2030年温室効果ガス排出量削減の新たな目標を制定

2022年10月3日
積水化学工業株式会社

  積水化学工業株式会社(代表取締役社長:加藤敬太、以下「当社」)は、2050年カーボンニュートラルの実現に向け、2030年の温室効果ガス(以下、「GHG」)排出量削減の新たな目標を制定し、取り組みを加速します。

当社グループの気候変動対策と新たな目標制定の背景

  当社グループは、気候変動は大きな社会課題であると同時に、当社グループにとって大きなリスクであると認識し、その解決に積極的に取り組んできました。2018年、化学業界初となるSBT認証を取得し、2030年にGHG排出量削減率を2013年度比で26%とする目標を掲げ、老朽設備更新の促進などの「エネルギー消費革新」、そして購入電力の再生可能エネルギー(以下、「再エネ」)転換や自家消費型太陽光発電設備の導入などの「エネルギー調達革新」を進めてきました。

  その結果、2021年度、購入電力を100%再エネに切り替えた事業所は国内外20拠点、自家消費型太陽光発電設備の導入事業所は同12拠点となり、グループ全体における購入電力の再エネ比率は20%に達しました。これは当初計画の2倍の比率であり、GHG排出量削減率は2013年度比で21%削減まで到達しました。

  そして、気候変動対策がさらに喫緊の社会課題となるなか、燃料使用設備の電化や低炭素燃料への転換、さらに「生産プロセス革新」による燃料由来GHG排出量の削減という技術的難易度の高い取り組みを前倒しで行い、2030年のGHG排出量削減率を高める決断をしました。

新たなGHG排出量削減目標

  Scope1+2のGHG排出量削減目標は、従来の2013年度比26%削減から2019年度比50%削減に更新し、Scope3のGHG排出量削減目標も資源循環への取り組みを加えることで上方修正します。当社とサプライチェーンの削減に向けた取り組みを加速します。Scope1+2の新たな削減目標はパリ協定の1.5℃目標に相当し、SBT認証を申請しています。

GHG排放量削减率新目标

Scope1+2の目標達成に向けた施策

  Scope1+2の目標達成に向けて、購入電力の再エネ化を引き続き推進し、2030年には100%転換します。2023年からは燃料使用設備の電化や低炭素燃料への転換を進めます。具体的には、燃料を使用している空調設備の電化と再エネ転換、重油ボイラーのLNG化、業務用車両のHV・EV化を推進します。そして、技術的難易度の高い蒸気発生源の燃料転換や「生産プロセスの革新」による使用エネルギーの削減も前倒しで取り組んでいきます。
  これらのScope1+2におけるGHG排出量削減に寄与する設備投資や再エネの調達に、2030年までに総額400億円の投資を計画しています。

Scope1+2の目標達成に向けた施策

Scope3の目標達成に向けた施策

  資源循環への取り組みによりScope3の削減を進めます。具体的には、購入した製品サービス(カテゴリー1)の5割を占める樹脂原料を非化石由来へ転換、再生材料の使用を拡大します。このことにより、販売した製品の廃棄(カテゴリー12)のGHG排出量削減にもつなげます。また、廃プラスチックの再資源化を推進し、事業から出る廃棄物(カテゴリー5)の削減に新たに取り組みます。
  販売した製品の使用(カテゴリー11)においては、セキスイハイムの省エネ性能と大容量PV・大容量蓄電池によるZEH住宅の拡販がGHG排出量削減に大きく貢献してきました。今後もZEH住宅の販売拡大により、さらなる削減につなげます。

  当社は、長期ビジョン「Vision 2030」において、「Innovation for the Earth」をビジョンステートメントと して掲げ、イノベーションにより「サステナブルな社会の実現に向けて、LIFE の基盤を支え、“未来に つづく安心”を創造していく」ことを宣言しています。 これからも、持続可能な社会の実現と当社グループの成長の両立を目指して、気候変動などの社会課題の解決に貢献し、ステークホルダーの皆様に信頼される企業であり続けるための取り組みを進めていきます。

(参考)

Scope1 : 事業者自らによる温室効果ガスの直接排出(燃料の燃焼、工業プロセス)
Scope2 : 他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出
Scope3 : Scope1、Scope2以外の間接排出(事業者の活動に関連する他社の排出)

Scope3のカテゴリー
上流
カテゴリー1 : 購入した製品・サービス(原材料)
カテゴリー2 : 資本財
カテゴリー3 : Scope1,2に含まれない燃料及びエネルギー関連活動
カテゴリー4 : 輸送・配送
カテゴリー5 : 事業から出る廃棄物
カテゴリー6 : 出張
カテゴリー7 : 雇用者の通勤
カテゴリー8 : リース資産
下流
カテゴリー9 : 輸送・配送
カテゴリー10 : 販売した製品の加工
カテゴリー11 : 販売した製品の使用
カテゴリー12 : 販売した製品の廃棄
カテゴリー13 : リース資産
カテゴリー14 : フランチャイズ
カテゴリー15 : 投資

<本件に関するお問い合わせ先>

      積水化学工業株式会社 広報部
          E-mail:kouhou@sekisui.com