2020年度連結業績の
レビューと分析

更新日:2021年8月31日

2020年度(2021年3月期)
連結業績のレビューと分析

経営環境

2020年度の世界経済は、新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大の影響により、企業活動や人の移動など、社会経済活動が大きく抑制され、総じて厳しい状況で推移しました。しかし年度後半より米国・中国を中心に、景気持ち直しの動きが見られました。国内経済もコロナ禍の影響で企業収益や景況感が大幅に悪化し、設備投資の先送りや規模縮小が生じたほか、個人消費の減退やインバウンド需要消失の長期化など厳しい状況で推移しました。しかし、下期以降、製造業を中心に緩やかな回復傾向も見られています。国内外で段階的な経済活動の再開の動きが見られる一方で、感染症の収束見通しは立っておらず、先行き不透明な状況が依然続いています。

市場環境を、当社の事業分野別に見てみますと、国内の住宅分野では、新設住宅着工戸数は、持家、貸家および分譲マンションの減少で前期比9.9%減の81万戸となり、戸建住宅のうち、持家は前期比9.6%減の26万1,088戸、戸建分譲住宅は前期比11.4%減の13万753戸となりました。水インフラ関連分野は、マンション着工戸数の減少に伴い、塩化ビニル管の出荷量は前期を下回りました。また建設投資も、政府建設投資は堅調に推移したものの民間建設投資は前期を下回りました。エレクトロニクス分野では、スマートフォンの出荷台数が引き続き減少しましたが、年度後半にかけて需要の回復が見られています。自動車分野は、いずれの地域でも販売台数が前年実績を下回ったものの、中国や米国では年度後半に予想以上の速いペースで需要の回復を見せています。為替については、期初2020年4月、1ドル=107円台でスタートした後、じりじりと米ドル安・円高が進み、年明けには一時1ドル102円まで円高が進みましたが、その後は米ドル高・円安基調となり、期末の2021年3月は110円台後半で期を終えました。なお、当社の2020年度の年平均為替レートは1ドル=106円、1ユーロ=124円と、前期に比べ米ドル安円高に、ユーロ高円安となり、当期の営業利益に与える為替の影響は▲11億円となりました。

世界自動車生産台数

※国際自動車工業連合会(OICA) ※暦年ベース

新設住宅および民間非居住建築物の着工戸数

※国土交通省「住宅着工統計」

スマートフォン出荷台数

※中日社(電子機器年鑑2021)

国産ナフサ価格前提

※財務省(貿易統計)

経営成績および財政状態の分析

1. 2020年度の経営成績の分析

(1)売上高および営業利益

積水化学グループの長期ビジョン「Vision 2030」に基づき、新たに策定した中期経営計画「Drive 2022」のスタートとなる2020年度は、COVID-19による国内外の自動車・航空機の需要低迷、工事物件の停止・遅延、国内の新設住宅着工数の減少、営業活動の制限などの影響を受けました。第3四半期以降は自動車、スマートフォンなどの市況が緩やかに回復したことに加え、固定費削減と構造改革の取り組みを前倒しで推進し、下半期の営業利益は前連結会計年度並みとなりました。

その結果、売上高は前連結会計年度比6.4%減の1,056,560百万円、営業利益は23.5%減の67,300百万円、経常利益は28.2%減の62,649百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は投資有価証券売却益が前年度に比べ減少したことなどが影響し、前年度比29.8%減の41,544百万円となり、減収減益となりました。一方、将来への仕込みとして、環境・ライフラインカンパニー総合研究所の新研究開発棟や高機能プラスチックスカンパニーのイノベーションセンターを開設し、研究開発体制を強化しました。また、海外事業拡大のための仕込みとしては、欧州における放熱材料の生産拠点の稼働、鉄道まくらぎ向け合成木材(FFU)の生産工場設立も決定しました。さらに、ウィズコロナ・ポストコロナなど、新たな社会課題に全社の総合力で対応する「ESGタスクフォース」を結成しました。

