積水化学グループのCSR経営について

2012年8月31日
積水化学工業株式会社

■環境貢献製品売上高比率 年度目標を上回る37%を達成 

■温室効果ガス排出量 年度目標の21%を達成 

■事業所における生態系への影響評価を国内3事業所で開始 

■2つのコースで求める人材を明確化した人事制度をスタート 

■グローバル社員は2013年度の目標を前倒しで達成できるレベルまで到達 

■社会貢献活動 2種類の出張授業に合計約7,400人(のべ)の中学生が参加 

■SAM社のCSR格付「Sector Leader」「Gold Class」「Sector Mover」および
  「ダウ・ジョーンズ サステナビリティ・インデックス(DJSI)」に選定

 

 積水化学工業株式会社(代表取締役社長:根岸修史)および積水化学グループでは、CSR経営を推進していくための必要な要件を、「環境」「CS品質」「人材」の3つの“際立ち”と、「コンプライアンス」「リスクマネジメント」「情報開示と対話」の3つの“誠実さ”と定め、事業を通じて社会に貢献することを目指して、取り組みを進めています。
 

 

1.2011年度の総括

テーマ

重点取り組み項目

2011年度の成果

2013年度の目標

環境

・環境貢献製品の拡大
 

・売上高比37%
 (目標35%)

・売上高比率40%以上
 

・温室効果ガス排出量削減

 

・1990年度比
 21%削減<国内>
 (目標21%削減)
 

・1990年度比
 20%以上削減<国内>
・2008年度比 原単位
 5%以上削減(海外)

CS品質

・外部損失費
 

・30億円削減
 (2004年度比)

・50億円削減
 (2004年度比)

・重要品質問題発生の撲滅

・2件(目標0件)

・0件

人材

・グローバル人材づくり

・グローバル社員数
 271人

・グローバル社員数
 300人 

・自ら手をあげ挑戦する人材づくり

・人材公募案件
 13件 

・人材公募案件
 20件/年 

・多様な人材が活躍する職場づくり/働きやすい職場づくり

・新卒女性採用比率
 27%(目標30%)

・新卒女性採用比率
 30% 

 

 

2.2011年度の取り組みについて

1)環境貢献製品売上高比率 年度目標を上回る37%を達成

 積水化学グループでは、持続的な成長に向けて、環境経営の方向性や達成レベルを示した長期ビジョン「Sekisui Eco-Frontier 2030」を2009年度に策定しました。ビジョンの達成に向けて「地球温暖化防止」「資源の有効活用」「生物多様性」の3つの重点分野を設定。前者2つに共通する「カーボンマイナス※1の実現」と「生物多様性の保全」を2つの目標として掲げています。
 2011年度の環境貢献製品売上高は、太陽光発電システム搭載住宅の好調な売上や、環境貢献製品※2の品目増加によって、3,592億円に拡大。売上高比率は37%となり、年度目標の35%を上回りました。
 環境貢献製品の認定にあたっては、環境貢献製品認定制度の信頼性・透明性を高めるため、外部の有識者からなる「社外アドバイザリーボード」を2010年度より運用し、認定制度全体に対して年に2回助言・提案を受けています。

※1.

カーボンマイナス:原材料起源・生産など、事業活動にともなう温室効果ガスの排出を、製品使用時の効果で削減できる温室効果ガスが上回ること。

 

※2.

環境貢献製品:従来の環境配慮のレベルを高め、お客様および社会の環境負荷低減に確実に貢献できる製品・事業をさす。

 

 

2)生産活動にともなう国内の温室効果ガス排出量 1990年度比21%削減の年度目標を達成

 日本国内では、生産時に発生する温室効果ガスの総量を「2013年度に1990年度比20%以上削減する」という目標を設定しています。2011年度は、「環境投資促進策※3」の成果もあり、1990年度比で21%削減し、年度目標を達成しました。
 なお、海外の生産拠点については、事業の拡大によって製品構成などが大きく変化しています。そこで、「2013年度にエネルギー原単位を2008年度比5%以上削減」をガイドラインとし、これに沿って各事業所が自らの状況に応じた目標を設定しています。
 また、2010年度から、生産革新によってエネルギーコストの半減を目指す「エネルギー1/2プロセスの実現」に取り組んでいます。実施拠点は順次拡大しており2011年度末で16拠点になりました。 

※3.

環境投資促進策:CO2排出抑制を目的とした投資について、削減効果に応じた費用をコーポレー

 

トがカンパニーに支援するもの。2007年度に導入し、2009年度からエネルギー使用の実態把握の

 

ための“見える化”投資も対象に加えた。

 

3)事業所における生態系への影響評価を国内3事業所で開始

 環境経営長期ビジョン「Sekisui Eco-Frontier 2030」の主要目標のひとつである「生物多様性の保全」に対して、2011年3月に取り組みのガイドラインを策定しました。2011年度は、このガイドラインに従い、国内3事業所で、生産プロセスや土地利用などを生態系への影響という観点から評価しました。その結果、現在の生態系への負荷は総じて低いことを確認しました。また、事業所内遊水池の管理方法などの見直し、周辺の樹木やヨシなどの植物の定期的な管理を行うことにより、生物多様性の豊かな環境が創造でき、多様な生物のすみかを提供することができることがわかりました。今後も事業所ごとの評価を継続し、具体的な生物多様性保全の活動につなげていきます。

