エスレック B , KX, KW 用途 特徴 品番対応表 長所 製法・構造 構造式 使用方法 安全性 品種と物性一覧表 溶剤溶解性 溶液粘度 相溶性 塗工性 物理的性質 熱分解曲線 化学的性質 インク粘度 粘度と水酸基 Tg(ガラス転移温度)と水酸基 強伸度特性

印刷インク

・フレキソインク、グラビアインク、顔料処理剤
低粘度品がフレキソインク・グラビアインク用に適するグレードです。
特にBL−10が一番粘度の低いグレードです。
低粘度の為、印刷スピードの向上が狙えます。
データ 1)インク用PVBのインク粘度

バインダー

・セラミックバインダー
セラミックの分散性・焼成時の寸法安定性に優れています。
水系のKWシリーズもあります。
・金属粉末バインダー

データ 2)熱分解曲線(TG/DTA)3)強伸度特性

接着剤

・プリント基板接着剤
フェノール樹脂、メラミン樹脂などとの混合物は、紙フェノール基板プリプレグと銅箔の接着に用いられ、良好な半田耐熱性とピール接着力が得られます。
・コイル用電線ワニス
エスレックBの溶液をコイル用エナメル電線に上塗りし、加熱することにより、コイルの電線を接着させるのに用いられます。
・ホットメルト接着剤

塗料・コーティング

・ウォッシュプライマー
ウォッシュプライマー(以下W・P)は、金属に対する強い接着性、上塗り塗料との密着性、及び一時的な防錆作用を持ちます。よって船舶、橋梁などの業界で鉄・アルミの下地処理剤として、W・Pがよくも用いられます。
・自動車補修塗料
金属との強い接着性を生かし、自動車補修の前処理保護プライマーとして用いられます。
・インクジェット受容層 コーティング
KXは、インクジェットプリンターの印刷フィルムのコーティング剤として使用されます。
・金属塗料
金属の常温硬化塗料、焼付け塗料として、各種の天然樹脂、合成樹脂、乾性油と混合して用いられます。ブチラール樹脂を添加することにより、塗膜の接着性、強度、耐久性が著しく改善されます。熱硬化樹脂に添加すると、耐衝撃性、可撓性、密着性を更に向上させます。一例として、フェノール樹脂の初期縮合物を主として、これに少量のエスレックBを混合した焼付け塗料は、食品缶詰用に使用されています。
・金属箔塗料
金属箔(主にアルミ)にエスレック溶液を塗布します。すると箔の強度と防湿性を増し、その上にヒートシールだけで完全包装ができ、チョコレート、ビスケットなどの食品、医薬品、写真部品などの自動包装に使用されています。
・粉体塗料
エポキシ樹脂にエスレックB・Kをブレンドし、エッジカバリング性、細粒化防止などの効果を現します。
・真空蒸着用塗料
エスレックB/Kのアルコール溶液は、プラスチック面、金属面によく接着しますので、真空蒸着用糊及びその仕上げ面の塗料として用いられます。
・光沢面保護塗料
ラケットのガット、唐木細工用のワニス、銅線、銀線用ワニス、その他あらゆる金属メッキ面に使用されます。
・皮革用塗料
エスレック皮膜は常温において大きな強伸度を示し、この性質は低温においても失わず、可塑剤を用いることにより、柔軟性、弾性のある皮膜を作ります。 これはブチラール樹脂だけの性質です。

その他の分野

・反射シート
エスレックB・Kは、その顔料分散性、塗膜透明性、およびプラスチックとの接着性がそれぞれ良好なため、これを塗布したPET、その他のプラスチックフィルムおよびカラスビーズ溶液を用いて道路標示の反射シートに使用されます。
・染料昇華インクリボン
染料分散性の良さゆえに、エスレックB・Kは昇華型染料インクに用いられます。
染料が熱によって昇華し、表面処理紙に転写されます。
・磁気テープバインダー
磁性粉の分散性に優れている為、高級タイプの磁気テープバインダーとして用いられています。
・陶器用転写マーク
マーク模様を予め離型紙に印刷しておき、これを水に濡らして陶器面にあて、離型紙をはがします。次にこれを焼成すると、陶器面に模様が焼付けされます。
エスレックB・Kは、この印刷インキ用に使用されています。

