを目指します。

積水化学グループ 働き方改革宣言

従業員全員がそれぞれの「持ち味」を発揮できるように、我々は時間をかけて成果をあげる働き方と決別し、限られた時間で成果を最大化する生産性の高い働き方を追求します。生産性向上のために会社は経営資源を積極的に投入し、経営層・従業員一丸となって全社で知恵を結集します。仕事の質の向上により働きがいを育み、改革の成果は従業員に還元することで、多様な人材の活躍を推進します。

働き方改革投資

業務そのものや就業環境の改革の効果を継続的に発現するためは、設備投資やシステム導入が不可欠なものが多くあります。そこで2018年、2019年の2年間で100億円を投資し、労働時間の削減を支援することとしています。初年度の2018年は全社で約80億円分の投資(2020年以降実施分を含む)を受け付けました。生産管理システムや自動検査装置の導入、TV会議システムや職場環境づくりなど、投資を実行することで後戻りのないよう労働時間の削減を推進しています。

健康経営の推進

当社グループは、ダイバーシティ経営の基盤となる従業員の心身の健康推進の取り組みをさらに進めるため、当社が目指す健康経営※の理念やあり方をまとめた「健康宣言」ならびに健康経営基本方針を2019年3月に制定しました。
※「健康経営」は、NPO法人健康経営研究会の登録商標です。

積水化学グループ健康宣言

積水化学グループは、「従業員は社会からお預かりした貴重な財産である」という考え方に基づき、従業員の健康管理に取り組んできました。この取り組みをさらに一歩進め、従業員の健康推進を経営戦略としてとらえて、すべての従業員が、心身ともにそして社会的にも良好な状態であるWell-Beingであることを目指します。

健康経営推進のための取り組み

1. からだ、2. こころ、3. そしき、4. グループ一体での取り組み、5. 働きがい・生産性向上の5つのセグメントで、それぞれ中長期の目標を定めて取り組んでいきます。
具体的な取り組みの例として、7つの健康習慣の推進による健康寿命の延伸、ストレスチェックの有効活用によるメンタルヘルス対策といきいき職場づくり、ICT活用によるデータ分析に基づいた健康推進活動などがあります。

また、グループが一体となって確実に健康経営推進が行われるよう体制を整備しています。当社人事部に健康推進室を設置し、全体の健康経営推進施策の企画立案を行い、全事業場(約300事業場)に配置している健康管理責任者・担当者と健康推進室が連携してすべての従業員のWell-Beingを目指しています。毎年、健康管理責任者・担当者向けの健康推進ワークショップを開催しており、2018年の参加率は93%でした。

健康経営優良法人2019に認定

当社は、全社的な視野で従業員の健康に関する課題解決に取り組んでいることが認められ、経済産業省および日本健康会議により、「健康経営優良法人2019」の大規模法人部門(ホワイト500)に3年連続で認定されました。今回は健康経営に積極的に取り組んでいるグループ会社20社を含めての認定となりました。

安全・安心への取り組み

当社グループは、従業員の安全確保なしに持続的発展はないものと認識し、安全で安心して働くことのできる職場環境を構築し、従業員はもとよりお客様や地域の方々にも信頼される「安全・安心」企業を目指します。

安全の基本は、「自分の安全は自分で守る」ことであり、従業員一人ひとりが危険を危険と判断できる感受性を持つことが大切です。設備面の安全を万全にしても、人の作業や行動に危険が潜んでいることを認識しておく必要があります。そのため、安全教育や危険への感受性を高めるための取り組みとともに、決めたルールを守り、守らせる風土づくりに力を入れています。

同時に、従業員が安全に、安心して働くことができる職場づくりは企業としての責任であり、経営における最重要課題の一つと考え、トータルセーフティー活動(労働災害ゼロ、設備災害ゼロ、通勤災害ゼロ、疾病長欠ゼロ)に取り組んでいます。

多様な人材の活躍のために

一人ひとりのキャリア志向に応じた人材育成機会を提供しています。グループ経営をけん引するビジネスリーダーと現場のモノづくりを支える人材の育成を両輪として、グループ全体で取り組んでいます。また、「自ら手をあげ挑戦する」人を応援し、個人の成長を支援するための制度や機会を提供しています。

