リスクマネジメント

リスクマネジメント体制のさらなる強化でリスク感性と活動の質を高めています

マネジメント・アプローチ

基本的な考え方常に変化するリスクや危機に適応できる体制

積水化学グループでは、リスクを未然に防ぐ「リスク管理」と、重大なリスクが発現したときに対処する「危機管理」を一元化させたリスクマネジメント体制の構築を進めてきました。この一元化により、組織の状況に応じて、常に変化するリスクや危機に適応できる体制を構築しています。

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マネジメント体制リスクマネジメントの指針を明文化し、社員全員で共有

積水化学グループのリスクマネジメント体制は、これまでの人事部主管から、2020年4月からはESG経営推進部担当役員を最高責任者とし、ESG経営推進部リスクマネジメントグループが実務を所管します。

2015年4月に改正した「内部統制システムの基本方針」に基づいて定められた「積水化学グループ リスク管理要領」を当社およびグループ会社の取締役、執行役員と従業員に周知徹底するとともに、リスク情報を一元的、網羅的に収集・評価して重要リスクを特定し、リスクの発生防止に努めており、重大なリスクが発生した場合には「積水化学グループ危機管理要領」に基づいて緊急対策本部を設置し、迅速・適切に対処する体制を構築しています。
また、万一の事態に備えて社員一人ひとりが参照すべきこれらの行動規範については、イントラネット等を通じてすべてのグループ社員に共有されています。
2020年度よりスタートする新中期経営計画では、これまでの組織別リスク管理活動と全社リスク管理活動を融合したERM推進を展開していきます。従来からの組織別活動は、国内組織に加え、主に海外グループ会社(M&A、新事業含む)で展開を加速し、グループの隅々にまで浸透させていきます。そのうえで全社リスク管理として各事業領域別および地域別のリスクアセスメントを新たに実施し、全社重大リスクの特定・評価をふまえた実行計画への落とし込み・全社目標値設計と進捗管理を行っていきます。

  • ERM:「Enterprise Risk Management」の略称。全社的・統合型のリスク管理やリスクマネジメント活動に関する全社的な仕組み・プロセスを指す。

組織別リスク管理(未然防止)体制の強化PDCAサイクルによるリスク感性の向上

複雑性が増している企業活動の中で、将来発現し得るリスクを正確に把握することは非常に困難です。積水化学グループでは、このようなリスクを扱うためには従業員の「リスク感性の向上」が不可欠と考え、リスク管理の国際標準規格であるISO31000に沿ったPDCAサイクルを回し続けています。
本活動は、2011年度にカンパニーの下にある事業部を中心に27組織でスタートしました。年々活動組織数を増やし、その数は2019年度に国内外の関係会社も含めて175組織となりました。2020年も組織の統廃合と追加で増減しましたが175組織と変わらず、連結売上構成比でも約93%と変わりません。また組織間の連携や専門部署との連動により、この活動の有効性の向上を図っています。

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  • ※1:
    大規模M&Aによる一時的な低下。新組織のリスク管理活動参画により回復見込み。
  • 注)
    積水化学グループに与えるインパクトの大きさを考慮し、全体に占めるリスク管理活動組織の売上構成比を指標とした。

リスクの特定・評価グループとして備えるべきリスク

組織別リスク管理・全社リスク管理ともに、グループ全体で備えるべきリスクを明確にするため、大分類として経営環境・戦略・業務リスクに大別し、さらにそれを細分化することで、網羅的にリスクを特定しています。
特定されたリスクを組織別リスク管理・全社リスク管理各々のリスク基準に基づき、結果と起こりやすさのリスクマトリクスで定量的にリスクレベルの評価を行っています。

●積水化学グループの主なリスク

  • 1.
    経営環境リスク
    主要市場の動向
    為替・金利・保有資産価格の変動
    原材料の市況変動および調達
    自然災害
    気候変動・環境問題(資源枯渇/水/海洋プラスチック)
    政治・社会(政変/テロ/感染症)
  • 2.
    戦略リスク
    M&A・新規事業・R&D
  • 3.
    業務リスク
    情報管理(情報漏えい/技術情報の流出)
    品質(製造物責任/重要品質問題)
    安全(火災爆発/重大労災事故/有害物質漏えい)
    法令・コンプライアンス・人権(不正犯罪行為/独禁法違反・不正取引/情報改ざん/贈収賄/ハラスメント/環境規制など)
    知的財産(知財紛争)

危機管理体制の強化危機管理体制の運用

積水化学グループは、東日本大震災の経験を踏まえ2011年度に危機管理体制を全面的に見直し、以後、その体制をブラッシュアップしてきました。
具体的には、緊急対策本部手順書に基づく訓練(年2回以上)、緊急事態初動手順書による毎年の教育(全従業員)、防災チェックリストによる全事業所での防災体制の整備(国内約800ヶ所)等を実施してきました。
内閣府の「自己評価項目表」を参考にした防災体制充足率は、2012年1月時点で全事業所平均が41%でしたが、その後、具体的な対策を整えた結果、2015年度以降は90%以上を維持管理できるレベルになりました。

