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Foundation/事業基盤 -価値創造の源泉となる経営資本-更新日:2018年8月31日

foundation 事業基盤の強化に向けたCSR

人的資本

積水化学グループは、従業員の権利を守りつつ、働きやすい職場に配慮すると同時に、人材の育成に努め、その人材を有効に活用することによって企業価値向上につなげていくことを目指しています。

人材に関する考え方

積水化学グループは、「従業員は社会からお預かりした貴重な財産である」という考え方に基づき、従業員が活き活きと働くことができる環境づくりに取り組むとともに、一人ひとりが自分の“得意技”を磨き、成長していくことを支援するさまざまな機会を提供します。
また、個々人の人権を擁護することは社会的な責務であると認識し、一人ひとりの多様性、人格、個性を尊重するとともに、各国・地域に対応した多様な働き方・安心して働ける職場づくりを推進します。この人材に対する基本的な考えをグループ全体で共有し、多様な人材が活躍できる、働き甲斐のある職場づくりを推進しています。

人権の尊重と配慮

当社グループは、すべてのステークホルダーに対する責任を果たすため、お取引先とともに、人権に配慮した事業活動を行っています。全グループ従業員に対して「コンプライアンス・マニュアル」を提供し、人権尊重と差別の禁止、ハラスメントの防止、個人情報の保護などを厳格に求めており、ハラスメントの防止については、研修やe-ラーニングを併せて実施。従業員の理解促進に努めています。

人権に関する研修・教育の実施

当社グループは、人権配慮の経営を行うため、従業員に対して人権をテーマとした研修や教育を行っています。特に入社や昇進などの節目に実施される研修に、強制労働、児童労働、ハラスメントなど人権に関わる問題について意識を高める内容を取り入れています。

人権に配慮した調達活動

お取引先に対してはCSR調達を通じて人権への配慮状況を確認しています。調達基準に満たないお取引先に対しては、改善の申し入れを行うとともに、その実施をお取引先と協働で進めています。特に海外のお取引先には、現地統括会社を通じて改善を働きかける仕組みの構築を進めています。

労使関係

当社グループでは、会社と労働組合が相互の立場や考え方を尊重しながら協調し、密なコミュニケーションをすることを通じて、会社の発展という共通目的のもと、労使の共通課題について建設的な協議を重ねています。国内グループにおいては、「全積水労働組合連合会」に2017年度で16単独労組、4,886人が加入しています。

安全な職場と健康経営

安全の基本は、「自分の安全は自分で守る」ことであり、従業員一人ひとりが危険を危険と判断できる感受性を持つことが大切です。同時に、従業員が安全に、安心して働くことができる職場づくりは企業としての責任であり、経営における最重要課題の一つとなっています。当社グループでは、5つのテーマ※1を柱とするトータルセーフティー活動(労働災害ゼロ、設備災害ゼロ、通勤災害ゼロ、疾病長欠ゼロ)に取り組んでいます。

健康経営有料法人
また、当社は、全社的な視野で従業員の健康に関する課題解決に取り組んでいることが認められ、経済産業省および日本健康会議により、前年度に引き続き、健康経営優良法人に認定されました。また、今回は、健康経営に積極的に取り組んでいる当社のグループ会社5社※2を含めての認定となります。

※1 5つのテーマ:「設備」の本質安全化、OHSMSによる「安全管理」、従業員の「安全教育」、危険予知活動などの「リスク予防」、安全衛生・防災に関する「安全監査」
※2 認定法人名:積水化学工業株式会社。左記法人と共に認定された法人名:東京セキスイハイム株式会社、東京セキスイファミエス株式会社、積水メディカル株式会社、栗東積水工業株式会社、九州積水工業株式会社

ダイバーシティマネジメント

当社グループは、「多様性」を性別、年齢、国籍、経歴などの属性の違いでとらえるだけでなく、価値観、性格なども含めた違いにも着目し、従業員一人ひとりの違いを理解し、認め、強みとして活かしていきます。

ダイバーシティマネジメント方針

「100年経っても存在感のある企業グループであり続ける」ためには多様性が不可欠との認識に立ち、従業員一人ひとりの「仕事・生活両面における志向」や「持ち味」が異なることを理解し、認め、積極的に活かします。その組織風土づくりに向け、雇用や活躍機会の提供、成長を支援する様々な環境整備を、従業員との対話を通じて図り続けます。

