価値創造を支える基盤

更新日:2021年8月31日

コーポレート・ガバナンスの
取り組み

基本方針

積水化学グループは、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図ることをコーポレート・ガバナンスの基本方針としています。その実現に向け、経営の透明性・公正性を高め、迅速な意思決定を追求するとともに、社是に掲げる社会的価値の創造を通して、当社グループが重視する「お客様」「株主」「従業員」「取引先」「地域社会・地球環境」の5つのステークホルダーの期待に応え続けていきます。

機関設計

当社は、会社法上の機関設計として、監査役会設置会社を選択しています。カンパニー制のもと、各カンパニーの事業環境変化に迅速に対応するため、監督機能(取締役)と業務執行機能(執行役員)の分離を行うことを目的とした執行役員制度を導入しています。

(2021年6月23日現在)

機関の設計 監査役設置会社
取締役の合計人数 10名(社内7、社外3)
うち女性取締役1名
社外(独立)役員比率 30.0%
女性取締役比率 10.0%
取締役の任期 1年
執行役員制度の採用
社長の意思決定を補佐する機関 政策会議
取締役会の任意諮問機関 指名・報酬等諮問委員会を設置

コーポレート・ガバナンス強化に向けたこれまでの取り組み

2001年 カンパニー制導入
2003年 社外監査役に品質の専門家を選任
2007年 取締役任期を2年から1年に短縮
2007年 社外監査役 法律、会計、品質の専門家体制に
2008年 執行役員制度導入
2008年 独立社外取締役を2名に
2015年 SEKISUIコーポレート・ガバナンス原則制定
2016年 指名・報酬等諮問委員会を設置
2018年 独立社外取締役を3名に

理念体系

1959年 社是3S精神を制定
1999年 企業理念を制定
2009年 グループビジョンを制定
2014年 企業理念を社是・グループビジョンへ統合

コーポレート・ガバナンス体制 (2021年6月23日現在)

コーポレート・ガバナンス体制図

取締役会

取締役会は、全社基本方針の決定、高度な経営判断と業務執行の監督を行う機関と位置付けるとともに、十分な独立性を有する社外取締役を選任することにより取締役に対する実効性の高い監督体制を構築し、経営の透明性・公正性を確保しています。

取締役会には、取締役のほかに社外監査役を含む監査役全員が取締役会に出席することとしており、取締役会議長は非業務執行取締役である代表取締役会長が務めています。事業領域・規模に応じた適切な意思決定を行うために、取締役会メンバーの多様性と適正人数を保つこととしています。

社内取締役には事業のトップであるカンパニープレジデントと豊富な経験・専門性を有するコーポレートの統括役員を選任し、広範な知識と経験を有する複数の独立社外取締役、専門性を備えた監査役を含めて、多様性・規模の適正性・能力のバランスを確保し、取締役会の役割・責務を実効的に果たしています。

社外取締役

当社とは異なるバックグラウンドにおける豊富な経営経験と専門的知見から監督および助言をいただき、当社の企業価値向上に貢献していただくため、独立性の確保された社外取締役を3名選任しています。特に当社が重点的に取り組みを進めているグローバル展開、ビジネスモデル革新、ESG経営の強化などの施策に対して、多様で客観的な視点から助言を得ています。

独立社外取締役の取締役会に占める比率については、今後の事業規模や事業分野の広がり、会社を取り巻く環境などを総合的に勘案し、適宜検討を行います。

取締役会の構成(2021年6月23日時点)

  • ※1 は議長または委員長
  • ※2 上記一覧表は、取締役・監査役の有するすべての知見を表すものではありません

取締役・監査役・執行役員(2021年6月23日現在) (pdf:1.4MB)

(参考)取締役の年齢構成別人数

取締役の員数は15名以内とし、優れた人格、見識、高い倫理観を有し、かつ知識・経験・能力を備えている人材によって構成することとしています。取締役会の多様性確保については、引き続き検討していきます。

経営体制(2021年6月23日現在)

