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2025年度第2四半期決算および経営計画進捗説明会質疑応答(2025年10月30日開催)

2025年10月31日更新

高機能プラスチックスカンパニーについて

  • エレクトロニクス分野において、通常4Qは季節性で売上が下がるが、今回の見通しは3Qからほとんど変わらない予想になっている。その理由は何か。

    (浅野)AI向けの半導体の需要が旺盛であると見ている。

  • AI向けの半導体の需要旺盛は、セルファにとって良い影響か。

    (浅野)良い影響であり、セルファは伸長する見通しとしている。

  • モビリティ分野において、見通しが修正されている。その理由は何か。

    (浅野)樹脂取引にかかる一過性の費用の計上が大きく影響している。中間膜事業においては、自動車市場の一部停滞の影響によりデザイン膜の売上が下がっているものの、HUD膜については想定以上に採用が広がり、上期は量ベースで前年対比130%を超える大幅な伸長となった。

  • モビリティ分野の売上が下期、特に4Qで増える予想になっている。その理由は何か。

    (浅野)HUD膜については下期も確実に伸長すると見ている。また、4Qを強めに見ているのは航空機関連の需要による。主要な顧客の生産レートが回復基調にあり。4Qは3Q対比でレートが上がる見通しとしている。

  • デザイン中間膜や、ヨーロッパ向けの中間膜の回復は、下期の見通しにどれほど考慮されているか。

    (浅野)EVの市場に関しては、またヨーロッパの自動車の市場に関しても、低調と見て計画を組んでいる。

  • インダストリアル分野において、4Qに向けて売上が増えていく予想になっている。この理由は何か。

    (浅野)半導体やLib向けの材料にも使われているクリーン容器の全体需要が強いことなどを背景に、押し上げの要因になっている。

住宅カンパニーについて

  • 月次の受注実績では、特に棟数は前年対比で減少が続いている。この要因について、地域別、価格帯別などでお伺いしたい。また、下期の見通しの確度はどうか。

    (吉田)地域別に見て減少しているのは地方部である。需要に合う価格帯のエリア商品投入によって、九州や北海道などでは数量が回復してきている。下期の見通しは2Q実績の水準を維持することで達成できるものとして計画しており、高価格帯商品であるELVIAの発売、エリア商品の投入、また、好調な集合住宅への注力により、下期計画の達成に向けて取り組んでいく。

  • 高価格帯商品と集合住宅の販売が好調な背景は何か。

    (吉田)以前から、高価格帯商品の需要が強いエリアで、デザイナーズハイムという、仕様を強化して訴求力を高めたものを展開していた。チーム営業などの販売体制も合わせて整えたことで、高価格帯の数量が伸びてきた。集合住宅に関しては、住宅購入の価格が非常に高騰していることから、賃貸の需要が強くなっており、首都圏などを中心に、あらたに集合住宅を建てる動きが増えている。引き合いが強いところへ、販売部隊を強化して臨んでいる。

  • 都市部の比率はどれくらいか。

    (吉田)首都圏及び近畿エリアで、受注全体の30%くらいを占めている。

環境・ライフラインカンパニーについて

  • 塩素化塩ビ(CPVC)の市況がかなり厳しいとは、具体的にどういった状況か。

    (平居)インドの国の予算が従来よりも道路や鉄道へシフトされていて、建築向けの予算が減っているものと見ている。マンション建築も非常に弱く、市場の競争が激化している。

  • 管路更生事業の国内での引き合いの状況はどうか。

    (平居)特別重点調査の結果に対する反応は各自治体によって異なるものの、この下期にそこまでの動きはまだないだろうと見ている。当社が得意とする大口径の物件が増えれば追い風になり、26年度以降は期待が持てる内容と考えている。

メディカル事業について

  • 検査海外の事業が下振れしている。見通しと違ってしまう理由は何か。今度どの様に精度を上げるか。

    (山下)検査海外事業の25年度の下振れの理由は、重点感染症の流行の低調と、中国の医療費抑制策の2つである。重点感染症の計画については前年を下回る計画としていたが、その想定を超える低流行になっている。中国の医療費抑制策によるところも想定を超える水準で市場が縮んだと見ている。今後の対策として北米については、重点感染症の製品の売上を小さく計画していきたい。中国については、需要が戻るのには時間がかかるだろうという考えで、固定費抑制、CRを中心にやっていきたい。
    (加藤)例えばアメリカの大手顧客との契約が無くなったなど、その都度の理由はあるが、見通しを下回ることがある。海外事業のマネジメントの強化や、アメリカにおいては検査事業だけでなく医薬も含めた構造改革とポートフォリオの強化などを、進めていく。

ペロブスカイト太陽電池事業について

  • 第2生産ラインの投資決定に向けて、現在の需要動向や、投資判断に至る過程などにおいて、懸念となることがありそうか。

    (加藤)現有設備で生産する30cm幅の製品を3枚継ぎ合わせて1m幅とし、大阪・関西万博のバスターミナルの屋根でも発電を確認した。安定的な稼働が確認できたことから、計画通り今年度中の販売を開始しようと考えている。第1生産ライン100MWは1m幅で計画しており、スケールアップには技術的なハードルがあるものの、今のところ開発は順調に進んでいる。先に公表した計画に今のところ変更はない。売り先については、全国で災害時の避難所として使われる体育館の屋根を想定している。体育館の屋根は軽量で、シリコンの太陽電池を載せることができない。第1生産ラインの生産能力は、ほぼその体育館の屋根で占められると見ている。まずは公共性のあるところから始めて、量を増やしながら生産コストを下げ、更にいろいろな用途への展開をしていこうと考えている。

  • 第2生産ラインに関しては、最終判断には至っていないが順調ということか。

    (加藤)開発ごとであり何が起こるかわからないが、今のところ、開発も、新工場での生産稼働に向けた体制整備も、能力増強に向けた生産技術も、順調に進んでいると考えている。

  • 第2生産ラインは幅が違うものをつくるのか。

    (加藤)第2生産ラインも同じ1m幅で進めようと考えている。第3ラインについては、まだ決定していない。

自己株式購入枠の追加について

  • 1,000万株の自己株買いを決定された理由は何か。

    (西田)この中期計画での予算枠に対する現時点での進捗によるところが大きい。設備投資とM&Aの枠として合わせて6,000億円を設定していたところ、設備投資に対しては予定よりも少し多いが、M&Aに対しては枠を残して、最終年度を終える可能性が出てきた。その状況と手元現金の状況とを考え合わせて、意思決定した。