ダイバーシティの実現

戦略

基本的な考え方

2015年に「ダイバーシティマネジメント方針」を制定し、ダイバーシティの推進に取り組んでいます。この方針に基づき、「多様性」を性別、年齢、人種などの外見からわかる違いでとらえるだけでなく、経歴、価値観、性格などを含めた違いにも着目しています。そして、従業員一人ひとりの違いを理解し、認め、強みとして活かしていきます。
また、すべての従業員が能力を最大限に発揮でき、自己実現ができる会社であり続けるため、積水化学グループでは多様な人材を獲得し、定着・活躍できる環境を整えることに注力しています。その土台として「働き方改革」と「健康経営」を掲げています。働き方改革では「働き方改革宣言」、健康経営では「健康宣言」を宣誓しています。

重要人事施策

1.多様な人材の活躍推進
  • 多様な人材の雇用と定着促進
  • ダイバーシティ推進と両立支援
2.個と職場の活力を高める環境の実現
  • 安心して働ける環境の整備
  • 健康で働きやすい環境の確保
指標・目標

中期経営計画に基づいた新たな人的資本戦略のもと、2項目の方針、12項目のKPI(うち重点KPI:3項目)で構成される、14の指針を定めました。そのうち、「ダイバーシティの実現」の達成に向けて、「多様な人材の活躍推進」「個と職場の活力を高める環境の実現」の2点を推進し、下記の項目を設定して評価しています。

指標

重点KPI:定着率

全従業員の定着率
開示方法:1-(当該年度の離職者÷4月時点の在籍者)×100

主要KPI:女性基幹職比率

全基幹職における女性基幹職(課長職・部長職以上。執行役員・取締役を除く)の比率

主要KPI:女性採用比率

新卒採用、キャリア採用、それぞれの女性採用比率

主要KPI:男女賃金格差

「全労働者」「正規雇用労働者」「非正規雇用労働者」における男女の賃金格差
開示方法:女性の平均年間賃金÷男性の平均年間賃金×100

主要KPI:男性育休取得率

当該年度に育児休職を1日以上取得した男性従業員の割合
開示方法:該当期間に育児休職を取得した男性従業員÷当該年度に配偶者が出産した男性従業員

  • 積水化学では子が3歳まで

主要KPI:障がい者雇用率

全従業員における障がいのある従業員の比率
開示方法:(身体障がい者、知的障がい者、精神障がい者である常用労働者の数÷常用労働者数)×100

主要KPI:総実労働時間

年間の総実労働時間の実績値
開示方法:所定内労働時間+所定外労働時間-有給休暇取得時間

主要KPI:メンタルヘルス不調による長期休業率

当該年度においてメンタルヘルス不調を理由に1カ月を超える休職をした従業員の比率

  • メンタルヘルス不調により連続1カ月以上休業した従業員数÷積水化学グループ国内事業所の健康管理の対象者数

目標

  • 定着率(単体)

    前年度維持・向上

  • 女性基幹職比率(単体)

    5%(2025年度)

  • 女性採用比率(単体)

    新卒採用女性比率35%(2025年度)

  • 男女賃金格差(単体)

    前年度維持・向上

  • 男性育休取得率(単体)

    75%(2025年度)

  • 障がい者雇用率(単体)

    2.5%(法定雇用率以上)

  • 総実労働時間(単体)

    2000時間以下(2025年度)

  • メンタルヘルス不調による長期休業率(グループ)

    1.0%以下(2025年度)

主な取り組み

多様な人材の活躍推進

ダイバーシティの基本的な考え方

積水化学グループ「ダイバーシティマネジメント方針」(P.297参照)に基づき、「多様性」を性別、年齢、人種などの外見からわかる違いでとらえるだけでなく、経歴、価値観、性格などを含めた違いにも着目しています。従業員一人ひとりの違いを理解し、 認め、強みとして活かしていきます。ダイバーシティを促進し、一人ひとりが持ち味を発揮し、活き活きと活躍できる風土をつくります。そして、多様な人材を活躍させるため、一人ひとりに適切な環境を作り、インクルージョンしていくことで、挑戦する風土を醸成していきます。