※取締役会には全監査役も出席

その他の主な社内会議および委員会

取締役会の実効性に関する評価

当社では、毎年、取締役会の実効性を評価しています。取締役会では、適切な議題設定がなされ、十分な議論時間の確保と社外取締役を含めた取締役および監査役から活発な意見・提言が行われていることから、当社グループの企業価値向上に寄与し、適切に機能していると判断しています。また指名・報酬等諮問委員会で取締役会の実効性や改善点を議論するとともに、社外取締役と当社の経営陣、社外監査役を含む監査役会および会計監査人それぞれとの定期的な意見交換、取締役会の議題設定や各取締役・監査役の発言状況などの分析により、取締役会の実効性評価と向上を図っています。

2020年度は取締役会を17回開催しました。また、当社の経営方針および経営戦略に関わる重要事項は、当社の社内取締役を構成員とする政策会議において議論を行い、その審議を経て取締役会において決定しました。

実効性評価アンケートの実施
2020年度に、取締役会の実効性評価のため、取締役・監査役を対象としたアンケートを実施し、その結果から取締役会で十分な議論時間が確保されていること、社外取締役を含む取締役や監査役から活発な意見・提言が行われていることを確認しました。さらなる実効性向上を目指して、アンケートで得られた回答を踏まえ、経営上重要な議題を追加することを予定しています。
取締役会 2020年度の主な議題
長期ビジョン、新中期経営計画、成長戦略(R&D、大型新規事業、設備投資など)、基盤戦略(サステナビリティ委員会報告、デジタル変革、安全、CS品質)などを取り上げ、審議

社外役員への支援および連携

社外取締役に対しては、取締役会での審議の充実を図るため、取締役会資料の事前配布および事務局担当役員による事前説明を行うほか、就任時のオリエンテーション、事業所視察など当社グループの幅広い事業内容について理解を深める機会を継続的に提供しています。 2021年4月に環境・ライフラインカンパニーの滋賀栗東工場・総合研究所を対象に、オンライン視察を実施しました。

また、社外役員による経営監督の実効性を一層高めるため、委員の過半数が社外役員である指名・報酬等諮問委員会での審議を充実させるほか、監査役や会計監査人との対話も実施しています。後継者計画の観点では、四半期決算ごとに行う執行役員連絡会における社外取締役の講演や、株主総会後の新経営体制発足時に取締役・監査役・執行役員が一堂に会する機会を設けるなど、現経営陣と次期経営層候補者との接点も強化しています。

監査体制

監査役には、1名以上に企業財務・会計、また1名以上に法制度に関する知識と知見を備えた人材を監査役候補者として指名することとしています。監査役は、取締役会のほか各種重要会議への出席、グループ会社を含む関係部署の調査や重要案件の決裁書確認などにより、内部統制システムの整備・運用状況の確認を行っています。

2020年度は監査役会を19回開催し、社外監査役を含め、相互の情報提供や意見交換を十分に行いました。

監査役は定期的に内部監査部門と意見交換会を行い、現状の社内の問題点を把握し、必要に応じて、自ら各拠点を往査しています。監査室による内部監査の結果と指摘事項に関する改善状況は、監査役へ適時報告されています。また、専任の担当者をおき、社内からの情報の収集や必要なヒアリングの実施などを行っています。

また会計監査人とは監査計画の確認を行うとともに、監査結果の報告を受けるなど、定期的に相互の情報交換・意見交換を行い、連携を密にして監査の実効性と効率性の向上を高めています。関係会社監査役とは連絡会を開催し、監査役の連携強化、監査品質の向上を図っています。

さらに、代表取締役、取締役および執行役員と定期的に会合をもち、会社が対処すべき課題、監査役監査の環境整備の状況、監査上の重要課題などについて意見交換し、併せて必要と判断される要請を行うことにより相互認識を深めています。

指名・報酬等諮問委員会

取締役会の機能を補完し、より経営の公正性・透明性を高めるため、指名・報酬等に関する任意の諮問委員会を設置しています。委員会は、過半数を独立社外役員とする6名の委員で構成し、委員長は独立社外役員より選出しています。取締役の指名を行うにあたり、指名・報酬等諮問委員会において審議し、取締役会に意見の答申を行い、取締役会で決定します。

