トークメンバー
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Y.I.
R&Dセンター 先進技術研究所
情報科学推進センター 計算科学グループ
2017年入社
理工学部 材料科学専攻 -
S.K.
R&Dセンター 先進技術研究所
情報科学推進センター MI推進グループ
2017年入社
情報理工学部 メディア情報学科 -
T.N.
R&Dセンター 先進技術研究所
情報科学推進センター MI推進グループ
2023年入社
生命科学研究科 分子生命科学専攻
3人はそれぞれこれまでのキャリアも経験も違います。
最初に入社を決めた理由を教えてください。
- S.K.
- 私とY.I.さんは同期の新卒入社。T.N.さんは少しだけ世代が上で、キャリア入社ですよね。前職ではどんな業務に携わっていたのですか?
- T.N.
- 私は、大学では有機合成化学を学び、化学メーカーに入社して電子写真用材料の開発に携わっていました。3年目に製造課に異動し、製造技術の開発などを担当したのですが、現場の経験や勘に頼った改善に限界を感じてデータ分析に取り組むようになりました。
- Y.I.
- それでなぜ、当社に入社することに?
- T.N.
- データ分析に取り組んでいるうちにどんどん興味が湧いてきて、社内セミナーに参加したり自分なりに勉強したりするようになりました。そのうち、もっと本格的にMI(マテリアルズ・インフォマティクス)に挑戦したいという気持ちが膨らみ、転職を考え始めたのです。当社を選んだ一番の理由は、気候変動など社会課題の解決にも前向きに取り組んでいて、「社会の役に立てる仕事ができる」と感じたから。もちろん、データサイエンス分野における積極的な展開にも注目しました。
- Y.I.
- 私も学生時代はT.N.さんと同じように化学合成を専攻していました。その研究でたまたまデータ分析に関わることがあり、現象を可視化する素晴らしさを実感し、自分も携わってみたいと思ったのです。当社は、幅広い製品を開発しており、その分だけ多様なデータ分析に携われると感じて入社しました。
- S.K.
- 私は学生時代、情報工学系の学科でプログラミングを学んでいました。当時、AI分野への注目が再熱し始めた時期で、将来性がありそうと考えてデータ解析系の研究室に入りました。その研究室が当社と共同研究を始め、私も関わったことが志望したきっかけです。ですから、2人と違って、私は当社に入社するまで化学的な知識はごく基礎的なものしかなかったのですよね(笑)。
日々どんな仕事に取り組んでいるのでしょうか。
当社でデータサイエンスに携わる魅力は?
- Y.I.
- 3人とも同じ情報科学推進センターの所属ですが、私が計算科学で、2人はMI推進とグループが異なります。でも、全社的に担うべき役割は変わりありませんよね。
- S.K.
- ええ。開発部門からの相談に応じて、データサイエンスの専門家として課題解決を支援することが主な業務となります。
- T.N.
- その意味では、私の場合、前職の時に培った開発現場での経験が大いに活きていると感じています。
- Y.I.
- この役割にこそ、私たちがいるセンターの存在意義がありますし、やりがいにもつながっているように思いますね。
- S.K.
- 大変なこともたくさんありますが、私たちの提案が課題解決につながり、開発部門のメンバーの方に喜んでもらえるとすごく嬉しいですよね。
- T.N.
- 私も同じです。開発部門とは二人三脚で課題解決に取り組んでいる感じがあります。それだけに、一緒にゴールに飛び込めた時の喜びも大きいのですね。
- Y.I.
- 私は、やりがいという点では、学会への参加、大学や他社との共同研究など、最先端の技術を身近に感じながら開発に取り組めることも大きいと思います。
- T.N.
- 確かに。外部との連携も含めデータサイエンス分野への投資も積極的ですし、会社としての本気度が伝わってきます。
- S.K.
- キャリア入社の方々をはじめとしてメンバーが次々加わり、当センターも年々拡大していますからね。
- T.N.
- 当社の製品は、川下寄りのものが比較的多いでしょう。それだけ製品のライフサイクルも短く、開発スピードを速めなければならない。その鍵を握っているのがデータサイエンスなのです。開発部門のメンバーと話をしていても、データサイエンスへの期待の高さを肌で感じますね。
若手のデータサイエンティストにとって
働きがいのある環境でしょうか?
- T.N.
- S.K.さんとY.I.さんは同期入社ですが、このセンターに配属されるまでのキャリアステップはそれぞれ違うのですよね。Y.I.さんは、社内公募制度を利用したそうですね。
- Y.I.
- ええ、そうなのです。私は入社後、環境・ライフラインカンパニーの研究部門に配属となり、評価分析を担当していました。そこで経験を積んでいるうちに、見えない部分をもっと見てみたいという欲求が強くなってきて、シミュレーション技術に興味が湧き、社内公募制度を利用して当センターの計算科学グループに異動しました。
- S.K.