1. 多様な人材の雇用と定着促進

多様な人材の雇用を目指し、持続経営力強化に向けた長期視点での採用規模による新卒採用を進めています。また、事業環境の変化に合致するように、キャリア採用の拡大にも注力しています。
定着促進については、女性・障がい者・シニア等の多様な人材が定着できるように、フレックス勤務や在宅勤務制度など働き方の多様性に対応した制度の整備や、介護・育児・病気などのさまざまなライフイベントと仕事の両立支援を推進しています。

パフォーマンス・データ

役員の構成人数・女性比率(積水化学)(2023年度)

  取締役 監査役 役員計 執行役員
社内取締役 社外取締役 社内監査役 社外監査役
女性(人) 0 3 0 0 3 2
男性(人) 7 2 2 3 14 28
女性比率(%) 60.0 17.6 6.7

女性役員数と女性基幹職数(積水化学グループ[役員は単体除く])

  2019年度 2020年度 2021年度 2022年度 2023年度
女性役員数(人) 2 2 2 3 4
女性基幹職数(人) 185 188 195 206 240
  • 精度向上のため過去にさかのぼり一部数値を見直しています

人員構成(積水化学)

  2019年度 2020年度 2021年度 2022年度 2023年度
従業員※1 男性(人) 3,327 3,308 3,250 3,226 3,270
女性(人) 629 652 652 661 705
女性比率(%) 15.9 16.5 16.7 17.0 17.7
正社員※2 男性(人) 3,073 3,060 3,023 3,032 3,119
女性(人) 570 601 607 627 668
女性比率(%) 15.6 16.4 16.7 17.1 17.6
平均勤続年数※2 男性(年) 17.2 17.2 17.6 17.9 17.1
女性(年) 12.6 12.4 12.9 13.1 12.2
基幹職(課長職) 男性(人) 678 672 700 790 801
女性(人) 41 44 45 47 57
女性比率(%) 5.7 6.1 6.0 5.6 6.6
基幹職(部長職以上) 男性(人) 642 649 635 558 577
女性(人) 15 16 15 17 14
女性比率(%) 2.3 2.4 2.3 3.0 2.4
全基幹職 男性(人) 1,320 1,321 1,335 1,348 1,378
女性(人) 56 60 60 64 71
女性比率(%) 4.1 4.3 4.3 4.5 4.9
新任基幹職 男性(人) 68 58 54 70 53
女性(人) 14 6 3 6 5
女性比率(%) 17.1 9.4 5.3 7.9 8.6
係長級※3 男性(人) 810 796 795 827 880
女性(人) 84 96 113 127 145
女性比率(%) 9.4 10.8 12.4 13.3 14.1
  • 直接雇用関係のある労働者(正社員および非正規社員を含む、当社から社外への出向者を含む、社外から当社への出向者は除く)
  • 雇用期間に定めのない従業員(当社から社外への出向者を含む、社外から当社への出向者は除く)
  • ビジネスキャリアコース上級資格の従業員

人員構成(積水化学グループ[単体除く])

  2018年度 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度
従業員 男性(人) 16,362 16,360 16,062 15,857 15,822
女性(人) 5,048 5,149 5,100 5,069 5,195
女性比率(%) 23.6 23.9 24.1 24.2 24.7
新卒採用 男性(人) 572 427 483 405 448
女性(人) 251 176 209 150 183
女性比率(%) 30.5 29.2 30.2 27 29.0
基幹職(課長職) 男性(人) 2,926 2,924 2,847 2,865 3,031
女性(人) 130 158 160 168 178
女性比率(%) 4.3 5.1 5.3 5.5 5.5
基幹職(部長職以上) 男性(人) 1,588 1,595 1,570 1,533 1,400
女性(人) 26 24 28 27 28
女性比率(%) 1.4 1.5 1.8 1.7 2.0
全基幹職 男性(人) 4,514 4,519 4,417 4,398 4,431
女性(人) 156 182 188 195 206
女性比率(%) 3.3 3.9 4.1 4.2 4.4
経営幹部
(グローバルリーダー)
男性(人) 204 206 193 183 115
女性(人) 5 4 3 3 1
女性比率(%) 2.4 1.9 1.5 1.6 0.9
新任基幹職 男性(人) 211 241 205 187 191
女性(人) 20 38 12 17 22
女性比率(%) 8.7 13.6 5.5 8.3 10.3
  • 2023年7月に実施した調査結果をもとに上記表を作成
  • 2023年度のデータは2024年7月現在、集計中

