環境中期計画のこれまでと今後の目標

2017年度から2019年度までは、環境中期計画「SEKISUI環境サステナブルプランAccelerate」のもと、以下に示す重要実施項目の目標を立て、取り組みを実施してきました。

・統合指標「SEKISUI環境サステナブルインデックス」:自然資本へのリターン90%以上
・環境貢献製品の売上高比:60%以上
・温室効果ガス排出量削減:6%以上(2013年度比)

  • ・水資源の維持:
    取水量3%以上削減(2016年度比)
    COD総量3%以上削減(2016年度比)

・「SEKISUI環境ウィーク」:全事業所・従業員参加

今後は、2020年度から2022年度にかけて、新環境中期計画「SEKISUI環境サステナブルプランAccelerateⅡ」のもと、以下に示す重要実施項目の目標を立て、取り組みを推進していきます。

自然および社会資本のリターン率向上

統合指標「SEKISUI環境サステナブルインデックス」での進捗把握:自然資本へのリターン率100%以上を持続

製品による地球および社会のサステナビリティ向上

サステナビリティ貢献製品の売上高:8,000億円(伸長率22%相当(2019年度比))

気候変動課題に対する取り組み

[脱炭素化]
購入電力の再生エネルギー比率:20%
温室効果ガス排出量削減:9%以上(2013年度比)

資源枯渇課題に対する取り組み

[再資源化の促進]
廃棄物の再資源化推進の取り組み実施

水リスク課題に対する取り組み

[水資源の維持]
水使用量の多い生産事業所の取水量:10%削減(2016年度比)
COD排出量の多い生産事業所の河川放流水のCOD総量:10%削減(2016年度比)
[水リスクの最小化]
流域特有の水リスクの把握と課題となる取り組みの実施

従業員の課題解決貢献力の向上

課題解決に資する活動の推進

  • 3-002

長期ビジョンからバックキャスティングした環境中期計画の推進

2019年度までは、2017年からの3ヶ年計画で環境中期計画「SEKISUI環境サステナブルプランAccelerate」を策定し、推進してきました。環境長期ビジョン「SEKISUI環境サステナブルビジョン2030」で描いた2030年のあるべき姿に向かってバックキャスティングを行い、中期計画ごとにマイルストーンを設定し、各取り組み内容を加速させてきました。

特に重点的に取り組んできた項目は、温室効果ガスの削減と環境貢献製品の拡大です。2015年に開催されたCOP21において採択された「パリ協定」では、各国が国家レベルでのCO2排出削減目標を約束しており、日本は「2030年までに2013年度比で26%削減」を目標としています。積水化学グループとしても、日本企業としてその責任を果たすべく、国家目標と同等以上の削減目標を掲げて意欲的に取り組んできました。

温室効果ガスの削減に関しては、環境中期計画(2017-2019)においてさらなる事業拡大を目指す中、事業活動における温室効果ガスの排出量を総量で6%削減という目標を設定し、取り組みを始動しました。この目標達成を着実なものとするため、3年間で120億円規模(売上高の0.3%に相当)の環境貢献投資枠を設定し、積極的な設備投資を推進してきました。

環境貢献製品に関しては、2017年度、環境貢献製品の認定対象を自然環境にとどまらず、人的資本や社会資本をも包含する社会環境に対しても枠組みを広げて貢献度を拡大していくことを宣言しました。積水化学グループが目指しているのは「人々のくらし」と「地球環境」の向上であり、「人々のくらし」の向上には「福祉と健康の促進」や「強靭なインフラの確保」、「地球環境」の向上には「気候変動の緩和と対応」など、2015年に国連が採択した「SDGs(持続可能な開発目標)」で示されている課題の解決が必須と考えます。まずはこれらの課題解決に軸足をおいて課題帰結していくことを再認識しました。

  • COP21:第21回国連気候変動枠組条約締約国会議

2019年度には、長期環境課題の要因や解決への道筋が科学的根拠をもとに示される中、2050年の長期を見据えて環境ビジョンを「SEKISUI環境サステンブルビジョン2050」として描き直しました。この見直した環境ビジョンに基づいてバックキャスティングを行い、マイルストーンを設定し、2020年度から3ヶ年の環境中期計画「SEKISUI環境サステナブルプラン AccelerateⅡ」を策定しました。

