積水化学グループは、品質を支えるのは現場でのモノづくりであると認識し、品質コンプライアンスの遵守を重視しています。

マネジメント・アプローチ

基本的な考え方品質コンプライアンスの遵守

積水化学グループでは、品質コンプライアンスの遵守を重視しています。特に品質不正やデータの改ざんについては、品質改善に関する投資の不足、サプライチェーンからのさまざまなプレッシャー等により発生するリスクがあるとの仮説のもと、そのリスクの根本断ちをするために、2020年から「新品質マネジメントシステム体系の構築」「品質データのデジタル化、堅牢化」に取り組んでいます。

品質保証体系事業特性に応じた品質保証体系の構築

積水化学グループでは、商品開発の段階から設計・生産・販売に至るプロセス全般にわたる「品質保証体系」を構築しています。
各プロセスで品質保証の体制を整え標準を重視した日常管理を推進すると同時に、品質を支えるのは現場でのモノづくりであると認識し、生産活動の革新に注力しています。また、製品の開発や改良に際しては、品質保証・安全等の観点から厳格な設計審査を行っています。
そして、販売後もお客様へのサービスを維持管理できる体制を構築しています。

  • 09-39

品質保証体系

品質マネジメントシステムの再構築

ISO9001:2015への認証移行時、プロセスアプローチへの対応を強化するために、「SPMC(セキスイ・プロセス・マネジメント・チャート)」と名付けた積水化学グループオリジナルの管理シートを考案しました。このシートは管理フローが一目でわかるので、日常管理のチェック、是正処置、内部監査、品質教育等に効果的に活用できます。
2020年度は解説動画の作成や、内部監査の質向上をねらいとした実践研修を開催し、SPMCの活用の底上げを図りました。
引き続き、SPMCの理解・浸透を促し、運用レベルを向上させる取り組みを推進していきます。

  • 09-40
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品質に関するガイドラインの制定

積水化学グループでは、商品開発から設計、生産、販売、アフターサービスというバリューチェーン全体で一貫した品質管理を行い、各プロセスレベルの向上を図ることを目的として以下の3つのガイドラインを制定・発行しています。
「品質保証力強化のための開発ガイドライン」は、商品化後に起こりうる品質リスクを事前に予測することで、品質に関わる問題の発生を未然に防ぐことをねらいとしています。「日常管理の進め方に関するガイドライン」は、製造部門が実行すべき日常管理の基本的指針をまとめています。
「契約・仕様書に関するガイドライン」は、製品販売において、拡大補償※発生リスクを削減することを目的としています。

  • 製品に不具合があった場合に、当該製品の返品・交換だけではなく、顧客が加工・施工・使用した製品・施工物・対象物、および関係する損害についても補償が求められること。
  • 09-42

2020年度の実績

2020年度は、重要品質問題※1が2件発生(カンパニー個別基準による)しました。その影響により外部損失費※2は2016年度比で25%増となりました。グループ全体の品質保証システムの強化および設計開発プロセスに着目し、開発未然防止手法(FMEA、DRBFM等)※3の活用を推進することによって外部損失費の削減を目指します。
2020年度の開発未然防止手法活用率は94%でした。

  • ※1
    重要品質問題:「製品・技術・サービスの品質」に関し、緊急に根本解決を図らなければ、お客様・社会・積水化学グループに対し重大な損害を与える問題。
  • ※2
    外部損失費:製品に関するクレーム対応の費用。
  • ※3
    FMEA:Failure Mode and Effects Analysis(故障モード影響解析)、DRBFM:Design Review Based on Failure Mode(変更点、変化点に着目して新設計の問題を発見し、解決する未然防止手法)
主な取り組み

品質データ不正の改ざん防止の取り組み

2020年度より開始した新たなCS品質中期計画に基づき、データの不正や改ざん防止を徹底するための体制づくり、仕組みづくりを進めています。
2020年度は、お客様との仕様の取り決めの遵守を目的に、特に製品検査および成績書作成に関するデータ信頼性と透明性の確保を進めました。また、データ入力ミスや改ざんができないようなシステム構築や日常管理業務の見直しとともに、検査データをデジタル化し活用することにも力を入れています。
今後も積水化学グループは、品質保証力の向上を目的に、不正が発生する余地を撲滅するためコンプライアンス意識の再徹底を図り、社内品質管理の強化を継続的に実施していきます。

製品の安全に関する法令および自主規制の遵守

積水化学グループでは、製品の安全に関する法令に違反する事例が内部で確認または外部から指摘された場合には、その事実を迅速に情報開示し、原因究明や再発防止に努めることとしています。これは、グループ各社が自主的に定めた製品安全の基準に違反した場合も同様です。
2020年度、製品の安全に関する各種法令および自主的な規制の違反事例はありませんでした。