- 私の場合、入社してからずっと全社的なR&Dセンターで、蓄電池の開発データなどの分析に携わっていました。その頃から機械学習も活用していたのですよね。2020年に組織が変わって当センターが設立された時は、いずれ私も加わることになるだろうなという予感がありました。異動にあたって驚いたのは、センター長から私に直接電話がかかってきて誘いを受けたこと(笑)。オープンというか、若手の挑戦を後押ししてくれる雰囲気も当社の大きな特長ですよね。
- T.N.
- それはキャリアで入社してきた私も実感します。ランチで上司と話していても、この先のキャリアステップなど気軽にいろいろ提案してくれますよね。
- S.K.
- 最近では、若手たちに対して、学会に参加するばかりでなく発表も推奨しています。私もAI系の学会でポスター発表を行いました。
- Y.I.
- 学会発表は私も行いましたし、挑戦を後押ししてくれる姿勢は日々感じています。最近、私はある大学との共同研究を始めたのですが、この企画も提携先の大学も私が自分から提案したもの。上司に相談したところ、「いいんじゃないか」とすぐに返事をもらえました(笑)。
データサイエンスの前線で仕事をしていて
実感する当社の特徴、強みとは?
- S.K.
- 当センターは、MIから計算科学、画像解析、評価分析など、データサイエンスに関わる多様なグループが集結していて、それぞれ融合しながら一緒に開発にチャレンジしています。これも当社ならではの強みであり魅力だと思いますね。
- Y.I.
- 科学計算で得たデータをMIのメンバーに提供したり、評価分析のメンバーに測定を依頼したり、お互いに気軽に相談し合うことができるのです。
- T.N.
- 幅広さということでは、多様なバックグラウンドを持つメンバーが集まっていることも当社で開発に携わる魅力じゃないでしょうか。
- Y.I.
- 各人が強みを持っているだけでなく、その強みを活かしてお互いにフォローし合っているのですよね。それも当社のよいところだと思います。
- S.K.
- 互いに支え合う風土は教育などでも同じですよね。
- Y.I.
- 私は、当センターに異動してくるまで、コンピュータやシミュレーションに関してほとんど専門知識がありませんでした。そんな自分がここまで成長できたのは、いつでも丁寧に教えてくれる先輩たちのおかげだと実感しています。
- T.N.
- 私もキャリアで入社してきてまだ日が浅いのですが、もうすっかり職場に馴染んでいます。まわりのメンバーたちのサポートがあるからこそだと感じています。
この先、3人はどのようなキャリアステップを
思い描いているのでしょうか?
- Y.I.
- 直近の目標としては、高分子のレオロジーをシミュレーションで使いこなしたいと考えています。高分子ならではの特性であるレオロジーをシミュレーションによって視覚的に表現できるようになれば、これまでレオロジーにあまり触れてこなかった技術者も容易に理解できるようになり、開発の効率化につながるはずです。
- S.K.
- 私が今考えている目標は2つあります。1つは、より多様な情報を使ったデータ解析。これまでMIでは、いわゆる表データが主流でした。しかし、当センターでは、画像解析グループによる画像、評価分析グループのスペクトルなど多様なデータを集積することができます。これら異なる情報を組み合わせたマルチモーダルAIを活用し、開発の現場に貢献していきたいと思っています。
もう1つの目標は、データサイエンスをもっと社内に広めていくこと。実はこの取り組みも、当センターの重要なミッションなのですよね。誰もが日々の仕事の中で当たり前のようにデータサイエンスを活用できるような仕組みづくりを進めていきたいですね。 - T.N.
- 先ほどY.I.さんが共同研究の話をしていましたが、私もぜひチャレンジしてみたいと思っています。MIの領域は日々新しい技術が生まれています。そんな最先端を走る技術者たちと連携し、当社の技術力アップに貢献していきたいですね。
- S.K.
- 先ほどから何度も話に出ているとおり、当社には多様な人材が活躍できる恵まれた環境があります。その体制もフレキシブルで、実は今日集まった3人はそれぞれ拠点が違うのですよね。
- T.N.
- そう。私はつくばで、S.K.さんが東京、Y.I.さんは大阪。このようなさまざまなメンバーが密接に連携して一つのゴールに向かっていける環境も当センターの魅力だと感じています。
- Y.I.
- 最後にもう一つ魅力を加えるならば、仕事のスタイルも比較的柔軟に選べること。有給休暇もとりやすくフレックスや在宅勤務など制度も充実しているので、一人ひとりに合わせた働き方ができる会社だと思います。