ダイバーシティマネジメント実践研修

ダイバーシティマネジメントの実現に向けては、キーパーソンである部署長が従業員一人ひとりの「仕事・生活両面における志向」や「持ち味」が異なることを理解し、認め、積極的に活かすことが重要であるため、国内グループ会社の全組織部課長を対象にした「ダイバーシティマネジメント実践研修」を実施しています。この研修では、リーダーのあり方やコミュニケーション、新たな可能性を見出すマネジメントスタイルなどを学び、日常のマネジメントで実践しています。

ダイバーシティマネジメント実践研修受講者数

女性活躍推進

最も身近な「女性」の活躍推進をファーストステップとして取り組みを始めました。女性が活躍するために定着・活躍、管理職候補育成の2つの段階に分けて取り組んでいます。2017年度からスタートしたCSR中期計画では、「女性が活躍できる組織」を目指し、女性採用比率と女性管理職数についての具体的な数値目標を定めています。これらの目標は、取締役、役員、基幹職の達成目標の一つとしています。

女性活躍推進

女性管理職候補育成

管理職登用を期待する女性社員と直属上司を対象に、管理職に相応しい意識の醸成と実績の獲得を目指す実践型の研修「女性キャリアディベロップメントプログラム」を実施しています。2016年度からグループ全体に必須研修として展開しています。

なでしこ銘柄に選定

女性活躍推進

当社は、2015年度より取り組んでいるダイバーシティ経営と、その中で展開している女性活躍推進が評価され、経済産業省および東京証券取引所より、2017年度の「なでしこ銘柄」に選定されました。この選定は、前年度に続き、2年連続の選定となります。

※「なでしこ銘柄」:経済産業省と東京証券取引所が「女性活躍推進」に優れた上場企業を「中長期の企業価値向上」を重視する投資家にとって魅力ある銘柄として紹介することを通じ、企業への投資を促進し、各社の取り組みの加速化を図るもの。2012年度から実施されています。

障がい者雇用の取り組み

障がい者の方の採用を進めるだけでなく、働きやすい環境づくりも重要だと考えています。障がいを持つ方が働きやすい環境を整備することは、同時にすべての従業員が働きやすい環境にもつながります。そのため、グループ合同で実施している障がい者雇用研鑽会では、雇用計画だけでなく、職場環境整備の重要性についても学んでいます。
2017年度は、現場力向上・業務精査ワークショップを開催。障がいのある従業員が活躍する組織づくりに取り組んでいます。

障がい者雇用の取り組み

2016年度には、重度障がい者8名を含む16名の障がい者を雇用している甲府積水産業株式会社が、その取り組み内容を評価され、「新・ダイバーシティ経営企業100選」の経済産業大臣賞を受賞しました。

グループ人材力の向上

当社グループを牽引するビジネスリーダーを計画的に育成するために、入社から基幹職(管理職)に至るまでの一貫した育成体系を整備しています。成長のベースは、日常の業務を通した「経験」とそこからの「学び」にあるという考え方に基づき、それらが連動するように育成体系を整備。「経験によって成長を促進するサイクル」を入社から基幹職に至る過程で回すことによって、ビジネスリーダーに必要な能力を一人ひとりが高めていきます。加えて、現場を支える人材の育成も進めています。現場で実務面から経営の基盤を支える人材は、長期にわたり経験を積み重ね、専門性の高い知識やスキルを獲得し、高度な実務者として自己を成長させていくことが大切です。この考えのもと、当社グループでは、現場を支える人材を正社員として採用し、長期にわたり安心して力を発揮できる環境づくりや現場力向上を目的としたマイスター制度などを展開しています。

グローバルで活躍する人材

事業領域の広がりを受け、当社グループでは海外売上高や海外人員の比率が年々高まっています。世界各国で働く従業員一人ひとりが仕事を通じて成長し、各国のニーズに合った良い製品やサービスを提供することが、グループ全体の発展につながると考えています。中期経営計画「SHIFT2019 -Fusion-」においては、“新次元の成長”を達成するための基本戦略の一つとして、HR(=Human Resources)を掲げています。事業のグローバル展開が加速する中、当社グループの各社が自立的に成長を続けるためには、それぞれの事業を支える多様な人材の活躍と、組織の活性化が不可欠です。当社グループは、国や地域ごとに異なる事業特性や歴史、マネジメント、生活習慣、各種法令などに適応するため、それぞれの国・地域で能力を発揮できる人材の育成に注力しています。

