最新の開発トピックスについて
積水化学工業がデジタル技術を用いて取り組む、最新の開発トピックスについて紹介します。
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MIを活用した分子構造設計により
超低誘電材料の実現へ
接着剤の低誘電化を実現するにあたり、低誘電材料の分子設計を行いました。探索した分子の合成可能性を高めるために、新規構造生成手法を明治大学 金子研との共同研究で開発し、導入。MIで選定した構造の材料で低誘電化を実現しました。
(論文発表済 Machine Learning Model for Predicting Dielectric Constant of Epoxy Resin with Additional Data Selection and Design of Monomer Structures for Low Dielectric Constant | ACS Applied Polymer Materials)
MIによる高分子複合材料の
物性予測モデルの開発
高分子複合材料は、フィラー高充填で低熱抵抗化が期待できる一方、柔軟性が低下してしまうことがあります。加えて、異方性のある材料ではフィラー間相互作用が生じるため、両物性の任意設計が難しくなります。そこで、粘弾性挙動を特徴量に変換して説明変数に加えることで、フィラー間相互作用を考慮した両物性の予測モデルを構築。特に熱抵抗予測モデルでは、配合のみのモデルと比較して大幅な精度向上を達成できました。
(第46回ケモインフォマティクス討論会にて発表)
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見守りセンサー「ANSIEL」
覚醒・睡眠検知の開発
介護施設向け見守りセンサー「ANSIEL」は、ベッド下に設置することで心拍、呼吸といった微細な振動から寝返りなどの大きな動きまでを検知することができ、検知したデータはクラウドに蓄積されます。この蓄積データを活用し、覚醒・睡眠を予測することができないかという相談から開発に着手。要介護者の微細な動きを検知して睡眠・覚醒状態を判別し、覚醒時の介護、ケアプラン策定、巡回判断などに活用しています。
詳細はこちらMIにより、効率的に
無機材料の設計を可能に
二酸化炭素を一酸化炭素に変換する材料は、複数種の金属と酸素からなる無機材料で、酸素キャリアとも呼ばれています。30種以上の候補金属とその比率、プロセス条件を想定すると天文学的な組み合わせとなってしまい、経験や勘をベースにした設計では非常に長い開発期間が必要です。そこで、無機材料に関する外部データと社内の開発データを組み合わせて機械学習を行うことで、これまでになかった材料候補群の抽出に成功しました。
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