2020年度からの環境中期計画においては、積水化学グループが取り組むべき重要な環境課題を「気候変動」「水リスク」「資源循環」とさだめ、それらの課題解決を加速するために、取り組み事項を定めています。そしてすべての課題に対する取り組みは「生態系劣化」の解決、つまりは「生物多様性の保全」につながっていると考えています。

また、環境課題は、サプライチェーン一丸となって取り組むことで、解決が加速すると考えて、これまで以上に製品のライフサイクルにわたるサプライチェーンマネジメントを重視して施策を展開し、活動を行っていきます。

気候変動課題に関しては、2050年には温室効果ガスの排出量をゼロにし、そのためには2030年には購入電力をすべて再生可能エネルギーに転換するという長期目標を設定しました。

水リスク課題に関しては、従来からひきつづき全社として使用する水の量を低減し、循環利用を進めるとともに、河川に放流する水の質をCOD指標においても向上するように努めていきます。また、地域固有の水リスクを把握し、リスクの高い事業所に関しては、地域に応じたリスク低減の対策を考え、実行していきます。

資源循環に関しては、2030年に向けて業容が倍増する中でも廃棄物総量の低減(リデュース)に努める一方で、再資源化(リサイクル)を重視し、循環型社会、サーキュラーエコノミーの実現に向けた取り組みを検討していきます。特にプラスチックの成型加工メーカーの企業責任として、原材料となる石油由来の炭素を循環させる炭素循環の技術に関しては、廃棄物から微生物の力でエタノールを生産するBR技術をはじめとして確立と社会実装に向けて加速していきます。

環境貢献製品は、サステナビリティを意識した製品評価制度を“サステナビリティ貢献製品”として進化させます。地球および社会のサステナビリティ向上(従来の自然および社会環境の課題解決に対する貢献)への寄与を拡大していくだけでなく、企業および製品のサステナビリティ向上に向けて、収益性や顧客満足、プロセス、サプライチェーン評価などの事項の確認評価を実施していきます。またこのサステナビリティ貢献製品の伸長をけん引する戦略としてプレミアム枠を設定し、これを伸長させる施策も講じていきます。

2019年度の実績と2020年度の計画

環境貢献製品の市場拡大と創出

    • 売上高比率
      売上高比率:2019年度目標60%以上
      58.3%で目標未達
    • 新規登録件数:
      2019年度目標10件(3年間で30件)
      2019年度新規登録 5件(3年間で47件)

<要因分析>

2017年度から2019年度までで中期計画の目標30件を上回る新規登録(47件)となりました。国内における災害に備えるためのユーティリティー確保につながる蓄電池などのリフォームメニューの拡大や、グローバルで展開している検査薬事業、電子材料等の市場拡大があったものの、売上高比率目標に関しては未達となりました。

<課題解決に資する製品の拡大を推進する製品評価制度の推移>

課題解決に資する製品を拡大するため、2006年度から認定制度をつくり、推進してきました。

2016年度までの変化

  • 創エネ、生物多様性保全といった切り口の貢献を基準に追加
  • エリア貢献の考え方を導入
  • 防災・減災などの課題解決における貢献も評価対象として検討

2017年度の変化

  • 従来枠組みの環境貢献製品を自然環境貢献製品とし、新規に社会環境課題を解決する製品を社会環境貢献製品として定義を拡充

2020年度からの変化

名称をあらため、サステナビリティ貢献製品として始動。以下の2つの視点をもった製品評価として進化。

  • 課題解決への高い貢献を評価し、社内基準のもと登録認定を検討
  • 登録製品において課題解決への高い貢献が持続可能なものとなるよう、ガバナンスやプロセス、サプライチェーン、顧客満足度などの面での確認評価を実施

2020年度中に確認評価に関する基準や運用などの制度としての詳細設計を行い、制度運用を行っていく予定。

<製品による課題解決に対する貢献効果の定量化>

製品による課題解決への貢献度を見える化するために、LCIA評価によって製品・事業の環境価値(自然資本へのリターン、貢献度)を被害算定金額で表すLIME2手法によって算出を行っています。2019年度には、環境貢献製品売上高の7割相当の製品による環境価値を把握しました。

2019年度までは、自然環境のみならず、人的・社会資本など社会環境に関する解決に関しても「自然資本」への貢献と考えて、自然資本のリターンに貢献できる製品の拡大を推進してきました。
2020年度以降は、あらためて自然・社会資本へのリターンに対する貢献を高めていくために、サステナビリテイ貢献製品の課題解決への貢献度の見える化を行っていきます。
そして見える化した製品・事業の環境および社会的価値(課題解決への貢献度)を活用して情報公開を行い、社会に対して啓発を行っていくとともに、事業にもフィードバックできる活動を強化していきます。