グローバル社員制度

グローバル人材を育成する「グローバル社員制度」を設けており、国内グループ従業員約1,700人が登録しています。登録した従業員には、海外赴任に必要な異文化研修や専門教育を提供することに加え、実際に海外で業務経験を積むことのできる施策も推進しています。

グローバルトレーニー制度

海外で業務経験を積むことができる「グローバルトレーニー制度」を設けています。これは営業、経理、開発等の職種で一定の業務実績を上げている希望者が、実際に海外関係会社に赴任する制度です。2017年度は、この制度を利用し10人が海外に赴任しました。今後も、世界各国のより多くの従業員が海外業務経験を積めるよう、制度の拡充に努めていきます。

知的資本(研究開発・モノづくり・知的財産)

積水化学グループにとって、価値創造の根幹は、際立つ技術にあると考えています。中でも、住インフラ分野とケミカルソリューション分野に強みを持つ技術プラットフォームがその土台となっています。我々はこの技術的な際立ちを持続させるために、研究開発やモノづくり、さらには知的財産の分野において人員、組織の両面で継続した強化を進めています。

研究開発・モノづくり

研究開発に対する考え方と研究開発体制

当社グループは、グループビジョンの実践が中期的な経営戦略の骨格であり、100年経っても存在感のある企業グループであり続けることを目指しています。中期経営計画「SHIFT 2019 -Fusion-」を、その実現に向けた「新次元の成長」への第一歩と位置づけ、「技術の融合」による新事業創造の加速を重点課題の一つに設定しています。社内および社外との技術の融合を積極的に推進し、当社グループの未来を担う新市場・新分野での事業化の加速と、その次を見据えた魅力あるテーマの創出に取り組んでいます。

このベースとなるのが、我々の2つの事業領域である「住・社会のインフラ創造」「ケミカルソリューション」に関連する25の技術プラットフォームです。これは当社グループの製品群を支える基盤技術であり、長年にわたって培ってきた競争力の源泉ともいうべきものです。例えばその一つが、素材の機能性を高める成形や部材にスマートな価値を付与する加工であり、お客様の声に真摯に向き合うことで付加価値の方向性を見出しています。また複数のプラットフォームを効果的に融合することで、厳しい競争環境の中でも圧倒的に勝ち切れる新たな製品やサービスの開発をしています。その融合を図る具体的な取り組み例として、NIC(New Innovation Committee)という会議体を設けています。これはR&D・モノづくり・経営戦略・人事の各担当役員をメンバーとし、融合が見込めるテーマを募集して審査を行います。採用されたテーマには、コーポレートで費用を負担する、あるいは必要な人材を派遣するなどの支援を行っており、すでに複数のテーマが承認されて動き出しています。

25の技術プラットフォーム

これらを担う当社グループにおける研究開発体制としては、住宅カンパニー、環境・ライフラインカンパニー、高機能プラスチックスカンパニーの3カンパニーおよびコーポレートに4つの主要研究開発拠点を、また積水メディカル株式会社など主要関係会社にも独自の研究所または研究開発部門を設けています。

カンパニーの研究開発では、既存事業の強化およびフロンティアの開拓に直結し近未来の収益につながる製品開発、生産技術テーマを手掛けています。2017年度は、大容量太陽光発電パネルを搭載した鉄骨系住宅「スマートパワーステーションGR」、ボリュームゾーン攻略に向けた木質系住宅「グランツーユーV」、さらなる成長が期待されるインフラ老朽化対策製品「インフラガード」などを市場に投入しました。また2018年度も新次元の成長に向け、新製品を積極的に投入していく予定です。

一方、コーポレートでは独立した研究組織として、技術的なハードルが極めて高く中長期的な時間軸で取り組むべきテーマ、カンパニーをまたぐような大型テーマ、これまで取り組んだことのない新しい事業領域のテーマなどの研究を行っています。その一つであるフィルム型色素増感太陽電池は事業化へ向け、電子ペーパーやセンサーメーカーと共同開発を積極的に進めています。さらに、化石資源に依らない究極の資源循環社会システムの創生につながる、ごみをエタノールに変換する世界初の革新的生産技術も確立しました。その他のテーマも新事業創出を目指し、精力的に開発を推進しています。

