積水化学工業株式会社(代表取締役社長:髙下 貞二、以下「当社」)の環境・ライフラインカンパニー(プレジデント:久保
肇)は、米国の当社連結子会社SEKISUI POLYMER INNOVATIONS, LLC.(以下、「SPI」)において、航空機・車輌用内装材や高度医療機器のハウジング材、車輌・建設機械用外装材などに使用される成形用プラスチックシートの事業を展開しています。 今般、堅調に拡大する航空機向け需要への対応と、鉄道向け需要のさらなる開拓のため、SPIで3番目となる新工場(以下、「第3工場」)をペンシルベニア州に設立し、塩ビ系シートの生産能力を増強することとしました。第3工場は2016年6月稼働の予定です。 新工場設立により、米国を中心にグローバルに成形用プラスチックシート事業の拡大を目指します。
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成形用プラスチックシート
(厚み1~15mm、幅 1,000~2,500mm のプラスチック製の板状製品です。様々な物に成形加工されます)
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1.米国での成形用プラスチックシート事業の沿革および事業展開
(1)沿革
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塩ビ系シートの製造・販売を行うKleerdex Company,LLC.(以下「クリアデックス社」)を買収し、米国でのプラスチックシート事業を開始
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ABS系シートの製造・販売を行うAllen Extruders,Inc.(以下「アレン社」を買収し、事業継承会社Allen
Extruders, LLC.を設立
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2009年1月
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クリアデックス社の社名をKYDEX,LLC(以下「カイデックス社」)に変更
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2014年9月
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カイデックス社とアレン社を統合しSPIを設立
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2016年6月
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第3工場稼働(予定)
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(2)事業展開
SPIでは、主に「KYDEX™」、「ALLEN™」の2つの製品ブランドでシート事業を展開しています。
KYDEX™ブランドのアクリル変性塩ビシートは、顧客ニーズに対応した高性能化や豊富なバリエーションが評価され、航空機・車輌用内装材や高度医療機器のハウジング材など、ハイエンド分野向けに展開しています。またALLEN™ブランドのABS系シートは、強度、耐熱性、耐候性に優れ、RV車(キャンピングカー)や建設機械、農機の外装向けに展開しており、両ブランドとも市場で高い認知度を有しています。 2014年9月には、シナジー効果を発揮する目的で2社を統合しSPIを設立しました。SPIは、ペンシルベニア州(第1工場。旧クリアデックス社工場)とミシガン州(第2工場。旧アレン社工場)に生産工場を保有しています。
2. 第3工場について
(1)所在地
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4411 Old Berwick Road, Bloomsburg, Pennsylvania (第1工場から西へ約3kmの位置に所在)
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(2)土地面積
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約230,000㎡
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(3)建屋面積
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約 35,000㎡ (既築建築物を活用)
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(4)投資額
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約10百万米ドル(約12億円)
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(5)生産品目
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航空機・車輌用内装材向けハイグレートプラスチックシート
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(6)初期生産能力
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1千トン/年
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(7)生産開始
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2016年6月予定
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第3工場
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3. SEKISUI POLYMER INNOVATIONS, LLC.の概要
(1)社 名
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SEKISUI POLYMER INNOVATIONS, LLC. (よみ:セキスイ ポリマー イノベーションズ)
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(2)事業内容
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成形用プラスチックシートの製造・販売
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(3)所在地
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本社・第1工場 (ペンシルベニア州) 6685 Low Street, Bloomsburg,
Pennsylvania 第2工場 (ミシガン州) 1305 Lincoln Avenue,
Holland, Michigan
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(4)設 立
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1990年3月30日
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(5)資本金
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30,472千米国ドル
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(6)出資比率
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SEKISUI AMERICA CORPORATION 100% 出資 ※SEKISUI AMERICA
CORPORATIONは当社100%出資の米国の連結子会社
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(7)社 長
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Ronn Cort (COO & President) (よみ:ロン コート)
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(8)従業員数
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約310名
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本社・第1工場
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第2工場
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4.事業目標について
今回の生産能力増強などにより、SPI は2016年度に 175百万ドル(約210億円)の売上高を目指します。
【ご参考】
(1)シート事業部の発足について
当社環境・ライフラインカンパニーは2015 年4月1日付けで、「シート事業部」
を新設しました。 これにより SPI との連携を強化し、これまで欧米中心で展開していたシート事業の日本ならびにアジアへの展開、鉄道・医療用途など航空機用途以外の需要獲得、また新規分野の用途開拓を進めていきます。
(2)成形用プラスチックシートについて
成形用プラスチックシートは、高価な金型が必要な射出成形では対応できない少量多品種や大型成形品などに使われる厚み
1~15mm、幅 1,000~2,500mm の大判のシート材です。最終製品は、加熱したシートを安価な型を使用して真空や圧空により成形し、切断加工して作られます。用途は家具、内装壁、看板、機器・装置やATMなどのハウジング材などの一般用途から、航空機、電車、バス、RV(キャンピングカー)、建設機械、農業などのハイエンド用途まで幅広く使用されています。 SPIでは、難燃性に優れた配合技術ならびに自社評価設備によるスピーディーな製品開発力を有するとともに、ユーザーと協業でカスタムメイドの調色を行うdesignLab™を保有し、個々の顧客ニーズへの対応力に優れるという特長があります。
(3)成形用プラスチックシート使用例
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航空機内装
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鉄道車輌内装
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医療機器外装
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農機外装
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以上
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