次期経営幹部育成

積水化学グループの基幹職を対象に、幅と厚みのあるビジネスリーダーの育成を目的とした社内ビジネススクール(際塾)を実施しています。

「際塾」では、多彩なケースと講義でさまざまな理論や思考方法を習得することで、経営戦略の立案に必要な能力を養い、グローバルな事業展開を推進するうえでの広い視野と思考力、行動力を磨きます。積水化学グループ全体の経営を大きく深く考えること、自らを伸ばすこと、そして変革に向けたアクションプランに結び付けていくことがねらいです。

現場を支える人材の育成

現場で実務面から経営の基盤を支える人材は、長期にわたり経験を積み重ね、専門性の高い知識やスキルを獲得し、高度な実務者として自己を成長させていくことが大切です。この考えのもと、当社グループでは、現場を支える人材を正社員として採用し、長期にわたり安心して力を発揮できる環境づくりや現場力向上を目的としたマイスター制度などを展開しています。

グループ人材公募

積水化学グループでは、グループ内で活躍する場を公募によって提供することで、従業員のチャレンジ精神やキャリアプラン実現をサポートしています。

グループ人材公募では、従業員は上長の承認を得ることなく、イントラネットに掲載されたグループ内公募案件へ、募集要件に沿って誰もが応募することができます。

若手社員の定着・活躍

新入社員の配属「職場への円滑な受け入れ」と「早期戦力化」を目的に、育成担当者(ブラザー/シスター)制度を設けています。

育成担当者の役割は、仕事や業務指導などの育成に限らず、社会人としての常識・行動面の指導、精神面のフォローなどの役割も担っています。後輩育成経験を通じて、一つ上の視座を獲得するなど育成担当者自身の成長も促進することができます。

高年齢者の活躍推進

1993年度から定年後の再雇用制度を導入し、2006年度からはグループ各社にも展開を進め、65歳現役を見据えた取り組みを強化しています。一層のやりがい・働きがいを醸成する為、2015年10月に高年齢者再雇用関連諸制度(シニアエキスパート制度)を改訂・実施しました。グループ全体で65歳まで働き続けるための制度整備を完了させており、希望者は全員継続または再雇用される仕組みです。

女性活躍推進

多様な事業を展開している当社グループが社会に貢献し続けるためには、従業員一人ひとりが持つ多様な「志向」や「持ち味」を最大限発揮することが不可欠であるとして、女性活躍を含むダイバーシティマネジメントに取り組む重要性について、経営トップのコミットメントを社内外に発信しています。

ダイバーシティマネジメントのファーストステップとして女性の活躍推進から取り組んでいます。2017年度からスタートしたCSR中期計画では、「女性が活躍できる組織」を目指し、女性採用比率と女性管理職数についての具体的な数値目標を定めています。これらの目標は、取締役、役員、基幹職の達成目標の一つとしています。

女性が活躍するために定着・活躍、管理職候補育成の2つの段階に分けて取り組んでいます。定着・活躍では、早期活躍するための受け入れ環境整備や柔軟な働き方ができる制度の導入、管理職候補育成では、管理職登用を期待する女性社員と直属上司を対象にした研修などを実施しています。

障がい者雇用の取り組み

当社グループの障がい者雇用は、単に障がい者の採用を進めるだけでなく、障がい者の方が働きやすい環境づくりも重要であると考えております。障がいを持つ方が働きやすい環境を整備することは、同時にすべての従業員が働きやすい環境にもつながります。その環境整備のため、グループ全体の人事部門を対象とした合同研鑽会を2016年度より実施しています。

グローバルで活躍する人材づくり

事業のグローバル展開が加速する中、当社グループの各社が自立的に成長を続けるためには、それぞれの事業を支える多様な人材の活躍と、組織の活性化が不可欠と考え、エリアごとの状況に応じた人材育成を推進しています。国や地域ごとに異なる事業特性や歴史、マネジメント、生活習慣、各種法令などに適応するため、それぞれの国・地域で能力を発揮できる人材の育成に注力しています。

外国人社員の活躍

事業のさらなるグローバル化に向け、外国籍社員の採用に取り組んでいます。日本に留学してきている学生を採用することはもちろん、2015年度からは海外での採用活動を推進しています。2018年度は技術系職種ではインドで、事務系職種ではイギリス・オランダで実施しました。今後は採用地域をより広げて、世界各地から優秀な人材を獲得し、グローバルな視点を持って活躍してもらうことで、さらに多様な人材の活躍と、グローバル化を加速させていきます。