営業利益推移

営業利益増減要因分析

このうち、住宅カンパニーの2020年度の売上高は前期比5.4%減の485,265百万円、営業利益は前期比19.2%減の30,546百万円となりました。当期は、期初受注残の減少に加え、COVID-19の影響を受け受注が減少したことにより、減収減益となりました。 一方、生産最適化や固定費抑制などの収益体質強化の取り組みは進捗しました。新築住宅事業は、COVID-19が拡大する中、通期の受注は前期を下回りましたが、第3四半期以降、市況は回復基調で、下期の受注は前期並みとなりました。分譲・建売住宅は好調に推移しました。施策面では、Web集客やオンライン商談を推進するとともに、10月に発売した「スマートパワーステーションFR GREENMODEL」によりエネルギー自給自足の訴求を図りました。また、好調な分譲・建売住宅の拡販に向け、土地・建売在庫の拡充に努めました。リフォーム事業は、顧客との接点が減少したことにより、売上高は前期を下回りましたが、コスト削減が計画以上に進捗し、下期は増益に転換しました。施策面では、定期診断専任担当者の設置などの体制整備を進めるとともに、受注残の管理を強化することにより、施工・売上の平準化を推進しました。まちづくり事業は、「あさかリードタウン」「東松山リードタウン」の売上による収益貢献が本格化するとともに、今後のプロジェクト案件の確保も順調に進捗しました。

環境・ライフラインカンパニーの2020年度の売上高は前期比13.8% 減の204,586百万円、営業利益は前期比27.3% 減の11,251百万円となりました。当期は、国内外でのCOVID-19の影響による工事物件の遅延・延期の影響や、国内における建築関連(非住宅施設)市況が低調であったことなどにより、減収減益となりました。一方、構造改革、業務効率化、固定費削減は計画以上に進捗しました。配管・インフラ分野は、国内公共事業、海外プラント(半導体・液晶)向けが堅調でしたが、国内建築関連(非住宅施設)向けの需要が低迷し、売上高は前連結会計年度を下回りました。建築・住環境分野は、戸建・リフォーム向けが回復基調でしたが、非住宅向け需要が低調で、構造改革の影響もあり売上高は前期を下回りました。機能材料分野は、米国の成形用プラスチックシートの医療機器向けを中心とした新用途への展開が進捗しましたが、航空機向けの需要が低調であったことと、事業譲渡による構造改革影響で売上高は前期を下回りました。合成木材は、国内の需要(まくらぎ・水処理関連用途など)が堅調に推移しました。

高機能プラスチックスカンパニーの2020年度の売上高は前期比3.9% 減の309,867百万円、営業利益は前期比22.6% 減の28,935百万円となりました。当期は、COVID-19の影響によるモビリティ分野・住インフラ材分野における需要の大幅な低迷により、減収減益となりました。一方、サプライチェーン全体のコスト革新や構造改革による徹底した収益体質強化策を推進し、需要が回復した下期は前連結会計年度比で増収増益となりました。エレクトロニクス分野は、モバイル端末の需要増と基板・半導体、接合部材、放熱製品などの非液晶分野への拡販の取り組みが順調に進捗したことにより、売上高は上期、下期とも前期を大きく上回りました。モビリティ分野は、上期における自動車市況の減退や航空機関連部材の需要低迷により、売上高は前期を下回りましたが、第3四半期以降は自動車市況が大きく回復したため、高機能品の拡販が順調に進捗し、下期の売上高は前期を上回りました。住インフラ材分野は、塩素化塩ビ(CPVC)樹脂のグローバル需要が第3四半期以降回復したものの、第1四半期のロックダウンの影響や国内市況の低迷が続いたことにより、売上高は前期を下回りました。

メディカル事業の2020年度の売上高は前期比0.3%減の72,342百万円、営業利益は前期比23.8%減の7,010百万円となりました。当期は、COVID-19拡大による生活習慣病の外来検査減少の影響を受けたものの、米国のCOVID-19検査キット拡販と医療事業の新規原薬拡販により、売上高は前期並みとなりました。一方、検査薬の需要減少にともなう利益率低下などにより、営業利益は前期を下回りました。

(2)営業外損益

営業外収益については、受取利息が472百万円減少したことなどにより、前期と比較して772百万円減少しました。営業外費用については、特定外壁点検保全費用の計上が2,317百万円増加したことなどにより、前期と比較して3,105百万円増加しました。

(3)特別損益

特別利益については、固定資産売却益3,128百万円、投資有価証券売却益2,258百万円の合計5,387百万円を計上しました。特別損失については、減損損失2,428百万円、固定資産除売却損1,700百万円などの合計4,857百万円を計上しました。

