セキスイのアドバンセルEMは、樹脂に
混ぜて加熱すると、発泡する機能性微粒子です。
アドバンセルEMは、熱可塑性ポリマーセル内に低沸点炭化水素を内包した、熱膨張性マイクロスフェアー(微小プラスチック球体)です。加熱することによって、シェルが軟化し、それと同時に内部の炭化水素が急激に膨張して、中空状のバルーンを形成するため、樹脂(基材)に混練することで、軽量化、柔軟化など、様々な特性を実現させることができます。
アドバンセルEMの発泡倍率
直径で3-4倍、体積で50-80倍に膨張します。
膨張前 | 膨張後 | |
---|---|---|
平均粒径 | 15~40μm | 40~150μm |
密度 | 1.00~1.20g/㎝³ | 0.01~0.03g/㎝³ |
「ふくらませる」という解決策がこんな分野で役立っています。
■ 住宅建材
壁紙、床材、合成木材、パテ・シーリング材、軽量粘土、塗料
■ 自動車部材
インテリア材(ドアトリム、天井材)、エクステリア材(車両用シール材)、塗料UBC、接着剤
■ 生活用品
接着剤、靴底、合成コルク、合成皮革
■ 発泡対象樹脂
EVA, PE, PVC, PP, ABS, EPDM, TPE 等
■ 適用可能プロセス
塗工(コーティング)、射出成形、押出成形、ブロー成形、プレス成形
アドバンセルEMならではの
高品質な発泡特性が大きな特長です。
●化学発泡剤との違いは、独立気泡による高品質な仕上がりです。
アドバンセルEMは、シェル(ポリマーセル)によって形成されているため、完全独立型の気泡となっており、ADCA(アゾジカルボンアミド)などを主成分とした化学発泡剤と比較して以下のようなメリットがあります。
■均一で小さい気泡により、表面を平滑化できます。
■積水の独自技術によるシャープな粒度分布により、気泡の大きさを制御できます。
■低粘度な組成物内でも気泡を形成できます。
- アドバンセルEM
-
表面
表面が平滑
-
断面
均一で小さい独立気泡
- 化学発泡剤
-
表面
シルバーが発生している
-
断面
不均一で大きい連続気泡
●同タイプの従来品よりもシャープな粒度分布により、
均一な発泡が得られます。
アドバンセルEMは、セキスイ独自の粒子分散技術(特許取得済)の採用により、同じ熱膨張タイプの発泡剤と比べて、大きさが揃ったシャープな粒度分布を実現。均一な発泡体を形成できるため、なめらかで美しい仕上がりになります。また、発泡に必要な熱量が一定となり、膨張開始温度が安定化するため、加工温度の制御がしやすいというメリットもあります。
- アドバンセルEM
- 均一な気泡が得られるため・・ ・
- ○均一な発泡体を形成できる
- ○美しい仕上がりが得られる
- ○発泡ロスが少なく、添加量を削減できる
- ○加工温度の制御がしやすい
- 従来品(ポリマーセル)
- 発泡が不均一になるため・・・
- ×不均一な発泡体が形成される
- ×荒い仕上がりになる
- ×未発泡粒子によって発泡ロスが発生する
- ×加工温度の制御が難しい
アドバンセルEMの仕様一覧
粉体グレード一覧
グレード | EML101 | EMH204 | EHM302 |
---|---|---|---|
平均粒径 | 12〜18μm | 36〜44μm | 15〜25μm |
膨張開始温度 | 115〜130℃ | 110〜130℃ | 130〜140℃ |
最大膨張温度 | 155〜175℃ | 160〜180℃ | 160〜170℃ |
発泡後真比重 | 0.017±0.005 | 0.013±0.005 | 0.016±0.005 |
グレード | EHM303 | EM306 | EM403 |
---|---|---|---|
平均粒径 | 24〜34μm | 20〜30μm | 25〜35μm |
膨張開始温度 | 120〜130℃ | 135〜145℃ | 150〜170℃ |
最大膨張温度 | 160〜170℃ | 170〜185℃ | 200〜220℃ |
発泡後真比重 | 0.016±0.005 | 0.016±0.005 | 0.016±0.005 |
グレード | EM406 | EM501 | EM504 |
---|---|---|---|
平均粒径 | 24〜34μm | 21〜31μm | 15〜23μm |
膨張開始温度 | 140〜150℃ | 160〜180℃ | 160〜180℃ |
最大膨張温度 | 180〜190℃ | 210〜230℃ | 190〜210℃ |
発泡後真比重 | 0.016±0.005 | 0.016±0.005 | 0.020±0.005 |
マスターバッチグレード(ペレット形状)
グレード | P501E2 | P504E2 |
---|---|---|
平均粒径 | 21〜31μm | 15〜23μm |
膨張開始温度 | 160〜180℃ | 160〜180℃ |
最大膨張温度 | 210〜230℃ | 190〜210℃ |
発泡後真比重 | 基材:PE | 基材:PE |
ご用途に応じて、粉体グレードとマスターバッチグレードをお選びいただくことができます。また、膨張の開始温度や大きさ等は、製品グレードを選ぶことで最適化できますので、どうぞお気軽に弊社までご相談ください。