■環境長期(2030年)ビジョンを策定
■生産段階でのCO2排出量20%削減(2013年)
積水化学工業株式会社(社長:根岸修史)および積水化学グループでは、CSRを果たしていくための必要な要件を、「環境」「CS品質」「人材」という3つの“際立ち”と、「コンプライアンス」「リスクマネジメント」「情報開示と対話」という3つの“誠実さ”と定め、事業を通じて社会に貢献することを目指して、取り組みを進めてきました。 2009年度からスタートした新中期経営計画「GS21-SHINKA!」におけるCSRの新中期計画では、事業活動のさまざまな面で社会にとって価値を創出する「貢献」と、社会から信頼を得る企業、人づくりとしての「信頼」を取り組みの柱として、CSR経営を進化させていきます。
1.中期計画(2006年~2008年度)の総括 (詳細は参考資料に記載)
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活動項目
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主要実施項目と目標
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2008年度の成果
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環境
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環境貢献製品の売上拡大
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売上高比率 2008年度目標 25% 2010年度目標 40%
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売上高比率17% (1,623億円)
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CO2排出量の 削減
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総排出量 (1990年度比) 2008年度目標 10%削減 2010年度目標 10%削減
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CO2排出量15%削減 排出量だけでなく、原単位も向上
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CS品質
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モノづくり革新
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重要品質問題発生の撲滅 2008年度目標 0件
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品質問題2件発生
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外部損失費の改善 2008年度目標 41億円
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外部損失費発生46億円
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人材
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学び自ら挑戦する風土
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キャリア開発アドバイザー育成 目標100人養成
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キャリア・アドバイザー 資格取得23人 社内講座70人受講
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多様な働き方に応える
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女性採用比率向上 2008年度目標 30% 次世代育成支援策展開
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新卒女性採用比率 35% 「次世代育成支援認定マーク(愛称:くるみん)」を取得
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2.CSR新中期計画(2009年~2013年度)の策定
積水化学グループ新中期経営計画(2009年~2013年度)「GS21-SHINKA!」の策定にあわせて、CSR経営を進化させ、さらなる企業価値を創出するために、「社会への『貢献』」と「社会からの『信頼』」の2つの柱を据えました。
CSR新中期計画の取り組みの柱
社会への「貢献」 1.事業、製品を通じた「貢献」 2.「人」の活躍を通じた「貢献」
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社会からの「信頼」 1.社会から信頼される誠実な経営 ・環境パフォーマンスの徹底した改善 ・全従業員の社会規範を超えるコンプライアンス意識の醸成 ・誠実な情報開示(社会からの期待に応えるコミュニケーション)
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■2030年ビジョン「Sekisui Eco-Frontier2030」の策定
特に、今後ますます社会的に重要な課題となる地球環境問題に対し、積水化学グループとして2030年に目指すべき「環境フロンティア社会」に対する長期ビジョンを策定しました。自らの事業活動による環境負荷を最小化し、お客様に環境貢献製品を提供し続けるとともに、社会への働きかけを行っていくことで、低炭素社会への変革と循環型社会の構築に貢献し、「カーボンマイナス」企業を目指します。 この考え方に基づき、新環境中期計画「環境トップランナープラン・SHINKA!」(2009~2013)を策定しています。
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2030年ビジョン「Sekisui Eco-Frontier2030」の目指す姿
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①
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地球温暖化防止/エネルギー
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カーボンマイナスの実現
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②
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資源/マテリアル
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資源循環の仕組みづくりに貢献
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③
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生物多様性
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事業活動のあらゆる側面での生物多様性への配慮
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2030年の目指す姿に向け、事業活動のあらゆる段階で「環境価値(Eco-Value)」の向上を目指します。カーボンマイナス、資源循環の仕組みづくり、生物多様性の配慮のそれぞれにおいて、4つの視点で取り組んでいきます。
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・
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Eco-value Management(エコバリュー・マネジメント)
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・
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Eco-value Monozukuri(エコバリュー・モノづくり)
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・
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Eco-value Products & Services(エコバリュー製品・サービス)
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・
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Eco-value Communication(エコバリュー・コミュニケーション)
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3.新中期計画(2009年~2013年度)の概要
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取り組みの考え方
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主要取り組み項目と2013年度の目標・目指すレベル
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環境
環境トップランナープラン・SHINKA!
