製品開発ストーリー

世界初の割れないプラスチック製真空採血管
インセパック

プラスチックのセキスイがメディカル事業に挑む

1979年、積水化学の基盤技術である高分子配合技術をベースに、新たに臨床検査薬分野の製品開発に取り組むメディカル・プロジェクトが発足した。当時、採血はすべてガラス製採血管で行われていたが、検査中の落下などで破損し血液が飛散することによる感染リスクの問題などから、強度に優れた割れない採血管の開発に対するニーズが高まっていた。

インセパックⅡとインセパックST

セキスイの高分子技術を活かして製品開発

開発にあたり、割れないプラスチック製採血管に要求されるポイントとして、ガラス製と同水準の「採血寿命」「血液凝固性」「血清分離性」「コスト」の4点をクリアする必要があったが、ガラス製に比べ、プラスチック製は凝固が遅く、やっと凝固しても凝固血が内壁面に固着して血清が分離できないという問題が生じた。社内に血液関連の専門家がいない中、開発は試行錯誤の連続だったが、ようやく独自に開発した血液凝固促進剤等の併用で血液を早く凝固させることに成功した。また、プラスチックの中でも特に高い強度のPETを採血管の基材に採用することでバリア性を満足させ、その射出成形も実現。コスト面での課題もクリアしていった。こうして、世界初の割れないプラスチック製真空採血管「インセパック」の実用化に成功したのである。

世界初の「遠心分離不要の真空採血管」を共同開発(2006年)

世界の医療現場で活躍

インセパックの発売以来、積水化学のメディカル事業は治療器具やテープ医薬などの開発とともに、検査から治療、そして予防へと、その事業領域を拡げていった。
2008年、旧第一化学薬品との経営統合を経て、積水化学グループのメディカル事業を担う中核会社として、積水メディカルが設立。積水メディカルは、積水化学の高分子技術を中心とした素材・基礎技術と、旧第一化学薬品の検査薬分野を中心とした開発力・生産技術力といった両社の強みとシナジーを最大限に活かす事業戦略のもと、国内外で事業を展開し、医療現場の多様なニーズに応える製品を数多く提供している。インセパックもその生産拠点を徳山積水工業、中国の積水医療科技へと拡げ、世界の病院や検査センターで、採血管での破損事故防止、検査時間の短縮や検査値精度の向上に貢献している。

生産現場の厳重な品質チェック

HISTORY
1983年 中央研究所にメディカル事業推進部発足
1985年 世界初のプラスチック製真空採血管「インセパック」発売
1990年 「インセパック」が科学技術庁長官賞を受賞
1996年 世界初の高速凝固タイプ採血管「インセパック-SQ/SQH」発売
2003年 中国にて真空採血管の製造・販売を開始
2006年 世界初の「遠心分離不要の真空採血管」を共同開発
2008年 積水メディカル株式会社設立

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