研究開発・知的財産

研究開発・知的財産

積水化学グループにとって、価値創造の根幹は、際立つ技術にあると考えています。中でも、グループビジョンに掲げた2つの事業領域である「住 ・社会のインフラ創造」と「ケミカルソリューション」に強みを持つ技術プラットフォームがその土台となっています。この技術的な際立ちを持続させるために、研究開発やモノづくり、さらには知的財産の分野において人員、組織の両面で継続した強化を進めています。

研究開発

研究開発に対する考え方

積水化学グループの長期ビジョン「Vision 2030」では、「Innovation for the Earth」をビジョンステートメントとして掲げ、レジデンシャル(住まい)、アドバンストライフライン(社会インフラ)、イノベーティブモビリティ(エレクトロニクス/移動体)、ライフサイエンス(健康・医療)の4つのドメインおよびネクストフロンティアにおいて、際立つコア技術を起点にイノベーションを起こし続けることで新領域を創出し、LIFEの基盤を支え“未来につづく安心”の創造を目指していきます。


積水化学グループのイノベーションの源泉 ~28の技術プラットフォーム~

積水化学グループの価値創造の土台となるのは、グループビジョンに掲げた2つの事業領域である「住・社会のインフラ創造」「ケミカルソリューション」に関連する6つの基幹技術と、より具体的なソリューションに近い28の技術プラットフォームです。
これらの技術一つ一つを磨き上げると同時に、複数のプラットフォームを組み合わせ、新市場・新領域を開拓する下記のような際立つ製品・サービスを開発しています。

積水化学グループの基幹技術と25の技術プラットフォーム

研究開発体制

住宅カンパニー、環境・ライフラインカンパニー、高機能プラスチックスカンパニーの3カンパニーおよびコーポレートに4つの主要研究開発拠点を、また積水メディカル株式会社など主要関係会社にも独自の研究所または研究開発部門を設けています。
カンパニーの研究開発では既存事業の強化およびフロンティアの開拓に直結し、近未来の収益につながる製品開発、生産技術テーマを手掛けています。一方、コーポレートでは独立した研究組織として、技術的なハードルが極めて高く中長期的な時間軸で取り組むべきテーマ、カンパニーをまたぐ業際の橋渡しとなるような大型テーマ、これまで取り組んだことのない新しい事業領域のテーマなどの研究を行っています。

研究開発体制

新領域開拓に向けた
全社融合テーマの創出・構築強化

“融合”を経営戦略上のキーワードとし、社内外の技術・機会・リソースの融合による新たな価値創出を図っています。
社内外での融合を促進し、社会課題解決と当社グループの成長に資するイノベーションの創出をさらに推進していきます。

「融合」による開発テーマ例

  • ・まちづくりプロジェクト
  • ・タウンエネルギーマネジメント
  • ・熱可塑CFRP
  • ・屋外用フィルム型太陽電池
  • ・サーキュラーエコノミーの取り組み
  • ・航空機、移動体
  • ・細胞培養ソリューション
  • ・AI/IoT領域等

モノづくり

モノづくり革新に挑む現場力

新製品開発につながる研究開発だけでなく、既存製品の競争力強化にもつながるモノづくり力の強化にも取り組んでいます。
中期経営計画「Drive2022」では、モノづくり力に関連する方針として「現場力とデジタルの融合により働くすべての人が安心して貢献に邁進できる”現場”の実現」を掲げ、重大インシデント発生ゼロ、生産性2倍を目指しています。中期計画では、内部統制、生産技術、そしてICTの3つの取り組みをしています。
内部統制では、品質検査工程のデジタル化による品質改ざん抑止力強化と、予兆型リスク管理の仕組み構築・展開を推進しています。生産技術では、工程の自動化、デジタルによる形式知化、そして現場ICT/IoTを推進する人材の育成をしています。ICTでは、データ基盤の統一によるグローバル標準モデル構築、工場間のデータ連携基盤構築を推進しています。

モノづくり革新に挑む現場力

モノづくり革新に挑む現場力①

モノづくり革新に挑む現場力②

知的財産

知的財産戦略の目的と基本方針

研究開発活動の成果としての「知的財産」は、企業価値の最大化に向けて、積水化学グループの成長・収益を支える重要な経営資源となります。そこで当社グループでは、技術の「際立ち」を最大限に活かすため、知的財産戦略を重視しています。
「知的財産規則」では、知的財産管理の目的を「自他の知的財産を尊重し、知的財産に対する取り組み、その取り扱いおよび手続きなどを明確にすることにより、知的財産の創造、保護、活用を奨励し、事業の成長と企業価値の向上に寄与すること」と定め、「強い特許の獲得による事業競争力の確保」を基本方針としています。

