コーポレート・ガバナンスの取り組み

更新日:2020年9月11日

積水化学グループは、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図ることをコーポレート・ガバナンスの基本方針としています。その実現に向け、経営の透明性・公正性を高め、迅速な意思決定を追求するとともに、社是に掲げる社会的価値の創造を通して、当社グループが重視する「お客様」「株主」「従業員」「取引先」「地域社会・地球環境」の5つのステークホルダーの期待に応え続けていきます。

SEKISUI コーポレート・ガバナンス原則

当社は、コーポレート・ガバナンス向上の取り組みを一層進化させ、ステークホルダーに対して、当社の考え方と取り組みについてお伝えすることを目的として、「SEKISUIコーポレート・ガバナンス原則」を制定・公表しています。上記原則に加えて、「コーポレートガバナンス・コード」における基本原則・原則・補充原則の全78項目に対する当社の取り組み状況や考え方について、「コーポレートガバナンス・コード各原則への取り組みについて」として取りまとめ、公表しています。

コーポレート・ガバナンス

コーポレート・ガバナンス強化に向けたこれまでの取り組み

機関設計

当社は、会社法上の機関設計として、監査役会設置会社を選択しています。カンパニー制のもと、各カンパニーの事業環境変化に迅速に対応するため、監督機能(取締役)と業務執行機能(執行役員)の分離を行うことを目的とした執行役員制度を導入しています。

コーポレート・ガバナンス体制図(2020年6月23日時点)

取締役会

取締役会は、全社基本方針の決定や高度な経営判断、業務執行の監督を行う機関と位置付け、十分な独立性を有する社外取締役3名を選任することにより取締役に対する実効性の高い監督体制を構築し、経営の透明性、公正性を確保しています。

当社は、取締役の員数を15名以内としており、そのうち複数の社外取締役を選任することとしています。当社の取締役会は、優れた人格・見識・高い倫理観を有し、かつ知識・経験・能力を備えている取締役によって構成しています。

また、社外監査役を含む監査役全員が取締役会に出席することとしています。2020年は3月の社長交代により、非業務執行取締役である会長が議長を務めています。

当社は事業領域・規模に応じた適切な意思決定を行うために、取締役会メンバーの多様性と適正人数を保つこととしています。社内取締役に事業のトップであるカンパニープレジデントと豊富な経験・専門性を有するコーポレートの統括役員を選任し、広範な知識と経験を有する複数の独立社外取締役、専門性を備えた監査役を含めて、多様性・規模の適正性、能力のバランスを確保し、取締役会の役割・責務を実効的に果たしています。

取締役会の構成(2020年6月23日時点)

  • ※1 政策会議:経営上の重要な政策・戦略事項・取締役会の上程案件の審議を目的に毎月1回開催
  • ※2 は議長または委員長
  • ※3 CSR委員会を2020年度からサステナビリティ委員会へ改称
  • ※4 上記一覧表は、取締役・監査役の有するすべての知見を表すものではありません

社外取締役

当社とは異なるバックグラウンドにおける豊富な経営経験と専門的知見から監督および助言をいただき、当社の企業価値向上に貢献いただくため、独立性の確保された社外取締役を3名選任しています。特に当社が重点的に取り組みを進めているグローバル展開、ビジネスモデル革新、ESG経営の強化などの施策に対して、多様で客観的な視点から助言を得ています。

独立社外取締役の取締役会に占める比率については、今後の事業規模や事業分野の広がり、会社を取り巻く環境などを総合的に勘案し、適宜検討を行います。

〈参考〉統合報告書2019「Dialogue―社外取締役との対話―」

取締役会の実効性に関する評価

当社では、毎年、取締役会の実効性を評価しています。

取締役会では、適切な議題設定がなされ、十分な議論時間の確保と社外取締役を含めた取締役および監査役から活発な意見提言が行われていることから、当社グループの企業価値向上に寄与し、適切に機能していると判断しています。

2019年度は重要な経営課題として、長期ビジョン、中期経営計画、成長戦略(R&D、M&A・出資、大型新規事業など)と基盤戦略(働き方改革、デジタル変革、CS品質など)を取り上げ、取締役会で十分な審議を行いました。また、取締役会では十分な議論時間が確保され、社外取締役を含む取締役や監査役から活発な意見提言が行われていることを確認しました。

