トップメッセージ

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2023年7月
代表取締役社長 加藤敬太

積水化学グループは、くらしや生命、ライフラインに関わる重要な社会課題に真正面から取り組むことで成長してきた歴史を持ちます。
1947年にプラスチックメーカーとして創業して以来76年、水の安全に寄与する上下水道管や、交通事故の被害を減少させる合わせガラス用中間膜、耐震性や施工安全性の高いユニット住宅、病気の早期発見や医療従事者の安全に寄与する真空採血管や検査薬システムなど、高い技術力から生まれた独自性の高い製品を提供し、気候変動など社会・環境課題の視点を加えながら、解決の貢献度を高めてきました。
そして2020年、この歴史を踏まえ、これからも社会課題の解決に高い技術力と独自性をもって貢献し、成長していくことを示した長期ビジョン「Vision2030」を策定しました。「Vision2030」では、ビジョンステートメントを「“Innovation for the Earth” サステナブルな社会の実現に向けて、L I F E の基盤を支え、“未来につづく安心”を創造する」とし、経営の中心にESGを置いています。そして、事業を通じた社会課題解決への貢献の拡大によって、2030年度に売上高を2兆円とする目標を立てています。

次に、長期ビジョン「Vision 2030」実現に向けての道筋です。
まず、長期ビジョン策定と同時に、第1ステップの中期計画「Drive2022」(2020~2022年度)を策定し、「社会課題解決への貢献拡大による業容倍増に向け、持続可能な『成長』・『改革』・『仕込み』に“Drive”をかける」という方針を掲げ、2022年度の売上高目標を1兆2,200億円としました。この中期経営計画において特に重視し、創出と拡大をはかったのがサステナビリティ貢献製品です。自然環境と社会環境の持続性の視点を加えた製品群であり、長期ビジョンが目指す「サステナブルな社会の実現と当社グループの持続的な成長の両立」を体現するもので2022年度目標は8,000億円としました。
「Drive2022」の3年間において、サステナビリティ貢献製品の売上高は計画を上回り、さらに全社売上高を上回る伸長率を達成することができました。また、環境などESG経営の重要課題(マテリアリティ)の取組みも着実に進捗しています。加えて、資源循環と脱炭素に貢献するバイオリファイナリーやペロブスカイト太陽電池といった、革新的なテーマも着実に前進させました。

長期ビジョン「Vision 2030」に向けての第2ステップである 「Drive 2.0」(2023~2025年度)のねらいは長期ビジョン実現の「加速」です。全社の売上高目標は1兆4,100億円、そのうちサステナビリティ貢献製品で売上高1兆円超を実現したいと考えています。また、バイオリファイナリー、ペロブスカイト太陽電池をはじめとする新事業テーマを進め、社会課題解決の貢献領域と貢献量の拡大をめざします。そして、環境、人的資本を特に重要と位置づけて取り組みを加速させるとともに、「ビジネスと人権」への取り組みも一層強化します。2030年に向けて重要な期間となる「Drive2.0」の3年間でサステナブルな社会の実現と当社グループの成長をより確かなものにしていきます。

今、我々が直面する社会課題は高度化しているだけでなく、複雑化し、多面的な取り組みを必要とするものが大半であると感じます。より質が高く迅速な社会課題の解決のためにはステークホルダーの皆様との協働が不可欠です。我々はこれからも社会の一員として、オープンで柔軟な企業姿勢を基本に、社会課題解決に一層邁進したいと考えています。
長期ビジョン「Vision2030」や本レポートでは、当社グループの意志と取り組みの方向性や進捗を示していますのでぜひご覧ください。
ステークホルダーの皆様におかれましては、今後ともご理解賜りますようお願い申し上げます。