グローバル社員制度

海外で即戦力となるグローバル人材を育成する「グローバル社員制度」を設けており、国内グループ従業員約1,700人が登録しています。登録した従業員には、海外赴任に必要な異文化研修や専門教育を提供することに加え、実際に海外で業務経験を積むことのできる施策も推進しています。

グローバルトレーニー制度

海外で業務経験を積むことができる「グローバルトレーニー制度」を設けています。これは営業、経理、開発等の職種で一定の業務実績を上げている希望者が、実際に海外関係会社に赴任する制度です。2018年度はグローバルに通用する高度な専門性を持った技術者育成に向けた「海外技術者派遣」やグローバルビジネスで求められる自らを切り拓くマインドと行動習慣を身につける海外短期派遣研修を継続実施しました。今後も、世界各国のより多くの従業員が海外業務経験を積めるよう、制度の拡充に努めていきます。

知的資本(研究開発・モノづくり・知的財産)

積水化学グループにとって、価値創造の根幹は、際立つ技術にあると考えています。中でも、「住 ・社会のインフラ創造」と「ケミカルソリューション」の領域に強みを持つ技術プラットフォームがその土台となっています。我々はこの技術的な際立ちをさらに進化させるために、研究開発やモノづくり、さらには知的財産の分野において人員、組織の両面で継続した強化を進めています。

研究開発・モノづくり

研究開発に対する考え方と研究開発体制

当社グループは、グループビジョンの実践が中期的な経営戦略の骨格であり、100年経っても存在感のある企業グループであり続けることを目指しています。中期経営計画「SHIFT 2019 -Fusion-」を、その実現に向けた「新次元の成長」への第一歩と位置づけ、「技術の融合」による新事業創造の加速を重点課題の一つに設定しています。社内および社外との技術の融合を積極的に推進し、当社グループの未来を担う新市場・新分野での事業化の加速と、その次を見据えた魅力あるテーマの創出に取り組んでいます。

このベースとなるのが、我々の2つの事業領域である「住・社会のインフラ創造」「ケミカルソリューション」に関連する25の技術プラットフォームです。これは当社グループの製品群を支える基盤技術であり、長年にわたって培ってきた競争力の源泉ともいうべきものです。例えばその一つが、素材の機能性を高める成形や部材にスマートな価値を付与する加工であり、お客様の声に真摯に向き合うことで付加価値の方向性を見出しています。また複数のプラットフォームを効果的に融合することで、厳しい競争環境の中でも圧倒的に勝ち切れる新たな製品やサービスの開発をしています。

これらを担う当社グループにおける研究開発体制としては、住宅カンパニー、環境・ライフラインカンパニー、高機能プラスチックスカンパニーの3カンパニーおよびコーポレートに4つの主要研究開発拠点を、また積水メディカル株式会社など主要グループ会社にも独自の研究所または研究開発部門を設けています。

カンパニーの研究開発では、既存事業の強化およびフロンティアの開拓に直結し近未来の収益につながる製品開発、生産技術テーマを手掛けています。

2018年度は、建て替え需要への対応強化を図った「新型パルフェ」、有機材料として国内初の不燃認定を取得した「ウレタン系現場発泡不燃断熱材」などを市場に投入しました。新次元の成長に向け、引き続き2019年度も新製品を積極的に投入していく予定です。

一方、コーポレートでは独立した研究組織として、技術的なハードルが極めて高く中長期的な時間軸で取り組むべきテーマ、カンパニーをまたぐような大型テーマ、これまで取り組んだことのない新しい事業領域のテーマなどの研究を行っています。例えば次世代の太陽電池として期待されているフィルム型ペロブスカイト太陽電池を2018年12月の「エコプロ2018」に出展し、大きな注目を集めました。また「ごみをエタノールに変換する世界初の生産技術」も事業化へ向けて動き出しつつあります。その他のテーマも新事業創出を目指し、精力的に開発を推進しています。

