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医療現場の“いま”に応える。多彩なスタッフが連携するカスタマーサポート。

 

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⼈々の暮らしの多様な分野で積⽔化学の製品・技術がどのように活かされているのか。
その開発にはどんな想いや物語があり、
それは地球に暮らす⼈々や社会とどのようにつながっていくのか。
「SEKISUI|Connect with」は、積⽔化学とつながる未来創造メディアです。

病気の診断や治療方針の決定に欠かせない臨床検査。ここで用いる分析機器の不具合は診療遅延に直結し、重症化リスクにもつながりかねない。積水メディカルの検査事業部は臨床検査薬のパイオニアとして医療機関の幅広いニーズに応えるため、分析機器の自社製造・販売も行う。万全のバックアップ体制と豊富な知識で医療現場を止めないカスタマーサポートセンターの強みと独自の取り組みに迫る。

扱っているのは分析機器ではなく、患者さんの命です

臨床検査技師には、正確かつ迅速に検査データをドクターに届けることが求められている。検査データは、患者さんの健康状態の把握や手術の実施可否、投薬量の決定など、治療の根拠となるため、遅延は医療のタイムライン全体を狂わせる。

機器サービスグループを率いる渡邉は「現役で修理に赴いていた頃、ドクターから『まだ結果は出ないのか。患者さんを待たせているんだ』と迫られ、そのたびに自分たちが扱っている製品の重みを痛感した」と語る。その経験から、グループメンバーには『誰のために修理をするのか』を常に考えるよう伝えてきた。「いうまでもなく社内のためではなく、患者様、医療従事者の皆様のためです。急な呼び出しがあった際も、製品を通して命に関わっている者の使命を胸に刻んで修理にあたってほしい」と話している。

検査事業部 カスタマーサポートセンター 機器サービスグループ長 渡邉 勉
検査事業部 カスタマーサポートセンター 機器サービスグループ長 渡邉 勉

コールセンターグループの一明も思いは同じだ。「対峙するのは検査室の人でも、その先には患者さんがいる。特に今の検査室では、検査依頼が来てからいかに迅速にドクターに結果を届けられるかを示す指標である『TAT』(ターンアラウンドタイム)がより重視されています」。

検査事業部 カスタマーサポートセンター コールセンターグループ長 一明 秀樹
検査事業部 カスタマーサポートセンター コールセンターグループ長 一明 秀樹

近年は働き方改革の波が医療業界にも押し寄せている。それに対応することも積水メディカルの責務として重要になってきていると、機器サービスの堀内。「以前は時間外での修理でも『直ればOK』と許容されることが多かったが、今は『17時までに作業を終えてほしい』と要請がシビア。問い合わせ対応から訪問、訪問から修理完了まで、2つの時間短縮が求められています」。
検査室を止めない、医療を止めない。それがカスタマーサポートセンターの使命だ。

検査事業部 カスタマーサポートセンター 機器サービスグループ(中部) 堀内 大祐
検査事業部 カスタマーサポートセンター 機器サービスグループ(中部) 堀内 大祐

電話だけで解決。対応の要のコールセンター

分析機器の迅速な復旧と安全稼働を支えるひとつが、コールセンターを軸にした連携体制だ。検査品質を保ち、医療現場の「困った」を最小限にするため、カスタマーサポートセンターは「コールセンター」「機器サービス」「学術」「技術」「分析」の5グループで構成し、日常的に連携している。

積水メディカルは各種臨床検査薬を製造し、その試薬で用いる分析機器も自社で製造・販売をしている。「商品群は大別すると、血液凝固、生化学・免疫、あとは迅速検体検査(POCT)の3分野。血液凝固は試薬と機器の双方を扱うため、問い合わせ・修理対応の件数ともに最も割合が高くなっています」とコールセンターグループの星野は語る。

検査事業部 カスタマーサポートセンター コールセンターグループ 星野 剛
検査事業部 カスタマーサポートセンター コールセンターグループ 星野 剛

窓口の起点はコールセンターだ。機器トラブル、使用方法、データの判断などの問い合わせが入り、状況に応じて機器サービスグループが出動する。しかし、実際には機器サービスグループに繋ぐまでには至らず、約6割はコールセンターが電話だけで解決している。

星野は「トラブルの原因を明らかにするために、試薬の使い方や設置環境、機器の表示画面などを詳しく聞き取り、電話だけで解決できるように努めています」と語る。渡邉はコールセンターの重要性を次のように強調する。「機器サービスが訪問するまでずっと機械が止まっていることは、医療従事者の方にとっては大変なストレスです。最悪の場合は、救える命が救えなくなります。先頭に立つコールセンターは、極めて重要なポジション。医療機関での実務経験者や機器サービスなど、多様な専門性持つメンバーが集結したチームです」。

積水メディカルの強みは、電話が単なる取次で終わらないこと。基本的に電話を受けた担当者が最後までお客様対応をする。この「ワンストップソリューション」を徹底し、ダウンタイムの短縮を実現している。「電話に出た人がそのまま解決まで導いてくれて助かる」と高く評価されてきた。その背景には専門家による勉強会などで絶えず知識を更新する社内教育の充実がある。実際に、学術担当者と遜色ないレベルで説明ができるコールセンターのメンバーもおり、お客様からは「電話すると常に学術の人が担当してくれるので本当に助かります」と嬉しい誤解を招くことも珍しくない。コールセンターグループには「スペシャリストでありながら、ジェネラリスト」という人材が揃っている。

