積水化学グループでは、2005年度に「モノづくり教育中期計画」を策定、2006年度から2008年度まで3ヵ年にわたって順次、実施してきました。これは、経営層から各部門の従業員に至る全員がモノづくりに関して担うべき役割を果たしていくために必要なスキルを身につけるものです。 従来の階層別必須プログラムと並行して各種プログラムを実施してきた結果、モノづくりの安全・品質に対する意識・行動が変わってくるなどの成果をあげることができました。
1966年にQC(品質管理)サークルとして開始した小集団活動を、高い品質のモノづくりを実現するための活動として継続しています。従業員が各職場で数人のグループをつくって、生産・業務効率の向上や製品の品質改善を推進。生産会社を中心に国内外のグループ80事業所で実施しており、とくに優れた成果を発表し合う「積水化学グループ改善活動発表会」を年1回開催しています。 第43回発表会(2009年1月)では、各地区ブロックから選抜された21チーム(国内19、海外2)が活動成果を発表し、女性中心の四国積水工業(株)グループが金賞に輝きました。海外各社にもグループ改善活動は定着してきており、今回は北米のSEKISUI VOLTEK, LLC.、中国の積水中間膜(蘇州)有限公司が敢闘賞を獲得しました。
金賞に輝いた四国積水工業(株)グループの発表
SEKISUI VOLTEK, LLC.の発表
積水化学グループでは、2006年4月にコーポレートのR&Dセンター内にモノづくり革新センターを設置して「モノづくり革新」を推進してきました。センターでは「究極のコスト効率、ダントツの品質の実現」と「事業の際立ちの強化」を追求。クレームおよび不良・事故、廃棄物の「3つのゼロ」を目標に掲げて「モノづくり革新」活動を進めてきました。2008年度の実績は右表の通りです。 2006年度からの3ヵ年で、クレーム対応費用は、設計改良、お客様への迅速な対応などにより減少しました。労働災害件数は、事業所の管理者を対象とした安全特別研修の実施などにより事故件数が減少しました。廃棄物も、設計改良・生産プロセス改善などにより減少しました。 また、生産性改善などによるロスコストの削減に取り組み、モノづくり革新指標の2008年度実績は前年度比で約37億円削減。しかし2005年度比累積での削減額は、需要の落ち込みと原材料価格高騰の影響を受けて124億円にとどまり、目標とした150億円に対して未達となりました。 2009年度以降は、これまでの取り組みの「深化」と、新たな生産革新の「進化」に取り組んでいきます。
積水化学グループは、製品を生み出し、お客様にお使いいただくプロセス全般にわたって品質管理に努めています。各部門で製品・サービスの品質保証体系を整備し、各プロセスで「P(計画)、D(実施・運用)、C(点検・是正措置)、A(改善・見直し)」という管理のサイクルに沿った日常管理を推進。また商品開発や品質改良にあたっては、品質保証・製品安全などさまざまな観点から必要な審査を実施しています。 これらと併せて、品質保証と品質マネジメントに関する国際規格であるISO9001の認証取得を進めています。2008年度は事業所の再編などにより、積水化学グループの認証取得事業所・部署数は77となりました(2009年3月現在)。
ISO9000シリーズ認証取得事業所はこちら
2007年5月に消費生活用製品安全法(消安法)が改正施行され、重大製品事故にさいして製造者などは10日以内に国へ報告すること、国は迅速に公表することが定められました。この法改正に対応して、積水化学グループでは、2007年8月に「製品安全自主行動指針」を策定し、Webサイトに公開しました。また、製品事故発生時の対応フローを改めて社内ルールとして整備しました。以後、この行動指針に沿って、開発、製造、営業、メンテナンスなど全部門で「モノの品質」「仕組みの品質」の改善を重ねています。
住宅カンパニーでは、製品を使用するお客様の安全を第一と考え、製品の開発・設計段階からアフターサービスに至るそれぞれの段階において、安全・安心をお届けする取り組みを実施しています。 新製品の開発・設計段階での安全性設計審査(セーフティ・レビュー)、生産・施工段階での丁寧なモノづくりと確実な検査を実感していただく見学会、住まい方の留意点をご説明する「住まい方セミナー」、そしていつまでも快適に安心してお住まいいただくための定期診断を実施しています。
大学教授によるグループ演習指導
開発・設計段階でのミス防止を、個人の技量や経験に委ねるのではなく、体系的な手法を用いて組織的に実行していくことを目指して、開発・設計部門の従業員を対象とした「未然防止セミナー」をスタートしました。 このセミナーは、専門の大学教授による講義と、参加者による設計演習で構成。演習では各参加者が自部門製品を事例として用いることで、セミナーの実効性を高めています。2008年度は積水ホームテクノ(株)、積水化学の住宅カンパニーを対象に3回開催し、計77人が参加しました。
作業標準の不遵守や標準書の不備など、製造現場の日常管理の不徹底は、重大な品質問題につながります。そこで生産部門では、各製造現場の管理者に対して警鐘を鳴らし、日常管理の徹底を促す目的で、2008年度から次の2つの取り組みを開始しました。
狩野名誉教授の講演
2008年7月、製造・品質管理担当の課長クラスを対象として「日常管理セミナー」を2回実施、111人が参加しました。セミナーではまず、事前アンケート結果をもとに各現場の日常管理の現状を共有。その後、東京理科大学の狩野紀昭名誉教授(積水化学の監査役)による講演、参加者によるグループ討議・発表と続きました。グループ討議では、各々が抱える日常管理上の問題点とその背景・要因、解決策について話し合い、発表しました。発表した内容に基づいて、参加者が各現場で下期の活動計画に反映しました。
標準書・検査書の確認
「日常管理セミナー」のフォローアップ施策として「QCキャラバン」をスタートしました。全国の生産事業所を11の地区ブロックに分け、各ブロックで対象事業所を選定して順次、実施していきます。 2008年度は、10月から3月にかけて11回実施し、計130人が参加しました。各回とも、地区ブロックの製造・品質管理担当の課長クラスが対象事業所に赴いて現場を見学し、見習いたい点、課題を抽出。その後、参加者が各々の日常管理の状況を報告し合い、見習うべき点や改善点について討議しました。他事業所の現場・現物を観察して討議することで、作業標準の重要性など具体的で実行につながる気づき・学びが得られました。今後も係長クラスまで参加者を拡大し、毎年、開催事業所を変えて実施していく計画です。
継続的な製品安全の実践に向けて、2007年度からイントラネット上で「製品安全サイト」を運営しています。 同サイトでは、経済産業省のWebサイトなどに公表された他社の事故情報のうち、積水化学グループの事業・製品に関係すると思われるものを取りあげて、事故内容と事故から学ぶことを逐次掲載。リスクの本質を示すことで、事業・製品がお客様や施工者に対して安全か、配慮すべき点は何かなどを感じとれるようにしています。これらの情報を、事故の未然防止につなげるよう、開発・モノづくり現場の製品安全活動に活用しています。