危機管理体制の運用

積水化学グループは、緊急事態発生に備え、「危機管理要領」「緊急対策本部手順書」に緊急時の全社の対応手順を定め、運用しています。また、派遣社員等を含む全従業員に対して、常に携帯する「緊急事態初動手順書」を配付し教育することで、緊急時に個々人が適切な初動ができるようにしています。2018 年には緊急事態初動手順書の英語版も作成し、必要とする従業員に配付しています。さらに2019年度は、緊急事態でも従業員の安否が迅速に確認できるように、安否確認システムをグループ全従業員に実装しました。

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緊急事態初動手順書(2020.4月 改訂)

  • 8-015

大規模地震発生時初動手順

  • 8-016

緊急対策本部の機能

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緊急事態発生直後の現場からカンパニー・コーポレートへの連絡

BCP(事業継続計画)BCPに対する基本的な考え方

BCP は事業戦略そのものです。したがって、カンパニー制を採用し事業内容が多岐にわたる積水化学グループは、事業責任者(事業部長、事業会社長等)それぞれが事業の内容に応じてBCP の必要性を個別に判断することを基本姿勢としています。そのため、グループとしての「BCP(BCM)策定のガイドライン」を定め、策定にあたってのチェックリストを作成するなどのサポート体制を構築しています。各事業責任者に対しては、このガイドラインや事業継続マネジメント(BCM)の構築方法を規格化したISO22301に準拠したBCP の策定とBCM の構築を推奨しています。

海外危機管理体制海外危機管理組織を中心とするサポート体制

積水化学グループでは、社規「海外安全管理規則」に基づいて、世界を6つの地域に分け、海外危機管理事務局が中心となって危機管理情報の共有やタイムリーな注意喚起、渡航規制の指示等緊急時対応を実施するなど、出張者、駐在員、現地従業員をサポートしています。
年々拠点が増え、海外事業の重要性が増している状況で、主要4地域に海外統括会社を置き、その責任者を地域長に任命し、海外危機においてはコーポレート経営戦略部海外統括グループおよび海外危機管理事務局(人事部リスクマネジメントグループ)が連携し、危機事象に対する対応を主導しています。
また、暴動・テロ、感染症などの海外特有のリスクに対しては、セキュリティアシスタンスや医療アシスタンス等危機管理会社との契約締結による支援体制を用意しています。
さらに、海外への赴任者を対象とする海外赴任前研修、出張者を対象とする出張前e- ラーニングを実施し、海外危機管理体制を説明するとともに、海外のリスクについて注意喚起をしています。
近年は特に、フロンティア地域への出張や赴任が増える中、在外公館との連携強化、地域ごとのリスクの種類や危険の度合いを示した地域別危機管理ハンドブック20 地域分を作成・配布しています。

  • 2020年4月よりESG経営推進部リスクマネジメントグループ
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海外危機管理要領

  • 8-009
  • 8-010
  • 8-011
  • 8-012
  • 日本語版

  • 英語版

  • 中国語版

  • 韓国語版

主な取り組み

リスク管理活動の有効性向上デジタルダッシュボードの導入

リスク管理活動の実施状況をデータベース化した「デジタルダッシュボード」の導入により、各組織へのフィードバックの準備が半減したことで大幅に効率化することができました。また、各組織においては検索機能を使い、管理策の水平展開やリスクの特定が容易になりました。さらに2019年度においては、各種監査との連動を目的とした機能を追加し、もれなくリスクを洗い出せるようになりました。

e-ラーニングの充実

イントラネットを活用した海外出張者向けe-ラーニングのコンテンツの充実を図りました。国や地域ごとの事情や慣習などを取り入れたテスト形式のコンテンツを作成。解答には詳しい解説を付けるなど、海外出張者に対して現地における行動の教育と安全意識の向上を図っています。2019年度は、出張が多い地域向けに応用編も展開し、より詳しい内容を学習する機会を提供しました。

リスクマネージャーへのリスクマネジメント研修を実施

2019年度に新たにリスクマネージャーとなった24名を対象に、リスクマネジメント研修を実施しました。

新型コロナウイルス感染防止に関する当社の対応

新型コロナウイルス感染拡大が懸念されるようになった2020年1月以降、従業員の健康管理と企業として社会的要請に応えるため、感染防止に向けたさまざまな施策を実施しました。
具体的には以下の対応を実施しています。(2020年3月末現在)

  • 1)
    個人で行う予防対策と情報の発信
  • 2)
    当社主催行事・イベントの自粛
  • 3)
    出退勤時間の変更
  • 4)
    Web会議・在宅勤務の推奨
  • 5)
    感染地域への渡航禁止

さらに中国および国内の関係会社への支援として、マスク・消毒薬の配送を実施しました。
緊急事態宣言が出されたり、グループ内で感染者が確認された場合は、従業員の安全を最優先に、全社緊急対策本部の設置をふくめ、更なる対応を強化していきます。

パフォーマンス・データ

リスク管理活動組織数のデータ

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  • リスク管理活動組織数

防災体制充足率に関するデータ

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  • 防災体制充足率(国内事業所平均)の推移