指名・報酬等諮問委員会の役割
  • 代表取締役、取締役等経営陣幹部の選解任、監査役候補者の選任、元代表取締役等の相談役、顧問の選解任
  • 役員報酬制度、報酬水準などを審議
  • 重要な経営上の課題についても必要に応じて審議し、取締役会に意見の陳述および助言を行う
2020年度の活動
指名・報酬等諮問委員会は6 回開催し、取締役会の構成および実効性、ガバナンス強化の取り組み、役員報酬、報酬決定方針等に関する審議を行いました。

社長の後継者の育成とその決定

社長の後継者の承継計画と監督は、経営理念や経営戦略を踏まえて適切に行われていますが、手続きの客観性・適時性・透明性を高めるために、指名・報酬等諮問委員会で候補者が社長に相応しい資質を有するか十分な時間をかけて審議を行い、取締役会に意見の答申を行い、取締役会で決定します。

内部統制システム

2006年5月、当社における業務の適正を確保するための内部統制システム構築に関する基本方針を取締役会で決議しました。グループ経営理念に基づく「企業行動指針」のもと、当社とグループ会社間の指揮・命令、意思疎通の連携を密にするとともに、当社はグループ会社に対して指導・助言・評価を行いながら、グループ全体としての業務の適正を図っています。

グループ会社の経営管理については、監査役および監査室等によるモニタリングを行うとともに、「関係会社取扱規則」および「関係会社決裁基準要項」等によるグループ会社から当社への決裁・報告制度を充実させます。加えて、当社およびグループ会社で不祥事が発生した場合には、必ず管轄カンパニーまたはコーポレートのコンプライアンス推進部会に内容を報告し、当該推進部会がコンプライアンス分科会事務局に連絡することにより、情報がコンプライアンス分科会委員長に任命された取締役または執行役員に集約されるようにし、再発防止を徹底します。

コンプライアンス

社長が委員長を務めるサステナビリティ委員会において、取締役会の承認を要するコンプライアンスに関する基本方針等の審議を行うとともに、当社およびグループ会社におけるコンプライアンス体制の構築および実践を図るために、コンプライアンス分科会を設置して、コンプライアンスに関する重要事項の企画、検討および決定を行っています。また、「積水化学グループコンプライアンス・マニュアル」を制定し、法令、定款および企業倫理に従って行動するための指針を提示するとともに各種法令および企業倫理に関する研修を実施しています。内部通報の体制としては、社内の通報窓口に加え、外部の弁護士事務所に社内から独立した通報窓口を設け、さらに米国、中国、 ASEAN、欧州および韓国では、海外現地法人の従業員専用の窓口も設置しています。「社内通報規則」で通報者の保護を規定し、通報窓口以外には通報者の情報を秘匿するなど通報者が不利益を被らない体制を整備してます。

コンプライアンス(法務・倫理/経理)

リスクマネジメント

当社グループでは、リスクの発現を未然に防止する活動(リスク管理)とリスクが発現した時に対応する活動(危機管理)を一元的に管理する全社的リスクマネジメントを実施しています。この一元化により、組織の状況に応じて、常に変化するリスクや危機に適応できる体制を構築しています。2020年4月からは経営戦略部長を兼任するESG経営推進部担当役員を最高責任者とし、ESG経営推進部リスクマネジメントグループが専任部署として、内部統制システムの基本方針に基づいて定められた「積水化学グループ リスク管理要領」を周知徹底するとともに、リスク情報を一元的、網羅的に収集・評価して重要リスクを特定し、リスクの発生防止に努めています。このリスク管理活動は2021年度には国内外の関係子会社を含めた171組織で活動しており、リスク管理の国際標準規格ISO31000に沿ったPDCAサイクルを回し続けています。各組織から特定されたリスクを専任部署が適時分類整理し、必要に応じてサステナビリティ委員会の各分科会等に報告し、全社的対応策を審議しています。 さらに2020年度からの中期計画では、これまでの組織別リスク管理活動と全社リスク管理活動を融合したERM(全社的リスクマネジメント)体制で推進しています。

