男性育休子どもとたくさんの時間を過ごすことで、父親の自覚が一層芽生えた。

現在、国内の多くの企業が推進している男性の育休取得。積水化学工業でも近年その取り組みを強化しており、2018年度で22.5%だった取得率は、2023年度時点で69.8%と大幅にアップしています。今回は実際に育児休職を取得した男性社員にインタビューを行い、育休取得のリアルを語っていただきました。

住宅カンパニー 新築事業統括部 商品企画部
スマート推進室
2012年に積水化学工業に入社。現在は住宅カンパニーで、太陽光発電システムやHEMS(ホームエネルギーマネジメントシステム)、蓄電池をはじめとした先進設備を搭載したエネルギー自給自足型住宅の企画を担当している。2023年7月に基幹職へと昇格後、同年11月から12月末までの2ヶ月間、子どもが生後3ヶ月のタイミングで育児休業を取得。復職後も同部門で基幹職として働き、HEMSを中心とした商品企画を担当している。

基幹職である自分が育休を取ることで、
新しい流れをつくる。

育休を取得したきっかけを教えてください。
育休取得を意識しはじめたのは、妻の妊娠が分かったときです。後輩が先に育休を取っていたことや、世の中的にも育休取得を推進する動きもあり、これから当たり前になっていくのだなということを、以前から漠然と感じていました。ただ、これまで長期で仕事を休むという経験がなかったので、本当に育休を取得して大丈夫なのかという心配はありました。しかし、将来、育休を取らなかったことを後悔したくない。そして、基幹職である私が率先して育休を取得して実績をつくることで、後輩たちも取りやすい雰囲気が生まれると考えて、取得を決めました。
育休を取得するにあたって、悩みや不安はありましたか?
やはり業務の引き継ぎはうまくいくのか、自分がいなくて仕事が回るのか、という不安がありました。タイミングとして、その年の10月に新商品発売を控えていたため、引き継ぎ期間と重なってしまうことも大きかったです。妻に育休取得を相談したときも、喜んでくれた反面、仕事に支障が出ないかを心配していました。しかし、実際には育休に入る1ヶ月前から徐々に業務の引き継ぎをはじめることができたので、通常業務と並行しながらでもあまり負担なく引き継ぐことができました。また、私の部署は、育休を取得したことのある男性社員が少なかったのですが、子どもが生まれることを上司に報告した際は「育休はどうするの?」と言ってくれて、周りの人たちが協力的だったのも心強かったです。

育休を通じて、
父としての自信がついた。

育休中の過ごし方を教えてください。
子どもが産まれてから3ヶ月間は妻の実家で暮らし、義母・義父に育児のサポートをしてもらっていました。私が育休に入ったタイミングで自宅に戻ったのですが、夫婦2人で子供との生活リズムをつくるのは大変でした。1日の過ごし方は、日中3時間おきに粉ミルクを上げて、夕方6時~7時頃にお風呂に入れ、8時~9時頃に寝かしつけをして、どちらかが夕飯を作るという流れが基本。その他にも、洗濯ものを干したり、掃除やごみ捨てをしたりなど、育児・家事は分担して行っていました。子どもが夜中泣いたときの対応も交代で行っていました。
家事は明確に分担せず、そのときどきで余裕がある方が担当するようにしていたおかげで育休の後半は一人で子どもの面倒を見られるようになり、交代で睡眠を取ったり、外にでかけてリフレッシュしたりなど、お互いに一人の時間を作れるようになりました。
お子さんと過ごしている様子
育休を取得して良かったと感じることはありますか?
育児に集中する期間をとれたことで、一通りの子育てを自分ででき、妻と育児の楽しさと大変さを共有できるようになったことが大きいです。 3ヵ月検診の日には妻が体調を崩してしまい、私と子どもだけで行きました。周りはママさんばかりで、パパと子ども2人でというのは珍しく、声をかけられました。ただ、長い時間子どもと一緒に過ごしていたので、検診で子どもの様子など細かい内容も問題なく受け答えでき、私自身の自信にも繋がりました。妻と協力しながらやりくりする習慣をつけたことで、復職後、私と妻どちらかの仕事が忙しいときにはお互いをフォローしながら、仕事に集中する時間を取れるようになっています。また、育休中に、保育園を選ぶ“保活”にも携われたことがよかったです。妻と一緒に候補となる保育園を見学して園の雰囲気を感じることができたので復職後のイメージができました。
復職後の働き方について教えてください。
仕事の内容は育休前と変わっていませんが、子育てもあるので、まったく同じやり方で進められるというわけにはいきません。ときには子どもが急に体調を崩して、早めに保育園に迎えに行かなければならないことも。しかし、その際すぐに対応できるように、あらかじめ上司と相談するようにしています。さらに同僚も何かあったときにはサポートしてくれる環境です。その上で私自身が意識しているのは、仕事と育児どちらもメリハリをつけて取り組むこと。うまく調整しながら、限られた時間の中で集中して成果を出すという考え方は以前よりも強く持っています。

これからさらに、男性が育休を取りやすい会社に変わっていきます。

最後に、求職者の皆さんへのメッセージをお願いします。
正直に言えば、他社と比べて当社の男性育休取得率はまだ高いとは言えません。しかし、確実に流れは変わってきています。制度化されていなくても、育休取得を歓迎する雰囲気はありますし、実際に男性の育休取得は増えています。育休は「子どものために取る」のだけでなく、新しい“家族”を育てられる貴重な期間。ぜひ将来、子どもが産まれたときには、積極的に取得していただけたらと思います。