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【Talk Session】内山靖崇×積水化学グループ従業員
座談会「挑戦の息吹」前編

「具体的なイメージを持って取り組めば、現実の自分を超えられる」

March 3, 2022

「具体的なイメージを持って取り組めば、現実の自分を超えられる」内山靖崇×積水化学グループ従業員 座談会「挑戦の息吹」前編

テニス日本代表の一員であり、世界最高峰の4大大会にも挑戦し続けるプロテニスプレーヤーの内山靖崇選手。そして、彼と同世代であり、今後の積水化学グループを担う存在となる、1990年前後生まれの若手社員。今までの確かな実績と、これから作り上げていく未来のはざまで悩み考える世代が集合。「挑戦」をテーマにした座談会を開催しました。

成功と失敗を繰り返し、成長していく若手の挑戦に大事なことは何なのか。スポーツとビジネス、フィールドの違う二つの視点から見た、それぞれの『チャレンジ』に耳を傾けます。

【Profile】

  • 内山靖崇(うちやま やすたか)
    プロテニスプレーヤー。2020年4月から積水化学工業所属。1992年8月5日。北海道札幌市出身。テニスを7歳で始め、19歳でプロへ。世界ランク最高位はシングルス78位。デビスカップ日本代表。2021年には自身の名を冠した国内大会『Uchiyama Cup』を開催。
  • 和久井 大介(わくい だいすけ)
    東京セキスイハイム(株)埼玉営業本部 埼玉支店。2011年入社。新築住宅営業。打ち合わせのセッション前などに、最大限できるだけの準備をしっかりするのがモットー。バスケットボール、水泳などスポーツ全般が好き。
  • 桑田 健嗣(くわた けんじ)
    積水化学工業(株)環境・ライフラインカンパニー 西日本支店 建築営業部。建築資材(樹脂管材)営業。ホテルやマンションなど建設時に使用される建築資材(管材)について、従来配管(鉄・鋼管)から弊社品(高性能樹脂管)への切替を提案。
  • 玉川 智一(たまがわ ともかず)
    積水化学工業(株)高機能プラスチックスカンパニー 滋賀水口工場。電子部品固定材料の開発・技術サービス。主にスマートフォンやスマートウォッチに使われる接着材の開発と量産化などを担当し、生産を安定させるべく環境整備に注力。テニス経験者。
「具体的なイメージを持って取り組めば、現実の自分を超えられる」内山靖崇×積水化学グループ従業員 座談会「挑戦の息吹」前編

色々な人に助けられながら毎日生きているんだと実感した

――今回はお集まりいただき、ありがとうございます。内山選手を迎えた座談会、最初のテーマです。これまでの仕事の中で、自分が思う一番大きな挑戦とはどんなことでしょうか

内山:普段から海外に行ったり、毎日が新しい挑戦なので限定するのは難しいですが、テニス人生で言えば、中学1年生でアメリカフロリダ州にあるアカデミーに留学したのが一番大きな決断でした。

錦織圭選手も所属していたアカデミーですね。英語も自己紹介しかできないレベルで、よく行けたなと思います。何が不安かよくわかっていなかったからこそ、決断できたことかもしれないですね。

和久井:私が携わっている住宅の販売業だと、半期ごとに優秀な成績を収めた営業担当者を称える全国表彰の機会があります。そこに参加する意識で、毎日営業するのが、個人的には挑戦です。住宅展示場で働いているため、全体では6名ほどの営業がいます。

店舗のメンバーは受注・成果が出るまで、走り続けることが重要。店長としてチームワークを問われる部分も多いので、良いチームで臨まなければ成果も出づらいなと、感じているところです。

「具体的なイメージを持って取り組めば、現実の自分を超えられる」内山靖崇×積水化学グループ従業員 座談会「挑戦の息吹」前編

桑田:私はつい最近、大きな挑戦を経験しました。社会人7年目で、若手でも中堅でもない立場になり、“言われた営業をやる”から“自分で考える営業”に切り替えたんです。つながりの深い他部門や先輩方に話を持ち込み、「研鑽会」というものを開いたり、自分自身のステージを上げるために、率先してチャレンジしているところです。

年齢を重ねると、「こんなのがあったらいいのに」と思うことが結構ある。若手の時にもっとこう指導して欲しかったなど、後輩ができて考え方が変わったのもきっかけとしては、大きいと思っています。

玉川:私は新製品の開発をしていますので、内山選手と同じで毎日が挑戦の連続です。あえて今までで1番というと、2年前に自分の開発した製品が採用になり、それを2週間で指定量納品して欲しいと言われた時ですね。出荷の体制を整えるところから段取りして、なんとかお客さんの元に製品を納めるまで駆け抜けたあの経験は、一番の大きな挑戦でした。

本当に、色々な人に助けられながら毎日生きているんだ、仕事は回っているんだなと実感しました。よくプロ野球選手などが、「家族やファンに感謝します」と言う気持ちがわかりました(笑)。

「具体的なイメージを持って取り組めば、現実の自分を超えられる」内山靖崇×積水化学グループ従業員 座談会「挑戦の息吹」前編
(写真右 玉川)打合せ

肯定であれ否定であれ、前向きな声かけが非常に大事

――続いてのテーマです。上司・指導者からどういった言葉をもらったら行動につながりますか。

内山:僕も結構、試合の前に緊張するのですが、寝られない時もあって、すごく疲れが残ることもあるんです。その中でコーチに、「自分がいいプレーをしても、相手がもっと良かったら勝てない時もあるから仕方ない。自分がベストのプレーをすることだけしっかり意識して、その後の結果を受け入れればいいんだ」と話してもらった時、気持ちがフッと楽になったのを覚えています。