ゴミをエタノールに変換できる世界初の技術を用いたパイロットプラント

モノづくり力の強化

当社グループでは、新製品開発につながる研究開発だけでなく、既存製品の競争力強化にもつながるモノづくり力の強化にも取り組んでいます。

中期経営計画「SHIFT 2019 -Fusion-」では、モノづくり力に関連する方針として「モノづくりリスクの極小化とモノづくり新時代への対応力強化」を掲げました。その重点施策の一つであるモノづくりリスク低減文化の構築として、設備の本質安全化、安全人材育成の徹底推進、CS品質情報ナレッジシステム構築などによるCS品質基盤の強化を推進しています。さらにモノづくり力の強化として、生産技術力の定量評価により技術力強化ポイントを自動化と情報化に定め、ICT/IoT技術を応用した新技術導入を加速させていきます。同時に、これまで取り組んできたモノづくり人材育成を通じ、モノづくり基盤力をさらに強化していきます。

このような活動を通して、当社グループは際立つ技術と品質により「住・社会のインフラ創造」と「ケミカルソリューション」のフロンティアを開拓し続け、世界のひとびとのくらしと地球環境の向上に貢献します。

※第3次産業革命:IT・情報化社会、第4次産業革命:AI

研究開発・モノづくりに関する人事・処遇

当社グループでは、優れた研究者・技術者への高い評価・処遇の一環として「発明大賞」を定めています。発明大賞は、特に独占性が高く、事業貢献の大きい発明を評価・認定した上で、その発明者の功績に報いる対価を定めています。今年度は「反射板内蔵吸音パネル」および「間質性肺炎検査用試薬」が認定されました。

また、専門性の高い研究者・技術者を対象に「スペシャリティ職」制度も設けています。高度な専門性を有する際立つ人材をスペシャリティ職に任命し、社外においても通用する際立つ技術者の育成を図っています。2018年4月現在では23名がスペシャリティ職に任命されています。

さらに、2009年度に新設した「マイスター職」は、当社グループの持つ技能領域と目指すべき方向性を示し、技能者一人ひとりのモチベーションの向上と優れた技能の伝承を図ることを目的としています。2018年4月現在では6名がマイスター職に任命されています。今後もモノづくり技能者の育成・活性化の一環として高度なモノづくり技能者を高く処遇するとともに、当社グループのモノづくり力をさらに高めていきます。

知的財産

知的財産の基本方針

研究開発活動の成果としての「知的財産」は、企業価値の最大化に向けて、当社グループの成長・収益を支える重要な経営資源となります。そこで当社グループでは、技術の「際立ち」を最大限に活かすため、知的財産戦略を重視しています。

当社グループの「知的財産規則」では、知的財産管理の目的を「自他の知的財産を尊重し、知的財産に対する取り組み、その取り扱い及び手続きなどを明確にすることにより、知的財産の創造、保護、活用を奨励し、事業の成長と企業価値の向上に寄与すること」と定め、「強い特許の獲得による事業競争力の確保」を基本方針としています。

知的財産の推進体制と主な取り組み

当社グループでは、判断、意思決定のスピードアップのため、コーポレートと各カンパニーに知的財産部門を設けています。

コーポレートでは、全社共通の基本的知的財産戦略の企画・立案から知的財産教育、そして特許管理システムの運用・管理に取り組んでいます。知的財産教育に関しては、今年度から各カンパニーとも協働して、研究開発・営業部門に対して計画的に実施していきます。また、2018年度5月には特許管理システムの更新を行いました。今後は群管理を可能とし、戦略的な特許群構築のプラットフォームを導入していきます。

知的財産の基本方針に掲げている強い特許の獲得による事業競争力の確保に対しては、コーポレートと各カンパニーとで各々が置かれた事業環境に則した活動を展開しています。コーポレートでは、知財情報や市場・競合情報等の分析結果を踏まえて、新事業創出に向かって圧倒的に勝ち切る、勝ち続けるための戦略知財活動を実施しています。各カンパニーでは、知的財産部門と事業部門、研究開発部門とが常時連携し、かつ定期的に開発知財戦略会議を開催することで戦略的な特許群構築を目指した活動を実施しています。
このように、コーポレートと各カンパニーの知的財産部門が有機的に連携することで、当社グループの知的財産レベルの向上に努めています。