正社員年齢構成(積水化学)(2023年度)

  30歳未満 30-39歳 40-49歳 50-59歳 60歳以上
男性(人) 396 654 695 1,173 201
女性(人) 161 192 127 167 21
女性比率(%) 28.9 22.7 15.5 12.5 9.5
  • 雇用期間に定めのない従業員(当社から社外への出向者を含む、社外から当社への出向者を除く)

採用(積水化学)

  2019年度 2020年度 2021年度 2022年度 2023年度
新卒採用 男性(人) 96 83 63 64 83
女性(人) 35 43 18 25 38
女性比率(%) 26.7 34.1 22.2 28.1 31.4
キャリア採用 男性(人) 29 21 19 50 75
女性(人) 4 2 3 9 15
女性比率(%) 12.1 8.7 13.6 15.3 16.7
キャリア採用比率(%) 20.1 15.4 21.4 39.9 42.4
  • ※ 新卒採用:
    社会人未経験で学校(大学・大学院等)卒業後に初めて入社した社員
  • ※ キャリア採用(経験者採用)比率:
    全採用者に占めるキャリア採用者の比率
  • 精度向上のため過去にさかのぼり一部数値を見直しています
  • Out_S09

新卒採用人数と新卒女性採用比率(積水化学グループ)

    • 一部の持分法適用会社を含む

グループ共通研修実績(積水化学グループ)

研修名 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度 2023年度
新入社員導入研修受講者数(人) 243 101 150 152 158
  • コロナ禍により緊急オンライン実施となったため、グループ会社からの受講者を含まない

定着率(積水化学)

  2019年度 2020年度 2021年度 2022年度 2023年度
離職者(人) 男性 63 48 74 85 76
女性 10 26 20 25 19
合計 73 74 94 110 95
定着率(%) 男性 98.0 98.4 97.6 97.2 97.6
女性 98.3 95.7 96.8 96.1 97.2
合計 98.0 98.0 97.5 97.0 97.5

入社3年後定着率(積水化学)

  2017年度入社 2018年度入社 2019年度入社 2020年度入社 2021年度入社
入社3年後の定着率(%) 90.6 88.6 93.1 89.6 89.0

2.ダイバーシティ推進と両立支援

2-1.ジェンダーダイバーシティの推進

積水化学グループの女性活躍推進は、「女性採用の強化」「定着と活躍」「基幹職創出」「基幹職登用後の育成」の4段階に分けて、取り組みを進めています。
女性採用比率は、中期経営計画最終年度である2025年度の目標値を35%と定めています。2023年度実績は単体31.4%(前年度比+3.3ポイント)でした。採用活動の目標達成に向け、採用ウェブサイトを刷新し、新たにダイバーシティの取り組みを紹介するページを設けました。
基幹職登用に向けた育成支援として2014年から女性キャリアディベロップメントプログラム(CDP)研修を実施しています。この研修の目的は女性社員が基幹職登用に向けた意欲の醸成と高い視座を獲得し基幹職登用にふさわしい能力を身に着けることで、対象社員の上司にも研修を実施しています。上司は部下の強みや改善点を分析し、能力改善につながる業務をストレッチテーマとして付与し、対象女性が業務テーマとして取り組みます。これまでに410名が受講し、116名が基幹職に昇格しています。基幹職登用後の育成として、女性役員比率30%を目標と定めています。
また当社グループ一体での女性の活躍を後押しする取り組みとして、全従業員を対象に毎年さまざまなテーマで女性キャリアセミナーを開催しています。2023年度は国際女性デーに合わせ、「女性のキャリアと新たな選択肢(ノンメディカルな卵子凍結)」セミナーを開催しました。専門の講師2名を招き、最新情報を学ぶことで自身のキャリアデザインだけでなく、さまざまなテーマへの理解を促しています。

