コンプライアンス
グローバル規模で、コンプライアンス経営を強化しています
コンプライアンス経営の考え方一人ひとりの誠実さがコンプライアンス経営の源
積水化学グループでは、2003年に「コンプライアンス宣言」を制定し、「社会への貢献」「信頼される企業」「法やその精神の遵守」などの考え方を基本として、当社グループの理念体系および企業行動憲章に掲げられた精神に則っとり、コンプライアンスを通じて社会から高い信頼を獲得する姿勢を明確にしてきました。また2019年4月には、当社社長髙下(2020年3月1日付で代表取締役会長に就任)のもと、積水化学グループにとって、コンプライアンスは経営そのものであり、私たち従業員一人ひとりが一致団結してコンプライアンスに則っとって行動することを宣言しました。積水化学グループが広く社会から信頼されるよう、コンプライアンス意識の向上に今後も取り組んでいきます。
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コンプライアンス問題の未然防止重要コンプライアンス問題の防止
CSR中期計画(2017-2019)では、以前の中期計画から引き続き「重要コンプライアンス問題の発生件数ゼロ」を目標として掲げ、2015年度以降「発生件数ゼロ」を継続しています。2019年度においても、重要コンプライアンス問題の発生はゼロ件でした。
2020年度から運用を開始するCSR中期計画においても、引き続き「重要コンプライアンス問題の発生件数ゼロ」を目標に掲げ、コンプライアンス経営を強化し、コンプライアンス問題の未然防止に取り組んでいきます。
コンプライアンス意識の浸透「コンプライアンス・マニュアル」や「コンプライアンス・カード」を配布
コンプライアンスの意識を従業員一人ひとりに根付かせるため、積水化学グループの一員として遵守すべきことを記載した、「コンプライアンス・マニュアル」や、携帯用の「コンプライアンス・カード」を作成し、全従業員に配布しています。コンプライアンス・マニュアルには、汚職・賄賂の禁止、人権尊重と差別の禁止、情報の管理と保護、独占禁止法の遵守、インサイダー取引の禁止、地球環境の保全や労働関係法規の遵守、社内通報制度などの内容を掲載し、全従業員への周知徹底を促進しています。
また、既存のコンプライアンス・マニュアルに加え、グローバルにも対応したグローバル・コンプライアンス・マニュアルを作成し、海外のグループ従業員の誰もが理解できるよう、英語版だけでなく、中国語版・タイ語版・インドネシア語版・ドイツ語版・韓国語版等を作成し、現地語化を進めています。
2019年度は当社社長髙下(現代表取締役会長)の「コンプライアンス宣言」を各国語に翻訳し、上記各言語版のグローバル・コンプライアンス・マニュアルに掲載しました。
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- コンプライアンス・マニュアル
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- グローバル・コンプライアンス・
マニュアル(英語版)
- グローバル・コンプライアンス・
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- 携帯に便利な名刺サイズの
コンプライアンス・カード
- 携帯に便利な名刺サイズの
コンプライアンス経営の実践効果的なコンプライアンス推進体制の構築
コンプライアンス経営を確実に実践していくため、現実的かつ効果的なコンプライアンス推進体制を構築しています。グループのコンプライアンスを統括する組織として、CSR委員会の下に法務部担当執行役員を委員長とする「コンプライアンス分科会」を設けて方針や実施策の立案を行うとともに、コーポレートおよび各カンパニーには「コンプライアンス推進部会」を置き、コンプライアンス推進実務責任者を任命して各施策の実施・展開を図っています。万が一、重要コンプライアンス問題が発生した際には「コンプライアンス審議会」を開催し、事後対応や再発防止策の検討等を行います。2019年度はコンプライアンス分科会を、2019年9月、2020年3月の2回開催しました。
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コンプライアンス・推進体制(~2019年度)

コンプライアンス・推進体制(2020年度~)