さらにカンパニー間およびカンパニーとコーポレートがそれぞれ保有する資本を持ち寄り共同で開発を進める「融合テーマ」にも取り組んでおり、これをサポートする仕組みとして、NIC(New Innovation Committee)という会議体を設けています。これは研究開発・モノづくり・経営戦略・人事の各担当役員をメンバーとし、融合が見込めるテーマを募集して審査を行います。採用されたテーマには、コーポレートで費用を負担する、あるいは必要な人材を派遣するなどの支援を行っており、すでに多くのテーマが認定されて動き出しています。例えばタウンエネルギーマネジメントシステムの開発では、「セキスイハイム」にお住まいのお客様から太陽光発電の余剰電力を当社が買い取り、発電設備を持たない「セキスイハイム」にお住まいのお客様にも供給するとともに、当社グループの国内の工場や事業所で活用させていただくサービスを2019年度に開始すべく、準備を進めています。

モノづくり力の強化

当社グループでは、新製品開発につながる研究開発だけでなく、既存製品の競争力強化にもつながるモノづくり力の強化にも取り組んでいます。

中期経営計画「SHIFT 2019 -Fusion-」では、モノづくり力に関連する方針として「モノづくりリスクの極小化とモノづくり新時代※への対応力強化」を掲げました。その重点施策の一つであるモノづくりリスク低減文化の構築として、設備の本質安全化、安全人材育成の徹底推進、CS品質情報ナレッジシステム構築などによるCS品質基盤の強化を推進しています。さらにモノづくり力の強化として、生産技術力の定量評価により技術力強化ポイントを自動化と情報化に定め、ICT/IoT技術を応用した新技術導入を加速させていきます。同時に、これまで取り組んできたモノづくり人材育成を通じ、モノづくり基盤力をさらに強化していきます。

このような活動を通して、当社グループは際立つ技術と品質により「住・社会のインフラ創造」と「ケミカルソリューション」のフロンティアを開拓し続け、世界のひとびとのくらしと地球環境の向上に貢献します。

研究開発・モノづくりに関する人事・処遇

当社グループでは、優れた研究者・技術者への評価・処遇の一環として「発明大賞」制度を設けており、利益貢献の特に大きな職務発明に対してはその発明者の功績に報いる報償金を支給しています。2018年度は「導電性微粒子及び異方導電性材料」が認定されました。

また、専門性の高い研究者・技術者を対象に「スペシャリティ職」制度も設けています。高度な専門性を有する際立つ人材をスペシャリティ職に任命し、社外においても通用する際立つ技術者の育成を図っています。2019年4月時点で21名がスペシャリティ職に任命されています。

さらに「マイスター職」は、当社グループの持つ技能領域と目指すべき方向性を示し、技能者一人ひとりのモチベーションの向上と優れた技能の伝承を図ることを目的としています。2019年4月時点で3名がマイスター職に任命されています。今後もモノづくり技能者の育成・活性化の一環として高度なモノづくり技能者を高く処遇するとともに、当社グループのモノづくり力をさらに高めていきます。

知的財産

知的財産の基本方針

知的財産は、企業価値の最大化に向けた、成長・収益を支える重要な経営資源です。当社グループでは、技術の「際立ち」を最大限に活かし事業へ貢献させるべく、知財情報や市場・競合情報等の分析(IPランドスケープ)による競争環境分析を起点とした戦略立てと知的財産のポートフォリオマネジメントなど、戦略的な知的財産活動を重視しています。

知的財産の推進体制と主な取り組み

当社グループではカンパニー制に対応し、カンパニーごとの事業環境に即した迅速な活動推進ができるよう、コーポレートとカンパニー各々に独立した知的財産部門を設けています。

各カンパニーでは、知的財産部門と事業部門、研究開発部門とが常時連携し、かつ定期的にカンパニープレジデントに向けた開発知財戦略会議を開催することで、競合他社に対し排他性の高い知財網を構築する活動を実施しています。

コーポレートでは、全社共通の基本的知的財産戦略の企画・立案、知財教育、知財システム管理を担っています。加えて、コーポレートR&Dのミッションである新規事業創出に対し、早い段階からIPランドスケープ分析に基づいた「圧倒的に勝ち切る、勝ち続けるための戦略知財活動」を実施しています。

知的財産教育に関しては、全社共通の基礎的な知財教育とカンパニーごとの事業に即した実践力を高めるための知財教育とで構成された二階建ての「新教育制度」を2018年度から開始しました。また、2018年5月には戦略的な知財活動への寄与最大化をにらんで特許管理システムの更新を行いました。