(4)親会社株主に帰属する当期純利益

以上の結果、当期の税金等調整前当期純利益は前期に比べて20,607百万円減少し、63,179百万円となりました。税金費用と非支配株主に帰属する当期純利益を控除した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は41,544百万円となりました。

(5)主要な経営指標

なお当社グループでは、ROE(自己資本利益率)に加え、持続経営力の強化に向けてROIC(投下資本利益率)も主要経営指標として導入しており、中期経営計画では最終年度の2022年度の事業目標にROE10.6%、ROIC8.6%の達成を掲げています。当期のROEは前期より3.2ポイント減少の6.5%となりました。また当期のROICは前期より2.3ポイント減少の5.4%となりました。

2. 財政状態

(1)資産、負債及び純資産の状況

2020 年度の総資産は前期末から44,361百万円増加し、1,150,143百万円となりました。

(資産)

流動資産については、前期末より13,688百万円増加し、505,571百万円となりました。主な要因は、営業債権が合計で3,493百万円減少しましたが、現金および預金が10,635百万円、棚卸資産が合計で5,719百万円増加したためです。また、固定資産については、30,673百万円増加し、644,571百万円となりました。

(負債)

有利子負債が合計で20,502百万円増加しましたが、退職給付に係る負債が16,767百万円、支払手形、電子記録債務、買掛金、未払費用の仕入債務等が合計で11,367百万円減少した等により負債合計では15,811百万円減少し、455,751百万円となりました。

(純資産)

当連結会計年度末の純資産は60,173百万円増加し、694,392百万円となりました。主な要因は、配当金の支払20,953百万円および自己株式の取得12,202百万円があった一方で、親会社株主に帰属する当期純利益の計上41,544百万円、その他有価証券評価差額金が23,318百万円および為替換算調整勘定が15,146百万円増加したためです。

総資産・純資産・自己資本比率・
ネット有利子負債・D/Eレシオ

自己資本比率=自己資本/総資産

(2)キャッシュ・フロー

2020年度における現金および現金同等物(以下「資金」という。)は、前期末より1,927百万円増加し、当期末には76,649百万円となりました。 2020年度における各キャッシュ・フローの状況と要因は次の通りです。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

2020年度おいて営業活動の結果増加した資金は75,271百万円(前期は92,647百万円の増加)となりました。これは、税金等調整前当期純利益63,179百万円、減価償却費44,926百万円に加えて、売上債権の減4,629百万円等の増加要因が、法人税等の支払額21,497百万円、仕入債務の減11,246百万円、たな卸資産の増4,165百万円等の減少要因を上回ったためです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

2020年度において投資活動の結果減少した資金は58,495百万円(前期は100,562百万円の減少)となりました。これは、主に重点および成長分野を中心とした有形固定資産の取得55,359百万円、定期預金の純増8,156百万円等があったためです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

2020年度において財務活動の結果減少した資金は19,157百万円(前期は15,450百万円の増加)となりました。これは、配当金の支払22,193百万円(非支配株主への配当金の支払額を含む)、自己株式の取得12,201百万円等を行った一方で、有利子負債の純増14,484百万円等があったためです。

フリーキャッシュ・フロー

フリーキャッシュ・フロー=営業活動CF+投資活動CF-配当支払

事業等のリスク

事業の状況、経理の状況に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、当社は、当社グループにおける各種リスク発生の可能性を把握し、発生の回避および発生時に迅速・的確な対応ができるようにするための体制の確立に努めています。また、文中の将来に関する事項は、2020年度末において当社グループが判断したものです。

積水化学グループとしてマネジメントすべきリスクの特定

(1)主要市場の動向

モビリティ、エレクトロニクス、住宅、建築、インフラ等の市場の需要減退、あるいは、日本、北米、欧州、アジアなどの事業展開エリアにおける景気後退や不測の事態の発生があった場合、当社グループの業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。例えば、モビリティ分野の事業が対象とする市場は、グローバルな自動車産業や航空機産業の景況・需要動向の影響を受けやすく、エレクトロニクス分野の事業が対象とする市場は、業界の特性として需要の変動が激しく、短期間に縮小することもあります。また、住宅カンパニーの事業は、国内の住宅取得に関連する政策や税制、消費税、金利動向および個人消費や地方経済の動向の影響を、環境・ライフラインカンパニーの事業は、官公庁向けのものが含まれるため、政府および地方自治体の政策によって決定される公共投資の動向の影響を受ける可能性があります。