取締役・監査役候補者の選定や個人別評価・報酬等の額は、指名・報酬等諮問委員会で審議を行い、取締役会ではその答申を受けて決定しました。指名・報酬等諮問委員会は、代表取締役社長の後継者計画、取締役会の構成および実効性、ガバナンス強化の取り組みなどの議論を含め、6回開催しました。

2020年度も重要な経営課題の審議を一層充実させ、取締役会として適切な意思決定を行うことで、経営の透明性・公正性を確保したいと考えています。

取締役の職務執行

取締役の職務の効率性を確保するため、2019年度は取締役会を17回開催しました。また、当社の経営方針および経営戦略に関わる重要事項は、当社の社内取締役を構成員とする政策会議において議論を行い、その審議を経て取締役会において決定しました。

監査役の職務執行

監査役は、取締役会のほか各種重要会議への出席、グループ会社を含む関係部署の調査や重要案件の決裁書確認などにより、内部統制システムの整備・運用状況の確認を行いました。また、自ら各拠点を往査するとともに、内部監査部門や会計監査人などと定期的に情報交換することにより、監査の実効性を高めました。2019年度は監査役会を18回開催し、これらの情報共有を図っています。関係会社監査役とは連絡会を開催し、監査役の連携強化、監査品質の向上を図っています。さらに、社外取締役との意見交換も行いました。

取締役および監査役への支援および連携

社外取締役に対しては、取締役会での審議の充実を図るため、取締役会資料の事前配布および事務局担当役員による事前説明を行うほか、就任時のオリエンテーション、年複数回の事業所視察などにより、事業への理解を深める機会を継続的に提供しています。また、社外役員による経営監督の実効性を一層高めるため、委員の過半数が社外役員である指名・報酬等諮問委員会での審議を充実させるほか、監査役や会計監査人との対話も実施しています。後継者計画の観点では、四半期決算ごとに行う執行役員連絡会における社外取締役の講演や、株主総会後の新経営体制発足時に取締役・監査役・執行役員が一堂に会する機会を設けるなど、現経営陣と次期経営層候補者との接点も強化しています。

社外役員による事業所視察

当社および当社グループの幅広い事業内容についての理解を深めるため、毎年、社外役員による事業所視察を実施しています。2019年度は、住宅カンパニーの生産革新が進むセキスイハイム工業近畿事業所、事業化に向けた新技術開発を行うコーポレートつくば事業所を訪問しました。

指名・報酬等諮問委員会

当社は、取締役会の機能を補完し、より経営の公正性・透明性を高めるため、指名・報酬等に関する任意の諮問委員会を設置しています。

指名・報酬等諮問委員会は、経営陣幹部の選解任、取締役候補の指名、取締役の報酬制度・報酬水準等、取締役会の実効性向上に係る事項、元代表取締役社長等の顧問・相談役の委嘱や処遇等を審議し、取締役会に意見の答申および助言を行います。

指名・報酬等諮問委員会は、過半数を独立社外役員とする6名の委員で構成し、委員長は独立社外役員より選出します。

取締役および監査役の選解任の方針および手続き

当社は、優れた人格・見識・高い倫理観を有し、かつ知識・経験・能力を備えている人材を取締役候補者として指名することとしています。取締役の指名を行うにあたり、より透明性・公正性を高めるために、指名・報酬等諮問委員会において審議し、取締役会に意見の答申を行い、取締役会で決定します。

また、監査役には、1名以上に企業財務・会計、また1名以上に法制度に関する知識と知見を備えた人材を監査役候補者として指名することとしています。

社長の後継者の育成とその決定

社長の後継者の承継計画と監督は、経営理念や経営戦略を踏まえて適切に行われていますが、手続きの客観性・適時性・透明性を高めるために、指名・報酬等諮問委員会で候補者が社長に相応しい資質を有するか十分な時間をかけて審議を行い、取締役会に意見の答申を行い、取締役会で決定します。

役員の報酬等

(1)報酬等の決定に関する方針

①基本方針

当社役員の報酬制度は、当社グループ経営理念実現のために、次の方針を定めています。

  • 当社グループの持続的成長と中長期的な企業価値の向上に資するものであること
  • 当社役員が、株主と利益意識を共有し、株主重視の経営意識を高めるものであること
  • 当社役員にとって、経営計画の達成を動機付ける業績連動性の高い報酬制度であること
  • 当社グループの競争力向上のため、多様で優れた経営人材を獲得し保持できる仕組みおよび水準であること
②報酬の考え方
当社の業務執行取締役の報酬等は、基本報酬、賞与、株式報酬で構成されています。社外取締役および監査役の報酬は、基本報酬のみで構成されています。