研究開発・モノづくり・知的財産推進体制

社会・関係資本

積水化学グループは、お客様が満足し、継続的に選択いただける製品・サービスの提供こそが、社会やステークホルダーとの関係強化に重要と考えています。このため、人、モノ、仕組みの品質を高めて、「指名され続ける品質」実現を目指しています。同時に、原材料調達時における「CSR調達」の徹底や「グリーン調達」の推進、非人道的行為に関わる紛争鉱物を使用しないなどの対応も推進しています。さらに、企業は社会の一員であるという視点に立ち、「環境」「次世代」「地域コミュニティ」の3つの分野で従業員の社会貢献活動を支援しています。

CS品質経営―
「指名され続ける品質」の実現を目指して

積水化学グループは1999年から、お客様満足(CS)に重点を置くCS経営に取り組んできました。さらに2004年以降は「CS」と「品質」は不可分のものと考え、「CS品質」という言葉に統一し、お客様に継続的に選択していただける価値を常にお届けする「CS品質経営」に取り組んでいます。「モノづくりのはじまりはお客様の声から」のキャッチフレーズのもと、「人の質」「仕組みの質」「モノ(製品とサービス)の質」の磨き上げに積極的に取り組むことで、グループ一丸となって「指名され続ける品質」の実現を目指しています。

CS品質をテーマとした取り組みにあたっては、「重要品質問題※1の発生件数」と「外部損失費※2」の2つを重点指標として設けています。今中期経営計画の初年度となった2017年度は、重要品質問題が2件発生し、外部損失費が前中期経営計画の最終年(2016年)度比で微増となりました。今後、重要品質問題ゼロを達成するため、「開発ガイドライン」および「日常管理ガイドライン」のグループ全体での実践を徹底して基盤品質の向上を図ります。

※1 重要品質問題:「製品・技術・サービスの品質」に関し、緊急に根本解決を図らなければ、お客様・社会・積水化学グループに対し重大な損害を与える問題。
※2 外部損失費:製品に関するクレーム対応の費用。

3つのゼロへの取り組み

品質の不備は、クレームへの対応や廃棄物の増加といったロス・ムダ…つまりコストにつながるという考えのもと、「事故・不良ゼロ、廃棄物ゼロ、クレームゼロ」という「3つのゼロ」に取り組んでいます。

重要品質問題への取り組み

重要品質問題の発生防止のために、2013年度から、品質問題の未然防止をテーマに効果的な未然防止手法を習得することを目的とした「開発未然防止セミナー」と、DR(デザインレビュー)を行う者のスキルアップをねらいとした「DRレビューア育成セミナー」を開催しています。
2017年度は、「未然防止事例検討会」を国内4ヵ所で開催し、従来の製品との変更点に着目して品質リスクを予測・抽出することが重要であることを再認識しました。これらのセミナーは、2018年度も継続して開催していきます。

お客様の声をまとめた冊子を発行

お客様の声をまとめた冊子を発行

当社グループのお客様相談室には、1年間で1万件を超えるお問い合わせ・ご意見等が寄せられます。当社グループでは、お問い合わせ内容へ真摯に回答することはもちろん、問い合わせをされるに至ったお客様の動機を独自に分析することで、お客様の「見えないニーズ」を発掘しています。
2015年度以降は、お客様相談室に寄せられた声をまとめた『VOICE』を発行し、お客様の声の経営への活用、全従業員へのCS品質風土の醸成と定着および担当分野の垣根を越えた全社事業展開の理解の促進などを図っています。

資材調達

当社グループは、資材調達にあたり、「オープン」「公平・公正」「法令遵守」「相互信頼」「環境配慮」を基本としています。
お取引先とのパートナーシップを深め、公正な取引により共存共栄を図ります。すべてのお取引先の皆様に対して、優良な品質の確保、環境への配慮、事業活動を行っている各国・地域の関連する法令・社会規範の遵守、安全衛生の活動を積極的に行うことを求めています。

