自然環境の保全 ~ 生物多様性 ~

自然環境を含む生物多様性の保全に取り組んでいます

マネジメント・アプローチ

基本的な考え方事業活動にともなう生物多様性への影響の低減を進めています

積水化学グループの事業活動は、生物多様性がもたらす数多くの自然の恵みを受ける一方で生態系への負荷も与えています。
積水化学グループは、2008 年4 月、「環境経営方針」に生物多様性に関する項目を追加するとともに、従来よりも限りある資源やエネルギーの効率的活用を推進し、温室効果ガスや有害化学物質などによる環境負荷の低減と汚染の防止に努めます。
2011 年には生物多様性ガイドラインを策定し、事業活動における環境配慮と世界各地での環境保全活動という両面から自然環境を含む生物多様性の保全に取り組んでいます。

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環境長期ビジョン生物多様性が保全された地球の実現に向けて

積水化学グループは、生物多様性が保全された地球の実現に貢献するために、「環境貢献製品の市場拡大と創出」「環境負荷の低減」「自然環境の保全」の3つの活動で、2030 年には利用した自然資本以上にリターンすることを目指しています。

主な取り組み

SEKISUI環境ウィーク環境活動推進力の高い人材になるために実施

第6 回を迎えた2018 年度は、28,396人の従業員が参加しました。
活動内容は、地域の清掃活動や植林活動、オフィスでの省エネ活動など事務所ごとに工夫を凝らした活動を行いました。

サスティナブルな原材料の調達持続可能な木材の利用とトレーサビリティの確保

積水化学グループでは、森林破壊の根絶と木材資源の持続可能な利用に貢献するために、製品に使用する木材は、FSC 認証材など合法的に伐採された木材を使用しています。また、木材原料の伐採地域、樹種、数量など商流調査し、トレーサビリティを確保しています。再生材につきましても市場で使用済の木材・木質材料、または未利用の間伐材や末木枝条などを使用しています。

事業緑地の質向上に向けて国内全生産事業所・研究所で緑地の質向上の取り組みを実施

事業所内で地域の動植物の生息環境を整え、地域と事業所を結ぶ生態系ネットワークを形成し、地域連携を活性化する目的で、事業所内の緑地の質を向上させる取り組みを推進しています。土地利用通信簿®を活用し、環境中期計画(2017-2019)の期間中での評価点を2016 年度比5ポイント向上させることを目標にしています。2018 年度は環境コンサルタント会社指導の元、水辺ビオトープの環境を改善したり、緑地に在来の低木を植栽した結果、平均得点が4.3ポイント上がりました(2016 年度比)。

緑地の質向上事例つくば事業所 生物多様性プロジェクト

つくば事業場では、一般従業員参加型のプロジェクト「つくば事業所 生物多様性プロジェクト」(以下、生物多様性プロジェクト)が結成され、みずから手をあげた17名で事業所の緑地活用を推進しています。所在地であるつくば市に自生する「ユウガギク」や「ツリガネニンジン」などの地域性の高い種苗や樹木を植栽し、周辺に生息する生き物が住めるように生物多様性に配慮した緑地をつくりました。2018 年度のSEKISUI 環境ウイークでは、従業員に呼びかけて緑地の遊歩道の杭打ちを実施しました。平日は従業員の憩いの場として利用しつつあり、事業所内交流活動として生物多様性プロジェクトメンバーが中心となり、地域性の高い種苗の「種まき会」も開催しています。
今後も緑地を活用した環境教育が行えるよう、緑地の価値を高める活動を行っていきます。

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    • SEKISUI 環境ウィークでの活動
      (杭打ち)
    • 事業所内に設けられた遊歩道
      および植栽ゾーン
    • 種まき会の様子