危機管理体制は、「積水化学グループ危機管理要領」に基づき、重大なリスクが発生した場合には緊急対策本部を設置し、迅速・適切に対処する体制を構築しており、また定期的な見直しや訓練を行っており、重大インシデントの発生またはその恐れがある場合には、取締役会に適時報告する体制を構築しています。2021年度から新たな全社取り組みとして、すべての組織において「人命保護」を第一とした初動対応計画(ERP)を整備・見直しを行うとともに、国内外の多岐にわたる事業の特性に合わせたBCM構築を目指しています。

海外事業は年々拠点が増え重要性が増していることから、主要4地域に海外統括会社をおき、その責任者を地域長に任命し、海外危機管理事務局が連携し、海外で発生した危機事象に対する初動対応を主導しています。

BCP(事業継続計画)

サステナビリティへの取り組み

当社グループは、長期ビジョン「Vision 2030」実現のため、「サステナブルな社会の実現」と「当社グループの持続的な成長」の両立の実現を目指す「ESG経営」を進めており、その鍵となる下記の3つのステップでステークホルダーとともに取り組んでいます。

  • 環境・CS品質・人材の「3つの際立ち」と「内部統制」の磨き上げ
  • 3つのアプローチ(量を増やす・質を高める・持続的に提供する)で社会課題解決を加速
  • 4つの事業領域で「未来につづく安心」という価値の創出・拡大

取り組みにあたっては、社長を委員長、ESG経営推進部担当取締役を副委員長としたサステナビリティ委員会で、将来当社グループが直面する可能性のあるリスクや機会の抽出、全社方針や戦略について審議し、決定された主要事項や全社リスクは政策会議や取締役会で報告・審議され、7つの各分科会を経てグループ全体に展開し、各組織における実行計画への落とし込みなどを行っています。

2020年度からの中期経営計画「Drive 2022」では、ESG経営を実践し、持続的に企業価値を向上していくことのできる企業体制を構築するために、重大課題を定め、具体的な取り組みを進めています。

ESG基盤強化 Drive 2022

ダイバーシティの推進について

当社グループは、多様性を性別、年齢、人種等の外見だけでなく、経歴、価値観、性格等による違いにも着目しています。従業員一人ひとりの違いを理解し、認め、強みとしていくという考え方に基づき、 2015年にダイバーシティマネジメント方針を策定しました。女性活躍推進については2007年から「定着と活躍「」管理職創出」の2つの段階に分けて取り組みを進めています。またダイバーシティ経営を加速するために、2018年に働き方改革、2019年に健康経営の活動を加え、2020年度からは「活力ある会社」への変革に向けて、多様な人材の活躍を引き出す挑戦機会の拡大などに取り組んでいます。

人材

TCFDシナリオ分析を活用した気候変動課題への対応

当社グループでは、気候変動など経営上のリスクとなりうる外部環境課題に関しては、取締役会の監督体制のもと、リスクの大きさを認識し、適切な対応方針を検討、実行しています。2018年度に、課題解決やリスクの把握およびリスクへの対処を加速するため、2℃シナリオ、4℃シナリオを採用し、その分析に基づいてリスク評価を実施し、その後も毎年リスク評価の見直し、再確認を行っています。またこの結果をもとに、2020年度からはリスクを機会に転換可能な事業への取り組みを検討し、策定した中期経営計画や環境中期計画に基づいた進捗管理を進めています。

環境

政策保有株式に関する基本方針および議決権行使基準

政策保有株式に関する基本方針

当社は、重要取引先・パートナーとして、保有先の企業価値向上と当社の中長期的な企業価値向上の最大化を図る場合において、有益かつ重要と判断する株式を、限定的かつ戦略的に保有します。その戦略上の判断は適宜見直しを行い、意義が不十分、あるいは資本政策に合致しない保有株式については、随時縮減を進めています。

政策保有株式の保有の要否の検証

当社は、基本方針に基づき、2020年6月10日開催の取締役会において、政策保有株式(上場会社)の保有による便益やリスクが資本コストに見合っているかなどの項目について個別具体的に精査、検証を行いました。なお、上場会社の保有銘柄数は2020年3月末時点で28銘柄でしたが、2020年度は2銘柄の売却を行い、2021年3月末現在で26銘柄となりました。