エスレックB、エスレックK(KS)の特徴

  1. 強靭で、可撓性が優れています。
    エスレックB・KSは強靭で可撓性を持っています。特に低温下での衝撃強度が優れています。

  2. 接着性が優れています。
    エスレックB・KSは金属・プラスチック・ガラス・皮革・木材等への接着性が良好です。

  3. 多くの有機溶剤に溶けます。
    エスレックB・KSは広範囲の有機溶剤に溶け、特にアルコールによく溶けます。

  4. 架橋性をもち、相溶性があります。
    エスレックB・KSは熱可塑性の樹脂ですが、それ自身架橋性をもっていて各種樹脂と相溶し、架橋反応することができます。併用する樹脂や、硬化剤を変えることで、熱可塑性・熱硬化性、いずれの樹脂としても使用できます。

  5. 無色・透明です。
    エスレックB・KSは無色・透明で、着色が自由にでき、耐候性にも優れています。

  6. 無毒・無臭です。
    エスレックB・KSは毒性がなく、臭いもほとんどありません。そのため、印刷インク・コーティング等臭いを嫌う用途に向いています。

エスレックK(KX)及びエスレックK(KW)の特徴

KX

  1. 親水性でかつ耐水性があります。水のみには溶解せず、水/アルコールの混合溶剤に溶解します。

  2. 防曇効果、結露防止効果があります。

  3. 透明性が高いため、光学特性を必要とするコーティング剤に適します。

    注)消防法の危険物第4類アルコール類に該当します。

KW

  1. 可撓性に富む水溶性の樹脂です。

  2. 有機・無機材料の分散性に優れ、水溶性バインダーとして適しています。

特徴一覧表

品種 可撓性 接着性 分散性 耐水性 耐油性 耐曇性 透明性
KX
KW    

グラフ

各用途の対応品番表

荷姿
エスレックB・K(KS)は見掛比重0.20〜0.40の白色の粉体で、包装は20kgクラフト紙入りです。

セキスイの卓越した生産技術により、品種の幅広いラインアップとロット間の高い安定性を実現しています。特に電子部品業界を初め、様々な業界に広くご使用頂いております。

  1. A. 幅広い品揃え
    ●計算分子量:14,000〜130,000
    塗膜強度、溶液粘度、接着性等に影響を与えます。

    データ ・粘度と水酸基の散布図Tgと水酸基の散布図 ●アlセタール化度:約63〜79mol%
    塗膜の柔軟性、溶剤溶解性等に影響を与えます。

    ●ガラス転移温度:59〜110℃

  2. B. ロット安定性
    ロットの安定性が優れています。

  3. C. 優れたサービス
    お客様のニーズに応え、様々なサービスの実現を目指します。
    ●技術サービス
    ●クィックレスポンス
    ●製品改良
    ●クィックデリバリー

製法

エスレックB・Kは、ポリビニルアルコール(PVA)にアルデヒドを反応させて作ります。
製造工程の概要は以下の通りです。

原料→反応→洗浄→乾燥→製品

製法

構造

ブチラール化反応において、PVAを完全にブチラール化することはできません。
エスレックB・Kには、水酸基が残されていて、またケン化(PVAの製造工程)のさいにも少量のアセチル基が残ります。
従って、エスレックB・Kの化学構造は下のようになります。

構造

この組織の割合と重合度により、物理的・化学的性質を異にし、熱的・機械的性質、溶液粘度が左右されます。


組成の特性に及ぼす影響

組成の特性に及ぼす影響

分子量の特性に及ぼす影響

分子量の特性に及ぼす影響

使用方法

    混合溶剤について
    エスレックB・Kは混合溶剤を使用した方が溶液粘度が低く、貯蔵中の粘度変化も少なく、好結果が得られます。混合溶剤としては、下のようにアルコールと芳香族炭化水素とケトン、またはエステルが用いられています。
    アルコール系と芳香族系の比率は、4:6程度が好ましく、低粘度溶液が得られます。とくにおすすめできる混合溶剤はエタノール・トルエンです。なおアルコールとしてメタノール、エタノールを用いますと、塗膜が白化するおそれがあります。
    この場合は5%程度n-ブタノールを加えますと、塗膜の白化が防止できます。

    図

  1. 溶液中の水分について
    エスレックB・Kは、他の合成樹脂と比較して溶剤中の水分の許容範囲が広いことが特徴です。BL-S、BL-SH、BM-SH、BH-S、BM-Sを除きますと、3%〜8%の水分の存在は溶液粘度を低下させる働きがあり、実用的にきわめて有利です。

