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アクリルってなに?
べたつきのある柔軟なプラスチック
アクリルは、「アクリル酸エステル」という原料から作られるプラスチックです。プラスチックと聞くと硬いものを連想しますが、とても柔軟で、手で触るとべたべたしています。
色々なアクリル酸エステルを組み合わせることで、接着したり剥がしたり自由にこなすことができる粘着テープや接着剤として使われています。

アクリルが使われている身近なモノ
スマートフォンなど電子部品の接着
アクリルは粘着テープや接着剤として身近な電子機器に多く使われています。たとえば、みなさんの最も身近な電子機器であるスマートフォンの中にもたくさんの場所で使われています。電子部品の形に合わせて接着したり、内部の熱い環境でも耐えて長く貼り続けたりといったアクリルならではの特徴を活かしています。


アクリルは体操選手に似ています
体操選手は鉄棒をグリップして技を披露したり、逆に鉄棒からジャンプしてすぐまた鉄棒にくっついたり、グリップも離れ技も自在に美しく決めます。アクリルも柔軟に接着したり、綺麗に剥がしたり、何度も貼りなおすことができます。

代表的な12の機能

粘着性
貼り付けた瞬間にくっつきます
体操選手は鉄棒を握るとすぐに演技を始めることができます。
アクリルも材料に貼りつけた瞬間、すぐにくっつけられます。そのため、貼り付け作業をすばやく行うことができます。

長期信頼性
長い期間剥がれることなくくっつき続けます
体操選手がグルグルと何回転してもずっと鉄棒をグリップしつづけられるように、アクリルも長期間使用されても材料にしっかりとくっついた状態を保つことができます。

剥離性
材料から綺麗に剥がすことができます
体操選手の離れ技が美しいように、アクリルは一度接着した材料から綺麗に剥がすことができます。
離れた後の鉄棒はキレイなままで、接着の跡が残ったりと材料を汚すことがありません。

再利用性
べたつきを保つので剥がした後も
貼り直しができます
体操選手が離れ技でジャンプした後にまたすぐ鉄棒に掴まることができるように、アクリルも材料から剥がした後でもべたつきが保たれます。
くっつける・剥がすを繰り返してもべたつきが保たれ、何度も貼り直しができます。

耐熱性
高温の環境でも劣化しません
体操選手は夏の暑さに負けず、熱い体育館でトレーニングを積んできました。
アクリルも高い温度がかかっても簡単には劣化せず、よくくっついた状態を保つことができます。そのため、高い温度になりやすい自動車などの部品固定によく用いられています。

耐候性
高い耐候性で屋外でもくっつき続けます
体操選手は雨風に晒されながら演技をする、過酷なトレーニングも積んできました。
アクリルは紫外線、高温多湿、雨風に強く、よくくっついた状態を保持します。そのため、屋外で使用する用途に適しています。

耐薬品性
化学薬品に触れても劣化しません
体操選手は、たとえ滑りやすい薬品をかけられても鉄棒をグリップし続けます。
アクリルは様々な化学薬品(溶剤や可塑剤)に触れても簡単には劣化せず、よくくっついた状態を保つことができます。

衝撃吸収性
高い柔軟性で衝撃を吸収し分散させます
体操選手が着地の衝撃を膝を使って柔軟に和らげるように、アクリルも柔軟なプラスチックなので衝撃が加わっても、そのエネルギーを分散することができます。
電子機器を落下させても、アクリルがその衝撃を和らげ、部品を破損から守ります。

ひずみ緩和性
材料同士の間にかかったひずみを緩和させます
体操選手にとって身体の柔らかさは非常に大切です。
アクリルはその柔軟性を活かして、使用中にひずみがかかっても分散させられます。たとえば、異なる素材同士をくっつけたときの膨張率の違いを解消し、製品がゆがんでしまうことを防ぎます。

段差・
曲面追従性
どんな場所でも追従して隙間を埋める
ことができます
アクリルは柔軟なプラスチックなので、材料の凸凹や曲面にも追従して隙間を埋めることができます。くっつける素材同士の間に生まれる隙間にも密着し、高い封止性能を発揮できます。

透明性
透明かつ変色しません
演技の美しさを極めすぎて、透明で見えなくなった体操選手もいます。
アクリルは透明かつ変色もしにくいため、ガラスや透明プラスチックを接着する用途に適しています。

加工性
好きな形に加工することができます
体操選手は身体が柔らかく、どんな形にも対応できます。
アクリルは材料にくっつける前に好きな形に加工しておくことが可能です。そのため、利便性が非常に高く、液晶テレビ、携帯電話、車など、産業界で幅広く使用されています。
アクリルが使われているところ
モバイル機器の部品を固定し故障を防ぐ
スマートフォンなどのモバイル機器の部品固定に使われます。例えば、機器本体とパネルや小さな部品の間で両者をくっつけます。
高い衝撃吸収性で落下による破損を防いだり、段差追従性で防水性や防塵性を発揮します。また、加工性も優れ、様々な形の部品の固定に適します。

機能
衝撃吸収性
段差追従性
加工性
ディスプレイパネルを長い期間固定する
ディスプレイのパネル固定に使われます。高い信頼性で、重いパネルでも安心して固定できます。
柔軟性に優れ、パネル大型化による画面ムラが押さえられます。また、ディスプレイの再利用時は、簡単にテープを剥がして、ディスプレイを解体、材料を再利用することもできます。

機能
長期信頼性
ひずみ緩和性
剥離性
半導体を作るときに表面を保護する
コンピュータに欠かせない半導体を作るときの保護テープとして使われます。高い耐熱性と耐薬品性で、半導体を作る厳しい作業中も剥がれずに半導体を保護します。
また、半導体が完成した後は、高い剥離性で半導体を壊すことなく、表面もきれいなままで取り除くことができます。


機能
剥離性
耐熱性
耐薬品性
製品紹介

バイオベーステープ
植物由来原料とリサイクル原料を使用することでCO2排出量削減を可能にした環境対応型粘着テープです。
積水化学だから実現できる品質
持続可能で環境配慮の高い製品へのニーズが高まっており、バイオやリサイクル由来の材料を使用しつつ、従来の粘着力や機能を低下させない性能が粘着テープにも求められます。
当社が開発したバイオベーステープは、業界トップクラスの植物由来原料 73% の粘着剤を使用しつつも、石油由来の従来品同等以上の粘着性能を実現しています。



フッ素樹脂向け両面テープ(開発品)
ムール貝の分泌物をヒントに開発した独自化合物により、接着するのが難しいフッ素樹脂にも対応可能な両面テープです。
積水化学だから実現できる品質
フッ素樹脂は、耐熱性、耐薬品性、電気的特性、非粘着性、潤滑性に優れるという特徴から幅広い産業で使用される一方、化学的には不活性で他の素材との接合が極めて困難でした。
当社が開発中のフッ素樹脂向け両面テープは、特殊な粘着剤を使用することで従来不可能とされてきたフッ素樹脂への良好な接着を可能にします。



フォトレック™B
両面テープと接着剤の強味を融合し、初期接着力と信頼性を兼ね備えた、アクリル光硬化とウレタン湿気硬化の二段階硬化型接着剤です。
積水化学だから実現できる品質
塗布したフォトレック™Bに紫外線を照射すると半固体状態となります。半固体状態で貼り合わせることで、液だれなく、テープのような感覚で接着できます。その後、空気中の湿気で硬化が更に進行し、最終的に高信頼性の接着が可能となります。