- 2020年4月1日付で「CSR委員会」を「サステナビリティ委員会」に改称。
コンプライアンス教育コンプライアンスについて学ぶ機会を継続的に提供
コンプライアンス経営の実践につながる取り組みの一環として、従業員のコンプライアンス教育にも力を入れています。新入社員研修や階層別研修などにコンプライアンスに関する内容を盛り込み、コンプライアンスに特化したe-ラーニングを毎年4回実施するなど、グループのすべての従業員がコンプライアンスの大切さについて学ぶ機会を継続的に提供しています。
2019年度からは、製造現場勤務など個別にイントラネットを閲覧できる環境にない従業員に対しても同等の学ぶ機会を提供するため、グループ会社や事業所からの希望に応じて紙媒体での受講も可能にしています。
通報制度の整備「S・C・A・N」の周知と効果的な運用を進めています
積水化学グループでは、2002年に社内通報制度「S・C・A・N(セキスイ・コンプライアンス・アシスト・ネットワーク)」を構築し、当社グループの全従業員と当社グループの取引先が利用できる仕組みを運用しています。
「S・C・A・N」は、法務部担当執行役員の監督のもとで運用され、社内窓口以外に社外の法律事務所に直接通報することも可能です。また通報制度に止まらず、特定の行為がコンプライアンス違反であるか否かの助言等を受けられる相談窓口としての役割も担っています。
コンプライアンス意識に満ちた組織風土づくりのために、社内通報規則において従業員にコンプライアンス違反行為を知った際には報告通報することを求める一方、通報者の保護を規定し、窓口以外には通報者の情報を秘匿することや通報者への不利益扱いを禁止することを定めています。通報内容について、通報者側の主張だけでなく、被通報者側の主張もヒアリングし、必要に応じて、目撃者にもヒアリングをしたうえで事実認定を行っており、公平な立場に立って組織的課題の解決を行っています。
外部からの通報への対応
積水化学グループ各社のガバナンス機能強化の一環として、2015年度に社内通報制度を再整備し、お取引先からの相談・通報窓口を設置しました。
この相談・通報窓口は、積水化学グループ各社と継続的に業務上の取引をしている日本国内のお取引先の役員・従業員の方を対象とし、グループ各社のWebサイトに用意している専用フォームより随時相談・通報を受け付けており、お取引先との協議を基本としながら、ご報告いただいた「法令違反行為」等について事実確認や是正措置等を進めるものです。相談・通報いただいた内容は、当該「法令違反行為」等を解決するために必要最小限の範囲の関係者のみで共有し、各関係者には、秘密保持義務を課しています。
腐敗および贈収賄の防止ガイドラインを整備し、リスクの高い部門に研修を実施
積水化学グループは、自主行動原則で「腐敗防止」を定めている国連グローバル・コンパクトに署名・賛同しており、その精神に基づいて腐敗および贈収賄を未然に防止するための取り組みを推進しています。
社内規則の一つとして「贈収賄防止規則」を整備し、積水化学グループ全社で導入を進めるとともに、従業員が日本国内、アメリカおよび中国でビジネスを行う際に遵守すべき腐敗と贈収賄に関する事項をまとめた「贈収賄防止ガイドライン」を作成しています。これらの規定やガイドラインは、イントラネットを通じて周知を図っており、グループ従業員はいつでも確認することができます。
腐敗と贈収賄に関する主な防止策
公務員等に対して接待・贈答を行う場合は、所定の事前申請書を管理者に提出し、承認を得る必要があるなど、リスクの高いケースを特定し、違反行為の未然防止を図っています。さらに外国の公務員等との取引に関連して、代理店・コンサルタント等を起用する場合には、代理店・コンサルタント等に対する報酬の支払いが贈賄に該当する恐れがないこと、および合理的な理由があるため贈賄と疑われないことを確認し、なおかつ所定の決裁手続きを経た場合に限り、これを行うことができると定めています。
リスクの高い部門の特定と従業員教育
腐敗や贈収賄リスクが特に高い営業部門と購買部門に対し、腐敗と汚職防止に特化した研修を実施するなど規則やガイドラインの習得と申請書等の活用を促しています。
2019年度は、積水化学グループが毎年10月に実施している「コンプライアンス特別強化月間」に連動して、中国の各グループ会社に対して贈収賄防止研修を実施しました。初めて海外に赴任する従業員を対象とした海外赴任前研修では、贈収賄防止について注意喚起を行いました。