このように、コーポレートと各カンパニーの知的財産部門が事業環境に即した戦略的知財活動を行いつつ、密接に連携して当社グループの知的財産構築に努めています。

社会・関係資本

積水化学グループは、お客様が満足し、継続的に選択いただける製品・サービスの提供こそが、社会やステークホルダーとの関係強化に重要と考えています。このため、人、モノ、仕組みの品質を高めて、「指名され続ける品質」実現を目指しています。同時に、原材料調達時における「CSR調達」の徹底や「グリーン調達」の推進、非人道的行為に関わる紛争鉱物を使用しないなどの対応も推進しています。さらに、企業は社会の一員であるという視点に立ち、「環境」「次世代」「地域コミュニティ」の3つの分野で従業員の社会貢献活動を支援しています。

CS品質経営―「指名され続ける品質」の実現を目指して

積水化学グループは1999年から、お客様満足(CS)に重点を置くCS経営に取り組んできました。さらに2004年以降は「CS」と「品質」は不可分のものと考え、「CS品質」という言葉に統一し、お客様に継続的に選択していただける価値を常にお届けする「CS品質経営」に取り組んでいます。「モノづくりのはじまりはお客様の声から」のキャッチフレーズのもと、「人の質」「仕組みの質」「モノ(製品とサービス)の質」の磨き上げに積極的に取り組むことで、グループ一丸となって「指名され続ける品質」の実現を目指しています。

品質を支えるのは現場でのモノづくり

当社グループは、品質を支えるのは現場でのモノづくりであると認識し、2006年度から生産活動の革新に注力しています。品質の不備は、クレームへの対応や廃棄物の増加といったロス・ムダ…つまりコストにつながるという考えのもと、「事故・不良ゼロ、廃棄物ゼロ、クレームゼロ」という「3つのゼロ」に取り組んでいます。

品質不正の防止

2017年から2018年にかけて品質管理に関する不正が国内で多発したことに鑑み、この教訓を他山の石とするために、全グループの全製品について品質データの不正や無資格者による検査などが行われていないことを確認するための社内調査を実施しました。その結果、監査員の認定、公的認証、品質に係る瑕疵について、違反や不正につながる恐れのある事案がないことを確認しています。今後も当社グループは、品質保証力を強化することを目的に、お客様との仕様の取り決めの遵守やコンプライアンス意識の再徹底を図るとともに、検査の信頼性と透明性の確保を通じて不正が発生する余地を撲滅するため、品質管理に関する社内調査を継続して実施してまいります。

お客様の声をCS品質向上に活かす仕組み

当社グループのお客様相談室には、1年間で1万件を超えるお問い合わせ・ご意見等が寄せられます。当社グループでは、お問い合わせ内容へ真摯に回答することはもちろん、問い合わせをされるに至ったお客様の動機を独自に分析することで、お客様の「見えないニーズ」を発掘し、ご意見を開発や製造部門にフィードバックすることで、CS品質の向上に役立てています。また、お客様相談室に寄せられた声をまとめた『VOICE』を発行し、お客様の声の経営への活用、全従業員へのCS品質風土の醸成と定着および担当分野の垣根を越えた全社事業展開の理解の促進などを図っています。

CS品質中期計画の進捗

CS品質をテーマとした取り組みにあたっては、「重要品質問題※1の発生件数」と「外部損失費※2」の2つを重点指標として設けています。2018年度は、重要品質問題が1件発生し、現中期計画内で初めて、新製品※3での発生となりました。外部損失費は2017年度比で減少となりました。今後、重要品質問題ゼロを達成するため、「開発ガイドライン」および「日常管理ガイドライン」のグループ全体での実践を徹底して基盤品質の向上を図ります。

また、グループ全体の品質保証システムの強化と変更点・変化点の管理、不具合の未然防止による品質リスク低減活動の展開によって、外部損失費のさらなる削減を目指します。

  • ※1 重要品質問題:「製品・技術・サービスの品質」に関し、緊急に根本解決を図らなければ、お客様・社会・積水化学グループに対し重大な損害を与える問題。
  • ※2 外部損失費:製品に関するクレーム対応の費用。
  • ※3 新製品:新分野・新技術の開発品で、カンパニーが選定した難度の高い製品。

資材調達

当社グループは、資材調達にあたり、「オープン」「公平・公正」「法令遵守」「相互信頼」「環境配慮」を基本としています。お取引先とのパートナーシップを深め、公正な取引により共存共栄を図ります。すべてのお取引先の皆様に対して、優良な品質の確保、環境への配慮、事業活動を行っている各国・地域の関連する法令・社会規範の遵守、安全衛生の活動を積極的に行うことを求めています。