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製品を通じた貢献
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環境貢献製品の売上拡大 2013年度目標 売上高比率 40%
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事業活動での 環境負荷低減
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温室効果ガス排出量の削減 ~全事業領域での削減~ 生産:20%、オフィス:10%、輸送:5% (1990年度比)
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廃棄物削減 ~全事業領域での削減、ゼロエミッションの拡大~ 生産:原単位40%削減、オフィス:コピー用紙20% 削減 (2007年度比) そのほか、住宅新築、住宅解体・増改築でも目標を設定
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生物多様性への 配慮
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生物多様性保全の取り組み 事業活動や商品・サービスによる生態系への影響を最小化 自然保護活動や森林保全活動により生態系の保全に貢献
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CS品質
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基盤品質の際立ち (※1)
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重要品質問題の撲滅 2013年目標 重要品質問題の発生ゼロ
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外部損失費の削減 2013年度目標 外部損失費半減(23億円削減) (2008年度比)
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魅力品質の際立ち (※2)
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魅力ある製品を生み出す人材の育成 若手企画・開発者向けの教育の強化
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魅力ある製品の発信 製品(技術)の魅力や価値をわかりやすく伝える仕組みの構築
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人材
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学び自ら成長する風土
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プロフェッショナル人材の育成 キャリア教育の拡充
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自ら手をあげ挑戦する場
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一人ひとりが自ら成長する意識の醸成 人材公募、研修公募制度の充実
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成長と コミットメント
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成長を重視した評価制度 入社3年間育成プログラムの実施
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多様な人材が活躍する職場/働きがいのある職場
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ワーク・ライフ・バランス施策の推進 多様な人材が活躍できる職場づくり (女性、外国人、障害者、派遣社員)
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※1基盤品質:当然備わっているべき価値(機能・性能) ※2魅力品質:社会にさきがけて創出する新たな価値
<ご参考> 2008年度成果の詳細
【環境】 ■主要実施2項目が2010年度目標を前倒しで達成 独自の環境指標「セキスイエコバリューインデックス」、CO2排出量の2項目について、2010年度目標を前倒しで達成しました。 ・環境経営指標「セキスイエコバリューインデックス」2004年度比2.06倍(目標:2010年度に2倍) ・CO2排出量 15%削減(1990年度比 日本国内の生産段階)(目標:2010年度に10%削減) 削減のための促進策「CO2排出量削減設備投資促進策」活用が累計43件 ■世界各国で取り組む「昼休み世界一斉消灯キャンペーン」で拠点のCO2排出量を削減 世界各国の事業拠点を対象に、2008年4月から「昼休み世界一斉消灯キャンペーン」を開始しました。 大阪・東京両本社ビルでは、2007年度比37トンのCO2排出量を削減しました。
【CS品質】 ■モノづくり革新の取り組みと成果 コーポレートが中心となって「モノづくり革新」を推進し、2006年度からの3ヵ年で、2005年度比外部損失費14億円減少、クレーム対応費用23%減少、事故(労働災害件数)14%減少、MFCAロスコスト72億円削減(累計)の改善効果が得られました。 ■お客様と経営層が直接対話する「CAT(Customer
