ESG経営を支える基盤
さまざまな方法を用いてステークホルダー・エンゲージメントを推進しています。
ステークホルダーとの建設的な対話を推進
積水化学グループでは、「お客様」「株主」「従業員」「取引先」「地域社会・地球環境」の5つのステークホルダーとの信頼関係を構築するためには、企業価値向上に向けた建設的な対話が重要だと考えています。
ステークホルダーを企業価値向上に向けたパートナーと位置づけ、建設的な対話を通じて、その期待や要請を把握し、社会全体の課題をともに解決していくことが、当社グループにとっての大きな事業機会につながります。
ステークホルダーと共存共栄の関係をつくり、持続的な成長をさらに進めていきます。
すべてのステークホルダーとの建設的な対話を促進させるため、2021年度は取締役専務執行役員(ESG経営推進部担当役員)の責任の下、ESG経営推進部がその役割を担いました。そして、ステークホルダーの皆さまからいただいたさまざまな評価や意見は、社長が委員長を務め、取締役で構成されたサステナビリティ委員会で報告し、適切に企業活動に反映させるよう努めています。
なお、2021年度に各エンゲージメントを通じてステークホルダーの皆さまから提起された重大な懸念事項はありません。また、適時、適切かつ積極的な情報開示をグループ全体で確実に実践していくため、「企業情報開示理念」のもと、具体的な開示内容や開示体制などに関して「企業情報開示規則」を策定し、IR(開示)ポリシーに沿って開示しています。
各ステークホルダーに対する積⽔化学グループの責任
ステークホルダー | 積水化学グループの責任 |
---|---|
お客様 | 私たちはお客様の声に真摯に耳を傾け、際立つ技術と品質で、指名され続ける製品・サービスを提供し、お客様と長期的な信頼関係を築くよう努めます。 |
株主 | 私たちは株主の皆さまの期待に応えるため、高い資本効率、公正・公平な情報開示、利益の適正な還元、持続的な成長による企業価値の増大に努めます。 |
従業員 | 私たちは従業員のチャレンジ精神をサポートし、一人ひとりが際立ち、多様な人材が活躍する、働きがいのある職場づくりを推進します。 |
取引先 | 私たちは、資材調達にあたり、オープン、公平・公正、法令遵守、相互信頼、環境配慮を基本としています。お取引先とのパートナーシップを深め、公正な取引により共存共栄を図ります。また、お取引先のご協力のもと、サステナビリティの推進に取り組みます。 |
地域社会 | 私たちは事業を通じた地域の発展への貢献、地域との共生、環境保全の視点を重視しています。各地域のニーズに合った施策を考え、実行し、信頼される事業活動を推進します。 |
地球環境 | 私たちは“生物多様性が保全された地球”の実現に向けて、サステナビリティ貢献製品の市場拡大と創出、環境負荷の低減、自然環境の保全に取り組みます。 |
ステークホルダーとのエンケージメントについて
ステークホルダーとさまざまな方法を用いてコミュニケーションの促進を図っています。
主な責任および主なコミュニケーション窓口とコミュニケーション方法
ステークホルダー | 積水化学グループの責任 | 窓口 | コミュニケーション方法 | 頻度 |
---|---|---|---|---|
お客様 | 私たちはお客様の声に真摯に耳を傾け、際立つ技術と品質で、指名され続ける製品・サービスを提供し、お客様と長期的な信頼関係を築くよう努めます。 |
|
|
|
株主 | 私たちは株主の皆さまの期待に応えるため、高い資本効率、公正・公平な情報開示、利益の適正な還元、持続的な成長による企業価値の増大に努めます。 |
|
|
|
従業員 | 私たちは従業員のチャレンジ精神をサポートし、一人ひとりが際立ち、多様な人材が活躍する、働きがいのある職場づくりを推進します。 |
|
|
|
取引先 | 私たちは、資材調達にあたり、オープン、公平・公正、法令遵守、相互信頼、環境配慮を基本としています。お取引先とのパートナーシップを深め、公正な取引により共存共栄を図ります。また、お取引先のご協力のもと、CSRの推進に取り組みます。 |
|
|
|
地域社会 | 私たちは事業を通じた地域の発展への貢献、地域との共生、環境保全という視点を重視しています。各地域のニーズに合った施策を考え、実行し、信頼される事業活動を推進します。 |
|
|
|
地球環境 | 私たちは“生物多様性が保全された地球”の実現に向けて、サステナビリティ貢献製品の市場拡大と創出、環境負荷の低減、自然環境の保全に取り組みます。 |
|
|
|
経営トップが直接従業員と対話「ビジョンキャラバン2021」
2021年度は、長期ビジョン「Vision 2030」やそれを実現するための鍵となるESG経営について浸透を図るため、社長と取締役専務執行役員らが自ら従業員と対話をする「ビジョンキャラバン2021」「Live Panel Discussion:Power of SEKISUI」などを全グループ従業員を対象に国内外で開催しました。
従来は、経営層が従業員と直接対話する場を設定していましたが、2021年度は2020年度に引き続き新型コロナウイルスによる影響で対面式を見送り、その代わりオンラインで国内では10回のビジョンキャラバンを、海外では(北米、欧州・東アジア・ASEAN・インド・豪州)2回のパネルディスカッションを開催しました。
これらの従業員向けイベントでは、社長と取締専務執行役員が直接従業員に「Vision 2030」の実現に向けた自身の想いや、当社グループのESG経営について説明をします。それを受けて従業員は、経営陣に直接質問する場を持つことができるとともに、「Vision 2030」の実現のために各々の業務をどのように意識して進めたらよいか、自分の業務と当社グループのESG経営のつながりなど、従業員同士で議論し、理解を深めます。
