CO2排出量抑制への取り組み「地球温暖化」と「わたし」の意外な関係

豪雨、猛暑は「偶然」ではない

今、世界や日本では気候変動によるさまざまな異常気象が起きています。
度々記録的な高温となる猛暑、土砂崩れや冠水・洪水など甚大な被害をもたらす豪雨の頻発。このような異常気象を引き起こす気候変動は、「地球温暖化」と無縁ではありません。

日本の年平均気温偏差

気象庁の観測データによれば、1898年の統計開始から、日本の年平均気温偏差は100年あたりに1.28℃上昇。わずか1.28℃と感じるかもしれません。しかし、この1.28℃の気温上昇が徐々にわたしたちの身近かにさまざまな変化をもたらしているのです。豪雨や猛暑などの異常気象のほか、気候変動による生態系の変化は自然環境や農業・漁業などにも影響を与えています。

「CO2排出量削減」は世界共通の課題に

地球温暖化の要因とされるのが、CO2に代表される温室効果ガスです。2015年に国連で締結された「パリ協定」では、世界の平均気温の上昇を、産業革命前に比べて2℃、できる限り1.5℃に抑えることを目標としています。この目標を達成するために、日本は2050年までにCO2排出を全体としてゼロにする「カーボンニュートラル」を目指すことを宣言し、さまざまな取り組みを行っているのです。

非エネルギー期限CO2

環境省発表の日本におけるCO2総排出量は約11億5,000万トン(2020年度)。カーボンニュートラルを達成するためには、自然環境保護で森林などによるCO2の吸収量を増やしていくことも大事ですが、技術、経済・社会システム、ライフスタイルなどあらゆる分野でのイノベーションが必要なのです。企業活動の中でCO2排出量を減らしていくことはもちろん、わたしたち生活者一人ひとりもまた、地球温暖化に向き合う担い手です。

「地球温暖化」を防ぐために、わたしたちができること

わたしたちは、生きて生活する中で、多くのCO2を排出しています。CO2をまったく排出しないということは現実的ではありません。また、そのためにわたしたちの暮らしが極端に不便になったとしたら──、それを継続していくことは難しいでしょう。豊かでありながら、地球環境にも配慮したサステナブルな暮らし。それが、積水化学が目指す答えです。

サステナブルな暮らし、とは

日々、世界ではさまざまなものが生産され、わたしたちのもとに届き、消費されていく…食べものや日用品、そして電力などのエネルギーも。そのさまざまな過程でCO2が排出されています。サステナブルな暮らしとは、きっとこの一連の流れが、地球環境への負荷をできるだけ少なくしながら社会全体で大きな輪になってつながっていること。

家庭に運ばれてくる電力はその前にCO2を排出していなかったか。家庭から出たゴミはCO2を排出していないか。理想は、すべてのエネルギーや資源がつながって循環し、CO2排出も抑制できる社会。求められるのは、途切れてしまっていたサステナブルの輪をつなぎ直す技術です。

SEKISUI’s Innovation

地球にも、家計にもやさしい住宅

発電システムのしくみ
※停電時、蓄電池の残量がない場合は電力を使用できません。また、使用できる範囲は、蓄電池や事前の設計により異なります。同時に使用できる電力には限りがあります。

住まいの断熱性・省エネ性能を上げること、そして太陽光発電などでエネルギーを創ることで、年間の一次消費エネルギー量(空調・給湯・照明・換気)の収支をゼロ以下にすることを目指した住まいがZEH(Net Zero Energy House)です。2021年度のセキスイハイム新築戸建のZEH比率は82%。カーボンニュートラル実現のためには家庭の省エネやCO2削減が重要となる中、セキスイハイムはZEH仕様住宅の普及に注力しています。

近年、自然災害による停電や、光熱費の値上がりなど、エネルギーに関する問題も身近で起こっています。自宅で発電した電力は余剰分をが売買することができるため、光熱費の節約につながり、また、万が一の災害などによる停電にも安心です。

ゴミ資源から生まれる、新たな循環

私たちの家庭から出るゴミもまた、廃棄される過程でCO2を排出しています。自分たちの家庭から出たゴミが、新たな資源となり、エネルギーが循環していく社会。そんな新しい資源循環システムをつくるために、積水化学は新たにバイオリファイナリー(BR)事業に取り組んでいます。

収集された可燃ごみをガスにして、そのガスを微生物がエタノールに変換する。この一連のプロセスが社会に浸透していくことで、化石資源利用を減らしてCO2排出を抑制し、海洋プラスチック問題などの解決にも寄与することが期待されています。

積水化学はこの世界初のバイオリファイナリー(BR)技術を社会全体へ広げていくため、新ブランド 「UNISONTM」を立ち上げました。現在は、行政や他社との連携を進め、岩手県久慈市の実証プラントにおいて実証実験を実施、2025年の本格的な生産・事業開始を目指しています。

エネルギー資源の循環は持続可能な生命の循環へ

これまで、一方通行なエネルギー資源の利用によって成り立っていた、私たちの豊かさ。その結果、CO2排出量が増加していき、地球温暖化によって、今、地球の未来は不透明になっています。積水化学は、エネルギー資源が循環する世の中を実現することで、今を生きる私たちにも、これからを生きる子どもたちにも、安全・安心をつなげていきたいと思います。

参考:
環境省『脱炭素ポータル』
環境省『気候変動の観測・予測及び影響評価総合レポート 日本の気候変動とその影響 2012年度版』
環境省・国立環境研究所『2020年度温室効果ガス排出量(確報値)概要』