  2. 溶解方法
    エスレックB・Kを溶解する場合には、溶剤を撹拌しながら樹脂を徐々に加えていく方が溶けやすく、常温でも溶解しますが、加熱すると溶解速度を速めます。ただし、樹脂を加え終わってすぐ加熱するとブロックになるおそれがありますので、樹脂が十分膨張してから加熱してください。混合溶剤を用いる場合は、単独ではアセタール樹脂を溶解しない溶剤(芳香族系、エステル、ケトン、塩素化炭化水素)でよく膨張させてから、アルコール系など可溶の溶剤を加えます。ただしエスレックBLタイプは溶解速度が大きく、あらかじめ混合溶剤をつくっておいた後で、樹脂を加えても問題はありません。また溶剤の選択は、できた樹脂溶液の溶液粘度、溶解速度、さらには使用後の塗膜の状態、および試験されたうえでお選びください。

使用上の注意
  1. 静電気対策について
    エスレックB・Kは他の樹脂と同様、静電気を帯びることがありますので、溶剤を使用される場合にはアースなどの処置を配慮ください。

  2. その他
    樹脂は粉体ですので、ご使用の際には防塵マスク、ゴーグルなどの着用をお勧めします。

    保管上の注意

    水漏れ厳禁、高積みはできるだけ避けて保管ください。
    高温高湿度、直射日光を避けて保管ください。
    詳細はMSDS(Material Safety Data Sheet)をご覧ください。

安全性・毒性情報

  1. 既存化学物質番号
    6類-708「アルキルアセタール化ポリビニルアルコール」
  2. 消防法
    指定可燃物(合成樹脂類)に該当
  3. 非該当法規
    下記の法規には該当いたしません。
    毒物劇物取締法
    特定化学物質規則
    障害予防規則
    労働安全衛生法
    鉛中毒予防法
    じん肺法
    詳細については弊社にお問い合わせください。

    safetydata.pdf

製品形状

包装形態  20kgクラフト紙袋入り
 白色(粉体)
見掛比重  0.20〜0.40

エスレックB・K(KS)の品種と物性一覧表

品種 計算分子量
X104
揮発分
wt%
遊離酸
wt%
水酸基
mol%
アセチル基
mol%
ブチラール化度
mol%
アセタール化度
mol%
粘度
mPa・s
ガラス転移点
温度(Tg)
低重合度タイプ
BL-1 約1.9 3 以下 0.05 以下 約36 3以下 63±3 10〜30 66
BL-1H 約2.0 3 以下 0.05 以下 約30 3以下 69±3 10〜30 63
BL-2 約2.7 3 以下 0.05 以下 約36 3以下 63±3 30〜60 68
BL-2H 約2.8 3 以下 0.05 以下 約29 3以下 70±3 30〜50 64
BL-5 約3.2 3 以下 0.05 以下 約21 3〜5 77以上 30〜50 62
BL-10 約1.5 3 以下 0.05 以下 約28 3以下 71±3 9〜15 59
BL-S 約2.3 3 以下 0.05 以下 約22 3〜5 74±3 10〜30 61
BX-L 約2.0 3 以下 0.05 以下 37±3 3以下 約61 10〜30 74
中重合度タイプ
BM-1 約4.0 3 以下 0.05 以下 約34 3以下 65±3 60〜100 67
BM-2 約5.2 3 以下 0.05 以下 約31 3以下 68±3 100〜170 67
BM-5 約5.3 3 以下 0.05 以下 約34 3以下 65±3 140〜220 67
BM-S 約5.3 3 以下 0.05 以下 約22 4〜6 73±3 80〜150 60
高重合度タイプ
BH-3 約11.0 3 以下 0.05 以下 約34 3以下 65±3 60〜120※ 71
BH-6 約9.2 3 以下 0.05 以下 約30 3以下 69±3 40〜90※ 67
BH-S 約6.6 3 以下 0.05 以下 約22 4〜6 73±3 20〜40※ 64
BX-1 約10.0 3 以下 0.05 以下 33±3 3以下 約66 80〜130※ 90
BX-5 約13.0 3 以下 0.05 以下 33±3 3以下 約66 130〜200※ 86
高耐熱タイプ(KS)
KS-10 約1.7 3 以下 0.05 以下 約25 3以下 74±3 10〜30 106
KS-1 約2.7 3 以下 0.05 以下 約25 3以下 74±3 50〜100 107
KS-3 約10.8 3 以下 0.05 以下 約25 3以下 74±3 110〜170※ 110
KS-5 約13.0 3 以下 0.05 以下 約25 3以下 74±3 210〜270※ 110
粘度
※エタノール/トルエン=1/1 5%溶液
※以外:エタノール/トルエン=1/1 10%溶液
いずれも回転粘度計(BM型) 測定温度20℃