サプライチェーン全体で人権問題に配慮

お取引先に対してはCSR調達を通じて人権への配慮状況を確認しています。調達基準に満たないお取引先に対しては、改善の申し入れを行うとともに、その実施をお取引先と協働で進めています。特に海外のお取引先には、現地統括会社を通じて改善を働きかける仕組みの構築を進めています。2018年度は、2017年度に引き続きアジア・オセアニア地域のグループ会社の主要なお取引先に対してCSR調達アンケートを実施し、人権に関する取り組み状況を把握しました。その結果、主要なお取引先において、児童労働や強制労働をはじめとした人権を侵害する行為は発生していないことを確認しています。

紛争鉱物問題への対応

当社グループは、コンゴ民主共和国およびその周辺国で人権侵害や環境破壊などに関わる武装勢力の資金源となっている紛争鉱物問題について懸念し、CSR経営の観点からサプライチェーン全体にわたって紛争鉱物仕様の調査を実施しています。2017年4月より、「紛争鉱物調査ガイドライン」の運用を開始しています。このガイドラインは、お取引先から紛争鉱物の調査依頼を受け、調査を実施する当社グループの各担当部門を対象として新たに策定されました。環境・ライフラインカンパニー、高機能プラスチックスカンパニーおよびそのグループ会社において、2018年度、569件(2019年6月18日現在)の紛争鉱物調査を実施したことを確認しました。その中で、紛争鉱物に該当する事案は見当たりませんでした。ただし、うち2件については、製練所不明などがありました。2019年度も継続して調査してまいります。

  • ※ 各カンパニーの工場の品質管理部門、関係会社または関係会社の工場の品質管理部門を対象。

木材調達への対応

住宅カンパニーのお取引先に対する木材調達調査は、2015年度から実施しており、2017年には、各カンパニーの購買部門を対象とした「木材調達調査ガイドライン」を策定、2018年4月より運用を開始しました。森林破壊の根絶と木材資源の持続可能な利用に貢献するために、製品に使用する木材は、合法的に伐採された木材を使用しています。2018年度は、全社に対して、「木材調達調査ガイドライン」に基づく調査を実施しました。その結果、住宅カンパニーにおいては、お取引先(39社)のすべての木材が合法的に伐採されたものであることを確認しています。

調達の基本方針

社会貢献活動

地域社会とともに生きる企業として当社グループでは、「環境」「次世代」「地域コミュニティ」を主な分野とした社会貢献活動を進めています。例えば「環境」では、森林保全活動、生物多様性の保全、緑地化活動を進めています。また企業としての活動だけでなく、従業員一人ひとりが社会と関わりを持ち、社会に貢献していくことが活動の基本と考え、グループの従業員が積極的に社会と関わりを持てるよう活動を支援しています。

自然資本

地球は、地球を構成する大気、水、土壌などが相互に作用しながら健全な生存基盤をなし、豊かな生物多様性を形成しています。暮らしや経済活動は、自然資本※である地球からの恵みを受け、持続可能に発展する―積水化学グループは、このような地球・社会を目指しています。

温室効果ガスの排出量を減らす、資源の循環型利用を進める、生態系への負荷を減らすなど自然資本の劣化を食い止めることはもとより、環境貢献製品の拡販などを通して自然資本へのリターンに貢献し、生物多様性が保全された地球の実現に向け日々事業活動を行っています。

※自然資本:土地、大気、水、鉱物、動物、植物など物的資本、生物資本と人的資本、社会資本など。

環境長期ビジョン「SEKISUI環境サステナブルビジョン2030」

積水化学グループの環境経営を推進するための指針として、環境長期ビジョン「SEKISUI環境サステナブルビジョン2030」を策定しています。2030年には“地球から授かったもの以上に地球に返していく”ために、「環境貢献製品の市場拡大と創出」「環境負荷の低減」「自然環境の保全」の3つの活動による貢献を軸に推進しています。

2030年には自然資本へのリターンを100%以上とすることで地球上の自然資本の持続的な利用を実現し、“生物多様性が保全された地球”を目指します。

環境中期計画「SEKISUI環境サステナブルプラン Accelerate」(2017-2019年度)