すごく緊張している時、試合前コーチに言われて良い意味で開き直れた、その日のベストを尽くそうと思えた言葉です。

「具体的なイメージを持って取り組めば、現実の自分を超えられる」内山靖崇×積水化学グループ従業員 座談会「挑戦の息吹」前編

玉川:「失敗してもええから全力でやっておいで」って言われるのが一番やりやすかったし、“動かなあかん”ってなりますね。逆に、自分が人に仕事をお願いする時も、動いてもらう限り、まず相手をリスペクトする。工場全体がどう動いているか、どういう組織なのかも理解した上で、お願いしなければダメだなと思っています。

私のお願いしたいことが間違っていて、道を逸れているのだったら、絶対に受け入れられないし、信頼の失墜に繋がるので、依頼する時には全体の把握を大事にしています。

桑田:肯定であれ否定であれ、前向きな声かけが非常に大事だと思いますね。頭ごなしに否定されると、選手でも部下でも、やる気は出ない。もし否定するにしても、まず受け止めることが大切。意図を汲み取ってから「こうだと思うよ」と話したり、こういう行動がいいんじゃないかと方向を示すような言葉掛けをいただいた時に、やる気やモチベーション、行動に繋がると考えています。

それも普段のコミュニケーションあってのこと。関係性がない人に急に何か言われてもそれは入ってこない。普段からの声かけや、上司自身の背中も見られていると思うので、率先垂範で自分自身がやるなど意識するのが大切だと思います。

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(桑田)建築現場での施工実演

もっと強くなりたいと自分を震い立たせていた

――従業員の方々から、内山選手への質問はありますか?

桑田:すごく聞きたいのですが、内山選手が目標を定めるうえで、大きな大会を目指すのがモチベーションになるのか、それとも一戦ずつ戦って勝つモチベーションの方が大きいのか。どちらの方が大きいのでしょう?

内山:両方になりますね。例えば、ウィンブルドンで戦っている自分をイメージして、そのために今日はどんなトレーニングをして、どんな練習をするのか。それを自分の中でイメージしています。

例えばウィンブルドンで本選からプレーできるのは、世界ランキング100位ぐらいが目安。じゃあ100位に入るため、自分はどういう選手になるべきか。なおかつ、100位を目指したら多分110~120位ぐらいになるので、もっと先にゴールをセットして70~80位に入るつもりで日々過ごす。朝起きた段階から「俺はもう70位だ」との気持ちで1日をスタートして、毎日トレーニングするのが、結果的に現実の自分を超えることに繋がると思って活動しています。

「具体的なイメージを持って取り組めば、現実の自分を超えられる」内山靖崇×積水化学グループ従業員 座談会「挑戦の息吹」前編

和久井:プロスポーツ選手と話すのは、初めてで緊張しているのですが、いつからテニス1本で生きていこうと決めましたか? 今、私も息子が小学生で色々なスポーツをやっていて、もし内山さんがお父さんだったらどんな教育されるか、すごく興味があります。

内山:僕自身は中学1年でアメリカに渡った時点で、日本の同級生と同じように高校受験して大学行って就職する路線は、自分にはもうないなと思ったんです。

「テニスをやるしかない」と必然的に退路を絶った状況で、後に引けなくなったのもありますね。みんなが経験するような中学・高校の学校生活は送っていないし、修学旅行も行ってないので、逆に自分が親だったら、ちょっと止めるかもしれません(笑)。

和久井:アメリカのアカデミーの練習は厳しかったと思いますが、タイムスケジュールはどんな感じだったんですか?

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(和久井)事務所でのデスクワーク

内山:練習時間は、留学前の北海道だと1日1~2時間でしたが、アメリカのアカデミーでは寮の前がテニスコートだったので、夜8時ぐらいまでびっしりテニスでした。

【留学中のスケジュール】
6:00~ 7:00 ランニング
7:00~10:00 テニスコートで練習開始
10:00~11:00 トレーニング
12:30~15:30 学校
16:00~18:30 テニスコートで練習
18:30~19:00 夕食
19:00~20:00 ジムで素振り

本当に毎日クタクタでしたね。月曜日から始まって大体土曜日午前中までテニス漬けですが、オフの日は本当にずっと寝て回復していました。でも、小さな頃から試合に勝てるとすごく嬉しかったので、それでエネルギーをもらい、もっと強くなりたいと自分を震い立たせていました。もう1回やれといわれたら、やりたくないですけど…。

玉川:テニスが嫌になったり、やめたくなったりしたことはないですか?

内山:結構あります(笑)。やはり試合に勝てない時が続くと、テニスコートに行くのが億劫な時はあります。その意味で辞めたいと思ったりしますが、結局は少しですね。

例えば、テニスを週末に数日間完全に休んだら、またテニスを練習したい、前向きな気持ちになる。わざと数日間リセットするやり方もあったりはするので、本気で辞めたいと思ったことはないですね。ただ、そういった気持ちの切り替えの仕方は、必要だと思います。

≪後編に続く≫

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