地道な研究開発で
少しずつ、
世界を変えていく。
2021年新卒入社研究開発
環境・ライフラインカンパニー
総合研究所 
基盤技術センター材料技術グループ化学系

大学院では有機化学を専攻し、化合物の合成に関する研究を行った。大学院までの学びを生かし、さらに社会に還元できる研究がしたいという思いから積水化学工業に入社。音響分野の研究開発に1年間従事したのち、2022年4月から現在の材料技術グループで熱可塑材料に関する基盤研究を行う。趣味は登山で、休日は全国各地の山を巡ってリフレッシュしている。

仕事内容

熱可塑材料に関する基盤技術の研究を行っています。熱可塑材料とは、熱が加わることで変形するプラスチックや樹脂といった材料のこと。住宅のさまざまな設備や、給排水管、空調配管、上下水道、電気、ガスなど、普段あまり意識されることはないかもしれませんが、幅広いシーンで社会を支えている重要な材料です。中でも私が担当しているのは、建物の床や外壁といった建材分野です。雨や風、日光、気温変化といったさまざまな気象条件の中でも品質を保ち続けられるような強い素材を生み出すための研究・開発に挑んでいます。

1日のスケジュール

  • 8:30

    出勤

  • 9:00

    業務確認、メール対応、
    開発テーマ以外の活動
    メンバーと今日のアウトプット目標を確認。また、開発テーマ外の活動(安全に関する部署内活動、研修担当等)もこの時間に行う。

  • 10:00

    評価分析担当テーマに関する評価分析業務。表面形態観察、表面分析、光学性測定、力学試験などを実施。

  • 12:00

    昼休憩部署のメンバーと談笑しながら、社内食堂でランチ。

  • 13:00

    連携部署への進捗報告技術の移管先の工場との情報共有、サンプル提供や試作等の依頼。

  • 14:00

    データ解析・整理・考察取得データを整理し、仮説に対してどうか種々のデータを見ながら多角的に結論を導く。

  • 16:30

    報告資料作成報告の趣旨に合わせた資料を作成。

  • 18:30

    退勤

今取り組んでいる分野において、成し遂げたいことはなんですか?
あらゆる気象条件に強い“高耐候性材料”をつくりだす技術の研究・開発が私の担当テーマです。たとえば“紫外線を長時間浴びると変色してしまう”といったプラスチック材料の問題点に対し、その現象が発生するメカニズムを解明し、改善・改良してより優れた材料を生み出すための方法を編み出します。昨今、急激に気候が変わりつつある日本においては、これまでの材料では対応できなかった問題が生まれはじめています。人々の快適で安全な暮らしに貢献する技術で、社会を支えたいと思っています。
自分が「際立っている」と思う一面はどんなところだと思いますか?
複雑な情報を体系的に組み立てる力です。私たちの日々の研究成果は、最終的に“材料設計指針”という資料としてアウトプットします。それをもとに工場や製品開発部門の方々が、材料から新たな製品をつくるのです。だからこそ大切にしているのは、工場や製品開発の方が活用しやすく、わかりやすい形で情報を整理すること。膨大な実験・分析結果をただ網羅的にまとめるのではなく、個別の数値やデータ同士を関連づけ、示唆のあるアウトプットをするように常に意識しています。
今のジブンのキャリアの転換点となった経験、エピソードを教えてください。
入社1年目、当時の研究所所長に言われた「技術は引き出し。未来の誰かが、困ったときに開けて活用できるもの」という言葉が印象に残っています。当時はまだ目の前の業務に手一杯で、“未来の誰か”にまで思いを及ばすことは全くできていませんでした。でも所長が言った通りで、自分が今進めている研究も、先人たちが残してくれた数多の“引き出し”があるからこそ、前へ進めることができているのです。それ以来、いつか自分がつくった“引き出し”を開けてくれる誰かのために、わかりやすく活用しやすい形で成果を残すことを強く意識するようになりました。

SEKISUI PEOPLE’S Fund a new edge あなたにとっての“際立ち”を一言で

未知を開拓する武器。
私たちが向き合う研究テーマは、すべて、まだ世界中の誰も答えを知らない問い。その未知の領域へたどり着くための武器になるのが、一人ひとりの際立った強みなのではないかと思います。それは、専門分野に関する深い知見かもしれないし、粘り強さ・タフさといったスタンスかもしれない。どんな側面でも、人より少し秀でた自分の“際立ち”が、いつも突破口になるんです。

大きな変化は、小さな一歩から。

当社には若手の挑戦を後押ししてくれる風土があります。私自身、入社2年目からテーマリーダーとして研究テーマを持たせてもらい、自分なりのアプローチを重ねることで大きな自信になりました。挑戦と言っても、なにも大それたことではなくたっていいと思います。少し背伸びしたことに取り組んでみたり、やったことのない領域に踏み出してみたり。そして一人ひとりの小さな挑戦が、いつか大きなうねりとなって、社会を変える技術が生まれていく。そんなダイナミズムを、皆さんにもぜひ感じてほしいです。