パフォーマンス・データ

女性対象の研修実績(積水化学グループ)

    2019年度 2020年度 2021年度 2022年度 2023年度
女性CDP研修受講者数(選抜) 女性本人(人) 39 52 58 49 48
上司(人) 24 46 55 46 46
女性キャリアセミナー
受講者数(公募)
若手層(人) 55 36
育児中(人) 73 34
全階層(人) 67 37

男女賃金格差(積水化学)(2023年度)

正社員(%) 正社員以外(%) 全体(%)
70.9 110.0 71.7
  • 当社から社外への出向者を含む
  • 人事制度上の賃金格差はなく、労務構成(年齢および資格)比による

2-2.障がい者の活躍推進

障がい者の活躍推進については、採用、定着の2つの面から取り組みを進めています。
採用では、障がい特性を考慮し、職場見学・体験実習・採用実習と複数のステップを通じて、業務や職場との適性を考慮し配属を決定しています。2023年はあらたに就農モデル(農園)を開始し、農園で栽培した野菜は事業場の食堂に提供しています。
定着では、積水化学グループ各社人事担当者を対象とした情報交換会を行っています。障がい特性や採用でのポイントなどを共有し、グループ全体での障がい者雇用促進と定着支援に取り組んでいます。

パフォーマンス・データ

障がい者雇用率(積水化学)

  2019年度 2020年度 2021年度 2022年度 2023年度
障がい者雇用率(%) 2.9 2.7 2.5 2.3 2.4
  • 精度向上のため過去にさかのぼり一部数値を見直しています

2-3.シニアの活躍推進

積水化学グループでは、一人ひとりが主役として輝き、年齢を問わず挑戦を続けて活躍することを推進すべく、定年延長を選択した社員を対象に研修を実施しています。

パフォーマンス・データ

シニア対象研修実績

研修名 2021年度 2022年度 2023年度
定年延長選択後キャリア研修(基幹職)(人) 51 35 55
定年延長選択後キャリア研修(専任担当職)(人) 27 34 11
定年延長選択後キャリア研修(グループ会社)(人) 50 127
【必須】定年延長選択前キャリア研修(57歳)(人) 94 69
【任意】定年延長選択前キャリア研修(50~56歳)(人) 60 41

2-4.グローバル人材の活躍

世界各地域の現地経営幹部や従業員を対象にビジョンキャラバンを行い、長期ビジョンの理解と従業員の挑戦促進に向けた対話を継続しています。また、従業員がそれぞれの職場で持ち味を発揮できるよう、エリアに根差した人材育成を展開しています。国内では、外国籍従業員の採用、定着支援、育成も実施しています。

パフォーマンス・データ

従業員数内訳(積水化学グループ)(2023年度)

従業員数(人) 26,929
地域別内訳(人)  
日本 19,856
北米・中南米 2,282
欧州 1,053
アジア・大洋州 3,738

2-5.両立支援

  • Out_S10

労使共催で子育て応援パンフレットを作成

育児と仕事の両立支援

積水化学では、出産、子育てなどのライフイベントに対応した働き方を支援するため、制度整備と制度が取りやすい環境づくりに取り組んでいます。
制度については、育児休職は3歳誕生日月末まで、育児短時間勤務は中学校入学前日まで利用することができます。育児休職中の経済的支援制度もあり、安心して育児に専念できる環境を整備しています。
また、制度がとりやすい風土づくりとして、人事部長によるメッセージの発信や基幹職を対象としたe-ラーニングを行っています。
男性の育児休職取得促進に関する取り組みについては、子が生まれた男性社員に対し、上司と男性社員本人への制度案内送付や、労働組合と協同で先輩パパママによる交流会の開催、社内報での育児休職取得者インタビューの掲載などを実施しています。

育児関連制度の利用(積水化学)