(2)原材料の市況変動および調達

当社グループの生産活動に使用される鉄鋼、木材、塩化ビニル・オレフィン等の石油関連の原材料の市場価格は、世界景気や需給バランス、為替変動等の影響を受けます。また当社グループの製品で使用している一部の原材料については、希少な原材料も含まれており安定調達に関わるリスクがあります。急激な原材料価格の高騰は生産コストの上昇につながる可能性が、また希少原材料の需要動向やサプライヤーでのトラブルは当社グループの製品供給に支障をきたす可能性があります。その結果、当社グループの業績および財務状況に影響を与える可能性があります。当社グループは、原材料価格の上昇に対して、原価低減施策を行うと同時に、環境・ライフラインカンパニーや高機能プラスチックスカンパニーの事業を中心に、販売価格と原料価格の差である「スプレッド」の維持に努めています。

(3)製品、品質

当社グループでは品質に万全を期すための品質保証・向上の取り組みを継続しています。 しかしながら、それらにも関わらず、重大な製品事故が発生した場合、製品に対する安全性・環境問題・各国法規制対応等に疑義が持たれた場合、知的財産に係る紛争が生じ当社グループに不利な判断がなされた場合等において、商品の回収や製造中止およびこれらに伴う補償や顧客からの信頼を失うリスクがあります。これらのリスクが顕在化した場合には、当社グループの業績および財務状況に影響を与える可能性があります。当社グループは、お客様に継続的に選択していただける価値を常にお届けする「CS品質経営」に取り組んでいます。「重要品質問題ゼロ」を当社グループの重要指標の一つとして設定し、商品化後に起こり得る品質リスクの開発段階での事前予測による品質問題の発生の未然防止、製造部門が実行すべき日常の管理の基本的指針の徹底など、バリューチェーン全体で一貫した品質管理を行い、そのレベルの向上を図っています。また、当社グループでは、技術の「際立ち」を最大限に活かすために知的財産戦略を重視し、強い特許の獲得による事業競争力確保を目指していますが、それにあたり、他者の知的財産を侵害しないよう適宜調査を行うとともに、知的財産侵害に対する回避・予防策などの適切な措置をとっています。

(4)為替・金利・保有資産価格の変動

当社グループはグローバルに事業を展開しており、外貨に対する円の価値変動は、外国通貨建ての売上高や原材料調達コスト、海外子会社および関連会社における資産や負債に大きな影響を及ぼす可能性があります。また、金利の変動は、当社グループにおける受取・支払利息の増減および住宅関連事業における需要に影響を与えます。 当社グループが保有する土地などの不動産、その他棚卸資産や有形固定資産、のれんなどの無形固定資産、投資有価証券等の投資その他の資産についても、市場環境や経営環境等の変化により減損処理が必要となるリスクがあります。これらにより、当社グループの業績および財務状況に影響を与える可能性があります。当社グループは、グローバルに展開する事業については現地生産を進めており、また、保有する外貨についても円への両替やグループ内ローン等を活用することで残高をコントロールし、為替リスク低減に努めています。

(5)海外での事業活動

当社グループは成長戦略の一つとしてグローバル展開を進めており、現在は22ヶ国に拠点を構え、生産および販売活動を行っています。 海外における事業活動では、世界経済全体の動向に加え、テロ・戦争などの政治的混乱、関税報復措置、予期しない政策・法律・規制の変更、税制改正、産業基盤の脆弱性、自然災害、感染症、人種差別、不買運動その他の要因による社会的または政治的混乱のリスクが存在します。これらのリスクが顕在化した場合、当社グループの海外での事業活動に支障が生じ、当社グループの業績および将来計画に影響を与える可能性があります。当社グループは米国・欧州・中国・ASEANの4ヶ所に地域統括会社を設置し、当社グループが拠点を構える各国の経済・社会・政治的状況や、各国法規制の動向について情報を収集しています。また対応が必要な事象が生じた際には、当該グループ会社、地域統括会社および日本本社の専門部門が連携して適宜対応しています。