環境負荷の低減

  • GHG排出量:
    2019年度目標 6%以上削減(2013年度ベンチマークより)
    6.1%削減で目標達成
  • 省エネルギー:
    2019年度目標 エネルギー使用量生産量原単位3%削減(2016年度ベンチマークより)
    7.6%削減(国内8.9%削減、海外4.7%削減)で目標達成

<要因分析>

設備の老朽更新、自家消費型太陽光発電設備の導入等の環境貢献投資や省エネルギー活動の成果が発現し、M&A、生産量増加による増加量を上回る削減

次期中期は電力の再生可能エネルギーへの転換を重点的に推進し、GHG排出量削減を加速していきます。

  • 廃棄物発生量:
    2019年度目標 生産量原単位3%以上削減(2016年度ベンチマークより)
    0.3%増加(国内3.6%削減、海外6.7%増加)で目標未達成

<要因分析>

    • 国内:
      高機能樹脂製品の生産工程で発生する端材の原料戻しが可能となり廃棄物発生量を削減
    • 海外:
      高機能プラスチックスカンパニーの海外事業所の高機能化製品増加

今後は、生産工程で発生する廃棄物の削減のみならず、サーキュラーエコノミーの実現を目指し、再生資源の利用促進や製品、廃棄物の再資源化の推進に取り組んでいきます。

自然環境の保全

SEKISUI環境ウィーク

  • 2019年度目標従業員参加率100%
    従業員参加率89.7%で目標未達成

<要因分析>

個人活動の推奨不十分

従業員参加率100%の目標達成にはいたりませんでしたが、2019年度までに、SEKISUI環境ウィークに対する事業所での実施率、従業員の参加率はグローバルで9割近くになり、この活動への参加を通じて環境活動の推進力は向上してきました。
2020年度からは、地域や事業、業務など、さまざまな取り巻く環境に応じて、自ら課題を認識し、課題解決への貢献を考え実行することのできる人材を育成するための啓発活動として環境保全の活動の推進を行っていきます。

環境中期計画「SEKISUI環境サステナブルプランAccelerate」(2017-2019年度)

〇・・・中期目標達成

△・・・中期目標未達だが、取り組みが促進したもの

×・・・中期目標未達、今後取り組みをさらに促進していく必要があるもの

取り組み項目 対象 指標 中期目標
(2017~2019)
実績 自己評価
国内
生産事業所
研究所 国内
オフィス
海外
生産事業所
海外
オフィス
その他 2017年度 2018年度 2019年度
統合指標による進捗管理 90%以上 86.2% ※1 95.8% ※1 104.5% ※1
環境貢献製品の市場拡大と創出 環境貢献製品の創出 30件 24件
※自然環境貢献製品 4件登録
社会環境貢献製品 20件登録
18件
※自然環境貢献製品 3件登録
社会環境貢献製品 15件登録
5件
※自然環境貢献製品 1件登録
社会環境貢献製品 4件登録
環境貢献製品の売上拡大 60%以上 50.2%(5,559億円) 56.3%(6,438億円) 58.3%(6,583億円)
環境負荷の低減 GHG排出量削減 ▲6%以上
(2013年度実績比)
▲1.5% ▲2.3% ▲6.1%
エネルギー削減 ▲3%以上
(2016年度実績比)
▲1.2%
(国内▲4.1%、海外+2.0%)
▲3.7%
(国内▲8.2%、海外+2.4%)
▲7.6%
(国内▲8.9%、海外▲4.7%)
廃棄物削減 生産量に対する廃棄物発生量削減 ▲3%以上
(2016年度実績比)
+0.4%
(国内▲0.6%、海外+3.1%)
+3.3%
(国内+1.9%、海外+8.0%)
+0.3%
(国内▲3.6%、海外+6.7%)
×
オフィスにおける資源使用量削減 ▲3%以上
(2016年度実績比)
+0.3%
(国内+0.5%、海外▲14.2%)
+1.4% ▲16.4%
(国内▲17.1%、海外+23.7%)
新築現場における廃棄物発生量削減 ▲10%以上
(2016年度実績比)
+0.0% +1.7% ▲1.2% ×
水資源の維持 ▲3%以上
(2016年度実績比)
+3.1%
(国内+1.9%、海外+6.6%)
+3.0%
(国内▲1.1%、海外+15.1%)
+0.1%
(国内▲8.1%、海外+24.0%)
▲3%以上
(2016年度実績比)
+28.2% +20.7% +5.1% ×
化学物質影響の低減 ▲3%以上
(2016年度実績比)
+12.1%(国内のみ把握) +7.1% +3.9% ×
自然環境の保全 SEKISUI環境ウィーク 100% 84.9% 88.1% 89.7%
事業所内緑地の質向上 +5ポイント
(2016年度実績比)
+2.6ポイント +4.3ポイント +5.3ポイント
5事業所 評価基準の検討 評価基準案に従い、
事業所評価試行
5事業所
住宅販社での森林保全活動 7販社 7販社 7販社 7販社
地域と連携した自主活動 50%以上 57.4% 55.3% 57.4%
5件 5件 7件 5件
環境人材の育成 環境人材の教育 国内:+20点
(2017年度実績比)※2
国内:39点 国内:+5点(44点)
海外:北米ベンチマーク把握(50点)
国内:+4点(43点)
海外:中国ベンチマーク把握(60点)
×