さらに、国内向けの「コンプライアンス・マニュアル」および海外グループ向けの「グローバル・コンプライアンス・マニュアル」においても、贈収賄防止に関する方針の周知を行っています。「グローバル・コンプライアンス・マニュアル」は、英語、中国語・タイ語・インドネシア語・ドイツ語・韓国語に翻訳し、グループ従業員が自由にイントラネットから確認できるようにしています。
2019年度の違反事例
2019年度における腐敗や贈収賄に関する重大な法令違反はゼロ件でした。
税務コンプライアンスの取り組み適正な納税を行い、各国・地域の経済発展に貢献
積水化学グループは、納税を企業が果たすべき基本的かつ重要な社会的責任の一つと考えており、事業活動を行うそれぞれの国または地域における税法を遵守し、適正な納税を行っています。
当社グループは、租税回避を目的としたタックスヘイブンの利用は行わず、事業活動を行っている国や地域において適正な納税を行い、それらの国や地域の経済発展に貢献します。
移転価格リスクについて、当社グループ内の取引は各国・地域の法令およびOECD(経済協力開発機構)ガイドラインに基づく独立企業間価格に従って行っています。不安定な税務ポジションの解消のために、必要に応じてAPA(事前確認制度)を活用することとしています。
コンプライアンス特別強化月間企業不祥事、労務管理の2テーマで研修を実施
積水化学グループでは、2014年度より、すべての従業員がコンプライアンス意識・行動を振り返る機会として毎年10月を「コンプライアンス特別強化月間」と定めています。
2019年度は、企業不祥事(不正会計・情報漏えい)、労務管理という2つのテーマで研修を国内にて実施しました。また、研修に参加できない従業員に対しても学ぶ機会を提供するため、新たにオンライン研修を開始しました。
国内におけるコンプライアンス特別強化月間の取り組み(2019年度)
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1.コンプライアンス宣言(2019.4)のグループ全社員への周知徹底
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2.各種コンプライアンス研修の実施/社員が自らの意思で参加するオープン型の法務セミナーの開催(8ヶ所・全11回)
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3.グループ報でのコンプライアンス特別強化月間の活動紹介・研修の動画受講案内
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4.イントラネットを利用したe-ラーニングの実施(不正行為や労務管理を中心に出題)
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5.フロンティアリーダーによるコンプライアンス活動実施報告
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6.北米・中国・東南アジア・ヨーロッパにおける取り組み(9月~3月)
<その他のコンプライアンス研修>
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1.コンプライアンス問題複数発生事業所への巡回型研修の実施
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2.国内の教育機会が不十分な事業所への教育機会の提供
法務体制の整備グローバル法務体制の強化
積水化学グループにおける法務機能の拡充および法務部門間の連携を推進するとともに、法務人材の育成・活用を通じて法務体制の強化に努めています。
2017年度には、欧州の地域統括会社である「Sekisui Europe B.V」およびタイの地域統括会社である「SekisuiSoutheast Asia Co.,Ltd.」に法務を担う従業員が着任しました。
また、国内で実施している「コンプライアンス特別強化月間」の取り組みを2017年度より北米と中国でも実施し、2018年度以降は東南アジア・欧州エリアにも拡大して毎年実施するなど、グローバル規模で水平展開を図っています。「コンプライアンス特別強化月間」で取り上げるテーマは、各地域の統括会社がそれぞれの地域でリスクが高いと判断したものを中心に選定しています。
2019年度の地域別「コンプライアンス特別強化月間」取り組みテーマ
