サステナビリティ貢献製品

制度

基本的な考え方

積水化学グループは、サステナビリティ貢献製品を、「サステナブルな社会の実現と当社グループの持続的な成長の“両立”」を最もよく表すものと位置付けています。
サステナビリティ貢献製品の創出と拡大を通じて、SDGsをはじめとする社会課題解決に貢献し、企業としての成長を目指します。
現中期経営計画では、“持続的成長”と“仕込み充実”により、長期ビジョンの実現性を示す方針を掲げています。この方針のもと、製品のポートフォリオ変革に向けて「サステナビリティ貢献製品」制度を活用していきます。特にサステナビリティ貢献製品の中でも、社会課題解決への貢献度が高く、利益創出力も高い製品を「プレミアム枠」として設定し、プレミアム枠の戦略的伸長を図る施策を強化していきます。また、サステナビリティ貢献製品を創出する源となる技術プラットフォームの強化と融合、人材育成は継続していきます。加えて、長期ビジョンの実現への羅針盤となる“戦略領域マップ”を策定しました。設定した強化領域の拡大と革新領域の進出に充当するサステナビリティ貢献製品の創出、市場拡大を推進していきます。現中期経営計画では、サステナビリティ貢献製品売上高1兆円超を2025年度目標に掲げています。現有事業からの延長で重点拡大する「強化領域」、および融合などにより新たなイノベーションを創出する「革新領域」の重点事業・製品に経営資源を積極的に投入します。それによって、事業を通じた社会課題解決への貢献を拡大し、当社グループの成長を牽引する新規製品の創出を一層加速させます。

社内戦略に応じた製品評価制度の進化

当社グループは自然環境および社会課題を速やかに解決するため、2006年度より製品の評価制度を運用しています。社内委員で協議して定めた判定基準をもとに、課題解決への貢献度が高い製品を「環境貢献製品」として認定、登録しています。
2010年度からは、基準および考え方やその結果の妥当性に関して、社外アドバイザーよりご意見、アドバイスをいただいています。それを活かして、基準の高さや透明性を担保しています。

2006年度:「環境貢献製品」制度をスタート
自然環境における課題の解決に寄与する製品の創出と拡大を推進するため、社内基準をもとに課題解決への貢献度が高い製品を認定登録する製品制度を始動。

2017年度:自然環境に加え、社会環境における課題の解決に寄与する製品に対象を拡大
さらなる課題解決型の製品の創出と普及を促進。SDGs(持続可能な開発目標)と目指すところは同じであることを再確認。

2020年度:「サステナビリティ貢献製品」として進化
「プレミアム枠」および「持続性評価」を導入。「持続性評価」は2022年度に評価完了。

2023年度:環境課題に対するネガティブチェック導入
登録時に、複数の環境課題に対してネガティブなインパクトを及ぼしていないか、あるいは及ぼさないためにどのような策を検討しているかを確認。

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積水化学グループにおける製品制度の進化

当社グループは、「Vision 2030」で目指す“サステナブルな社会の実現と企業としての持続的な成長”を加速(Drive)するため、社会課題解決貢献力の向上を図っています。具体的には、2020年度から以下の取り組みを行っています。

「プレミアム枠」を設定
収益力向上のために、社会課題解決に対する貢献度の高い製品で事業を拡大する、というビジネスポートフォリオを一致させ、戦略的に貢献製品を拡大する

「持続性評価」を実施
持続経営力向上のために、製品および企業のサステナビリティの向上に必要な項目を関連部署に確認して評価する

「プレミアム枠」は、拡大することを中期目標でコミットしています。
社会課題解決と収益性を両立する戦略を立て、課題解決への貢献を加速することが目的です。

社会課題解決への貢献度が高い製品をつくりつづけ、さらに貢献を拡大していくためには、企業および製品そのもののサステナビリティが不可欠です。そのため、2020年度からは、従来の認定プロセスに加えて、企業および製品のサステナビリティを評価する視点を設けました。
サプライチェーンにわたり、収益性、プロセス評価、ガバナンス(内部統制)などの取り組みについて評価し、当社グループや製品の持続性や潜在的なリスクを確認しました。
また、2023年度より「環境課題に対するネガティブチェック」を導入し、サステナビリティ貢献製品へ登録するさいに、複数の環境課題に対してネガティブなインパクトを及ぼしていないか、あるいは及ぼさないためにどのような取り組みを検討しているかを確認しています。

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製品に関する情報の収集・提供

当社グループは製品に関して、原料調達や利用上の安全性、廃棄方法などの情報を適切に把握するための取り組みを行っています。また、把握した情報は社会やお客様へ提供しています。

