- キャリア
- 2020〜2023年
化学メーカー MI部署
2023年〜
積水化学工業 - 経験・スキル
- 計算科学、MI
- 志望動機
- 大学卒業後、化学メーカーに入社し、MI(マテリアルズ・インフォマティクス)や計算科学に関わる開発・研究に携わりました。ライフステージの変化から、拠点を移したいと考えて転職を検討。当社については計算科学の分野で先進的な取り組みをしているという情報を耳にしており、チャレンジングな環境が整っていると感じて入社しました。
現在、どのような仕事に携わっているのですか?
計算科学グループに所属し、開発部門から依頼された課題をシミュレーションによって解決する業務に取り組んでいます。具体的には、全原子動力学シミュレーションを活用して分子の親和性や材料物性を予測し、それらの結果を解析して材料設計などの提案をしています。例えば最近担当したプラスチック製品のコーティング材では、表面部分の性能を最適化するために分子の相溶性に関わるシミュレーションを行いました。
開発部門が悩んでいる課題について、自分なりに仮説を立ててシミュレーションを行い、上手く仮説が立証できた時に面白さを感じます。課題の本質を理解できなかったりデータが不足したりしていると的確な仮説を立てることが難しいため、開発部門との密なコミュニケーションを大切にしています。とはいっても、私は当社に入社して短く、取り組んだテーマはまだ多くありません。自分が携わった材料を1日でも早く製品化させることが直近の目標です。
前職ではどのような開発に取り組んでいたのでしょうか?
化学メーカーでMI(マテリアルズ・インフォマティクス)と計算科学に携わる部署に所属し、分子の相溶性に関するシミュレーション技術の構築や、MIの研究、自然言語処理に関わる業務などを担当していました。学生時代も計算化学系の研究室に所属。当時から機械学習に興味があり、社会人になってからもKaggleなどのコンペに積極的に参加してきました。
転職を考えるようになったのは、ライフステージの変化から拠点を移したいと考えたことがきっかけでした。当社は、CMOSアニーリングの共同開発やナレッジデータベースの構築、実験自動化など、計算科学の分野でも最近注目を集める存在であり、恵まれた環境で先進的な開発に取り組めると感じて入社を決めました。
入社して実感する当社の特徴について教えてください。
入社してみて感じる当社の特長は、課題解決に対して貪欲でアクティブな姿勢の技術者が多いこと。おそらくこの特長は、技術者の事業への貢献度を明確に評価するという仕組みによる部分も多いのではないでしょうか。私たちの業務でも、テーマごとに開発部門への貢献度が定量化されて把握できるようになっています。私は、ものづくりへの貢献こそが何よりもやりがいだと思っているので、この環境をとても気に入っています。
開発への貢献度が定量化されることで、もう一つの重要な業務である計算科学の研究にも思い切って取り組むことができるのです。
これからどんな仕事にチャレンジしていきたいですか?
私にとっての計算科学の魅力は、これまで見えなかったものを数値化して見えるようにできることです。化学分野を例にとっても、私たちが扱っている分子構造はごく一部分に過ぎません。計算科学が進歩することによって、その未知の領域に踏み込むことのできる奥行きの深い世界です。
しかし、計算能力などの問題から、計算科学で表すことができる領域に限界があることも事実です。私は、この壁を打ち破るためには、実験と計算、ナレッジという3つのデータを最大限に活用できる仕組みが鍵を握ると考えています。そして、新しい仕組みづくりにチャレンジできる環境があると感じたことが、私が当社に入社した大きな理由でもあるのです。常に最新の計算科学に携わりながら、いつの日か、その目標を実現したいと考えています。