エスレックK(KX)の品種と物性一覧表
  固形分 wt% アセタール化度 mol% 粘度 mPa・s pH 溶剤組成
KX-1 8±2 8±2 10,000±6,000 6±2 IPA/水=40/60
KX-5 8±2 9±2 3,000±1,500 6±2 IPA/水=40/60

エスレックK(KW)の品種と物性一覧表

  固形分 wt% アセタール化度 mol% 粘度 mPa・s pH 溶剤
KW-1 20±3 9±2 3,000±2,000 4〜8
KW-3 20±3 30±3 3,500±2,000 4〜8
KW-10 25±3 8±3 4,000±2,000 4〜6

注)上表の値はスペック値ではありません。

エスレックB・Kの各種溶剤に対する溶解性を下表に示します。

エスレックB・Kはアルコール系、エステル系、ケトン系、芳香族系など、広範囲の溶剤に可溶です。また、テルピネオールやカルビトール系溶剤等にも溶解性を示します。 一般に混合溶剤を使用した方が溶液粘度が低く、貯蔵中の粘度変化も少なく、好結果が得られます。エスレックB・Kは他の合成樹脂に比べ、溶液中の水分の許容範囲の広いことも特徴となっています。詳しくは 使用方法をご覧ください。

エスレックB・Kの各種溶剤に対する溶解性

  エスレックB・Kの品種
溶剤 BL-1
BL-2
BM-1
BM-2
BM-5
BL-1H
BL-2H
BL-10
BL-5
BL-S
BL-S
BM-S
BH-A BH-3 BX-L BX-1
BX-3
BX-5
KS-1
KS-10
KS-3
KS-5
アルコール メタノール S S S PS S S S S S S
エタノール S S S S S S S S S PS
n-プロパノール S S S S S S S S SW SW
iso-プロパノール(IPA) S S S S S S S SW PS I
n-ブタノール S S S S S S S S S PS
sec-ブタノール S S S S S S S S S PS
n-オクタノール S S S S S PS PS S S PS
エチレングリコール I I I I I I I I I I
ジエチレングリコール I I I I I I I I I I
ジアセトンアルコール S S S S S PS S S S S
ベンジルアルコール S S S S S S S S S S
セロソルブ メチルセロソルブ S S S S S S S S S S
エチルセロソルブ S S S S S S S S S S
ブチルセロソルブ S S S S S S S S S S
ケトン アセトン S PS S S S SW S S S S
メチルエチルケトン(MEK) S S S S S PS S S S S
メチルイソブチルケトン(MIBK) I I I S S I I SW I SW
ジイソブチルケトン(DIBK) I I I SW SW I I I I I
シクロヘキサノン S S S S S S S S S S
イソホロン S S S S S SW S S S I〜SW
アミド N,N-ジメチルアセトアミド S S S S S S S S S S
N,N-ジメチルホルムアミド S S S S S S S S S S
N-メチル-2-ピロリドン S S S S S S S S S S
エステル 酢酸メチル I PS I S S PS PS S S S
酢酸エチル PS I S S S I S S S S
酢酸イソプロピル I I PS S S I I I SW SW
酢酸-n-ブチル I I PS S S I I I PS PS
エーテル エチルエーテル I I I I S I I I I I
ジオキサン S S S S S S S S S S
テトラヒドロフラン S S S S S S S S S S
炭水化物 ナフサ I I I SW SW I I I I I
n-ヘキサン I I I I I I I I I I
シクロヘキサン I I I I I I I I I I
塩素化
炭化水素
メチレンクロライド S S S S S S S S S S
プロピレンクロライド SW SW SW S S SW SW SW SW SW
エチレンクロライド PS PS PS S S SW PS PS PS PS
クロロホルム S S S S S S S S S S
四塩化炭素 I I I I I I I I I I
芳香族 トルエン PS SW PS S PS I SW SW SW SW
キシレン SW SW SW S S SW SW SW SW SW
ピリジン S S S S S S S S S S
その他 ジメチルスルホキシド S S S S S S S S S S
酢酸 S S S S S S S S S S
テルピネオール S S S S S S S S S PS
ブチルカルビトール S S S S S S S S S S
ブチルカルビトールアセテート I I S S S SW SW S S S
●樹脂濃度5〜10% ●溶剤温度25'C ●S:溶解 PS:一部溶解 SW:膨潤 I:不溶