原料調達における情報収集

当社グループは、原料調達における情報収集のため、以下の取り組みを行っています。

①原料の品質および安全性について
原料サプライヤーと購買仕様についての契約を交わし、仕様の遵守を確認するために必要な品質管理項目およびその評価結果を入手しています。

②原料のサステナビリティについて
原料製造にかかわる人権、環境、社会的な配慮については、原料サプライヤーアンケートを通じて問題がないことを確認しています。

特にリスクが高いと判断される原料サプライヤーに対しては、デューデリジェンスを実施します。その結果を元に改善に向けた施策を提案し、協働で改善を進めます。

製品のインパクト評価

製品が環境や社会に与えるインパクトについて、以下の観点から評価しています。

①ネガティブなインパクトについて
製品のライフサイクルでの環境的、社会的インパクトについて企画開発段階から、製品設計上必要な要素を確認する関門を設けて、販売開始までのステップを進めるDR(デザインレビューシステム)を実施しています。確認が必要な重要な要素として環境的、社会インパクトを位置づけているため、製品環境影響評価書を運用し、ネガティブなインパクトの早期認識とその低減の対策を検討して、製品化を実施しています。

②ポジティブなインパクトについて
①で記載したとおり、DRシステムにおける製品環境影響評価書の運用を通じて、製品の販売開始前にポジティブな環境的、社会的インパクトの把握を行っています。
特に、ポジティブなインパクトについては、サステナビリティ貢献製品制度の基準以上のレベルになるよう、製品化までに磨き上げを行っています。

製品の販売開始後は、製品ごとに環境的、社会的インパクトがサステナビリティ貢献製品の基準をクリアしているか評価しています。クリアしていれば、申請、登録を行います。
また、登録されているサステナビリティ貢献製品のうち、売上高の約6割以上の製品に「LIME2」の考え方を活用しています。LCA評価を実施し、定量的に環境的、社会的インパクトを評価しています。

当社グループでは、販売しているすべての製品について、DRを通じて製品環境影響評価を実施し、ライフサイクルにわたっての環境的、社会的インパクトを確認しています。
インパクト評価の結果については、製品ごとの公開は実施していませんが、全製品のネガティブなインパクトとポジティブなインパクトの比率を把握し、「SEKISUI環境サステナブルインデックス」の算出に反映させることで、情報を開示しています。

製品の利用上の安全性に関する情報の提供

製品の利用上の安全性を担保するため、SDS(安全データシート)を作成し、販売時にお客様へ提示しています。

製品の廃棄に関する環境的、社会的インパクトの低減

製品の廃棄段階における環境的、社会的インパクトを低減するため、資源循環方針を策定しています。方針に基づき、長期ゴールである「サーキュラーエコノミーの実現」をめざして廃棄物の再資源化を進めています。
廃棄物の処理については、処理業者とマニフェストを交わしています。さらに、最終処分の方法と再生物を確認し、より質の高い再資源化へと転換できるよう検討を進めています。

推進体制と運営

推進体制

サステナビリティ貢献製品は、自然環境および社会環境の課題解決に対する貢献度が高い製品です。積水化学グループの社内委員が一定の社内基準をもとに貢献度の高さを判断し、認定登録を行っています。
「Vision 2030」では、経営や社会に重要なインパクトを及ぼすマテリアリティを通じて生み出した成果をサステナビリティ貢献製品と位置づけています。そして、その創出と市場拡大による社会課題解決と企業の成長を目指しています。
当社グループは、サステナビリティ貢献製品の創出と市場拡大の目標※1をKPIに設定し、その達成に向けて取り組んでいます。

  • 環境長期ビジョン「SEKISUI環境サステナブルビジョン2050」からバックキャストしたマイルストーン。
    環境長期ビジョンでは、長期目線で解決に取り組んでいく必要がある自然環境および社会環境課題解決のゴールを設定しています。そのため、前環境中期計画「SEKISUI 環境サステナブルプランAccerelate II」(2020-2022年)や現環境中期計画「SEKISUI環境サステナブルプランEXTEND」(2023-2025年)においても管理目標に設定しています。
    そして環境経営推進体制(詳細は「環境経営推進体制」を参照)のもと、継続して進捗を管理しています。