  2019年度 2020年度 2021年度 2022年度 2023年度
育児休職取得率(%)※1 女性 100 95.8 100 100 97.1
男性 39.0 34.6 47.3 68.1 69.8
育児休職平均取得日数(日)※2 女性 259.2 270.3 293.8 358.0 371.7
男性 24.7 43.3 38.8 29.1 47.3
育児休職復職率(%) 女性 100 95.5 91.7 100 96.0
男性 100 100 100 100 100
  • 育児休職取得率:産後休業中は除く
  • 育児休職平均取得日数:2022年度以降は、該当年度に育児休職取得可能期間が終了した従業員の育児休職平均取得日数

・介護と仕事の両立支援

  • Out_S11

2019年より、介護と仕事の両立がしやすい組織風土づくりとして、全従業員対象のセミナーを定期的に開催しています。2023年度は「ビジネスケアラー」をテーマにセミナーを開催し、198名が参加しました。テーマを通し、備えの必要性や課題感、一緒に働く仲間への理解を深めています。
また介護に直面したときやその備えとして、介護の基本情報や公的支援・社内支援についてまとめた「介護ロードの歩き方」冊子を全従業員が閲覧できるよう公開しています。

・病気(治療)と仕事の両立支援

さまざまな疾病を抱えながらも働き続けられるよう、制度の拡充とともに理解促進に向けた啓発を進めています。
2023年度は「がん治療と仕事の両立」をテーマにセミナーを開催し、187名が参加しました。自身もがんサバイバーである講師の講演から、疾病や治療内容、職場での支援の在り方などについて学びました。

両立支援制度の利用実績(積水化学)

(人)
制度名 主な内容   2019年度 2020年度 2021年度 2022年度 2023年度
育児
短時間勤務
子が中学校入学の前日まで取得可能(法定は3歳まで) 女性 55 67 64 70 78
男性 2 1 0 0 2
合計 57 68 64 70 80
就業
時間の変更
子が中学校入学の時期に達するまで最大60分始業時間、終業時間の繰り上げ、繰り下げが可能 女性 10 6 4 0 3
男性 7 4 3 1 1
合計 17 10 7 1
ファミリー
休暇
子または孫が高校入学まで年間3日間の特別有給休暇を付与 女性 62 51 54 68 77
男性 193 126 156 152 174
合計 255 177 210 220 251
介護休職 対象者1人につき通算93日まで取得可能(1人目の対象者は最大1年間取得可能) 女性 1 0 1 1 1
男性 4 1 2 1 2
合計 5 1 3 2 3
介護
短時間勤務
対象者1人につき最大3年間、1週あたり2日または1日あたり4.5時間まで取得可能 女性 0 0 0 2 2
男性 4 1 1 1 0
合計 4 1 1 3 2
積立年休
(子育て事由)
満18歳までの子が対象、時間単位で取得 女性 57 39 37 52 52
男性 28 21 13 32 43
合計 85 60 50 84 95
積立年休
(私傷病事由)
日単位(連続した10営業日以上)・時間単位で取得 女性 6 9 33 46 40
男性 37 25 66 58 71
合計 43 34 99 104 111
積立年休
(介護事由)
配偶者、父母、子などが対象、日単位、時間帯で取得 女性 17 10 13 20 17
男性 15 6 5 10 28
合計 32 16 18 30 45
積立年休
(看護事由)
配偶者、父母、子などが対象、日単位・時間単位で取得 女性 31 14 25 38 45
男性 30 14 21 37 58
合計 61 28 46 75 103
積立年休
(不妊治療
事由)
日単位・時間単位で取得 女性 2 1 1 4 5
男性 0 0 1 0 2
合計 2 1 2 4 7
積立年休
(ボランティア
事由)
日単位・時間単位で取得 女性 3 1 0 0 3
男性 5 1 0 1 6
合計 8 2 0 1 9
  • 積立年休は、失効する年次有給休暇のうち、年間40日を限度として積立することができ、目的に応じて日、時間単位で取得可能
  • 精度向上のため過去にさかのぼり一部数値を見直しています
  • 年次有給休暇の取得状況は、こちらを参照