環境長期ビジョンからバックキャスティングした環境中期計画「SEKISUI環境サステナブルプラン Accelerate」を策定し、環境長期ビジョンで描いた2030年のあるべき姿に向かって、各取り組み内容を加速させています。

総合指標「SEKISUI環境サステナブルインデックス」

SEKISUI環境サステナブルインデックスは、当社グループの企業活動が環境に与える負荷(自然資本の利用)と環境への貢献の度合い(自然資本へのリターン)を1つの指標で表したものです。2017年度からこのインデックスで示す“自然資本へのリターン率”を会社の環境経営全体の進捗を示すKPI(統合指標)としています。

2018年度の実績は自然資本の利用(環境への負荷)を100とすると、自然資本のリターン(環境への貢献)は92.8%となりました。ソーラー搭載住宅や遮音・遮熱対応の車輌用中間膜などの製品による貢献が拡大したことなどによるものです。このインデックスにおける「製品貢献」を高め、自然資本へのリターンを向上させていくことは当社グループのお客様の環境効率向上にもつながっています。

推進体制

環境マネジメントシステム

当社グループは、社長を委員長とするCSR委員会およびその下部委員会である環境分科会で、CSRに関するグループ全体の主な取り組み、活動方針を決め、取締役会で承認を得て経営に反映させています。また、各事業所ではISO14001にのっとった環境マネジメントシステムを構築し、環境活動を運用しています。

環境法規制への対応

大気・水域への環境負荷排出などについて、法律の規制より厳しい自主管理値を設定し、事業場ごとに遵守しています。併せて社内環境監査を実施することで潜在的な環境リスクを洗い出し、環境事故の未然防止に努めています。

自然資本の利用

気候変動への対応

COP21(パリ協定)で合意された目標を念頭に、原材料の調達から開発・生産・輸送・使用の事業活動すべての段階での継続的な温室効果ガス(GHG)削減に取り組んでいます。

生産部門においては、GHG排出量削減のための積極的な環境貢献投資を進めています。GHG排出源の約半分を占める電力については、電力購入先の選定基準を見直し、コストとCO2排出係数の両方を削減できることを考慮しています。また自家消費型太陽光発電設備の導入を促進することで再生可能エネルギーの利用比率を高めていきます。

資源の有効活用

廃棄物については、ライフサイクル全体で「3R」(Reduce:使用抑制、Reuse:再使用、Recycle:再資源化)を徹底し、事業活動に起因して発生した廃棄物すべてを資源として再利用する「ゼロエミッション活動」に取り組んでいます。

水資源の保全

水資源が事業継続に与える影響を把握し、事業計画に反映しています。また、当社グループは水の供給・貯留・排水を担うインフラに関連する製品の供給を事業としているため、水資源の保全に事業を通じて貢献することは、SDGs17目標のひとつである「安全な水と公衆衛生へのアクセス」につながる事を認識しています。

化学物質管理

製品環境影響評価制度※1やグリーン調達制度※2を運用するとともに、自主目標を定めて化学物質の排出・移動量の削減に1999年度から取り組んでいます。また、法律などの制度改定への対応のため、定期的に規制すべき化学物質を見直しています。

  • ※1 製品環境影響評価制度: 製品開発において、資源採取から製造、使用、廃棄、輸送などすべての段階を通じて環境影響を評価する制度。
  • ※2 グリーン調達制度:製品の原材料や部品などを調達する際、環境への負担が少ないものから優先的に選択する制度。

環境影響度評価

製品の企画、開発、量産試作から上市、初期流動の各段階において、製品の環境影響度評価を実施しています。

自然資本のリターン

環境貢献製品

高いレベルの環境貢献効果を有し、お客様の使用段階において効果があることを認められた製品を環境貢献製品と定義し、市場拡大と創出を行うことで地球の自然資本へのリターンに貢献しています。

2018年度は、目標を上回る新規登録となり、売上高比率目標も達成しました。国内におけるZEH仕様住宅の拡大や、グローバルで展開しているメディカル事業における医薬、創薬支援貢献の価値を再確認したことによる新規登録によって環境貢献製品の売上は拡大しています。

自然環境の保全

2008年4月、「環境経営方針」に生物多様性に関する項目を盛り込み、2011年には生物多様性ガイドラインを策定。事業活動における環境配慮と世界各地での環境保全活動という両面から自然環境を含む生物多様性の保全に取り組んでいます。