積水化学工業株式会社(代表取締役社長:根岸修史、以下当社)の環境・ライフラインカンパニー(プレジデント:滝谷善行)は、高性能フェノールフォーム断熱材「フェノバボード(※次頁参照)」を構成材とした高断熱壁耐火構造認定工法「フェノバウォール スパンドレル60」(以下本工法)を開発、本格的な提案活動を開始します。 本工法は鉄骨造の一般建築(非住宅)を対象とし、株式会社セキノ興産および興亜不燃板工業株式会社と共同で開発。2009年12月に非耐力外壁60分耐火構造の国土交通大臣認定(認定番号:FP060NE-0137)を取得しました。外装材に「スパンドレル(※下図参照)」が使用できるため、店舗などの意匠性の高い建物に最適な工法です。本工法により、「フェノバボード」の一般建築分野での採用拡大を図ると共に、建物の高断熱化による省エネルギー化を推進し、低炭素社会の構築に貢献していきます。
Ⅰ.市場および背景 本工法は、昨今の耐火偽装問題を受け一層厳しくなった条件下において耐火試験を受験し、60分耐火構造の認定を取得しました。防火地域や準防火地域の一定の条件下で必要となる60分耐火構造は、鉄骨造の設計においてニーズが多く、高い断熱性能を兼ね備えた本工法は希少価値の高いものと言えます。 また、本年4月からは、300~2000㎡未満の建物についても「省エネ措置の届出」が義務化されますが、こうした規制強化による建物の高断熱化要求にも対応するものです。 当社では、2008年よりフェノバボードを構成材とした高断熱壁耐火構造認定工法「フェノバウォール」を展開してきました。従来工法(認定番号:FP060NE-0110)は、主に工場や公共物件に採用されていましたが、外装材は表面にビスが露出する「角波」に限定され、デザイン性が要求される用途の建物には適さない場合もありました。本工法はビスが隠れる「スパンドレル」を外装材に使用できるため、店舗など高い意匠性が求められる建物用途にも展開が可能となります。 なお、鉄骨造における断熱材市場規模(壁用途)は、270億円(2008年度)と推定されます。
Ⅱ.「フェノバウォール スパンドレル60」の特長 主な特長は「高い断熱性能」「スパンドレルの選択が可能」「高い構造設計自由度」の3つです。 1.高い断熱性能 本工法では0.68W/㎡・Kという熱貫流率を実現し、各種の外壁60分耐火構造認定の中でトップクラスの断熱性を有しています。(数値が小さいほど熱を通しにくく高性能) <ご参考>・ALC100mm 1.49W/㎡・K ・ロックウール充填金属パネル50mm 0.92W/㎡・K
2.スパンドレルの選択が可能 外装材に、固定用のビスが表面に露出する角波に加え、ビスが隠れ、意匠性の高いスパンドレルが使用できます。また、角波・スパンドレルは、カラーリング、リブ、波付けのデザインなど豊富なバリエーションがあり、設計者の様々なデザインニーズに対応できます。

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3.構造設計の自由度が高い 本柱間に設置する間柱について耐火被覆の必要がなく、さらには胴縁ピッチを最大910mmまで拡大できるため、構造設計の自由度が広がり、安価で最適な設計がしやすくなります。
Ⅲ.「フェノバウォール スパンドレル60」の主な構造

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①外装材
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金属外装材 【素材】塗装ガルバリウム鋼板 塗装溶融亜鉛めっき鋼板 塗装ステンレス鋼板 等 【形状】スパンドレル(角波も使用可)
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②断熱材
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高性能フェノールフォーム断熱材 「フェノバボード」
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③下地材 (複合板)
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硬質木毛セメント板
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石膏ボード
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当社販売製品は「フェノバボード」のみとなります。 金属外装材・下地材・副資材は現地調達部材となります。
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Ⅳ.「フェノバウォール スパンドレル60」の提案活動について 店舗を中心とした一般建築物件の設計者に対し、本工法の採用に向けた提案活動(設計折込)を開始します。 1. 開始時期 2010年3月中旬 2. 本工法によるフェノバボード販売目標 2013年度 10億円 3. 展開エリア 全国
<ご参考>
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「フェノバボード」は2007年12月に当社が発売した高性能フェノールフォーム断熱材で、当社がCSRに掲げるお客様や社会全体の環境負荷を低減する「環境貢献製品」に位置付けています。
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「フェノバボード」の主な特長は以下のとおりです。
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①
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ボード系断熱材としてはトップクラスの熱伝導率、0.019W/m・Kを有し、断熱性能の経年変化が極めて少ない。
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②
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防火性能が高く、燃焼時にも表面が炭化するだけで火炎が燃え広がりにくい。
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③
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発泡材として非フロンガスを使用しているため、エコロジー建材として地球温暖化防止にも貢献。
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「フェノバボード゙」の市場 戸建住宅・一般建築・産業用途に幅広く展開。 「フェノバウォール」の販売により一般建築分野での採用拡大を図ります。
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