エスレックB・Kは、一般に溶剤に溶解して使用するため、溶液粘度が重要な因子となります。溶液粘度を左右するものは、第一に重合度、ついで組成と溶剤の関係です。
各種溶剤、各種品種につき、樹脂濃度と粘度との関係を表1〜7に示します。
測定条件:回転粘度型(BM型)at20℃

表1 エタノール粘度

グラフ

表2 エチルエーテル粘度

グラフ

表3 エタノール/トルエン 1/1粘度

グラフ

表4 トルエン粘度

グラフ

表5 MEK粘度

グラフ

表6 n-ブタノール粘度

グラフ

表7 エタノール/トルエン 100/0〜0/100

グラフ

エスレックB・Kは、フタル酸エステル、燐酸エステル、脂肪酸エステル、グリコール誘導体類及び多くの他の可塑剤と相溶するため、物性を巾広くコントロールすることが可能です。
また、エスレックB・Kは架橋性をもっているので、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ニトロセルロースなど多くの樹脂と相溶します。

可塑剤との相溶性

表

脂肪酸エステルは耐寒性がすぐれ、柔軟なフィルムを作りますが、移行性・耐水性は概して不良です。
BPBGは耐油性がすぐれており、BBPとともにフィルムに光沢を与えます。

高ブチラール化グレード(BL−5、BL−S、BM−S、BH−S)は特に優れた相溶性を有し、ニトロセルロースとはいかなる割合においても相溶し、ある種のビニル系樹脂とも相溶します。
尚、接着剤の場合には完全に相溶性がなくても使用されることがありますので、実際のご使用に当たっては、予備試験されることをおすすめします。

他の樹脂との相溶性

表

*相溶性のない樹脂
塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル、ウレタン、クマロン−インデン
アクリル、酢酸セルロース、塩化ゴム

1)エスレックB・Kの接着性は、主としてその重合度、ならびに組成によって異なります。一般に、低重合物ほど接着力は強く、また重合度のあまり均一なものよりも、適度な分布を持つものの方が接着剤として好適です。
2)エスレックB・K塗膜は、水中に浸漬しますと5~8%の水分を吸収しますが、長時間浸漬してもそれ以上は吸湿せず、乾燥すれば元の状態に戻ります。しかも、吸湿・乾燥を繰り返しても膜が脆化したり、剥離するようなことがありません。
このような性質は欠点でもありますが、反面繊維加工において風合・感触に与える効果は非常に大きく、また吸湿が飽和状態になったときの絶縁性は一定値を示すということが、ウォッシュプライマーの防錆作用に好結果を与えています。
3)エスレックB・K塗膜を各温度で焼き付けし、その性質を試験した結果を下図に示します。なお、クリヤーラッカーは比較のために行ったものです。

プチラール塗膜の性質

表

註1)BM-2・BMSは12%、BL-1は20%、イソプロパノール・トルエン溶剤(1:1)2回塗り
註2)試験方法は塗装便覧を参照してください。
++最も良い、+良い、+-普通、--最も悪い

塗膜としての性能はきわめて良好であって、耐熱水性も焼き付け温度の上昇により相当改善され、さらに他との相溶により一層向上されます。
次に、重合度の異なるブチラール樹脂の塗膜の厚さと描画硬度との関係を下図に示します。

ブチラール塗膜の厚さと描画硬度

表


註)n-ブタノール、トルエン(1:1)溶液を塗布、焼付100℃、60min


塗膜の厚さと硬度の関係


グラフ

低重合の樹脂(BL・BM)は、いずれも塗膜の厚さが0.02mm程度で、その描画硬度はほぼ一定になりますが、高重合度樹脂(BH)では、なお比例的に上昇します。塗膜としてエスレックBMが好適で、接着性と強度が良く調和しています。
次に、重合度の異なるブチラール樹脂、エスレックBM・BHを塗り重ねた場合の描画硬度を下図1に、BL・BM・BHのうち各2品種を組み合わせた混合塗膜の描画硬度を下図2に示します。


