自然環境の保全
生物多様性を含む自然環境全般の保全に取り組んでいます
基本的な考え方事業活動にともなう生物多様性への影響の低減を進めています
積水化学グループでは、2008年4月、「環境経営方針」に生物多様性に関する項目を盛り込み、2011年にガイドラインを策定し、事業活動における環境配慮と世界各地での環境保全活動という両面から生物多様性を含む自然環境全般の保全に取り組んでいます。

事業緑地の質向上に向けて国内全生産事業所・研究所で緑地の質向上の取り組みを実施
事業所内で地域の動植物の生息環境を整え、地域と事業所を結ぶ生態系ネットワークを形成し、地域連携を活性化する目的で、事業所内の緑地の質を向上させる取り組みを推進しています。土地利用通信簿®※を活用し、中期環境計画(2014-2016)期間中での評価点を2013年度比10ポイント向上させることを目標にしています。2016年度は博物館と共催で動植物観察会を実施したりや事業所内に草地ビオトープを作ったりした結果、平均得点が13.4ポイント上がりました(2013年度比)。
※土地利用通信簿®:
一般社団法人企業と生物多様性イニシアティブが開発した生物多様性への取り組みレベルを評価するツール。

動植物観察会
緑地の質向上活動事例京都研究所に「草地のビオトープ」創出
京都研究所では2015年度より、京都市により策定された「京都市生物多様性プラン」に従い、緑地の見直しを行ってきました。そこでまず緑地づくりのコンセプトをつくり、コンセプト実現のための第1弾として、2013年より育ててきた野生の「藤袴」を中心として10種の植物により「京(みやこ)の草地」を再現したビオトープを創りました。昨年秋には藤袴も開花し、蝶をはじめとして多くの昆虫類が集まり、観察会や生きもの調査も行いました。
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ビオトープの藤袴にやってきたアサギマダラ |
開花したカワラナデシコ |

開花した藤袴
排水のWET評価新たに2工場で排水のWET評価を実施
積水化学グループでは、生産事業所の排水管理の方法として法令等で定められた排水基準や、より厳しい自主管理値を設定し、その遵守に努めてきました。排水先の水生生物にとって安全な水環境を確保し、排水による悪影響を未然に防止することを目的に、2013年度よりWET※による排水の評価と排水放流先の河川における水生生物の生息状況の調査を実施してきました。
2016年度は、新たに2事業所でWET評価を実施し、その内1事業所では藻類の成長に影響が認められる結果となり、原因調査を実施しています。また過去に藻類の成長に影響が見られた1事業所においても再評価を実施し、影響が認められないレベルまで水質改善できていることを確認しました。
これまでの4年間の調査で、積水化学グループの生産事業所から公共用水域に排出される水の96%の確認が完了しました。
※WET(Whole Effluent Toxicity);魚類、ミジンコ、藻類の生物応答で排水中の全ての物質の影響を評価する手法
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河川の生物調査の様子 |
WET評価に用いる生物の例 魚類(ゼブラフィッシュ) |