(6)大地震、自然災害、産業事故等

当社グループの工場および研究所における周辺地域に影響する大きな産業事故(火災や爆発、有害物質漏洩等)や、当社グループの事業拠点における大地震・津波等の自然災害および感染症の蔓延等の発生にともない、当社グループの事業活動の中断などのリスクが存在します。それにともない生ずる社会的信用の失墜、補償等を含む産業事故災害への対応費用、生産活動の停止による機会損失および顧客に対する補償等により、当社グループの業績および財務状況に影響を与える可能性があります。当社グループでは、火災や爆発、有害物質漏洩等の産業事故の未然防止に向けて、自然災害も想定した各生産拠点でのリスクマネジメント活動によるリスク抽出と対応を行うとともに、本社の専門部門による実地監査と是正指導をグローバルで定期的に実施しています。併せて海外においては、海外危機管理事務局が中心となって地域統括会社とともに危機管理情報の共有やタイムリーな注意喚起等を行っています。また、万一の災害、事故の発生に向けて、グローバルでの緊急連絡網を通じて把握できる体制を構築するとともに、適切な初動対応のための従業員教育を強化しています。

(7)情報セキュリティ

当社グループは、生産、販売、研究開発、調達、会計などのビジネスプ ロセスにおいて、ITを効率的に活用する一方で、ITシステムへの依存度は高くなっています。また、これらビジネスプロセスの機密情報に加え、住宅事業ではその特性上、多くのお客様の個人情報を取り扱っています。そのため、サイバー攻撃や停電、自然災害、機器やソフトウェアの障害・欠陥等にともなう事業の中断や損害賠償の発生、個人情報を含む機密情報の漏洩等のリスクが存在します。これらのリスクが顕在化した場合、当社グループの事業活動に支障が生じ、当社グループの業績および財務状況に影響を与える可能性があります。当社グループでは、指針となる「情報セキュリティ方針」を制定のうえ、対応強化のためにCSIRT(シーサート、 Computer Security Incident Response Team)を設置し、システム上でインシデント発生の有無を常時監視するとともに、万一の発生時には適切な対応と再発防止を図る体制を整備し、従業員教育による人的な情報漏洩の未然防止も図っています。また、大地震などの自然災害等による基幹システム停止リスクに対しては、データセンターの複数ヶ所への分散設置、重要業務システムの完全二重化等の対策を講じています。

(8)法務・コンプライアンス

当社グループは事業の遂行にあたり、さまざまな法規制の適用を受けています。これらの法改正や予期しない法律・規制等の導入等に起因した違反事案や、業績目標達成のプレッシャー等に起因した社会規範に反した行動・不正等に重大なコンプライアンス違反事案が発生した場合、その対応に要するコストに加え、顧客からの信頼を失い、当社グループの業績および財務状況に影響を与える可能性があります。当社グループでは、2003年に「コンプライアンス宣言」を制定し、「社会への貢献」「信頼される企業」「法やその精神の遵守」などの考え方を基本として、当社グループの理念体系や企業行動憲章に掲げられた精神に則り、コンプライアンスを通じて社会から高い信頼を獲得する姿勢を明確にしてきました。2020年10月には、当社社長加藤のもと、当社グループにとって成長の基盤となるものがコンプライアンスであり、役員・従業員(一人ひとり)が社会常識に反する行為をせず、高い倫理観と責任感を持った行動をとることを宣言しました。また、社長が委員長を務めるサステナビリティ委員会において、取締役会の承認を要する「コンプライアンスに関する基本方針等」の審議を行うとともに、当社および当社グループ会社におけるコンプライアンス体制の構築および実践を図ることを目的として、サステナビリティ委員会の専門分科会として「コンプライアンス分科会」を設置し、コンプライアンスに関する重要事項の企画、検討および決定を行っています。当社グループが広く社会から信頼されるよう、コンプライアンス意識の向上に今後も取り組んでいきます。