グリーン調達

当社グループでは、原材料などの調達の際に従来のQCD(品質、コスト、納期)に加えてE(環境)についても評価し、環境負荷の低い商品を環境負荷の低いお取引先から調達する「グリーン調達」を実施することにより、「調達のグリーン化」を推進しています。2017年4月には、グリーン調達基準書の定期見直しを実施するとともに、「特定化学物質障害予防規則」の法改正に伴い関連書類を改定しています。

紛争鉱物への対応について

当社グループは、コンゴ民主共和国およびその周辺国で人権侵害や環境破壊などに関わる武装勢力の資金源となっている紛争鉱物問題について懸念し、CSR経営の観点からサプライチェーン全体にわたって紛争鉱物仕様の調査を実施しています。2017年4月より、「紛争鉱物調査ガイドライン」の運用を開始しました。このガイドラインは、お取引先から紛争鉱物の調査依頼を受け、調査を実施する当社グループの各担当部門※1を対象として新たに策定されました。2017年度は、積水化学の環境・ライフラインカンパニー、高機能プラスチックスカンパニーおよびそのグループ企業について、308件の紛争鉱物調査を実施。うち238件は3TG※2不使用、51件はDRC諸国※3以外の原産、19件はDRC諸国原産でしたが、CFS※4認証の製造所であることが確認できています。なお、製錬所不明はありませんでした。

社会貢献活動

地域社会とともに生きる企業として当社グループでは、「環境」「次世代」「地域コミュニティ」を主な分野とした社会貢献活動を進めています。例えば「環境」では、森林保全活動、生物多様性の保全、緑地化活動を進めています。こうした社会貢献活動を社会とともに生きる企業市民の取り組みとして位置づけ、グループの従業員が積極的に社会と関わりを持てるよう活動を支援しています。

社会貢献活動事例

社会貢献活動事例

自然資本

地球は、地球を構成する大気、水、土壌などが相互に作用しながら健全な生存基盤をなし、豊かな生物多様性を形成しています。暮らしや経済活動は、自然資本である地球からの恵みを受け、持続可能に発展する―積水化学グループは、このような地球・社会を目指しています。温室効果ガスの排出量を減らす、資源の循環型利用を進める、生態系への負荷を減らすなど自然資本の劣化を食い止めることはもとより、環境貢献製品の拡販などを通して自然資本へのリターンに貢献し、生物多様性が保全された地球の実現に向け日々事業活動を行っています。
自然資本:土地、大気、水、鉱物、動物、植物など物的資本、生物資本と人的資本、社会資本など。

環境長期ビジョン
SEKISUI環境サステナブルビジョン2030

積水化学グループは、事業活動が自然資本に依存していることを認識しています。経営層および従業員一人ひとりが“環境活動推進力の高い人材”へと進化を図るとともに、2030年には“地球から授かったもの以上に地球に返していく”ために、「環境貢献製品の市場拡大と創出」「環境負荷の低減」「自然環境の保全」の3つの活動による貢献を軸に環境経営を推進していきます。そして、「自然資本へのリターンに貢献」していくことで、“生物多様性が保全された地球”の実現に向けて際立つ価値を創造しつづけます。このような価値を創造しつづけることで、国連で提唱されている「持続可能な開発目標」の諸課題に対し、解決に寄与していくことができると確信しています。

環境マネジメントシステム

当社グループは、社長を委員長とするCSR委員会およびその下部委員会である環境分科会をそれぞれ年2回開催し、グループ全体の主な活動方針を決めています。また、各事業所ではISO14001に則った環境マネジメントシステムを構築し、環境活動を運用しています。2018年3月末時点で、国内46事業所、海外36事業所がISO14001等の認証を取得するなど、認証取得済みの事業所数が当社グループ全体に占める割合は47%になっています。また、主要事業所すべてにおけるISO14001認証取得とゼロエミッション達成を目指しています。

SEKISUI環境サステナブルインデックス

中期計画における重要実施項目である各種環境負荷削減、環境に貢献する製品・サービスの拡大、自然環境の保全等の項目による効果を、グループの企業活動が環境に与える負荷(自然資本の利用)と環境への貢献の度合い(自然資本へのリターン)を1つの指標で表したSEKISUI環境サステナブルインデックスで統合化し、2014年度から試算を開始しました。2017年度からは、このインデックスで示す“自然資本へのリターン率”を会社の環境経営全体の進捗を示すKPIとして管理を開始しています。2017年度には85%、中期計画3年間では90%を目指し、2030年には100%以上のリターンを目標設定しています。