社外アドバイザーとの対話

2010年度より、社外アドバイザリーボードを開催しています。社外アドバイザリーボードは、サステナビリティを担当する組織の担当役員が主催し、社内外の委員によって構成されている会議です。サステナビリティ貢献製品の基準や登録、今後の視点などに関して、社外有識者の方々から意見やアドバイスをいただいています。
社内役員は、サステナビリティ貢献製品の認定審査会※の委員です。具体的には、各カンパニーから技術面を統括している組織の執行役員や、事業全体を把握して経営企画業務を担う組織の責任者などです。
社外委員は、産官学さまざまなバックグラウンドを持ち、環境を含むサステナビリティ関連業務に従事されている有識者5名にお願いしています。
2023年度には社外アドバイザリーボードを10月に2回、2月に1回開催しました。会議の場で、新規登録製品の自然環境や社会環境に対する貢献の意義や表現方法、今後のご期待についてご意見、アドバイスをいただきました。

⽒ 名 所属・役職 専⾨分野 期待する役割
澁澤 寿⼀ (特⾮)共存の森ネットワーク理事⻑
  • 農学博⼠としてのビジネスでのご経験
  • NPO法⼈理事⻑として、⽇本や各国の環境NPOと森づくり、地域づくり、⼈づくりの活動を実践
「三⽅よし」の精神に基づく、社会課題解決ビジネスに対するご意⾒、アドバイス
ネイチャー・ポジティブ視点でのご意⾒
壁⾕ 武久 (⼀社)サステナブル経営推進機構 専務理事
  • 経済産業省での官の⽴場でのご経験
  • LCA評価、地⽅創⽣⽀援など環境価値を通じた社会変⾰の活動を推進
ライフサイクル視点でのご意見、環境価値に対する規制やグローバル動向に基づいたご意見、アドバイス
⼤⽯ 美奈⼦ (公社)⽇本消費⽣活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会
日本消費生活アドバイザー
  • 消費者や消費者の要求についての知⾒やご経験
  • 消費者と企業、⾏政をつなぐ活動を推進
製品を使う⽴場からの要望や期待、懸念点などを踏まえたご意⾒、アドバイス
斎藤 正⼀ ⽇経BP社ESG経営フォーラム
事務局⻑
  • メディアでのご経験
  • サステナビリティ全領域に対するグローバルな動向把握と発信
ESG経営におけるリスクやチャンスに対する今後の動向や包括的な視点でのご意⾒
吉⾼ まり
  • 一般社団法人バーチュデザイン 代表理事
  • 三菱UFJリサーチ&コンサルティング(株)調査・開発本部 ソーシャルインパクト・パートナーシップ事業部フェロー(サステナビリティ)
  • ⾦融機関におけるESG投資についてのご経験
  • SDGs、グリーンビジネス、気候変動ファイナンスの第⼀⼈者
⾦融の⽴場から⾒た企業価値やESG経営、グリーンビジネスにおけるリスクやチャンスに対するご意⾒、アドバイス
  • 認定審査会

ESG 経営推進部の責任者が委員長となり、コーポレートおよびカンパニーの技術、事業の責任者をメンバーとしてサステナビリティ貢献製品の認定に関して審議を行う会議。年2回定期開催し、申請案件数に応じて回数は検討している。

登録基準以外の環境課題に対するネガティブチェック

社会からの要請や事業状況を鑑みた事業戦略に即して、製品のポートフォリオを変革するように、サステナビリティ貢献製品制度の運用や基準の強化、見直しを行っています。
2023年度からは、製品登録のさいに、すべての環境課題に対するネガティブチェックを実施しています。
これは、EUタクソノミーやCOP15などの社会要請を踏まえた対応です。いずれの環境課題に対してもネガティブなインパクトを与えることがなく、さらにはポジティブなインパクトをもたらすこと、つまり環境課題解決策の質の向上をねらいとしています。さらにもう一つのねらいは、ネガティブチェックを通じて、事業関係者の課題認識を促すことです。

社会課題解決に対する貢献度の「見える化」

2019年度までは、自然資本へのリターン量を明確にするため、環境貢献製品ごとに社会課題解決への貢献度の「見える化」に取り組んできました。製品ライフサイクルにおけるさまざまな貢献に関して環境影響評価を行い、その大きさをひとつの指標(被害算定金額)に換算し、数値化を行ってきました。個々の製品による環境貢献度とその市場に対する影響の大きさ(売上高)を掛け合わせ、統合化した結果を「製品による貢献」として数値化し、「SEKISUI 環境サステナブルインデックス」に反映してきました。