知的財産の保護と尊重

自社の知的財産の保護

自社事業を支える戦略的な知的財産の確保、取得した知的財産の維持管理に努めています。

他者の知的財産の尊重

他者の知的財産を侵害しないよう適宜調査を行うとともに、他者の知的財産侵害に対する回避・予防策などの適切な措置をとっています。

また、このような活動を開発者一人ひとりが確実に実施するために、基礎知識の習得から戦略構築まで、開発者のレベルに合わせた複数の教育プログラムを用意し、全社で知的財産に対する教育活動を実施しています。

発明に対する正当な評価

職務発明に対する各種報奨金の支給に加え、研究者・技術者への評価・処遇の一環として「発明大賞」制度を設けており、利益貢献の特に大きな職務発明に対しては、その発明者の功績に報いる報奨金を支給しています。2019年度は、遮熱中間膜に関する特許で1級認定がなされました。

知的財産戦略の推進体制と主な取り組み

知的財産の確保に向けて

技術の「際立ち」を最大限に活かし事業へ貢献させるべく、知財情報や市場・競合情報等の分析による競争環境分析(IPランドスケープ)を起点とした戦略立てと知的財産のポートフォリオマネジメントなど、戦略的な知的財産活動を重視しています。

推進体制

当社グループではカンパニー制に対応し、カンパニーごとの事業環境に則した迅速な活動推進ができるよう、コーポレートとカンパニー各々に独立した知的財産部門を設けています。

<各カンパニー>
知的財産部門と事業部門、研究開発部門とが常時連携し、かつ定期的に経営層と知財活動について議論する場を設けることで、競合他社に対し排他性の高い知財網を構築する活動を実施しています。

<コーポレート>
全社共通の基本的知的財産戦略の企画・立案、商標の保全、知財教育、知財管理を担っています。加えて、コーポレートR&D のミッションである新規事業創出に対し、早い段階からIPランドスケープ分析に基づいた「圧倒的に勝ち切る、勝ち続けるための戦略知財活動」を推進しています。


特許

積水化学の特許出願第1号は、創業翌年の1948年に出願された「皮膜形成ペースト製造法」(気球や風船用の強靭な膜)で、1950年に登録され特許権第1号となりました。当初、特許などの出願・管理業務は技術部が他の業務と兼任で行っていましたが、年間100件を超える出願をするようになったことから、1954年に技術部内に特許課が創設され、工業所有権業務を専任で担当することになりました。
現在、積水化学グループでは、コーポレートと各カンパニーの知的財産部門が中心となって、全社共通の基本的施策の展開から特許の取得・管理そして権利活用まで一貫した体制で知的財産戦略を推進しています。各カンパニーにおいて知的財産部門と研究開発部門が定期的に「開発知財戦略会議」を開催し、カンパニー独自の知的財産戦略は、その中で検討され、方向付けがなされています。そして同時に、コーポレートの知的財産部門は、知的財産ポートフォリオの最適化という全社的な事業戦略の見地から、各カンパニーの取り組みを支援しています。また、知的財産の取得・管理そして権利活用を適切に進めていくために、特許事務所や法律事務所など、外部の専門家との連携も積極的に図っています。特に、事業のグローバル展開の拡大を視野に入れ、国内のみならず海外の専門家との連携も積極的に進めるとともに、現地での知財活動を推進する人材として外国人知財部員を採用して育成しています。

商標・ブランド

積水化学グループは、長い歴史の中で「SEKISUI」ブランドを築き上げ、その事業活動地域は国内のみならず、海外にも拡大しており、グローバル企業としてさらなる飛躍を目指しています。
2009年にグループロゴ「SEKISUI」をグループ全体のシンボルマークとして位置付け、国内外で統一的に展開しています。各事業活動地域ごとに「SEKISUI」を商標として権利化し、ブランドの保護と価値向上のための活動も推進しています。
また、「セキスイハイムⓇ」や、「S-LEC™」 「エスロンⓇ」などのカンパニーブランドおよび事業・商品(製品)群ブランドのロゴは、事業展開・商品上市の際に体系的に使用し、積水化学グループの製品をお客様に安心して選んでいただくため、その技術・性能を表示するものとして機能しています。
今後もグループロゴを中核としたブランド戦略を通じて、積水化学グループブランドのグローバルな保護と価値向上に取り組んでいきます。

「SEKISUI」ブランド管理・保護へ
の取り組み

積水化学グループでは、従業員が「SEKISUI」ブランドを理解して正しく使い、ブランドの価値向上を図るために、「視覚標示基準(Brand Book)」を策定し、グローバル規模で運用しています。さらに、策定したルールを順守するために、従業員への“「SEKISUI」ブランド”に関する教育にも注力しています。
また、ブランドを毀損する模倣品などの商標権侵害に対しては、監視・対応を強化しています。特にアジア地域を中心に積極的な対策活動を継続しています。今後も模倣品に対しては、断固たる姿勢で対応していきます。

事例紹介