※1 貢献度が高く大きな影響を及ぼす製品に関しては、算出に使用する実績を売上高でなく、
物量ベースでの実績の再確認を行い、過去に遡り計算結果を修正。

※2 人材指標運用開始時期を2017年度。基準年を2017年度として設定。

新環境中期計画「環境サステナブルプラン AccelerateⅡ」

項目 狙い 指標 基準年 目標設定 対象
2020年度 2021年度 2022年度 2030年度 2050年度 国内生産
事業所
研究所 国内
オフィス
海外生産
事業所
海外
オフィス
その他
自然・社会資本のリターン率 企業活動を通して“生物多様性が
保全された地球”を実現
SEKISUI 環境サステナブルインデックス
自然資本へのリターン率
100%以上を持続
サステナビリティ貢献製品 価値(社会的・経済的価値)の最大化 サステナビリテイ貢献製品の売上高
(伸長率(2019比))
7,100億円
伸長率8%相当(19比)
-
7,500億円
伸長率14%相当(19比)
-
8,000億円
伸長率22%相当(19比)
売上高比率63%相当
課題解決型製品の売上高拡大
(比率は60%維持)
環境・社会のサステナビリティを高める製品とサービスにより、企業の持続ある成長をけん引
新規登録製品の件数 6件/年 6件/年 6件/年 6件/年      
環境負荷低減 GHG 脱炭素化 GHG 排出量ゼロ 購入電力の再エネ比率 5% 10% 20% 100% 100%維持
GHG排出量 2013
年度
▲7% ▲8% ▲9% ▲26% ▲100%
エネルギー使用量の削減 生産時のエネルギー効率の改善およびエネルギー費用の削減 エネルギー使用量の生産量原単位 2019
年度
▲1% ▲2% ▲3% ▲10%        
資源循環 再資源化促進 廃棄物発生量の生産量原単位 2019
年度
生産量原単位▲1%/3年間 サーキュラーエコノミーの実現        
紙使用量の人数原単位 2019
年度
▲1% ▲2% ▲3%      
棟当たりの廃棄物発生量 2019
年度
▲2% ▲4% ▲6%          
水リスク 水資源の維持 水使用量の多い生産事業所の取水量 2016
年度
▲10% ▲10% ▲10%          
COD排出量の多い生産事業所の河川放流水の COD総量 2016
年度
▲10% ▲10% ▲10%          
化学物質
影響の低減
化学物質の排出・移動量の削減 VOC大気排出量( 国内 ) 2019
年度
▲1% ▲2% ▲3%        
生態系 生態系影響
生態系劣化へのリスク最小化
土地利用通信簿®評価点数 2019
年度
+3ポイント/3年間 全事業所で生態系配慮※推進
※生態系配慮;生物多様性の定量評価の向上
全事業所で生態系配慮の維持        
教育・啓発 ESG
人材教育
従業員の社会課題解決
貢献力の向上(従業員教育)
ESG人材指標 2020
年度
課題解決力の高い人材(ESG人材)に必要なスキルを伸ばすための教育と
人材指標チェック実施。2020 年度にベンチマークを把握し、目標値を設定
課題解決力の高い人材としてのレベルアップ 課題解決力の高い人材として社会をけん引