また、2016年度までは、環境貢献製品の製品ごとの環境に対するインパクト(負荷)を計算するにあたって、「生物多様性が保全された地球」を目指して解決すべき課題を大きく3つの環境側面に集約して統合化を実施していましたが、2017年度以降は環境貢献製品の対象の領域を拡大したことにより、貢献領域も人間健康・社会資産を加えた4つの側面の統合化へと拡大しました。
2020年度からは、サステナビリティ貢献製品の製品ライフサイクルにおける自然環境および社会環境課題解決への貢献に関して、環境影響評価を機軸とする評価を行っています。この評価により自然資本および社会資本への貢献度を計算し、「SEKISUI環境サステナブルインデックス」に反映しています。特に製品が与える社会的価値に関しては、インパクト加重会計をもとにした評価による検討も開始しました。

2023年度からは、LCAデータベースIDEAの更新版を活用して「SEKISUI環境サステナブルインデックス」を算出しています。
IDEAver3.1を搭載したLCA計算システム“MiLCAver3.1”は、生物多様性に対する影響についてさらに明らかになった知見を反映しています。これを活用し新たにベンチマークとすることで、生物多様性へのインパクトの正確な把握を目指します。これにより、ネガティブなインパクトを減らし、ポジティブなインパクトを増加するような活動を推進していきます。

環境課題ごとの連絡会・勉強会の活性化

当社グループ内には、26の技術プラットフォームがあります。これらを融合させることにより、環境課題を含む社会課題解決を加速できると考え、技術プラットフォームの融合を推奨しています。
現在、カーボンニュートラルやサーキュラーエコノミーのような長期ゴールを目指すために必要な技術や開発、市場変革を見据えて、課題ごとにスタートアップの探索や新規技術、先行事例の勉強会を行っています。さらに、組織を横断した取り組みが必要な事項について議論する場を開発や経営戦略の組織を中心に展開し、有望なテーマについてはタスクフォース化して活動を推進しています。
また、創出したサステナビリティ貢献製品を事業化するための素養を身につける社内起業家育成プログラムも始動しています。

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研究開発推進体制

ESG投資の活用

現中期経営計画では、サステナビリティ貢献製品の創出・市場拡大に向けた企画、提案を後押しするため、ESG投資枠の中で「サステナビリティ貢献製品拡大支援策Ⅱ」の運用を開始しました。現中期経営計画において強化したいテーマは、環境4課題(気候変動、資源循環、水リスク、生物多様性)です。これらに関連したテーマ、ビジョン実現に向けて進出させたい“革新領域”に該当するテーマについて、発掘を強化するために支援策Ⅱでは、運用要件を見直しました。また、イノベーションを加速させるため、前支援策から継続して、社内の融合と社外とのオープンイノベーションを要件に入れています。
支援策Ⅱの仕組みは、テーマを企画する推進者が申請を行い、審議会にて投資の可否を判断するというものです。審議会では、社会課題解決の重要性や、サステナブルな企業価値向上に貢献していることを確認します。さらに、社内での融合もしくは社外とのオープンイノベーションが、テーマを迅速に進めるためにどのように役立ったのかといった点や、融合の結果、どのように企業価値を拡大できるのかについて、議論します。

製品を通じた課題解決のPR

当社グループは、製品や事業を通じてLIFEの基盤を支え“未来につづく安心”の価値を社会に届けることで社会課題の解決を図っています。2023年度は、以下の場で次世代の製品となるイノベーション事例を紹介しました。

【製品による気候変動の緩和の訴求】
COP28ジャパン・パビリオン経済産業省イベント“Taking action together with ASEAN”にて、フィルム型ペロブスカイト太陽電池を紹介・展示

製品の環境価値の訴求

当社グループは社会やお客様からの要請を受けて、またはそれに先駆けて、気候変動課題の緩和に資する低炭素、脱炭素製品の価値を訴求しています。
お客様に低炭素、脱炭素製品の価値を伝えるために、炭素のライフサイクルアセスメント(C-LCA)による製品のカーボンフットプリントを算出しています。
目的や製品に応じて、バウンダリを設定して算出を行っています。原料については、現段階では、公開されている平均的なGHG排出量の係数を有するデータベース(IDEA)を活用して算出しています。原料メーカーでの取り組みやサプライチェーンとの連携が進むことで、おのおのの企業努力による低炭素価値も活用できるようになると考えています。
原料の使用量や、生産時における使用エネルギーなどは、生産工場における実測データを活用して算出しています。
低炭素価値とそれを示すためのLCA評価は、今後ますます重要性が高まってくると考えています。それらの算出方法やその意義を理解するために、LCA活用推進フォーラムや、LCAフォーラム、LCA学会などにも積極的に参加し、手法や解決方法ごとの取り扱いについての知見をブラッシュアップしています。また、従業員向けに社外講習の受講を推奨しているほか、社内でもLCA研修を実施しています。