 

4)事業の中核を担う人材を輩出することに特化した「ビジネスキャリアコース」と実務領域のプロフェッショナルを輩出することに特化した「エキスパートコース」の2つの人事制度をスタート

 積水化学グループを取り巻く環境の変化に対応するため、2011年度に「100年経っても存在感を持ち続ける強い積水化学グループ」をつくるための仕組みを整備しました。新しい人事制度は、2012年7月に、まず積水化学の専任担当職を対象にスタートさせました。
 新設した人事制度は、事業の中核を担う人材を輩出することに特化した「ビジネスキャリアコース」と、実務領域のプロフェッショナルを輩出することに特化した「エキスパートコース」という2つのコースで構成しています。
 「ビジネスキャリアコース」においては、従業員は、早い段階から高い視点での業務遂行能力を身につけるため、自己の大きな成長につながります。「エキスパートコース」においては、従業員は長期的に知識とスキルを深めることで高度な実務能力を発揮できるようになります。キャリアを経るなかでコースを選択し直すことも可能です。

 

5)海外で即戦力となる人材を育成 2011年度271人となり、2013年度300人の目標を前倒し達成見込み

 積水化学グループは、2000年以降、中国を中心に海外にも生産拠点を設置しているほか、M&Aを中心とした海外での事業拡大を図っています。また、グループ全体での海外人員は、2011年度には約5,100人となり、全従業員に占める割合は約24%にまでなりました。
 そのため、積水化学グループが持続的な成長を遂げるためには、「グローバル人材※4」の確保・育成が必要です。そうした考えのもと、①日本人従業員のグローバル人材の育成 ②採用のグローバル化 ③現地マネジメント層の人材育成の3つの人事戦略を推進しています。
 2011年度は、グローバル人材を育成する「グローバル社員制度」に、国内グループの従業員1,588人が登録しており、そのうち海外で即戦力となれる従業員が271人まで増加しました。 

※4.

グローバル人材:語学力やコミュニケーション力、専門性はもちろん、海外での事業を支え伸ばす可能性のあるグローバルに活躍できる従業員。

 

 

6)自然保護活動・社会貢献活動について

(1)自然保護活動~海外にも活動範囲を拡大~

 1997年度に国内で本格的に開始した自然保護活動は、その範囲と内容を広げ、2013年度には、海外を含む全事業所で活動を行うことを目標としています。2011年度は、7月に住宅カンパニーと高機能プラスチックスカンパニーの事業所があるタイで、マングローブの植林を実施し、従業員と地元の小学生あわせて100人以上が参加しました。また、高機能プラスチックスカンパニーの事業所があるメキシコでも、2011年2月~7月まで4回にわたって、種植え・水撒き・植林勉強会・植樹を実施し、植樹には、従業員とその家族約100人が参加しました。なお、海外においては、中国でも江南地区(上海近隣)にある関係会社が共同で、蘇州市玉屏山での植林活動を2009年度から実施しています。

 

(2)社会貢献活動~出張授業「“住まいと環境”学習プログラム」に5,000人超、「化学教室プロジェクト」にのべ約2,400人の中学生が参加~

 積水化学グループでは、「環境」「次世代」「地域コミュニティ」を主な分野とした社会貢献活動を進めています。
 その中で、2007年度から、本業の特性を活かした社会貢献活動に取り組んでいます。
 住宅カンパニーでは、2009年度から全国の住宅販売会社が都道府県の警察と連携し、振り込め詐欺などの防止に関するリーフレットを配布しています。また、従業員が持つ住まいと環境の知見を授業で役立ててもらう「“住まいと環境”学習プログラム」を2007年度から4エリアで実施し、これまでに5,000人を超える中学生が参加しました。
 高機能プラスチックスカンパニーでは、2008年度から、化学の面白さを体験できる教育プログラム「化学教室プロジェクト」を、研究所のある地域の中学校1~3年生を対象に行っており、これまでにのべ約2,400人が参加しました。

 

7)SAM社の企業の持続可能性評価で「Sector Leader」「Gold Class」「Sector Mover」および「ダウ・ジョーンズ サステナビリティ・インデックス」に選定

 SAM社の企業の持続可能性評価※5で「Sector Leader」「Gold Class」「Sector Mover」に選定されました。3つの分野ですべて選定されたのは、国内では当社だけです。
 また、SAM社とダウ・ジョーンズ社による「ダウ・ジョーンズ サステナビリティ・インデックス」にも選定されました。 

※5.

SAM社は、毎年、世界の企業約2,500社を対象にCSR面(「経済」「環境」「社会」)から企業持続可

 

能性について評価を行い、セクター(業種)ごとのトップ企業を「Sector Leader」として選定していま

 

す。その中でも特に優秀な企業を「Gold」「Silver」「Bronze」クラスとしています。また、セクター内で

 

大きく評価が上がった企業を「Sector Mover」としています。

 

8)CSRの取り組みをまとめた「CSRレポート2012」(和文・英文)発行、web更新

 積水化学グループのCSRの取り組みをまとめた「CSRレポート2012(和文・英文)」を発行しました。また、併せて、当社webサイトの内容も更新しました。

以 上

 

 

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