(2)役員報酬の決定プロセス

当社は、役員報酬制度の目的を達成するため、取締役会の諮問機関として、「指名・報酬等諮問委員会」を設置し、取締役の報酬の仕組みと水準を審議し、個別報酬の妥当性を検証しており、客観性・透明性のある手続きでなされています。

〈指名・報酬等諮問委員会の活動の概要〉
  • 本委員会は、委員長(社外取締役)が招集する。
  • 本委員会の議案は各委員より上程され、事務局がこれを取りまとめて委員長に提示する。
  • 本委員会の審議結果は、委員長が取締役会に答申する。
  • 取締役会は本委員会の答申を尊重し、最終的な方針決定を行う。なお、本委員会の委員および取締役は、これらの決定にあたり、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資するか否かの観点から行うことを要し、もっぱら自己または当社の経営陣を含む第三者の個人的利益を図ることを目的としてはならない。
役員報酬の内容

(3)2019年度の役員報酬額

  • (注)1.上記には、2019年6月20日開催の第97回定時株主総会の終結の時をもって退任した取締役4名および監査役1名を含んでいます。
    2.上記報酬等の額には、使用人兼務取締役に支給した使用人分給与賞与相当額46百万円を含んでいません。
取締役に対する業績連動報酬と固定報酬の割合(2019年度)
  • ※社外取締役、使用人兼務取締役に支給した使用人分を除く

役員の自社株保有ガイドライン

取締役(社外取締役を除く)と執行役員を対象に、中長期的な業績向上と企業価値の増大への貢献意欲を一層高めるため、「株式報酬制度」を導入するとともに、一定数以上の株式を保有する「自社株保有ガイドライン」を設けています。

執行役員制と執行役員会

当社は、企業価値の最大化を図るべく、カンパニー制に基づくマネジメント体制を構築しています。業務執行に専念する執行役員を各カンパニーに置くとともに、カンパニーの最高意思決定機関として執行役員会を設置し、取締役会から大幅な権限を委譲しています。執行役員の任期は1年とし、取締役会の決議により選任します。

カンパニーへの権限移譲により、取締役会は、積水化学グループの経営の基本方針決定と高度な経営判断、業務執行の監督を担い、企業価値の継続的な向上に努めます。

政策保有株式に関する基本方針および議決権行使基準

(1) 政策保有株式に関する基本方針

当社は、重要取引先・パートナーとして、保有先の企業価値向上と当社の中長期的な企業価値向上の最大化を図る場合において有益かつ重要と判断する上場株式を、限定的かつ戦略的に保有することとします。その戦略上の判断は適宜見直しを行い、意義が不十分、あるいは資本政策に合致しない保有株式については縮減を進めます。

(2) 政策保有株式の保有の要否の検証

当社は、上記の基本方針に基づき、2019年6月11日開催の取締役会において、政策保有株式(上場会社)の保有による便益やリスクが資本コストに見合っているかなどの項目について個別具体的に精査、検証を行いました。なお、上場会社の保有銘柄数は2019年3月末時点で28銘柄でしたが、2019年度は1銘柄の取得および1銘柄の売却を行い、2020年3月末現在で28銘柄となりました。

政策保有株式の銘柄数および貸借対照表計上額の
推移政策保有株式の銘柄数および貸借対照表計上額の推移

(3) 政策保有株式の議決権行使基準

当社は、保有の戦略的位置付けや株式保有先企業との対話などを踏まえたうえで、当該企業の企業価値向上と当社の中長期的な企業価値向上とを連動させる観点から、議決権行使の具体的基準を定め、それに沿って行使することにより保有先企業に対する株主としてのモニタリング機能を果たします。議決権行使については、保有先企業の議案の重要性(特別決議議案の有無)、報告年度の決算内容(自己資本比率、損益状況)および事業継続性をもとに判定する基準を設けており、当該企業との対話を踏まえたうえで総合的に賛否を判断しています。