2023年度は、脱炭素社会に向けて変革を促すための自社および業界としての活動として、以下を実施しました。

1. CFP(カーボンフットプリント)を活用し、製品の低炭素価値を訴求する販売活動
樹脂製のインフラ製品を多く取り扱う環境・ライフラインカンパニーでは、樹脂管などを中心に、算出した価値をお客様に説明する資料を整備し、営業担当者を対象にした研修も実施しています。研修を受けた500名以上の従業員が低炭素の価値を訴求する販売活動を2021年度から継続して行っています。

2. 製品のCFP(カーボンフットプリント)算出の信頼性向上のための活動
製品のCFPの信頼性を高める活動として、PCR(プロダクト・カテゴリー・ルール)の策定や、CFP認証の積極的な取得にも尽力しています。現時点で当社グループの製品では、“エスロン耐火プラAD継手HG”“自動車の合わせガラス用中間膜(欧州工場生産)”などがCFP宣言製品に登録されています。

3. 業界としてのLCAの認知活動および低炭素価値訴求活動
日本LCA学会が主催する「エコバランス国際会議2024」の実行委員として参画し、グローバルでのLCA算定ルールや、事例の共有化などに向けて企画づくりを進めています。

4. 資源循環の環境価値算出方法を検討する研究会に参加
LCA日本フォーラムが主催する「プラスチックのリサイクルを考える」研究会(委員長 東京大学 中谷准教授)に参加し、資源循環に関するグローバルでの算定ルールなどの勉強会を行いました。資源循環価値の可視化を行うための活動の素地となっています。

5. 未来戦略LCA 連携研究機構に参加
2022年度から東京大学の醍醐教授が主導する“未来戦略LCA連携研究機構”に参画。現在の評価にとどまらない、将来の布石となる先制的LCAの検討をスタートしています。
先制的LCAとは、開発段階の先端科学技術について、環境・経済・社会への効用を定量評価し、社会実装を提示するための評価方法です。エビデンスに基づいた社会実装の戦略を提示することで、SDGsの達成にも貢献します。

低炭素価値の高まりは、業界によって異なるとの認識しています。価値の高まりが緩やかな事業分野においては先手を打つことで、ビジネスにおける差別化となり、リスクをチャンスに転換できます。今後もサプライチェーンと連携しながら、低炭素、脱炭素製品への要求に対応していきます。そのために、原料の選択や生産プロセスにおける改革、使用エネルギーの転換、資源循環に資する検討を進めます。これにより、低炭素、脱炭素製品の拡大を目指します。

指標・目標

中長期目標:サステナビリティ貢献製品の売上高

売上高

現中期目標(2023〜2025)
10,000億円超

2030年目標
課題解決型製品・サービスの売上⾼拡⼤

2050年目標
環境・社会のサステナビリティを⾼める製品とサービスにより、企業の持続的な成長を牽引

パフォーマンス・データ
  • (注1)
    2020年度以降は、製品制度を進化させてサステナビリティ貢献製品と改称。
  • (注2)
    2022年10月実施の環境・ライフラインカンパニーと高機能プラスチックスカンパニーの一部事業の管轄変更にともない、2022年度の両カンパニーのデータは2022年度期初から管轄変更したものとして集計しています。
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サステナビリティ貢献製品の売上高推移

(単位:億円)
  2019 2020 2021 2022 2023
住宅カンパニー 3,740 3,529 3,938 4,486 4,343
環境・ライフラインカンパニー 1,015 932 1,013 1,521 1,628
高機能プラスチックスカンパニー 1,100 1,219 1,869 2,185 2,602
メディカル+その他※1 727 722 904 896 929
全社合計 6,583 6,403 7,724 9,089 9,502
  • その他は、フィルム型リチウムイオン電池および4事業部門(住宅、環境・ライフライン、高機能プラスチックスの3カンパニーとメディカル事業)に含まれない製品の製造、販売およびサービス
指標 算定方法
サステナビリティ貢献製品
売上高
  • サステナビリティ貢献製品売上高=サステナビリティ貢献製品に社内認定された製品の積水化学グループ連結売上高
  • 国内外グループ事業全体を対象
サステナビリティ貢献製品
売上高比率
  • サステナビリティ貢献製品売上高比率=サステナビリティ貢献製品売上高/連結売上高
  • 国内外グループ事業全体を対象

サステナビリティ貢献製品の登録件数

2019年度 2020年度 2021年度 2022年度 2023年度 2024年3月末時点
登録件数
5件 12件 28件 18件 11件 206件