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【Column】自分らしく、周囲の期待を原動力に。再び世界トップ100へ/内山靖崇
August 18, 2022

世界中に大きな影響を及ぼした新型コロナウィルス。
2020年はテニス界でもツアーが中断したり、
目的が見えづらくなる時期でもありました。
内山靖崇選手はパンデミック前の2019年に、
チャレンジャー大会で2度優勝。
世界ランキングをキャリアハイの78位まで更新しました。
しかし、その後は感染症拡大の影響もあり、
なかなか日本に戻れず。
コンディションのキープに苦しみ、
勝てない日々が続きました。
さらに今年は怪我も重なり、どん底に陥ったと言います。
ただ、そんな状況下だからこそ、
改めて感じた想いや見つけられたものがありました。
自分を奮い立たせてくれるきっかけになるもの
新型コロナウィルスの蔓延以降、
大きな変化があったテニス界。
ツアーが中断している間は、
いつ再開されるか見通しがつかず、
選手たちは常にトレーニングするだけの、
変化のない日々を過ごすことになりました。
再びツアーが始まったのは2020年8月。
しかし、アジア圏の大会はほとんどなくなり、
欧米中心にツアーが組まれました。
これにより内山選手は、日本に戻ることが
難しくなったと言います。
「日本に帰ると活動がストップしてしまうので、海外で暮らし続けなければいけなかったんです。コロナ以前は、3週間に一度くらい日本に帰ってきてエネルギーを貯め、また海外に挑むルーティーンだったんですけど、それが一変してしまった。そういった中で、気持ちの切り替えが難しく、疲労も溜まることが多かったです」

その苦しい時間の中で、
自身を奮い立たせる、きっかけになったもの
それは普段サポートしてくれる人たちや、
企業への想いでした。
「どんなに悔しい想いや辛い状況になったとしても、期待に応えたいという気持ちが原動力になりました。テニス選手としての活動を行う中で、悪い意味で慣れが出てしまい、刺激があまりないと感じる日もあった。そんな中で、別業界の方や企業さんからは、新しいモチベーションや別角度からの刺激をいただけるので、本当に感謝しています」
どん底から自分を見つめ直し、気付いたこと
今シーズン序盤は勝てない状況が続く中、
3月に全治約6週間の負傷。
「どん底のような状況だった」と振り返る内山選手。
しかしそれは、自分のことを見つめ直す
時間にもなりました。
「これまでは自分の足りない部分に目が行くことが多かったのですが、怪我をしている期間に頭が整理できた。自分がすでに持っている武器を磨いた方が、自分らしく戦えるのではないかと気づいたんです」
自分らしさを出すため、
よりアグレッシブにプレーするようになった内山選手。
この変化により、サービスゲームの取得率も以前より上昇。
そして怪我から復帰した直後の5月。
チュニジアで行われた下部大会で優勝を果たし、
結果にも繋がり始めました。
現在世界ランキングでは200位台。
ですが、内山選手は見据える目標を
「世界のトップ100に戻ること」と語ります。
そのためにはコロナ禍の前のように、
チャレンジャー大会で優勝することが
1つ目の階段となります。
「優勝という結果を出すと、ランキングポイント的にも大きいですし、自信の面にも良い影響がある。またステップアップできるきっかけに、なると思っています」
チュニジアで優勝した後は、
アメリカで行われたチャレンジャー大会で
ベスト8入りを果たすなど調子を上げている内山選手。
数々の困難が重なり、
モチベーションを失っておかしくない状況下でも
物事をプラスに考え、前に進み続ける。
そんな内山選手の心の在り方は、
今後のキャリアをより加速させていくことでしょう。
