介護への取り組みすべての“これから高齢者になる人”へ、未来につづく安心を

2070年、1.3人で1人の高齢者を支える社会

世界で最も高齢化が進む日本。2022年時点での総人口に占める高齢化率(65歳以上人口の割合)は29.0%。15歳から64歳人口の2人で、1人の高齢者を支えなければなりません。また今後も高齢化は進んでいくことが予想され、2070年の高齢化率の推計は38.7%。1.3人で1人の高齢者を支える計算になります。

内閣府 令和5年版高齢社会白書をもとに当社作成
内閣府 令和5年版高齢社会白書をもとに当社作成

高齢者が増えれば、介護を必要とする人も増えます。しかし、その担い手になる介護事業では長く人手不足が課題になっており、6割を超える事業所が人材不足に悩まされています。これから高齢化が進むにつれて、介護されるべき人は増え、介護できる人は減っていくことは避けられません。

公益財団法人 介護労働安定センター 令和3年度「介護労働実態調査」をもとに当社作成
公益財団法人 介護労働安定センター 令和3年度「介護労働実態調査」をもとに当社作成

介護の現場に、持続可能性を

日本の高齢化はもう避けることのできない現実です。
その現実が訪れたとき、介護する人もされる人もどちらも犠牲にしないために、
私たちはどうすればいいのでしょうか。
限られた労働人口で高齢者を支えていくためのイノベーションが、求められています。

SEKISUI’s Innovation

介護用入浴に自由と柔軟性を

介護・自立支援設備 wells

入浴介助は安全に細心の注意を払わなくてはいけないうえに、要介護者の体重を支えなくてはならない場面も多く、介護施設のスタッフの方にとっては負担の重い仕事の1つです。設備面から少しでも入浴者の自立を助け、介助者の負担を軽減できないか。そんな考えから生まれたのが、介護・自立支援設備wellsです。

wellsは個人の身体能力の変化や特性に合わせて浴槽や手摺の位置を可変できるほか、リフトを用いて安全かつ介助者の負担少なく、入浴介助を行うことができます。さまざまな環境に適応できる幅広い製品ラインナップを用意しているため、病院・施設の共用部浴室だけでなく、個室にも利用できます。
要介護者がなるべく気兼ねなくお風呂の時間を楽しめるように、そして入浴介助者もまた笑顔でいられるように、積水化学グループの技術が使われています。

「見守り」にかかる負担を軽減する

見守りセンサー ANSIEL

介護施設では、少人数のスタッフで多くの入居者をケアしなくてはならないのが現状ですが、今でも多くの施設がスタッフ自身の手や目に頼っています。また、特に要介護度が中~高程度の入居者については、起き上がる際の転倒等さまざまなリスクが潜んでいるため、より注意深く見守る必要があり、そこに多大な労力がかかっているのは言うまでもありません。

積水化学が開発した見守りセンサーANSIEL(アンシエル)は、ベッドのマット下に置くだけで、ベッド上での動き(起き上がり動作など)や、睡眠状態、心拍呼吸などのライフログを検知できる高精度センサー。PCやスマートフォンアプリなどですべての入居者の状況を一覧で確認できるため、効率的な在床管理が可能です。
またANSIELの拡張機能NEZAMEL(ネザメル)は、「覚醒」「浅眠」「睡眠」状態を、検知・モニタリングすることができます。これらにより、限られた人員のなかでも質の高いケアを提供することができ、スタッフの負担軽減および入居者のQOL(クオリティ オブ ライフ)向上に貢献できると考えています。

高衝撃緩和型薄畳 MIGUSA CARE

介護が必要になる主要な原因のひとつが「転倒・骨折」であることをご存じでしょうか。そのうちの56%が屋内での立位からの転倒。自宅でつまずいて転んでしまった、そんな日常で頻繁に起こり得るシーンが、それ以降の人生を大きく左右しかねないのです。

MIGUSA CAREはそんな日常に潜む転倒によるリスクを、暮らしに溶け込みながら軽減してくれる高機能畳です。フローリングのような歩きやすさを保ちながら、転倒時の衝撃を緩和してくれます。1本1本伝統製法で織られた畳は美しいだけでなく、汚れに強く、使いやすさにも配慮されています。必要な場所に、必要な広さだけ設置できるためさまざまな住環境で使うことができます。
生活者の皆さんの健康寿命を少しでも長く、そして自由に人生を楽しめるかけがえのない時間を創出するために、積水化学グループの技術とアイデアが使われています。

介護「する人」も「される人」も、笑顔でいられる未来

誰しもが必ず年をとります。今は高齢者を支える側の人も、いずれは支えられる側になるときがやってきます。今、高齢者が笑顔でいられる環境をつくることは、未来の自分の笑顔を守ることにつながるのです。これからも積水化学グループは、介護を「する人」「される人」の未来につづく安心を、守っていきたいと考えています。