And Top)ミーティング」の拡大 2005年度から、住宅カンパニーや住宅販売会社の経営層がお客様から直接ご意見を伺う「CAT(Customer
And Top)ミーティング」を継続的に実施し、住宅を新築したお客様に加え、リフォーム工事や定期診断を実施したお客様などへ対象を拡大しています。1,763回開催し、5,399人(3,295組)のお客様からご意見を伺いました。 ■今ある「魅力品質」を可視化する「魅力品質認定制度」をスタート 製品・技術を社外の目で評価していただく「魅力品質認定制度」を2008年度からスタートしました。選定委員は社外(学識者・消費者など)および積水化学の役員の計6人で構成。「お客様に対する取り組み」「社会に対する取り組み」「技術優位性」「業績貢献」の4つの観点から評価しています。
【人材】 ■ワーク・ライフ・バランスの推進 積水化学グループでは、メリハリのある効率的な「会社生活」を送ることで、自己啓発や家族だんらんなどの「個人生活」、さらに地域交流やボランティア活動などの「社会生活」をも充実させることを推奨し、積水化学グループのワーク・ライフ・バランスと位置づけています。 その考え方を浸透させていくために、労使協働の検討機関を設置し、グループ全体への浸透・推進の具体策(労働時間削減策や有給休暇取得促進策など)を検討しています。 ■人材の多様性の確保、多様な働き方の支援 すべての従業員が安心して活き活きと働ける職場づくりを目指して、2007年から女性活躍推進の取り組みをスタートしています。「女性の積極活用と活躍の場の拡大」「風土づくりと女性のキャリア育成支援」「次世代育成支援策」の3項目を中心に取り組みを進めてきました。 ・新卒女性採用比率 35%(目標:30%) ・「次世代育成支援認定マーク(愛称:くるみん)」を取得 ■従業員のキャリア形成を支援するために、キャリア・アドバイザーを養成 従業員が中長期的な視点に立って自発的にキャリア開発ができるよう支援するため、キャリア・アドバイザーの養成を進めてきました。人事・教育担当者および各組織の管理職をはじめとして、これまでに社内講座を修了した受講者70人のうち、23人がキャリア・アドバイザー資格を取得しました。
【国連グローバル・コンパクトへの参加】 CSR経営を進化させていく姿勢のひとつとして、2009年3月に国連グローバル・コンパクト※への支持を表明しました。 ※国連グローバル・コンパクト:アナン前事務総長が提唱し、企業のリーダーに支持を呼びかけたもの。 人権・労働・環境・腐敗防止の4分野10原則からなる。
【社会貢献活動の推進】 積水化学グループでは、「環境」「次世代」「地域コミュニティ」の3つを主な活動分野として、企業としての活動はもちろん、従業員が社会で活躍できる仕組みを整え、活動を進めています。 これまでの自然保護活動、事業場周辺地域における活動、寄付活動などを継続・拡大するとともに、事業特性を活かした活動、さらに広く従業員が参加できる取り組みを行っています。 ■次世代にむけ事業特性を活かした教育プログラムの開発 「住宅」「化学」という積水化学グループの事業特性を活かした教育支援活動“住まいと環境”学習プログラム、「化学教室プロジェクト」を2008年度から本格的にスタートしました。授業のカリキュラムにあわせた内容とし、先生と共同で授業を実施することが特徴です。 このほか、自然に学んだ基礎サイエンスの知見を活用しようとする大学・研究機関への助成「積水化学 自然に学ぶものづくり研究助成」も継続しています。
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1)
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環境と共生する住まいについて考える授業“住まいと環境”学習プログラム
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住宅の役割や暮らしにともなう環境負荷について学び、環境に配慮した家づくりを体験できるプログラム。先生が主体となり、積水化学グループの従業員が“エコハイムコーチ”として授業をサポートする。2008年度は、関西4校、関東と九州の計8中学校で実施。
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2)
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化学のおもしろさを体感できる授業「化学教室プロジェクト」
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高機能プラスチックスカンパニーの開発研究所(大阪府三島郡)で、自ら手をあげた従業員が中心となって、化学のおもしろさを体感できる教育プログラムを開発。2008年12月から翌年3月にかけて、地元の中学校1年生を対象にした授業を先生と共同で実施。
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■従業員一人ひとりが参加できる社会貢献「TABLE FOR TWO」の継続と拡大 社員食堂の定食1食につき20円を追加で支払い、開発途上国の学校給食に寄付する「TABLE
FOR TWO(TFT)」を、2008年5月から東京・大阪・京都の3事業所で採り入れ、2008年度は約26万円分を寄付しました。また従業員アンケートではTFTの趣旨に多数賛同する回答であり、今後積水化学グループに順次拡大することを予定しています。
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