協力会社も含めて、ひとつのチーム。体制づくりは盤石に。

充実の社内教育だけでなく、人材のクロス配置にも積極的だ。星野はコールセンター配属前に6年間、機器サービスを担当。実機修理の経験者の説明は、電話越しでの案内とはいえ具体的でわかりやすい。これもまた高く評価されている。

コールセンターや機器サービス担当が得た情報は、担当エリアのメンバーたちにも同時共有される。これが徹底されているため、忙しいドクターや技師は何度も同じ説明をする必要がなく負担軽減につながっている。

情報をメンバー全体で共有し医療現場の負担を軽減
情報をメンバー全体で共有し医療現場の負担を軽減

土日・夜間のトラブル対応の際に、機器サービス部門と一体となって動くのは協力会社である日本NCRサービス(以下NCR)だ。同社は積水メディカルと同等レベルに達するまで研修やOJTを重ね、レベルチェックや装置に関する対応力テストも実施。NCRも含めてワンチーム。カスタマーサポートセンターには欠かせないパートナーである。

さらにカスタマーサポートセンターに「分析グループ」を設置している点も、大きなアドバンテージだ。これは患者さんの検査データに異常値が出た際に、試薬や分析方法を変えるなどしてその原因を解析する専門部隊。渡邉は「普通の検査室では対応できない、特殊な装置を必要とする検体解析技術を、カスタマーサポート体制に組み込んでいます。これにより、高度な解析力と信頼性を提供できることが、ドクターや検査室に私たちの製品を選んでいただける理由のひとつとなっています」と強調する。積水メディカルのカスタマーサポートはそれぞれの分野の経験豊富な人材が集まり、医療現場のさまざまな課題の解決に挑んでいる。

一刻も早い検査再開を。スピードが求められる現場。

ある1日の保守・修理の流れを堀内は次のように話す。「出社は9時。午後の施設訪問に備えて1時間ほど試薬や部品の準備を行います。修理の依頼が入ったので予定を早めて10時に出発、依頼先で1時間修理を担当。午後から移動して新しい測定項目のための試薬データ取りを行い、別の施設に巡回訪問といった感じです。この日は3カ所をまわって17時半に終業でした」。

その堀内は『予定より早く終えてくれてありがとう。助かりました』といった言葉をもらえることにやり甲斐を感じている。分析機器が1台しかない施設は、作業中は検査できないため特に対応スピードが重要になる。出向く前に修理の流れを計画し、効率良く修理する。この職務は、想像する以上に時間との勝負だ。

時間との勝負。効率修理で現場を支援
時間との勝負。効率修理で現場を支援

渡邉は次のように続ける。「修理の効率化の一環として、パーツサプライで遅延が生じないようNCRさんの全国の営業所にメンテナンス部品は常備してもらっています。また、万が一トラブルで修理が長引いた際には、しっかり振り返りを行うことで再発防止にも取り組んでいます」。

進化する医療において、変わるものと変わらないもの

日本政府は、人口減や高齢化、医療費増大に対応する医療構造改革の一環として、病床削減の方針を打ち出している。大病院の減少にともない医療提供体制の再構築が進むと、診療所や自宅などで簡便にできる検査、POCT分野が成長する見込みだ。その変革は、恐らく10数年後にはやってくる。

すると患者さんとの直接のやり取りが増え、自宅などが医療拠点となるため、カスタマーサポートの増員やAI活用の体制整備の必要が急務だ。コールセンターについてはすでにBIZTEL(PCを使った電話システム)を採用。オフィスと同じ電話番号を在宅ワークのスタッフも取れる仕組みで、コロナ禍での出社制限時にいち早くシステムを構築した。拠点を広げる事が可能となり、台風や地震など緊急時のBCP(事業継続計画)対策にも有効となっている。

医療がどんなに進化し、医療の提供方法が変わっても、私たちが患者さんの命に携わっていること、顧客第一主義であることは変わらない。確かな品質を通して、医療現場に安心と信頼を届けていく。今日も明日も、そして未来も。

Voice 医療現場の声

要望への対応が早く、セミナーや新規試薬に関する情報提供もあり、営業および技術担当者の接遇も良いです。
(独立行政法人 労働者健康安全機構 青森労災病院様)

コールセンターに連絡した際、すぐに学術担当者へつながる点が良いと感じています。
(社会医療法人財団 石心会 川崎幸病院様)

他社は最初に出る人は機器に詳しくないオペレーターであることがあるが、積水は分かっている人が対応してくださるため、円滑に進みます。
(公益財団法人甲南会 甲南医療センター様)

機器を普段扱わない担当外の技師でも、電話の会話だけで対応ができ、簡単、的確にご説明いただける。また、基本的に24時間電話がつながるので安心です。
(医療法人社団 日本鋼管福山病院様)

トラブル発生時には、あらかじめ原因の見当をつけて来てくださるので、復旧が早いです。
(船橋市立医療センター様)

*2024年8月~9月に実施した「CPサポートアンケート」にて、ご施設様よりお寄せいただいた声をご紹介しています。掲載にあたってはご承諾をいただいており、内容はあくまでご利用者様の感想・ご意見です。なお、感想・ご意見は施設名の五十音順で掲載しております。

積水メディカル株式会社 Confidence Inspired by Quality