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2023年度第3四半期決算説明会質疑応答(2024年01月30日開催)

2024年01月31日更新

高機能プラスチックスカンパニーについて

  • エレクトロニクス分野において、3Qに需要低調の影響を受けたのは、どういった製品群か。

    (上脇)3Qは、液晶分野においてはテレビ向けの大型パネルの需要低調により、テープ類や、微粒子系の製品が影響を受けた。また半導体市況の回復遅れにより、非液晶分野における半導体の工程材も低調だった。

  • 4Qでは、MLCC向けバインダー樹脂などの回復を想定されている。その確度はどうか。

    (上脇)4Qは、半導体の市況が徐々に回復し、MLCCについても需要が回復傾向にあると見ている。バイオテープやセルファの様な製品については、市況の回復に加えて、新しい需要の取り込み、新規開拓の効果も見込んでいる。

  • モビリティ分野において、HUD向け中間膜の伸長は下期115%強の計画に対して、3Qは139%という予想を上回る実績だった。これだけの乖離が生じた理由は何か。4Qおよび下期に向けては、どう見ているか。

    (上脇)3Qは、中国におけるEV車生産が堅調であり、HUD用中間膜の採用、出荷が想定以上に進んだ。4Qは、10月の計画で115%以上の伸長としており、その水準で推移できると見ている。

  • 高機能膜全体の状況はどうか。

    (上脇)HUD向け中間膜とあわせて、主にEV向けの遮熱中間膜も堅調に推移している。高機能な製品群が全体を牽引しており、4Qも同様に推移すると見ている。

  • HUD向け中間膜の伸長にともない、シェアも上がってきているか。

    (岡野)高機能中間膜のシェアは順調に推移していると考えられるが、当社としてはより高機能な製品に集中しており、全体としてのシェアは大きくは変わっていないと見ている。

  • パナマ運河やスエズ運河の状況による物流面の影響は生じていないか。

    (上脇)現時点で顕著な影響は出ていない。今後、スエズ運河での影響による物流コストアップなど、リスクはあると見ており、注意深くオペレーションをしていこうと考えている。

  • AEROSPACE社は、10月時点では4Q単体黒字化の計画だった。状況に変化はあるか。

    (上脇)航空機の需要減の影響を受けて、黒字化は4Qでは少し厳しくなっており、来期にずれると見ている。一方で計画通りの生産レートが継続している機種があることや、またドローンや医療分野などの非航空機分野も伸びてきていることから、黒字化に向けては着実に進んでいるものと考えている。

住宅カンパニーについて

  • 受注について、3Qも状況は厳しく、4Qの計画も引き下げられている。トップラインの向上に向けた、開発面や営業施策における立て直しについて、どう考えているか。

    (上脇)地方における平屋や、都市部における三階建てなど、エリアごとの特性や購買力に合わせた、きめ細かい商品展開を強化していく。

  • 【資料P.14】収益性強化策について、生産体制の最適化が計画されていた。進捗はどうか。

    (上脇)特に、受注が減少している木質系の商品について、一部工場での集中生産を開始した。生産体制の最適化が計画通り進んでいる。

  • 平均単価の上昇についての進捗はどうか。

    (上脇)鋼材や木材の高騰は落ち着いたものの、それ以外の幅広い住宅部材で値上がりが続いている。2024年度問題に伴う物流費上昇のリスクも含めて、注視していく。

  • 【資料P.26】単価の推移を見ると過去2年間で10%以上は上がっているが、都市部と地方部とでは受注に差があるとのこと、都市部においては単価上昇が受け入れられて、受注も弱くないという理解は正しいか。

    (上脇)都市部、特に首都圏で、三階建てや集合住宅など、平均よりも高い単価で受注が取れている。

  • 能登半島地震による、営業活動や調達面などへの影響はあるか。

    (上脇)当社事業への影響は軽微である。当社住宅を建てていただいたお客様の中には、被害を受けたお客様もいらっしゃるため、そういった方々へのフォローを進めていくことが当面の課題であると認識している。

環境・ライフラインカンパニーについて

  • CPVCについてはインド向けで需要減とのこと、どういった状況か。収益性が高い事業と思われるが、カンパニーの収益への影響はどうか。

    (上脇)インドでは来年度(24年度)の首相選を控えて、公共事業の工期の後ろ倒しなどが起こっている。需要減はそれらの影響によるものであり、一時的な現象であると見ている。環境・ライフラインの中にあってCPVC事業は比較的収益性が高い事業であって影響はあるものの、カンパニー内の他の事業で充分にカバーできる範囲と見ており、下期見通しは10月の計画通りとしている。

メディカル事業について

  • 国内の血液凝固試薬と、アメリカでの新製品拡販の遅れとのこと、特にアメリカについてはこれまでも遅れが出ていたが、その理由と、4Qには戻るという想定の根拠は何か。

    (上脇)アメリカでのコロナの検査キットの投入が、FDAの認証遅れで上期にほとんど効かなかった。認証を取得して23年8月から出荷を開始したが、有力な代理店がサイバー攻撃にあってデリバリーに支障をきたすなど、販促を含めて停滞した。そうした状況は3Qで収束しており、4Qからは再スタートが切れる見通しとしている。

全社・その他

  • 賃上げについて、取り組みや考え方を教えていただきたい。

    (上脇)今年度は平均でおよそ4%強という賃上げを実施した。来年度以降についても、ほぼ同水準か、それ以上の水準で継続するべく、組み立ての検討を開始している。