内部統制システム

2006年5月、当社における業務の適正を確保するための内部統制システム構築に関する基本方針を取締役会で決議しています。グループ経営理念に基づく「企業行動指針」のもと、当社とグループ会社間の指揮・命令、意思疎通の連携を密にするとともに、当社はグループ会社に対して指導・助言・評価を行いながら、グループ全体としての業務の適正を図っています。

ステークホルダーエンゲージメント

積水化学グループでは、「お客様」「株主」「従業員」「取引先」「地域社会・地球環境」の5つのステークホルダーとの信頼関係を構築するためには、企業価値向上に向けた建設的な対話が重要だと考えています。ステークホルダーを企業価値向上に向けたパートナーと位置付け、建設的な対話を通じて、その期待や要請を把握し、社会全体の課題をともに解決していくことが、積水化学グループにとっての大きな事業機会につながります。ステークホルダーと共存共栄の関係をつくり、持続的な成長をさらに進めていきます。

ステークホルダーとの建設的な対話の促進

ステークホルダーの皆様からいただいたさまざまな評価やご意見は、社長を委員長とする取締役メンバーなどで構成されたCSR委員会(2020年度よりサステナビリティ委員会に改称)で報告し、適切に企業活動に反映させるよう努めています。

2019年度は住宅販売会社の経営幹部層がお客様のご意見を直接お伺いする「CAT(Customer And Top)ミーティング」(189回開催、1,413人参加)、毎年参加しているエコプロでのお客様とのコミュニケーション、投資家や調査機関との面談、従業員が経営層と直接対話をする「トップと語ろう」の開催などを通じて、評価や意見をいただきました。

ステークホルダーへの価値配分

積水化学グループでは、GRIスタンダードなどを参考にして、財務諸表に基づきステークホルダー別に、その配分状況を算出しています。ステークホルダーとのエンゲージメントによってもたらされる事業および社会的価値を定量化・「見える化」して把握することで、CSRを加速させていきます。

ステークホルダー価値配分(2019年度)

従業員との対話

当社グループでは、会社を取り巻く問題点や仕事上の課題を解決していくためにも、経営層と従業員の対話が不可欠だと考えており、2002年度より、従業員が経営層と直接対話をする機会を設けています。経営トップと従業員の直接対話の場として2019年度は、13のグループ会社があるタイの従業員を対象に「トップと語ろう」を開催し、中期経営計画(2017-2019年度)の「融合 -Fusion-」をテーマに、従業員間で活発な意見交換が行われました。その中から現地グループ会社間での協業による生産性向上策や、各社の経営資源を融合させた新たなビジネスモデルなど、現地従業員からのさまざまな提言・提案をもとに、社長をはじめとする参加役員が直接対話を実施。当日の対話内容は各カンパニーに共有し、実現に向けて施策が進んでいます。今後は欧州・北米などのエリアでも実施し、世界中のグループ従業員が経営層と直接対話できる機会を増やすよう努めていきます。

タイで開催された「トップと語ろう」

株主・投資家の皆様との対話の推進

当社グループでは、適時、適切かつ積極的な情報開示が重要であると考えており、積水化学のWebサイトでは、「企業情報開示理念」のもと、具体的な開示内容や開示体制などに関して「企業情報開示規則」を策定し、社内の情報開示体制を強化しています。またフェアディスクロージャーに十分配慮し、決算情報・説明会資料については、Webサイト上に和英同時公開を行うほか、その説明会の模様についての配信や質疑応答の掲載を行っています。

また当社グループの事業領域が多岐にわたることからグループ全体の事業内容やCSRの取り組みについて、十分かつ正しく理解してもらうためには、個別に丁寧な説明をすることが重要だと考え、四半期ごとの経営陣による決算説明会のほか、機関投資家・セルサイドアナリストの方々との面談の実施、個人投資家様向け説明会、株主の皆様を対象とした経営説明会の開催などを積極的に行っています。

そして「投資家と経営層の積極的なエンゲージメント」を重要課題の一つとして掲げ、株主・投資家の皆様と建設的な対話を行い、そのフィードバックを経営に活かす努力をしています。2019年11月にIRに積極的な企業として評価いただき、一般社団法人日本IR協議会の「IR優良企業特別賞」を受賞いたしました。

これからも、資本市場の声に耳を傾け、企業価値向上や持続的成長のための取り組みを推進していきます。

経営計画オンライン説明会

IR優良企業特別賞(2019年11月受賞)