設計・開発セミナー品質問題の未然防止をテーマとする研修の実施

積水化学グループでは、品質問題の未然防止をテーマに、①効果的で効率的な未然防止手法を習得することを目的とした「開発未然防止セミナー」、②DR※1を行う従業員のスキルアップを目的とした「DRレビューア育成セミナー」、③新製品開発に関する情報の整理方法を習得するための「QFD※2セミナー」を開催しています。
2020年度は、コロナ禍でも対応できるように集合研修からオンライン研修へと実施方法を変更しました。移動時間が不要なことや他事業所のメンバーとの議論も普段と変わりなくできるなどの理由から、オンライン研修の方が良いという意見も出ています。
これらのセミナーは2021年度も継続して開催していきます。

  • DR:Design Review(デザイン・レビュー)
  • QFD:Quality Function Deployment(品質機能展開)
  • 09-43

DRレビューア育成セミナー

QC検定※1の取得

従業員の品質管理に関する知識レベルを測るため、「QC検定」を有効に活用しています。取得者数は積水化学グループ全体で2020年度末までに4,571人※2となりました。

  • (一財)日本規格協会、(一財)日本科学技術連盟が実施し、(一社)日本品質管理学会が認定する検定。
  • 数値はQC検定1級から3級までの資格保有者の合計。

グローバル規模での「グループ改善活動」長期計画に合わせグループ改善活動ガイドラインを発行

「グループ改善活動」は、各職場で従業員が少人数のグループをつくり、品質や生産性の改善、業務効率化等の各種課題や、方針管理に基づく各種テーマに取り組む活動です。特に生産会社を中心に国内外の多くの事業所が取り組んでおり、積水化学グループにおいて50年以上の活動実績があります。
グループ改善活動をこれまでのモノづくり強化からさらに人づくりへと展開するために、従業員一人ひとりの成長と活力ある組織づくりを目的とした「グループ改善活動ガイドライン」および「グループ改善活動ガイドライン解説書」を2020年度に発行しました。これらはイントラネットやSEKISUI Communicationを通じて、国内外の当社グループ従業員がいつでも閲覧することができます。
また、国内事業所を中心に「グループ改善活動ガイドライン」の説明会とワークショップを開催し、各事業所の悩みや活動事例を相互紹介する機会をつくり研鑽を図りました。

  • 09-81
  • 09-82

これまで毎年1月に日本、アメリカ、中国、欧州、アジア・オセアニアの代表グループによるグループ改善活動の発表会を開催していましたが、新型コロナウイルス感染症の影響により、2020年度は開催中止となりました。しかし、一部のエリアや事業所ではオンラインによる発表会を開催するなど、グループ改善活動の灯りを絶やさぬよう、継続して日々の活動に取り組んでいます。

  • ※グループ改善活動:
    1966年に始まったQC(品質管理)サークル活動をルーツに、その後、
    小集団活動を経て現在に至る取り組み。

新規事業における設計審査のしくみ構築

積水化学で新規事業を立ち上げる際に、厳格な設計審査を実施する仕組み「ゲートレビュー」(GR)を構築し、2020年度より試行運用を開始しました。設計時に気を付けるべき観点を示した設計チェックシートを導入し、設計審査時の議論のポイントを明確化しています。また、新規事業に関連する業界や法律等の事項についての設計初期のインプット情報として、社内外の有識者から知見を得ることを目的とした「外部知見者レビュー」を新たに導入しました。

  • GR:次のステージへの移行の可否を判断する組織的な活動。(関所管理機能)
パフォーマンス・データ

品質マネジメントシステム第三者認証取得事業所

重要品質問題に関するデータ

  • 9-078
  • 重要品質問題の発生件数

指標 算定方法
重要品質問題 商品・サービスの品質に関し、緊急に根本解決を図らなければ、お客様・社会・積水化学グループに対し重大な損害を与え、社会的信頼が失墜すると品質保証責任者が検討・判断し、コーポレートまたはカンパニープレジデントが決定した問題をいい、次の項目を含む
1)重大事故
(2)使用者の生命または身体に対する危害が発生した事故のうち、危害が重大であるもの
(3)商品が滅失しまたはき損した事故であって、使用者の生命または身体に対する重大な危害が生ずるおそれのあるもの
2)お客様、使用者および社会に対し重大な影響(損害)を与える問題
3)商品・サービスの品質に関するコンプライアンス上(関連法規遵守等)の問題
4)商品リコール問題

外部損失費に関するデータ

  • 9-080
  • 外部損失費

    指標 算定方法
    外部損失費 製品に関するクレーム対応の費用

その他のデータ

  2016年度 2017年度 2018年度 2019年度 2020年度
開発未然防止セミナー参加者数(累計人数) 302 418 502 555 604
DRレビューア育成セミナー参加者数(累計人数) 166 259 283 296 349
QFDセミナー参加者数(累計人数) - - 31 90 188
  2016年度 2017年度 2018年度 2019年度 2020年度
QC検定取得者数(人) 4,103 4,228 4,337 4,626 4,571