1.塗り重ね塗膜の描画硬度


表


註)n-ブタノール、トルエン(1:1)溶液を塗布、焼付100℃、60min


2.混合塗膜の描画硬度


表

重合度の異なる樹脂の重ね塗りの場合、下塗低重合度─上塗高重合度の方が、単一塗膜より描画硬度が高く、これは低重合度樹脂の接着性、高重合度樹脂の強度特性によるものだと思われます。
また、重合度の異なる樹脂を混合して塗布した場合、その描画硬度は、単独樹脂のいずれの場合より高く、とくにBL+BHすなわち重合度分布の最も広い場合が最高の値を示しています。

物理的性質

エスレックB・Kは、加熱成型性・塗膜性ともにすぐれた樹脂です。成型物の物理特性は下表の通りです。
表に示す物性値は、可塑剤・他樹脂との併用により、用途に合わせて変えることもできます。

表 エスレックB・Kの物理的性質

性質 単位 物性値 測定方法
エスレックB エスレックKS
  真比重 - 1.1 1.1 JIS K-7112
屈折率 - 1.48〜1.49 1.48〜1.49 ASTM D542




抗張力 kg/cm2 600〜800 800〜900 JIS K-7113
伸張率 % 5〜20 5〜20 JIS K-7113
弾性率 104kg/cm2 1.1〜1.4 1.2〜1.6 JIS K-7113
曲げ強度 kg/cm2 700〜750 1000〜1200 JIS K-7203
曲げ弾性率 104kg/cm2 2.2〜2.4 3.0〜3.3 JIS K-7203



比熱 cal/g℃ 0.44〜0.57 0.45 ASTM D2766 注1)
熱伝導率 10-1Kal/m.Hr.℃ 1.03〜1.04 1.03 ASTM C177
熱膨張係数 10-5/℃ 6.1〜8.4 6.0 JIS K6911 注2)




表面固有抵抗 _ 109〜1012 109〜1012 JIS K6911
体積固有抵抗 _・cm 1014〜1016 1014〜1016 JIS K6911 注3)
絶縁抵抗 _ 108〜1016 108〜1016 JIS K6911
絶縁破壊電圧 KV 25以上 25以上 JIS K6911
誘電率 30c/s - 3.1〜4.2 3.1〜4.2 JIS K6911
1000c/s - 3.1〜4.0 3.1〜4.0 JIS K6911
誘電正接 30c/s 10-3 2.7〜7.8 2.7〜7.8 JIS K6911
1000c/s 10-3 5.0〜8.2 5.0〜8.2 JIS K6911

注1)at100℃ 注2)at-20℃〜30℃ 注3)at30℃、75%RH
上記以外at20℃、65%RH
塗膜としての性能はきわめて良好であって、耐熱水性も焼き付け温度の上昇により相当改善され、さらに他との相溶により一層向上されます。
次に、重合度の異なるブチラール樹脂の塗膜の厚さと描画硬度との関係を下図に示します。

エスレックB・Kのガラス転移温度(Tg)

グラフ

エスレックB・Kの軟化点

グラフ

熱分解曲線

グラフ グラフ
グラフ グラフ

1)架橋性 化学的性質

エスレックB・Kは熱可塑性・溶剤可溶性の樹脂ですが、分子中の水酸基のために架橋性をもっています。このため、各種樹脂または化学物質と相溶し、架橋反応を引き起こすことができ、熱硬化性・溶剤不溶性の樹脂として使うことができます。エスレックB・Kと熱硬化性樹脂との併用は、多くの応用例がありますが、耐熱性、接着性、可撓性のバランスのとれた組成物が得られます。一般に第二級水酸基と反応する樹脂または化学試薬は、エスレックB・Kと反応します。代表的な例として、下記のものがあります。



フェノール樹脂との反応

エポキシ樹脂との反応

メラミン樹脂との反応

イソシアネートとの反応

ジアルデヒドとの反応

2)耐薬品性

化学的性質 2)耐薬品性 とくにアルカリに対しては、他の樹脂にくらべて耐久性がすぐれ、強酸・強アルカリにはわずかに浸される程度です。溶剤に対する耐久性は、他樹脂との架橋により改善することができます。耐水性については、塗膜を水中に浸漬しますと5〜8%の水分を吸収しますが、吸湿乾燥を繰り返しても塗膜の脆化は起こりません。
グラフ

グラフ

グラフ

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