積水化学工業株式会社(代表取締役社長:根岸修史、以下積水化学)の環境・ライフラインカンパニー(プレジデント:滝谷善行)は、PET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂を高度に延伸したシート『DUORA』を4月12日(月)より発売します。 『DUORA』は、高強度・低伸縮で、耐熱性に優れていることから、工業資材、車両、建築・建材用途などの補強材料として、また、IT用途向けの機能材料などとして展開を図っていきます。 ※『DUORA』は、Duo(仏/デュオ)+Aura(英/オーラ)の造語で、「いろいろな素材と共鳴」することで力を発揮する」という意味。
1.背景
昨今、省エネルギーやCO2削減など、環境配慮が社会的に重要視されるなか、車両や輸送機器の軽量化、素材の長寿命化やリサイクル性、また、環境に貢献する製品の低コスト化による普及拡大が大きな課題となっています。『DUORA』は、各材料・製品と複合化することによって軽量化や長寿命化に貢献します。また、PET樹脂を原料としているためリサイクル性にも優れており、まさに時代のニーズに合った素材であると言えます。 このPET超延伸シートの優れた特性である「高強度」、「低伸縮」、「耐熱性」を活かし、工業資材、車両、建築・建材用途の補強材料として、また、IT用途などの機能材料として幅広く展開することが可能であると考えています。
2.新製品『DUORA』について
『DUORA』は、積水化学独自の延伸成形技術により得られた一軸延伸(一方向のみに延伸)シートです。アルミの2倍、鉄と同等の引張強度(延伸方向)を持ち、炭素繊維と同等の低伸縮性(延伸方向)を誇ります。また、通常のPET樹脂に比べて、耐熱性も大きく向上させています(表1参照)。さらに、PET樹脂を素材とするため、リサイクルが可能です。これらの優れた特性から、製品の芯材や表面材として使用することにより複合材の強度や寸法安定性を向上させることができます。 現在は、耐震補強材、車両内装材、工業ベルトなどの補強材料や、IT・医療・食品関係向けの機能材料への展開を検討していますが、他樹脂の代替を含め、新たな用途を積極的に開拓していきます。 シートのラインアップは、厚み200μm、500μm、700μm(200μmは8月に発売予定)の3種類です。巾(500mmまで)や長さ(2,000mまで)は用途により対応します。また、今後、用途に応じてラインアップの拡充も検討します。
3.販売計画
2013年度に10億円の売上高を目指します。
(表1)『DUORA』と他素材の性能比較
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線膨張係数
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:温度が1℃上昇した時の膨張率
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ガラス転移温度
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:プラスチックを加熱したときにガラス状の硬い状態からゴム状の
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柔らかい状態に変わる温度
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『DUORA』の製品写真
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※2010年4月7日~9日に東京国際展示場(東京ビッグサイト)東ホールにて開催される「新機能性材料展2010」に『DUORA』を出展します。(「新機能性材料展」は、フィルム・シート、金属箔、メタルシート、紙、不織布、繊維等をベースマテリアルとした、高機能性素材・製品、高付加価値技術の総合展です。)
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