個と職場の活力を高める環境の実現

1.安心して働ける環境の整備

積水化学では、労働時間削減の取り組みに加え、仕事の生産性向上に取り組んでいます。限られた時間で成果を最大化する生産性の高い働き方を追求するためには、従業員が自律的に働くこと、合わせて上司による自律支援型マネジメントが重要です。この考えを浸透させるため「働き方改革ガイドライン」「働き方改革e-ラーニング」を従業員に展開しています。また2023年度も引続き「自律支援型上司研修」を実施しました。
柔軟な働き方の実現に向けては、グループ全体で在宅勤務やフレックス勤務などの制度拡充を進めており、出社とリモートワークの共存が定着してきました。
これからも会社と労働組合が密接なコミュニケーションを持ち、労使の共通課題について建設的な協議を重ね、労使委員会を通じて柔軟な働き方などに関する制度改定を進めていきます。

  • トップと語ろう2023

「トップと語ろう」は経営層と従業員との対話の場で、毎回さまざまなテーマで実施しています。
2023年度は「社外から見た活力あふれるいい会社とは」をテーマに開催しました。ダイバーシティ推進委員会委員長を含む、女性社外取締役3名をパネリストに招き、約200名の従業員が参加しました。社外取締役には当社の強みとポテンシャルについて意見をもらったり、従業員から寄せられた課題感に対し、経験談や経営トップの視点で回答を得るなど、率直な意見交換を行いました。従業員だけでなく、経営層も積水化学グループの未来について考える機会となりました。

パフォーマンス・データ

自立支援型上司研修実績(積水化学グループ)

研修名 2022年度 2023年度
自律支援型上司研修(人) 202 74

労働時間、有給休暇取得実績(積水化学)

  2019年度 2020年度 2021年度 2022年度 2023年度
一人あたりの月平均時間外就業時間(時間) 18.0 15.6 18.2 19.0 18.7
一人あたりの年平均総実労働時間(時間) 1,914 1,903 1,925 1,932 1,919
平均有給休暇取得率(%) 71.4 58.2 64.9 66.6 74.7
一人あたり平均有給休暇取得日数(日) 13.6 11.2 12.5 12.8 14.1
  • 基幹職、出向者を除く
  • 時間外就業時間は、所定労働時間7.5時間を基準として、1人あたりの月平均時間を算出
  • 有給休暇取得率=有休取得日数計÷有休付与日数計×100
労働組合加入者数

積水化学には労働組合として「積水化学労働組合」があります。ユニオンシップ制をとっており、組合員資格を有する従業員は100%が当組合に加入しています。(2023年度は2,390人)。

2.健康で働きやすい環境の確保

健康経営の推進

「従業員は社会からお預かりした貴重な財産である」という考えのもとに、従業員の心身の健康推進に取り組んでいます。2019年3月に当社グループが目指す健康経営※1の理念やあり方をまとめた「健康宣言」ならびに健康経営基本方針を制定しています。また健康経営戦略マップ※2を活用し、健康経営を推し進めています。

  • Out_S12

「健康経営」で解決したい経営課題

健やかな心身で生産性向上に貢献
少子高齢化への対応
エンゲージスコア向上への貢献
Well-Being文化の創造と醸成

取り組み1.健康診断と生活習慣病対策

セキスイ健康保険組合(以下、健保)とのコラボヘルスの充実を図り、グループ全社で統一した健康診断の実施、健康管理システムの導入、50人未満の事業場に対応できるセキスイ・ヘルス・ネットワーク(SHN)の構築等により、小規模事業場も含めた健康増進に取り組んでいます。

健康診断と生活習慣病対策

  2018年度 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度
健康診断受診率(%) 99.6 98.2 98.6 98.9 99.5
二次検査受診率(%) 78.0 67.1 69.7 67.7 70.0

またハイリスク値を定めて、ハイリスク値に該当する従業員に適切な健康管理が実施されていることを確認しています(2022年度実施率100%。2023年度実施率については2024年8月にWeb公開予定)。これによりハイリスク者率(%)が徐々に減ってきています(2020年度1.15、2021年度0.97、2022年度0.92)。