SEKISUI環境サステナブルインデックスの推移

環境貢献投資枠の設定

COP21(パリ協定)の採択を踏まえ、日本が2030年までにCO2排出量を2013年度比で26%削減することを目標としている中、当社グループとしても、国家目標と同等以上の削減目標を掲げて意欲的に取り組んでいきたいと考えています。環境中期計画では、CO2の排出量を総量で6%削減という目標を掲げ、積極的な設備投資を計画し、売上高の0.3%に相当する120億円規模の社内投資促進策を策定しました。2017年度に申請された案件の温室効果ガス排出量は2万トンに到達する勢いで、この支援制度によってさらなる投資を行い、合計で4万トンの削減を目指します。

自然資本の利用

気候変動への対応

2017年度から推進している環境中期計画では、生産に関わる温室効果ガス排出量だけでなく、事業活動全般における温室効果ガス排出量に対象を拡大して目標設定し、事業活動における排出量について2019年度に2013年度比6%の削減を目標として設定しています。生産部門においては、温室効果ガス排出量削減に資する積極的な環境貢献投資を進めています。今後もCOP21で示された目標値を念頭に事業活動のすべての段階での継続的な温室効果ガス削減に取り組んでいきます。

資源の有効活用

廃棄物については、ライフサイクル全体で「3R」(Reduce:使用抑制、Reuse:再使用、Recycle:再資源化)を徹底。事業活動に起因して発生した廃棄物すべてを資源として再利用する「ゼロエミッション活動」に取り組んでいます。環境中期計画では、廃棄物発生量の生産量原単位を2016年度比で毎年1%削減することを目標としています。

化学物質管理

化学物質については、製品環境影響評価制度※1やグリーン調達制度※2を運用するとともに、自主目標を定めて化学物質の排出・移動量の削減に1999年度から取り組んでいます。VOC排出量は、2016年度比3%以上削減という中期目標に対し、2017年度の国内排出量は、溶剤を使用する粘着テープ製造部門で生産量が増えたため、2016年度比12.1%増加でした。代替フロン類は2008年度に全廃しました。

※1 製品環境影響評価制度:製品開発において、資源採取から製造、使用、廃棄、輸送などすべての段階を通じて環境影響を評価する制度。
※2 グリーン調達制度:製品の原材料や部品などを調達する際、環境への負担が少ないものから優先的に選択する制度。

水資源の保全

当社グループは、水使用量の削減やサプライチェーンおよび自然環境への影響を含む水リスクの把握、経営層・従業員の環境教育、ステークホルダーへの情報提供を重要課題と位置づけた環境中期計画を作成しています。当社グループは、水の供給・貯留・排水を担うインフラに関連する製品の供給を事業としているため、安全な水の供給および水インフラの維持の重要性をお客様に伝えることが、事業を持続可能なものとしていく上で重要であると考えています。また、水資源の保全に事業を通じて貢献することは、SDGs17目標の一つである「安全な水と公衆衛生へのアクセス」につながることを認識しています。

環境影響度評価

当社グループでは、製品プロセスの開発時・変更時に、製品ライフサイクルすべての段階で、環境影響度評価を実施しています。

自然資本のリターン

環境貢献製品

高いレベルの環境貢献効果を有し、かつお客様の使用段階においてその効果を発揮することを認められた製品を「環境貢献製品」と定義し、市場拡大と創出を行うことで地球の自然資本へのリターンに貢献しています。

自然環境の保全

当社グループでは、2008年4月、「環境経営方針」に生物多様性に関する項目を盛り込み、2011年にガイドラインを策定。事業活動における環境配慮と世界各地での環境保全活動という両面から生物多様性を含む自然環境全般の保全に取り組んでいます。また、環境分科会において、土地利用の生物多様性貢献度を評価するツールである「土地利用通信簿®※1」や排水が及ぼす生物への影響を評価する「WET※2」等を活用した手法で、年2回、事業活動に関する生物多様性およびその影響評価を審議しています。

※1 土地利用通信簿®:一般社団法人企業と生物多様性イニシアティブが開発した生物多様性への取り組みレベルを評価するツール。
※2 WET(Whole Effluent Toxicity):魚類、ミジンコ、藻類の生物応答で排水中の全ての物質の影響を評価する手法