政策保有株式の銘柄数および貸借対照表計上額の推移

政策保有株式の議決権行使基準

当社は、保有の戦略的位置付けや株式保有先企業との対話などを踏まえたうえで、当該企業の企業価値向上と当社の中長期的な企業価値向上とを連動させる観点から、議決権行使の具体的基準を定め、それに沿って行使することで保有先企業に対する株主としてのモニタリング機能を果たします。議決権行使については、保有先企業の議案の重要性(特別決議議案等の有無)、報告年度の決算内容(自己資本比率、損益状況等)および事業継続性を基に判定する基準を設けており、当該企業との対話を含め総合的に賛否を判断しています。

役員の報酬等

報酬等の決定に関する方針

基本方針

当社役員の報酬制度は、当社グループ経営理念実現のために、次の方針を定めています。

  • 当社グループの持続的成長と中長期的な企業価値の向上に資するものであること
  • 当社役員が、株主と利益意識を共有し、株主重視の経営意識を高めるものであること
  • 当社役員にとって、経営計画の達成を動機付ける業績連動性の高い報酬制度であること
  • 当社グループの競争力向上のため、多様で優れた経営人材を獲得し保持できる仕組みおよび水準であること
報酬の考え方

当社の業務執行取締役の報酬等は、基本報酬、賞与、株式報酬で構成されています。社外取締役および監査役の報酬は、基本報酬のみで構成されています。

基本報酬

基本報酬は、役員報酬枠の範囲内で、取締役の役割と責任に応じた一定額を支給します。業務執行取締役には、基本報酬のうち一定額を、役員持株会を通じて当社株式の購入を義務付け、株価を重視した経営意識を高めています。

賞与

賞与は、全社業績、カンパニー業績、ROE(自己資本当期純利益率)および配当政策に連動した支給基準に基づいて報酬額が決定される業績連動報酬です。

株式報酬

株式報酬は、当社グループの中長期的な業績向上と企業価値の増大への貢献意欲を一層高めることを目的として、取締役(社外取締役を除く)の職務別に付与数を定めたインセンティブプランです。取締役が中長期的な企業価値向上に貢献した成果を、退任時に株式価値に反映された株式で享受する仕組みにしており、より中長期的な株主価値との連動性が高くなるように設計しています。

取締役に対する業績連動報酬と固定報酬の割合(2020年度)

当社役員の報酬は、役位および職務に応じて決定しています。業績連動報酬の割合は役位が上位であるほど比率が高くなるように設定しております。また、職務については、担当するカンパニーの業績が反映されます。2021年度からは役員賞与は全社業績だけでなく、サステナビリティ貢献製品の売上高比率などの非財務指標を含めたカンパニー業績、ROE(自己資本当期純利益率)に連動した支給基準に基づいて報酬額が決定される業績連動報酬となっています。これに加えて中長期的な株主価値との連動性が高くなるよう設計した株式交付型インセンティブ制度も導入しています。

2020年度の役員報酬額

役員報酬の決定プロセス

当社取締役報酬等の額またはその算定方法の決定に関する方針の決定にあたり、予め指名・報酬等諮問委員会にて審議を行い、その結果を取締役会に答申します。取締役会は、同諮問委員会からの答申を受けて、方針を決定します。なお、指名・報酬等諮問委員会による手続きの概要は次の通りです。

指名・報酬等諮問委員会の報酬等の決定方法

委員長(社外取締役)が委員会を招集し、議案は各委員より上程され、委員会にて審議を行います。本委員会の審議結果は、委員長が取締役会に答申します。なお、本委員会の委員は、これらの決定にあたり、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資するか否かの観点から行うことを要し、専ら自己または当社の経営陣を含む第三者の個人的利益を図ることを目的としてはならないこととしております。報酬額の決定過程においては、指名・報酬等諮問委員会で取締役報酬水準および取締役の個人別評価・報酬等の内容について審議のうえ、取締役会で決定し、具体的な支給額、支給時期および支給方法等を代表取締役社長に一任しています。

研究開発・知的財産

積水化学グループにとって、価値創造の根幹は際立つ技術にあると考えています。中でも、「住・社会のインフラ創造」と「ケミカルソリューション」の領域に強みを持つ技術プラットフォームがその土台となっています。われわれはこの技術的な際立ちをさらに進化させるために、研究開発および知的財産の分野において人員、組織の両面で継続した強化を進めています。

