エスレック SV
新製品「S-LEC SV」のご紹介
スクリーン印刷など、多くの印刷方式に対応するペースト用ポリビニルアセタール樹脂、エスレック®SV
セキスイの「エスレックSVシリーズ」は、従来のポリビニルブチラール(PVB)と同等の接着性、熱分解性を備えながら、低い伸長性によって、良好な糸切れ性を実現。スクリーン印刷、グラビア印刷、ダイコート印刷など、各種印刷プロセス用のペースト生成に適しています。また、高沸点溶剤(ターピネオール)や、極性の低い溶剤(ジヒドロターピネオールアセテート)等にも溶解する優れた溶剤溶解性、高い柔軟性、高いシート強度などを実現。印刷に求められる特性をオールラウンドに備えた特殊ポリビニルアセタール樹脂です。
特 徴
<レオロジー特性>
一般的に高分子溶液は、分子鎖の絡み合いにより、伸長性を持ちます。
そのため、溶液を垂らしたときや塗布したときに溶液が伸長し、糸を曳いたような現象(糸曳き)が起こります。
S-LEC SVは、この糸曳き性を抑えた樹脂です。
Fig.1 に S-LEC SVと一般PVBの溶液の伸長性を比較したデータを示します。
一般的なPVBは、溶液の伸長性が高く、糸曳き現象が起こりやすいですが、S-LEC SVは、伸長性が低いため、糸曳きが起こりません。
*糸曳き性 : プレートで挟んだ溶液を所定速度で引き離し、糸切れ時間(s)を測定
(測定条件)
溶剤:ジヒドロターピネオールアセテート
溶液粘度:3.5 Pa・s
<溶剤溶解性>
エスレックSVは、エスレックB/Kと同様にアルコール系、エステル系、ケトン系の各種溶剤に可溶です。
Table 1.
S-LEC SVの溶解性
溶剤種 | SV-12 | SV-22 | SV-16 | SV-26 |
---|---|---|---|---|
エタノール |
S | S | S | S |
酢酸エチル |
S | S | S | S |
メチルエチルケトン(MEK) |
S | S | S | S |
トルエン |
IS | IS | IS | IS |
ターピネオール |
S | S | S | S |
ジヒドロターピネオールアセテート(DHTA) |
S | S | S | S |
ブチルカルビトールアセテート(BCA) |
S | S | S | S |
試験方法 : 樹脂(1 g)を溶剤(20g)に20 ℃で溶解。
S : 溶解, PS : 一部溶解, IS : 不溶
S-LEC SVの品種と物性一覧表
項目 | 計算分子量 (×104) |
揮発分 (%) |
水酸基 (mol%) |
粘度* (mPa・S) |
Tg (℃) |
---|---|---|---|---|---|
SV-12 ※1 | 約3 | 3以下 | 約22 | 70 | 76 |
SV-22 ※1 | 約3 | 3以下 | 約22 | 100 | 67 |
SV-16 ※2 | 約10 | 3以下 | 約22 | 80 | 80 |
SV-26 ※2 | 約10 | 3以下 | 約22 | 100 | 71 |
*粘度:エタノール/トルエン=1/1 5%溶液、 回転粘度計(BM型) 測定温度20℃
注)上表の値はスペック値ではありません。