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2019年度決算および経営計画説明会質疑応答(2020年04月27日開催)

2020年4月28日更新

COVID-19による業績への影響について

  • (資料P2)19年度営業利益に対するCOVID-19の影響について、1月公表の計画970億円に対する未達分はすべてCOVID-19の影響によるものと考えていいか?

    サプライチェーンの稼働停止など直接的な影響以外にも、消費マインドの冷え込みなど間接的なものも含めて、全てCOVID-19の影響だと捉えている。
    2019年度決算および経営計画説明会

  • (資料P2)20年度営業利益計画に対するCOVID-19の影響について、どのような事業環境の前提に基づいているか?

    1Qに最も影響が大きく、2Q以降徐々に回復に向かい、下期には正常化するという前提で組み立てている。それに加え、各事業・分野において顧客から得た最新の需要見通し等も加味した。

  • 月次で見ると、4月が最も影響が大きいという前提に立っているのか?仮に5、6月にさらに影響が深刻化した場合、利益へのマイナス影響がさらに膨らむことになるのか?

    2月から中国など一部工場が稼働を停止しており、その影響は20年度計画にも織り込んでいる。また、20年度計画については、例えばモビリティ分野では、四半期単位でグローバル自動車生産台数を予測し、それに基づいて事業計画を立てている。

高機能P・戦略3分野の需要見通し等について

  • エレクトロニクス分野について、足元の需要動向と今後の見通しは?

    2月に中国でサプライチェーン停止の影響を受けたが、3月から回復してきている。最終製品であるスマホの需要はやや弱いが、半導体や5G基地局、データセンター向けの需要が増えており、今後も継続すると見ている。なお、エレクトロニクス分野の下期については、一定の在庫調整の発生を見込んでいる。
    ※高機能P:高機能プラスチックスカンパニー

  • (資料P33)ヘッドアップディスプレイ向け中間膜の拡販状況は?

    19年度下期は、数量ベースで前年同期比110%を超えており、市況悪化の影響を強く受けた4Qも前年を上回る数量を確保できた。
    20年度については、上期は自動車市況を上回る数量は確保できる見通しだが、前年割れは避けられないだろう。一方、自動車市況回復を見込んでいる下期は、19年度から戦略的にシェアupのための施策を実施してきていることもあり、前年同期比130%を超える数量増を見込んでおり、通期でも前年を上回る数量を確保できる見込みである。
    2019年度決算および経営計画説明会

  • (資料P32)20年度1Qから中間膜の欧州新ラインを稼働させるとのことだが、自動車市況を見る限り、やや早いのではないか?

    主に生産するヘッドアップディスプレイ向けについては、欧州の大口顧客向けの供給を現地生産で行う意図がある。また、一部建築用途向けへの供給も行う計画である。

  • (資料P32)モビリティ分野について、20年度上期はかなり厳しい売上計画を立てているが、汎用中間膜や中間膜以外の製品の需要についてどう見ているのか?

    汎用中間膜については、数量ベースで上期は前年同期比60%程度、下期も100%には届かないと見ている。
    中間膜以外の製品については、内装部材は自動車市況と同程度の需要の落ち込み、インドで生産・販売している外装成型品についても同様に厳しい状況を想定している。

  • Aerospace社について、最大顧客であるBoeing社の業績がかなり厳しそうだが、のれんの減損リスクはないか?

    現在、ダクトなどを生産しているワシントンの工場は稼働を停止しているが、CFRP製の製品等を生産しているアイオワの工場は100%稼働している。
    Boeing社向けの需要は今後も厳しい状況が続くと見ているが、19年度の減損は無いと考えている。20年度に関しては、未だBoeing社に依存する部分が大きいが、生産性改善や、他の顧客開拓などの自助努力を強化していく考えである。

  • 塩素化塩ビ樹脂について、主な販売先の一つであるインド全土でロックダウンが実施されているが、販売に影響は出ているか?

    現時点で顧客からの受注量に大きな変化は見られない。今後、在庫調整はあると見ているが、値上活動とともに、インドではシェアupが実現できており、販売量を落とさない努力を続けていく考えである。

住宅カンパニーの各事業について

  • 19年度は、部材納入遅れによる引渡し遅延が発生したとのことだったが、現在は収束に向かっているか?

    2月以降、中国で生産されている洗浄便座、IHヒーター、食洗器、レンジフードなどの部材の納入が遅れたため、19年度は引渡し遅延が発生したが、現在は現地での生産も正常化しつつあり、1Qには遅延分も含めほぼ収束すると見ている。ただ今後も、国内を含め、サプライチェーンをしっかりと見ていく必要があると考えている。

  • 20年度からサブセグメント変更を行い、新たに「まちづくり事業」を独立させたが、「まちづくり事業」の収益は主にマンションの販売によるものか?

    マンションの販売が主な収益となるが、その他にまちづくり事業(積水化学)が売主の建売販売、不動産賃貸(あさかではカインズ等)による収益も見込んでいる。「あさかリードタウン」以降も積水化学が主体となったまちづくりプロジェクトを全国展開していこうと考えており、まちづくり事業推進部では、それらの企画や仕入れを中心に行い、販売については、各エリアの販売会社と連携して行っていくことになる。
    ※まちづくりプロジェクトとは:まちづくり事業(積水化学)が主体となって、土地の仕入れや企画を行う大型の分譲プロジェクト

  • 19年度に「あさか」関連で減損損失を計上しているが、内容は?

    「あさかリードタウン」ではなく、隣接した立地にある従業員向け社宅に関するものである。今後はまちづくり事業に移管し、一般向け賃貸住宅、あるいは高齢者向け住宅として利用していく計画である。

原料安による業績への影響について

  • (資料P3)足元でナフサ価格が下落傾向であり、当社計画前提よりかなり低い水準にあるが、高機能P、環境LLの業績にどの程度プラス効果があると見ているか?

    高機能Pについては、1Qのナフサ由来の原料購入価格はほぼ決定しているが、2Q以降はある程度のプラス効果が期待できる。今期はCOVID-19の影響により当社製品の需要も減少するため、原料の購入量も減少するが、通期でおおよそ10~15億円の営業利益プラス効果があるだろう。
    環境LLカンパニーで最も影響が大きいのは塩ビ樹脂の購入価格である。多少影響はあるが、原料vs売値のスプレッド確保に注力していきたい。
    ※環境LL:環境・ライフラインカンパニー 2019年度決算および経営計画説明会

株主還元、戦略投資に対する考え方について

  • (資料P16)今期は、減益計画のなか増配、自社株買いを実施するとのことだが、今後の株主還元に対する考え方は?

    5月に公表予定の長期ビジョン、新中期経営計画の策定プロセスで、株主還元をさらに強化しようという方針を決めていた。20年度はCOVID-19の影響で一時的に減益となるが、当社の財務体質の健全さも鑑み、株主に期待に応えるべく増配を決定した。

  • (資料P25)今期の資本的支出は前年より減る計画だが、株主還元を優先するため設備投資を抑制するということではないのか?

    M&Aも含めた戦略投資については、これまで以上に選択と集中を行い、今後の成長に必要なものについては引き続き積極的に実施していく計画である。