積水化学グループでは、安全で安心して働くことのできる職場環境を構築してお客様や地域の方々に信頼される「安全・安心企業」を実現するために、2008年4月に「安全方針」を改訂し、5つのテーマを柱にトータルセーフティー(労働災害ゼロ、設備災害ゼロ、通勤災害ゼロ、疾病長欠ゼロ)活動を展開しています。
2008年度は、安全衛生・防災活動中期計画(2006~2008年度)最終年度として、5つのテーマを柱に活動を進めてきました。活動面では大きな進捗は見られたものの、安全成績という点では課題を残しました。
安全衛生・防災活動新中期計画(2009~2013年度)では、2008年度までの課題をふまえ、経営基盤である「安全」をゆるぎないものとし、「安全・安心」な職場づくり、すなわちゼロ災文化を構築することを目指します。
OHSMSの運用強化
「施工安全プログラム」の本格展開
「安全に強い人づくり」の推進
設備本質安全化の推進
脚立・電動工具対策の推進
危険源発掘・リスク低減活動の推進
安全施工標準見直し・リスク低減活動の推進
監査の実施
現場安全診断の実施
積水化学グループは、国内39の生産事業所・研究所において労働安全衛生マネジメントシステム(OHSMS:Occupational Health and Safety Management System)を構築し、「P(計画)-D(実施・運用)-C(点検・是正措置)-A(改善・見直し)」というサイクルを回しながら、「安全・安心」な職場づくりを目指した活動を展開しています。
積水化学グループは、2005年度から運用を開始した「設備安全設計基準」に基づいて、新規導入設備・既存設備の本質安全化活動を進めています。この活動のなかで得た「設備安全化事例」は積水化学グループのノウハウとして蓄積し、各事業所へ展開していきます。
積水化学グループは、安全衛生・防災に関わる費用と効果を把握し、より効率的な活動を推進するために、2002年度から「安全衛生・防災会計」に取り組んでいます。災害にともなって発生した2008年度の損失コストは371百万円となり、中期計画の目標を達成することができませんでした。今後もさらに損失コストの削減を目指します。なお、2008年度に発生した災害に対しては、設備や作業改善、従業員教育などの対策を講じています。
(単位:百万円)
※集計範囲は国内41生産事業所・4研究所+コーポレート各部署+カンパニー間接部署
※損失コスト:労働災害・設備災害・通勤災害・疾病長欠発生時の対応費用および工数分費用
積水化学グループでは、「安全教育プログラム」に基づいた「安全に強い人づくり」に注力しています。2008年度は、新たに事業所の幹部(社長・工場長・製造部長・安全責任者)を対象にした「安全特別研修」を企画・実施し、「安全教育プログラム」を拡充しました。
※上表は、コーポレートおよびカンパニーが実施した活動。これら以外に各事業所では個別に教育・啓発活動を実施している。
※上表は、コーポレート、カンパニーおよび住宅販売会社が実施した主な活動。これら以外に住宅販売会社、ファミエス(リフォーム)会社では個別に教育・啓発活動を実施している。
安全特別研修
「安全はトップ、管理者の姿勢で決まる」――という考えのもと、2008年度から新たに事業所の幹部を対象にした「安全特別研修」をスタートさせました。
積水化学工業(株) 環境・ライフライン カンパニー東京工場 伊藤 重幸
2008年9月に開催された「安全特別研修」に工場幹部6人と一緒に参加しました。この研修は、グループ討議や講演を通して“トップの安全に対する姿勢”を本当に考えさせられた有意義な研修でした。また、研修のなかで打ち出した2つのコミットメント「安全最優先にコダワルこと」「5Sとルール遵守を率先垂範で実行と共に、ベルパトロールによる双方向管理」は、当然のことながら今も継続して実践しています。
2008年に積水化学グループ内で発生した労働災害件数は前年比で3件減少し、度数率は改善されました。しかし、強度率は障害が残る災害が2件発生し、大幅に悪くなりました。
※1 度数率=(休業災害死傷者数/総労働時間)×百万 ※2 強度率=(労働損失日数/総労働時間)×1,000 ※3 積水化学グループデータ:42生産事業所、4研究所 ※4 全国製造業データ出所:厚生労働省「労働災害動向調査」
※設備災害の定義 (1)人的被害:損失日数30日以上の休業災害 (2)物的被害:10百万円以上 (3)機会損失:20百万円以上のいずれか一つ以上の項目を満たす災害(積水化学グループ基準)
※発生件数:加害・被害総件数(自損、物損も含む)
※疾病長欠:疾病や怪我で暦日30日以上休業したもので、新たに発生したものをいう。出勤開始後6ヶ月以内の再発はカウントしない。ただし、労働災害が原因の場合は疾病長欠としない。
積水化学グループの住宅カンパニーや環境・ライフラインカンパニーには、お客様や地域の方々に密着した現場で働く施工部門があります。これら部門では、施工に携わる人達の安全確保はもちろん、施工現場においてお客様や周辺地域の方々の安全を確保するために「現場安全診断」をはじめとした各種安全活動を実施しています。 住宅カンパニーの施工部門では、管理・監督者との対話を通じて現場で働く一人ひとりが危険に対する感受性を高める「施工安全プログラム」を2007年度に開発・試験導入を経て、2008年度はこれを全国の施工部門に展開しました。
2008年の施工部門の労働災害発生件数は、住宅カンパニー(住宅新築部門およびファミエス(リフォーム)部門)で40件と前年比で1件増加しました。また、環境・ライフラインカンパニーの施工部門では前年と同件数でした。 今後も、現場の安全管理をさらに強化するとともに、現場で働く一人ひとりの危険に対する感受性の向上策を講じるなど、「安全・安心」な施工現場の実現を目指していきます。
※発生件数は、積水ホームテクノ(株)、日本ノーディッグテクノロジー(株)、積水アクアシステム(株)の3社の合計件数
KYT演練競技大会
セキスイハイム近畿(株)は2008年5月、社外に対して「ゼロ災運動推進事業所宣言」をしました。これは、ゼロ災運動の理念に基づいて「明るくいきいきした企業風土」をつくりあげようとする運動です。 この風土構築のために、KYT(危険予知トレーニング)の手法を道具として運動を推進中ですが、KY活動のやる気を高め、活性化を図り、現場に定着させるために、毎年KYTの演練を競いあう「KYT演練競技大会」を開催しています。
(株)三栄住建 (施工協力会社) 松本 将典 様
今回「KYT演練競技大会」に参加して、チームとしては優勝しましたが、私自身としてはまだまだ危険に対する感受性の乏しさを痛感しました。 優勝したことを励みにして、今後、この大会を通して学んだことを現場で活かし、実践していきたいと思います。
積水化学グループでは、2004年度から海外生産事業所の安全衛生・防災面での実態調査や安全検討会を実施しています。また2005年度からは、海外生産事業所(2008年現在28事業所)の労働災害発生状況のモニタリングを実施し、災害発生状況の把握に取り組んでいます。2008年8月に上海の事業所で死亡事故が発生しました。原因究明と対策実施はもちろんのこと、タイ・中国6事業所の緊急点検を実施し、問題点を改善しました。2009年度は、海外生産事業所間の安全交流会、安全情報の相互提供等安全活動を強化し、労働災害の削減に努めていきます。