魅力品質物語

快適エアリーへの道のり > 第1章 快適エアリーとは


もちろん、快適エアリーは一朝一夕に完成したものではない。歴史をたどると、そのきっかけは10年以上もさかのぼることになる。当時、現在の快適エアリーの姿があったわけではない。しかし、その頃から次々に開発されてきた、様々な技術が現在の快適エアリーにつながっている。まさに10年間の技術の集積が快適エアリーなのである。

1999年3月、当時の建設省は住宅の断熱化基準として「次世代省エネルギー基準」(通称)を制定。各住宅メーカーの目は、一気に断熱性・気密性の向上へと注がれた。当時、セキスイハイムでは、木質系住宅ツーユーホームが断熱性を表すQ値、気密性を表すC値のいずれにおいても住宅業界のトップクラスの性能を誇っていた。鉄骨系住宅のトップクラスのセキスイハイムも、木質系住宅に並ぶ、さらにその上の性能、中でも床の快適性に着目し、向上を目指していた。

そのような背景の中、2001年に開発の出発点ともいえる出来事があった。これまで布基礎を採用してきたセキスイハイムが、ベタ基礎の導入に踏み切ったのである。田中はその頃を振り返る。
「ベタ基礎にすることで床下の地面がコンクリートで覆われてひとつの空間になった。床下空間の有効活用が可能になったんです。当初、どのように床下を活用するか様々な方向性が検討されました」
実はこれが、後の快適エアリーの開発へとつながっていく、大きなきっかけになっている。

田中 勝哉氏
住宅カンパニー 商品企画部門 田中
“線”で支える布基礎と“面”で支えるベタ基礎
布基礎 T字を逆にした断面形状の鉄筋コンクリートを連続して設けた基礎。
ベタ基礎 基礎の底一面を鉄筋コンクリートで覆う。

布基礎からベタ基礎へ。床下空間という突破口が見える

では、なぜこの時期、ベタ基礎の導入だったのか。当時、ベタ基礎を起案した開発部門の伊丹は、「セキスイハイム独自のボックスラーメン構造にとって、最適かつコストパフォーマンスの高い基礎」を常に考え、目指していた。

一般的に、狭小地を例にとると、布基礎の場合は偏心布基礎にせざるを得ず、その分コストが高くなる。また、当時ベタ基礎を本格的に導入しているメーカーはまだまだなく、他社では布基礎+防湿土間コンが一般的だったが、ベタ基礎の方が湿気は上がりにくいし、地震にも強いという利点がある。「安心・安全という視点で、ベタ基礎を広げていきたいという思いが強かった」と伊丹は言う。

その上、セキスイハイムのユニット工法は、高層ビルなどで採用されているラーメン構造を応用し、柱と梁をボックス型に一体化したユニットを組み合わせるボックスラーメン構造。基礎部分において、ボックスラーメン構造の場合、建物は4本の柱だけで受けているため、床下に壁や仕切りがいらないという特徴がある。一方、他社の場合は壁・柱で支えるため、たとえベタ基礎にしても床下は、結果的に何ヶ所も仕切られた空間になる。

これがベタ基礎を採用した場合の、セキスイハイムと他社との大きな違いになる。要するに、他社では建物を支えるためだけの床下部分が、セキスイハイムの場合は大きなひとつの空間となることで、床下を別の用途に活用できる可能性が生まれる。さらに、壁や間仕切りがないためコストパフォーマンスが高くなるのである。

ラーメン構造 柱と梁を剛接合させるラーメン構造は、強さと空間自由度が求められる高層ビルの大半で採用されている。
偏心布基礎とは
布基礎+防湿土間コンとは
他社の基礎との違い
一般的な布基礎 壁を支える中基礎で空間が仕切られる。
ハイムのベタ基礎 ユニットを束と外周基礎のみで支えるので、大空間が確保できる。

独自の床下に基礎断熱を。温熱環境の向上へと動き出す

ベタ基礎導入から2年後、床断熱仕様に加え、2003年に満を持した形で基礎断熱が追加される。基礎断熱とは、床下に通気口を設けず、床下も居室と同じ閉じられた空間にする仕様。基礎まで含めて室内空間とすることで、常に安定した床面温度が確保でき、従来に比べて寒い時期も暖かい床が可能になるのである。

実は、この基礎断熱。その提案のタイミングを「今か、今か」と待ち望んでいた人物がいる。開発部門の堤である。「当時から、セキスイハイムの床も独自の創意工夫で、すべてのお客様に喜んでいただけるレベルの快適性まで高めたいとずっと思っていました」

基礎断熱導入という、この提案こそ、セキスイハイムの温熱環境向上への大きな一歩になる。もちろん当初は、床下の用途開発として収納や配管・配線など、他の方向もあった。
実際のところ、基礎断熱導入の同時期に大型の床下収納メニューも開発されていた。しかし堤がヘッドを務めるチームの働きかけで、床下活用の目的は自然と「温熱環境向上」へと向き始めていった。

住宅カンパニー 開発部門 伊丹
住宅カンパニー 開発部門 伊丹
住宅カンパニー 開発部門 堤
住宅カンパニー 開発部門 堤
地中の熱を利用する基礎断熱
ハイムの基礎断熱
快適エアリーへの道のり
1999年  次世代省エネルギー基準の制定
2001年  ベタ基礎を導入
2003年  基礎断熱を導入
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