(9)気候変動、環境問題

温室効果ガスが原因とされる気候変動や、資源枯渇、水リスク、海洋プラスチックごみ等に関わる問題は世界の共通社会課題であるとの認識のもと、当社グループでは長期ビジョン「Vision 2030」やSEKISUI環境サステナブルビジョン2050の実現に向け、社会課題解決による社会・地球環境の持続可能性向上と当社グループの持続的成長を図る「ESG経営」を推進しています。これらに対する取り組みが不十分な場合、社会からの信頼の喪失・レピュテーションや競争力の低下につながり、売上にも影響を与える可能性があります。当社グループは、環境や社会の課題解決に寄与することで地球および社会のサステナビリティを向上させるサステナビリティ貢献製品の創出・認定とその市場拡大、温暖化対策としての2030年までの購入電力の100%再生可能エネルギー化、環境負荷の低い原材料調達におけるサプライヤーとの連携などに取り組んでいます。また、海洋プラスチック問題を解決するための企業イニシアチブの「CLOMA※1」や「JaIME※2」にも参加するなど、産官学での連携を通じ、同問題の解決を促進する活動も行っています。

  • ※1 経済産業省と農林水産省が主体となる海洋プラスチックに対処する企業イニシアチブ
  • ※2 日本化学工業協会が主体となる海洋プラスチックに対処する企業イニシアチブ
  • (10)COVID-19感染拡大の影響

    COVID-19の全世界的な感染拡大は、従業員の安全を脅かし、国内および海外の当社グループ事業の活動制限、市場の停滞など損益にも影響を与える可能性があり、2021年度についても一定の影響が残るものと想定しています。当社グループは全社緊急対策本部を立ち上げ、従業員の安全を第一に、集合形式の会議、研修、出張等のオンライン化・極小化、在宅勤務推進等の対策を施しています。お客様への対応としては、面談機会を減らしWeb会議や電話折衝を中心に遅滞ない接客を心がけています。海外拠点でも同様に在宅勤務や時短での出社を推進し、各国の状況に合わせた対応を行っています。今後の経過を注視しながら、ステークホルダーへの安全対策の充実を継続して図るとともに、長期化リスクを踏まえ、安定的な運転資金枠の確保など不測の事態への備えを行っていきます。

    2020年度における
    社外からの評価(2021年6月30日現在)

    ESG指数

    • DJS「I World Index」 選定
    • FTSE4Good Index Series 選定
    • FTSE Blossom Japan Index 選定
    • MSCI ESG Leaders Indexes 選定
    • MSCI ジャパン ESGセレクト・リーダーズ指数 選定
    • MSCI 日本株女性活躍指数(WIN) 選定
    • Ethibel PIONEER and Ethibel EXCELLENCE 選定
    • S&P/JPXカーボン・エフィシェント指数 構成銘柄 選定
    • SNAM サステナビリティ・インデックス

    ESG・IR関連ランキング、表彰など

    CSR全般
    • S&P Global社によるサステナビリティ格付け「Bronze Class」選定
    • 世界で最も持続性の高い企業100社「2021 Global 100 Most Sustainable Corporations in the World index」51位選出
    • 東洋経済「CSR 企業ランキング」61位
    • Golden Peacock Global Award for Sustainability」選出
    • Sustainable Ones Award」サステナビリティ総合TOP30、コミュニティ・社会資本TOP10選出
    IR関連
    • 証券アナリストによるディスクロージャー優良企業選定「化学・繊維セクター」2位
    • GPIFの国内株式運用機関が選ぶ「優れた統合報告書」と「改善度の高い統合報告書」それぞれ1機関より選出

    環境

    • 2020年「CDP気候変動Aリスト」「CDP水セキュリティAリスト」企業、「CDPサプライヤーエンゲージメントリーダー」に選定
    • 「SBT(Science Based Targets)イニシアチブ」の認証取得(2018年6月)
    • ⽇本政策投資銀⾏ 「DBJ 環境格付」の最高ランクを取得

    人材

    • 経済産業省・東京証券取引所 令和2年度「なでしこ銘柄」選定
    • 経済産業省・東京証券取引所 「健康経営銘柄2021」選定
    • 経済産業省・日本健康会議「健康経営優良法人2021(大規模法人部門(ホワイト500))」認定
    • 第2回「プラチナキャリア・アワード」最優秀賞受賞
    • 甲府積水産業(株)経済産業省 平成28年度「新・ダイバーシティ経営企業100選」受賞
    • 経済産業省 平成25年度「ダイバーシティ経営企業100選」受賞