7つの健康習慣応援プログラム

健康支援アプリを利用した7つの健康習慣応援プログラムでは、イベントを4回開催しました。ウォーキングイベントに参加した92.7%の人がイベントを楽しめたと回答、睡眠イベントでは、参加前と参加後で睡眠の質が良くなった人が19.5%増え、勤務日のプレゼンティーズムも64.4から69.7と5.3ポイント上昇しました。また、7つの健康習慣認知率も2022年度の75.3%から83.4%に上昇しました。

取り組み2. メンタルヘルス

メンタルヘルス対策として以下の取り組みを行っています。

  • 1.
    ストレスチェックの活用

    当社グループでは、50人未満の事業場を含むグループ全社でストレスチェックを実施しています。2019年度から集団分析を必須化し、グループ全社の集団分析は100%、事業場における詳細な集団分析は93.7%(昨年度91.6%)実施しています。またストレスチェックに基づく職場環境改善の実施率は63.0%(昨年度55.0%)となりました。

  • 2.
    層別メンタルヘルス研修

    積水化学グループ全従業員向けのセルフケア、基幹職向けラインケア研修を毎年実施しています。2023年度は若手のメンタルヘルス対策として積水化学グループ全新入社員向けの研修を開始しました。

メンタルヘルス研修への参加状況

研修名 2020年度 2021年度 2022年度 2023年度
全従業員セルフケア研修受講率(%) 76.9 74.8 83.5 84.7
基幹職:ラインケア研修受講率(%) 91 90.8 57.9
新入社員向け研修受講率(%) 94.5
  • 2023年度はライン長のみ必須受講
  • 3.
    安心して気軽に相談できる相談センターの充実

    積水化学グループでは、当社グループで働く従業員であれば雇用形態にかかわらず誰でも利用できる相談センターを設置し、セーフティネットとしての機能を強化しています。

取り組み3. 安心して働ける職場と制度

積水化学グループでは、化学物質や作業姿勢、騒音など職場に存在するさまざまな健康障害要因に対して、労働安全衛生マネジメントシステムの活用などを通じてグループ全体で改善活動を推進しています。また、健康な従業員だけでなく、病気を抱える従業員が配慮された環境の中で安心して働くことができるよう、各種社内制度の充実に努めています。
2023年度は女性の健康課題解決に向けて、基幹職を対象とした女性の健康に関する研修を実施し、全基幹職の76.7%が受講しました。また女性従業員向けのセミナーは「災害時における女性の健康」をテーマに実施し、受講率67.7%、理解できたと回答した人の割合が99.4%でした。

取り組み4. グループ一体での取り組み

健康経営推進をグループ一体で取り組むために、健康経営優良法人大規模法人部門のグループ適用を進めています。事前アセスメントにより、健康増進活動に取り組んでいるグループ会社をグループ適用対象としています。2019年度からはグループ適用会社の情報交換会を開始し、各社ごとに健康経営目標を作成、達成度を共有する仕組みのもと、グループ一体での活動を推し進めています。また、全事業場(約300事業場)に健康管理責任者と担当者を配置して、確実に健康経営が推進されるよう体制を整備しています。健保と毎月開催しているヘルスアップワーキンググループには労働組合の代表者も参加し、情報共有および施策の協議を行っています。

取り組み5. 働きがいと生産性の向上

生産性指標の確立を目指し、主な指標7項目を含め、計29項目のKPIを定めて各健康施策を展開しています。

社外からの評価

積水化学は全社的な視野で従業員の健康に関する課題解決に取り組んでいることが認められ、グループ会社32社とともに8年連続で「健康経営優良法人2023大規模法人部門(ホワイト500)」に認定されました。

  • Out_S13
パフォーマンス・データ

メンタルヘルス不調による長期休業率(積水化学グループ)(%)

2019年度 2020年度 2021年度 2022年度 2023年度
0.77 0.98 1.02 1.13 1.14

ストレスチェック受検率(積水化学グループ)(%)

2019年度 2020年度 2021年度 2022年度 2023年度
92.5 93.9 95.2 95.5 96.4
  • ストレスチェック実施対象会社:セキスイ健康保険組合に加盟している会社(一部関係会社除く)