緑地の質向上活動事例地域生態系と調和したビオトープの創出

九州積水工業では、2000 年に敷地内に約6,300m2 のビオトープ『ふる里の森』を造成しました。ビオトープ池には工場から出る排水(機械の冷却水)を利用しています。造成した頃は低かった樹木も、今では大きく成長し、中には15mを超えるものもあります。
またビオトープ内では様々な生き物が見られるようになりました。カワセミなどの鳥類が訪れたり、しだれ柳周辺には蝶のコムラサキが飛んでいます。地中にはコウベモグラも住んでいて、水辺には4 ~ 5 月頃にミゾコウジュ(準絶滅危惧種・植物)が淡紫色の花をつけます。
特にビオトープ池は、環境コンサルタント会社の(株)地域環境計画に継続して調査を行っていただきました。2015 年の調査で初めて貴重種のツチフキ(絶滅危惧IB 類・魚類)が15 個体見つかりました。その後コイやギンブナをビオトープ池から除くなど生息環境の改善を行ったところ、2017 年及び2018 年には1 回の調査で平均72 個体が確認でき、ツチフキが増えていました。さらに2015 年の調査の時には見られなかったニッポンバラタナゴが2017 年の調査で初めて4 個体見つかり、その後二枚貝の導入を行い生息・繁殖環境の改善を行ったところ、2018 年には1 回の調査平均で10 個体が確認でき、ニッポンバラタナゴも徐々に増えているようです。
このビオトープは一般の方にも開園していますので地元の憩いの場にもなっています。今後も引き続き生物調査を行いながらビオトープ環境の改善を行っていきます。また自然観察会を通じて「自然保護の啓発」を行っていきます。

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    • 秋に色づくビオトーブの木々
    • 投網による生物調査の様子

生態系保全の取り組み自然豊かな森の中の公園工場

積水メディカル岩手工場は、緑地面積率約95%と豊かな自然に恵まれた緑の中の公園工場です。
世界の人々にお届けする高品質の医薬品を安全かつ効率よく製造しています。環境に配慮した排水処理システムやCO2 削減などで、かけがえのない自然環境との共生を図っています。事業所内の動植物や、小川や湧き水に生息する生き物などを調査した結果、673 種の動植物が生育・生息していました。その中でもウラギンスジヒョウモン(絶滅危惧Ⅱ類・昆虫類)やトウホクサンショウウオ(準絶滅危惧種・両生類)など14 種の貴重種を確認しています。こうした活動が総合的に評価され、岩手工場は、岩手県が認定する「いわて地球環境にやさしい事業所」において、最高位の四つ星認定を取得しています。モノづくりを通して、これからも引き続き人々の健康と豊かな生活の実現に貢献するとともに、生態系の保護、保全に取り組んでいきます。

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    • 苗木を植えて森づくり
    • 湧き水に生息する生き物の観察

住宅事業における生物多様性の推進自然環境と生態系保全に配慮したまちづくり

セキスイハイムグループは、分譲住宅事業において、まちの資産価値を維持・向上させることで、サステナブル・タウンのスキーム創成に取り組んでいます。
東京セキスイハイム(株)が2019 年春に分譲を開始した「スマートハイムシティ朝霞」では、開発地域の約25%を緑地等※ 1とし、周辺の自然環境と生態系保全に配慮したまちづくりを行いました。まちのランドマークとなる「ネイバーズサークル※ 2」には、芝生広場のある公園を設け、そこから分譲街区へとつながる道路は、緑豊かな歩行者・自転車専用道路として開発されます。また、健康遊具のある公園と黒目川沿いの遊歩道で構成された「フィットネスパーク」は、自然に親しみながら身体を動かせる健康エリアとなっています。こうした統一感・連続感のある緑化方針が評価され、「スマートハイムシティ朝霞」は、2018 年度の「いきもの共生事業所認証(ABINC 認証)※ 3」を取得しました。

  • ※ 1
    ABINC 申請敷地に対する緑地等の割合を示した「緑被率」を指します。
  • ※ 2
    ネイバーズサークルはネイバーズストア、保育施設、クラブハウスと宮台公園(朝霞市による管理)を内包した広場の名称です。
  • ※ 3
    一般社団法人いきもの共生事業推進協議会が、自然と人との共生を企業に促すため生物多様性保全の取り組み成果を認証する制度。
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  • ネイバーズサークル完成予想図