北米:北米のグループ会社と事前協議の上選定したもの(契約基礎・社内通報制度等)
中国:贈収賄防止、営業秘密保護、職場セクシュアルハラスメント防止、行政機関による立ち入り検査の対応
ASEAN:積水化学グループ規則、不正防止(会計系)
欧州:サイバーセキュリティ対策
マーケティングコミュニケーション広告・表示等における法令遵守の状況
積水化学グループでは、事業活動を行うにあたり、各種法令を遵守し誠実な営業活動を徹底しています。2019年度における広告・製品表示等のマーケティングコミュニケーションに関する各種法令や自主的規範の重大な違反はゼロ件でした。
独禁法への対応
積水化学グループでは、2007年以降、独禁法遵守プログラムとして、事業者団体加入決裁制度、競合他社接触についての事前申請事後報告制度、価格改定委員会制度を運用してまいりました。その運用状況について、毎年監査も実施し、同プログラムの見直しも適宜行っております。グループ会社への展開にも注力しており、2018年度にカルテルリスクの高い国内の事業会社に対する同プログラムの導入を完了しました。2019年度における独禁法に関する重大な法令違反はゼロ件でした。
e-ラーニング受講者数の推移
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e-ラーニング受講者数の推移

- 年4回実施した平均値。但し、2019年度は第3回、第4回が受講期間中のため、第1回と第2回の平均値
- e-ラーニング受講対象者は、海外現地採用者を除く、積水化学および積水化学グループ 会社の従業員。
コンプライアンス研修実績一覧
2019年度コンプライアンス研修実績一覧
研修項目 | 研修内容 | 対象 | 受講数 | ||
---|---|---|---|---|---|
積水化学単体 | グループ会社 | ||||
国内 | 海外 | ||||
定例研修 | 新入社員研修 | 〇 | 〇 | 107 | |
新任基幹職研修 | 〇 | 〇 | 268 | ||
階層別研修 | 初級研修 | 〇 | 3 | ||
新上級職研修 | 〇 | 87 | |||
新中級研修 | 〇 | 29 | |||
新任執行役員研修 | 〇 | 6 | |||
関係会社取締役研修 | 〇 | 77 | |||
関係会社新任監査役研修 | 〇 | 6 | |||
管理責任者研修 | 〇 | 〇 | 81 | ||
コンプライアンス責任者研修 | 〇 | 〇 | 31 | ||
コンプライアンス推進委員研修 | 〇 | 〇 | 34 | ||
コンプライアンス委員研修 | 〇 | 9 | |||
分野別研修 | コンプライアンス研修 | 〇 | 〇 | 742 | |
ハラスメント研修 | 〇 | 〇 | 867 | ||
輸出管理研修 | 〇 | 〇 | 86 | ||
下請法研修 | 〇 | 〇 | 516 | ||
景品表示法研修 | 〇 | 39 | |||
個人情報保護研修 | 〇 | 19 | |||
情報管理研修 | 〇 | 28 | |||
経理研修 | 〇 | 4 | |||
会計研修 | 〇 | 43 | |||
契約基礎研修 | 〇 | 〇 | 59 | ||
情報セキュリティ研修 | 〇 | 479 | |||
グローバル | 海外赴任前研修 | 〇 | 〇 | 21 | |
コンプライアンス研修 | 〇 | 6 | |||
コンプライアンス 特別強化月間 |
国内向け研修 | 〇 | 〇 | 926 | |
北米向け研修 | 〇 | 795 | |||
中国向け研修 | 〇 | 451 | |||
東南アジア向け研修 | 〇 | 263 |
通報・相談件数
2019年度通報・相談件数
通報・相談 | 件数 |
---|---|
パワーハラスメント | 41 |
労働条件関連 | 20 |
セクシャルハラスメント | 3 |
職場環境配慮 | 2 |
経費の使い方 | 2 |
営業手法関連 | 1 |
業績偽装 | 3 |
取引先との癒着 | 0 |
その他 | 21 |
通報数合計 | 93 |
政策に関連する寄付金
2015~2019年度の業界団体および政治団体への寄付金(積水化学単体)は以下の通りです。
2015年度 | 2016年度 | 2017年度 | 2018年度 | 2019年度 |
---|---|---|---|---|
18,936 | 19,050 | 22,909 | 23,596 | 25,448 |