主要7項目(メンタルヘルス不調による長期休業者は上記参照)(積水化学グループ)

  2020年度 2021年度 2022年度 2023年度
7つの健康習慣4つ以上実施率(%) 59.0 54.0 63.9 63.5
職場環境改善実施率(%) 64.3 65.5 55.0 63.0
プレゼンティーズム(%)※1 65.5 64.7 57.6 57.6
アブセンティーズム(日)※2 1.27 1.31 2.29 3.05
理想的健康状態にいる人(%)※3 33.1 31.9
ワークエンゲージメント(%)※4 3.05 3.01
  • ※1 プレゼンティーズム:
    勤務はしているものの、健康上の問題によって完全な業務上パフォーマンスが出せない状態。2019年度は東大版1問式、2020年度以降はWHO-HPQで調査
  • ※2 アブセンティーズム:
    傷病による欠勤。2022年度より実数計算
  • ※3 理想的健康状態にいる人:
    OECD「良い暮らし指標(BLI: Better Life Index)」の調査項目を参考に質問項目を作成し、普段の心と身体の主観的な健康状態が「とても良い、良い」と回答した人の割合。
  • ※4 ワークエンゲージメント:
    ワークエンゲージメント測定において最も広く活用されているユトレヒト・ワーク・エンゲイジメント尺度の9項目版を使用し、9項目を合算した平均値。

健康指標

  2019年度 2020年度 2021年度 2022年度 2023年度
喫煙率(%) 31.5 29.8 28.9 28.2 27.7
適正体重者率(%)※1 65.3 64.8 65.1 64.9 64.6
有所見者率(%)※2 54.1 60.6 59.8 58.7 59.0
生活習慣病者率(%)※3 46.8 50.0 49.7 48.9 48.5
ハイリスク者率(%)※4 1.10 1.16 0.97 0.92 1.09
ハイリスク者管理状況の確認実施率(%)※5 98.0 100 100 集計中※6
高ストレス者率(%)※7 15.7 14.5 16.4 17.2 16.5
  • ※1 適正体重者率:
    BMI18.5以上かつ25.0未満である者の割合
  • ※2 有所見者率:
    定期健康診断において、積水化学グループ基準5項目(血圧・糖代謝・脂質・肝機能・貧血)のうち1項目以上該当した者の割合
  • ※3 生活習慣病者率:
    定期健康診断において、積水化学グループ基準4項目(BMI・血圧・糖代謝・脂質)のうち1項目以上該当した者の割合
  • ※4 ハイリスク者率:
    定期健康診断において、積水化学グループ基準のハイリスク値に該当した者の割合
  • ※5 ハイリスク者管理状況の確認実施率:
    定期健康診断において、積水化学グループ基準のハイリスク値に該当した者への適切な健康管理実施状況の確認
  • ※6 集計中:
    2024年9月現在集計中
  • ※7 高ストレス者率:
    ストレスチェック実施対象会社(一部関係会社除く)を対象に算出

健康施策参加状況:女性の健康課題

  2020年度 2021年度 2022年度 2023年度
全従業員向け女性の健康セミナー受講率(%) 66.0 74.4 67.1
管理職向け女性の健康セミナー受講率(%) 91.7 76.9
女性従業員向け女性の健康セミナー受講率(%)※1 65.0 67.7
女性従業員向け女性の健康セミナー理解度(%) 98.7 99.4
  • ※1 女性従業員向け女性の健康セミナー受講率:
    2021年度は積水化学グループ(関連会社等含む)における参加者を延べ人数で算出

健康施策参加状況:7つの健康習慣

  2019年度 2020年度 2021年度 2022年度 2023年度
7つの健康習慣認知率(%) 44.4 60.1 69.7 75.9 83.4
七冠王アプリ参加率(%)※1 12.5 16.9 17.3
  • ※1 七冠王アプリ参加率:
    健康支援アプリを活用した7つの健康習慣(平均余命に関連するとされている習慣)応援プログラムに参加している者の割合