  • フィットネス公園

  • スマートハイムシティ朝霞全体区画図

地域社会と連携した環境貢献活動国内生産事業所や住宅販社で取り組みを展開

国内の生産事業所や研究所では、地域社会と協働して地元の自然環境を保全する取り組みを推進しています。里山保全活動や環境学習など、NPOや小学校、地方自治体と連携した自主的な活動を2018 年度は26 事業所で実施しました(実施率55%)。
また、積水化学グループの主要な住宅販社7 社※においては、2013 年度より森林・里山の保全活動に取り組んでいます。
森林のもつ多面的機能やその重要性を学ぶと共に、協働を通じて地域社会とのコミュニケーションの向上につなげています。
2018 年度は7 販社全てで活動に取り組みました。
なお、活動事例は、社会貢献活動をご覧ください。

  • ※住宅販社7 社…
    北海道セキスイハイムグループ、セキスイハイム東北グループ、東京セキスイハイムグループ、セキスイハイム中部グループ、セキスイハイム近畿グループ、セキスイハイム中四国グループ、セキスイハイム九州グループ
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  • 「積水の森」保全活動(徳山積水工業)

  • NPOとの協働/子ども森づくり体験
    (セキスイハイム中部グループ)

排水のWET過去の調査で影響が確認された事業所の原因調査

積水化学グループでは、生産事業所の排水管理の方法として法令等で定められた排水基準や、より厳しい自主管理値を設定し、その遵守に努めてきました。排水先の水生生物にとって安全な水環境を確保し、排水による悪影響を未然に防止することを目的に、2013 年度よりWETによる排水の評価と排水放流先の河川における水生生物の生息状況の調査を実施してきました。
これまでの調査で、積水化学グループの生産事業所から公共用水域に排出される水の96%の確認が完了しています。 2018 年度は、過去の調査で生物への影響が見られた事業所において引き続き原因調査を実施し、原因物質を特定することができました。

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  • 河川の生物調査の様子

  • WET 評価に用いる生物の例
    魚類(ゼブラフィッシュ)

外部との協働ステークスホルダーとの対話及び連携

生物多様性の保全を目指して行動する企業団体

当社は2013 年に「一般社団法人 企業と生物多様性イニシアティブ(JBIB: Japan Business Initiative for Biodiversity)」の会員となり、国内外の生物多様性の保全に貢献するために、多様な企業と共同で生物多様性に関する研究を進めるなど、様々な活動を推進しています。

事業緑地の環境保全活動

生産事業所・研究所の生態系の調査、生物多様性の保全、外来種の駆除など環境保全活動や地域の環境づくりについて、外部の環境コンサルティング会社のサポートを受けています。

社会貢献活動

環境貢献に取り組む「人づくり」として、国内外の各拠点において、自治体、学術機関、学校、NPO、NGO などと協力して、世界各国で自然環境の保全活動を展開しています。

パフォーマンス・データ

土地利用通信簿®の結果

2017年度 2018年度
土地利用通信簿® 2.6ポイントアップ 4.3ポイントアップ
指標 算定方法
土地利用通信簿®のポイント 土地利用通信簿®とは企業保有地の生物多様性貢献度評価を目的にした、いきもの共生事業所®推進ツールで、事業所ごとに 緑地の面積や質、管理体制などについて100点満点で評価するシート。
事業所ごとに土地利用通信簿®を用いて当該年度評価を行い、2016年度時点でのポイント数からの増加分を計算。ポイント増加分の全事業所平均値を指標とする

SEKISUI環境ウイークへの参加率

2017年度 2018年度
SEKISUI環境ウイークへの参加率 84.9% 88.1%
指標 算定方法
SEKISUI環境ウイークへの参加者数割合 SEKISUI環境ウイークの参加者数の合計/対象事業所の従業員数の合計×100
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2018年度までに積水化学グループの事業所及びその周辺で確認された貴重種(生息域外保全含む)

  • 生息域外保全…絶滅危惧種を守るため、安全な施設に生きものを保護して、それらを増やすことにより絶滅を回避する方法。