新開発の高耐候性塩化ビニル管・継手「エスロンUVストロング」の発売について

~工場・プラント設備等の屋外配管用途に対応~

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積水化学工業株式会社(代表取締役社長:髙下 貞二、以下 当社)の環境・ライフラインカンパニー(プレジデント:久保 肇)は、この度新たに開発した工場等の屋外配管向けの耐候性に優れた塩化ビニル管・継手「エスロンUVストロング」を7月1日(水)より発売します。

 

1.背景

近年、高度成長期に建設された工場配管の老朽化や、工場プラント設備の事故・不具合の発生、さらには企業の社会的責任(CSR)に対する意識の高まりを受け、工場・プラント設備配管の適切な維持管理や、長寿命で安心して使用できる配管材が求められるようになってきました。
また、水質汚濁防止法の改正(平成24年6月施行)により、排液、薬液の地中への漏洩防止や、メンテナンス・維持管理の簡易性が求められたことで、配管を地上化(架空化)することが主流となってきました。
塩化ビニル管は、優れた耐薬品性と施工性の良さ(軽量、易接合)、経済性から、薬液・排液、工業用水、廃水、上水、下水などの幅広い用途で使用されてきましたが、屋外で使用する場合、表層が紫外線で劣化し衝撃強度の低下や変色が起こるのを防ぐため、カバーを付けたり、耐候性のある塗料を塗布することが推奨されています。
しかしながら、施工現場では均一な膜厚塗装が困難である上、足場の設置に多大な工数を要すること、また、塗料によっては数年で塗膜が剥がれ定期的なメンテナンスが必要になる場合があること等の課題があり、屋外配管には採用されにくいケースもありました。

 

2.「エスロンUVストロング」の概要・特長

当社では、塩化ビニル管の特性(耐薬品性、易施工性等)はそのままに、屋外配管(圧力配管)においても安心してご利用いただけるように、紫外線による物性低下・変色・塗膜の剥離等を防止する耐候性向上樹脂を外層にコートした高耐候性塩化ビニル管・継手「エスロンUVストロング」を開発しました。

 

 

 

 

エスロンUVストロング

エスロンUVストロング

 

 

 1)長寿命化



屋外曝露10年相当試験(耐候性促進評価)において、新品の約90%の耐衝撃性能を維持。不慮のトラブルによる漏水リスクを低減するだけでなく、カバー設置や現場での塗装が不要なため、コストダウンと工期短縮が期待できます。

 

「長寿命化」グラフ

 

 

 

 

 

 

※50%割れ高さ:パイプの上から重りを落とし、50%の確率で割れる高さを示したもの
(JIS規格で定められた試験方法)

 

 

 2)美観維持

 

耐候性向上樹脂により紫外線劣化を外層で抑制。物性の低下や外観の変色が少なく、配管の美観維持に貢献します。

 

 「美観維持」耐候性試験後

 

 

 3)ライフサイクルコスト低減

 

耐候性向上樹脂層と塩ビ層は強固に一体化し剥がれにくいため、配管後の塗膜の剥がれによるメンテナンスがほぼ不要であり、ライフサイクルコスト(LCC)の低減が可能です。

 

 「ライフサイクルコスト低減」

 

3. 販売計画

調査・診断結果をもとにお客様にご提案する長寿命化・機能化製品として『エスロンUVストロング』を新たな商材に加え、屋外配管用途における新設・更新需要で、2020年度に売上高10億円を目指します。

 

 

 *** 

 <ご参考>

当社ではこれまでにも、プラントにおける既設配管を現場から回収し、各種物性評価による配管の調査・診断を行い、継続使用が可能かどうかの判定や、長寿命化が可能なプラント管材(エスロンプラントVPパイプ、プラント用HTパイプ、ガラス繊維補強塩ビパイプ等)のご提案を行ってきました。

 

薬液劣化診断

 

近年の配管架空化、長寿命化への市場ニーズを踏まえ、これまで長年にわたって蓄積した当社独自のデータをもとに、昨年からは、屋外で使用した樹脂配管の紫外線劣化を非破壊で簡易に判定する診断技術を構築するとともに、屋外で使用可能なポリエチレン管「エスロンプラントハイパーBK」を発売しています。
この度、高耐候性塩化ビニル管・継手「エスロンUVストロング」を新たにラインナップに加え、今後も各種用途に最適な長寿命化・機能化製品を提供していきます。

 

紫外線劣化診断

 

 

 

製品情報 関連リンク

 

エスロンUVストロング

 

薬液劣化診断

 

エスロンプラントVPパイプ

 

紫外線劣化診断

 

エスロンプラントハイパーBK

 

 

 

 

以上