そして、従業員からの質問や、従業員同士で議論した内容の発表に対して、社長や取締役専務執行役員はコメント、フィードバックをし、双方向での活発な対話を進めました。
- 16-09
- 16-10
従業員とオンラインで対話する社長と取締役
投資家との相互理解促進に向けた直接対話
積水化学グループでは、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に向け、株主や投資家の皆様と建設的な対話を行うことは極めて重要だと考えています。
そこで「投資家と経営層の積極的なエンゲージメント」を重要課題の一つとして掲げ、社長および経営戦略部担当取締役を中心に、四半期毎の決算説明会や株主・機関投資家の方々との直接対話を積極的に行い、企業価値向上のための経営戦略に活かしています。2021年度は、82回のエンゲージメントを実施しました。
株主・投資家の皆様との対話でいただいたご意見やご質問は可能な限り統合報告書をはじめとする各種IR資料に反映するよう努めると共に、フェアディスクロージャーを意識し、Webサイトでの情報発信を強化しています。2021年12月には当社グループが持続的な成長を続けていくためのESG経営の取り組みについてご理解いただくため、機関投資家・アナリスト向け「ESG経営説明会」を開催し、その内容をWebサイトで公開しました。
また、近年、グローバルでESG投資への関心が高まり、格付機関による調査も活発に行われています。当社グループではGRIスタンダードなどを参考に、格付機関のアンケートや第三者からのレビューなどを踏まえ、社会にとっての重要性と積水化学グループにとっての重要性の両方を考慮の上、「サステナビリティレポート」を編集し、発行しています。
2017年度実績 | 2018年度実績 | 2019年度実績 | 2020年度実績 | 2021年度実績 | |
---|---|---|---|---|---|
エンゲージメントの回数※ | 88 | 87 | 67 | 54 | 82 |
- エンゲージメントの回数は社長および担当役員が投資家と対話した回数
ESG経営概念の理解と浸透の促進
積水化学グループのESG経営の考え方などについて、従業員の理解・浸透を深めるためにさまざまな取り組みを促進しています。
2021年度は、長期ビジョン「Vision 2030」やESG経営を従業員に浸透させるため、長期ビジョン専用サイトの構築や長期ビジョンへの取り組みについて国内外の従業員に語ってもらう従業員インタビュー「My Vision」の実施など、より理解を深める取り組みを行いました。また、「ESG経営概念図」を作成し、ESG経営の全体像とそれがどのように個々の業務や取り組みにつながっているかを、イントラネット上で周知、啓発しています。
また、当社グループの新入社員、新任基幹職(新任管理職)などを対象とする階層別研修において、ESG経営に関する教育を実施しています。
さらに2021年度も、長期ビジョン浸透の徹底と、各事業・業務への落とし込みを図るため、トップダウンで、全グループ会社のライン長を対象に研修を行いました。研修を受けたライン長は各職場で10年後の自組織像を示し、それをもとに従業員が自身のありたい姿を考える「職場ワークショップ」を開催しています。
そのほか、以下のようなコミュニケーション・ツールを活用することで、当社グループのESG 経営に関する従業員への浸透を進めています。
-
●社報(ESG経営の特集を連載)
-
●全従業員を対象とした、当社グループのESG経営への理解促進ツール「積水化学グループのESG経営読本(ESG経営入門)」
これらの各コミュニケーション・ツールおよびESG関連資料は、イントラネットから従業員が自由にダウンロードできるようにするとともに、入社時やESG関連の研修などを実施する際、必要に応じて、正規・非正規を問わず、すべての従業員を対象に配布しています。
なお、アメリカ、ヨーロッパの各地域統括会社では、それぞれのグループ会社の従業員に対して、ESG関連の情報を発信しています。
ヨーロッパでは月1回イントラネットに掲載し、アメリカでは冊子「News Wave」発行のほか、各社の様々な取り組み紹介や意見交換をするオンラインイベント「Lunch&Learn」を定期的に開催しています。
- 17-04
- 17-05
積水化学グループのESG経営読本(ESG 経営入門)
-
日本語
-
英語
GRIスタンダードを参考としたステークホルダーへの価値配分
積水化学グループでは、GRIスタンダードなどを参考にして、ステークホルダー別に、財務諸表に基づいた配分状況を算出しています。
ステークホルダー | 金額の算出方法 | 2018年度 | 2019年度 | 2020年度 | 2021年度 |
---|---|---|---|---|---|
株主 | 配当金 | 20,615 | 22,401 | 22,193 | 23,177 |
取引先 | 売上原価、販売費・一般管理費 (人件費除く) |
840,514 | 829,809 | 778,554 | 858,944 |
従業員 | 労務費、販売費・一般管理費のう ちの給料および手当て、賞与引 当金、退職給付引当金 |
206,511 | 211,675 | 210,705 | 210,122 |
地域社会 | 寄付 | 165 | 158 | 218 | 198 |
地球環境 | 環境保全コスト | 21,882 | 17,850 | 16,207 | 27,522 |
政府・行政 | 法人税、住民税、事業税 | 22,261 | 22,619 | 19,902 | 31,099 |
債権者 | 営業外費用のうちの支払い利息 | 480 | 695 | 861 | 774 |