研究開発

28の技術プラットフォーム

2014年より全社の技術開発の基軸として技術プラットフォーム(TPF)を策定しコア技術の深度化、TPF融合による新たなイノベーションへの取り組み、技術系人材の育成などを推進しています。TPFについては、われわれを取り巻く事業環境の変化の中でサステナブルな成長を目指すべく、中期経営計画策定のタイミングに合わせて定期的に見直しをしています。

研究開発体制

長期ビジョンではレジデンシャル、アドバンストライフライン、イノベーティブモビリティ、ライフサイエンスの4つのドメインと新しい事業ドメイン・ネクストフロンティアを設定しています。各ドメインにおいてコア技術を活用したイノベーションに挑戦し、現有事業の拡大と新事業の創出を目指しています。

これを支える研究開発体制としては、住宅カンパニー、環境・ライフラインカンパニー、高機能プラスチックスカンパニーと積水メディカル株式会社およびコーポレートにそれぞれ研究所を中心とした主要研究開発拠点を設けています。

3カンパニーと積水メディカルでは関連する4つのドメイン、コーポレートではネクストフロンティアを中心に、オープンイノベーションも積極的に活用しながら、精力的に開発を推進しています。

研究開発・知的財産推進体制

研究開発に関する人事・処遇

当社グループでは、優れた研究者・技術者への評価・処遇の一環として「技術賞」、「発明大賞」制度を設けています。

また、専門性の高い研究者・技術者を対象に「スペシャリティ職」制度も設けています。高度な専門性を有する際立つ人材をスペシャリティ職に任命し、社外においても通用する際立つ技術者の育成を図っています。2021年7月時点で32名がスペシャリティ職に任命され、長期的な視点で技術プラットフォームの強化活動を推進しています。

[参考]28の技術プラットフォーム

知的財産

基本方針

知的財産は、企業の競争力の源泉であり、企業価値の最大化に向けた成長・収益を支える重要な経営資源です。当社グループでは、技術の「際立ち」を最大限に活かし事業へ貢献させるべく、知的財産情報や市場・競合情報等による競争環境分析を起点とした戦略構築や知的財産のポートフォリオマネジメントなど戦略的な知的財産活動を推進しています。

加えて、DXの活用はもとより、マテリアルズ・インフォマティクスやAIといった新潮流への知的財産としての対応にも積極的に取り組んでいます。

上記を通して、中期経営計画「Drive2022」に対して知的財産面から事業の成長と創造に貢献していきます。

知的財産文化の盛り上げ

従業員の知的財産マインド向上を目的として、一定数以上の出願を行った者に対して「Pバッジ」を付与する制度を2010年度から開始しています。現在では、技術者であればPバッジを持っていることが当たり前の文化とまでなっています。

知的財産活動の成果に対してはさまざまな表彰制度を設けており、利益貢献した発明に対する表彰のほか、出願に関しては年間出願件数や発明の独創性、出願網の強さなどを基準に、またライセンス収入や他社の参入阻止などの権利活用に関しても表彰するなど、従業員の知的財産に対するモチベーションの向上を図っています。

中でも、当社グループに特に大きく利益貢献した発明に対しては、その発明者の功績を称えるべく社長表彰としての発明大賞制度を設けています。発明大賞制度は、利益貢献額により特級から3級の4つのレードに分かれており、それぞれ等級に応じた報奨金を支給しており、特に特級の報奨金は利益貢献額に比例して上限のない制度になっています。本制度は1999年度から21年目となり、2020年度は、血液中のHbA1cを測定する体外診断用医薬品に関する特許で1級および液晶表示素子用シール剤に関する特許で2 級の認定がなされました。

従業員への知的財産教育

入社3年目までの技術者を対象に、習得すべき知的財産の基礎知識から戦略構築までを必修科目として設定し、全社共通の教育を実施しています。2020年度は、20回の講習会を実施し、対象者ほぼ全員にあたる約550名の技術者が参加しました。

さらに、上記に合わせて、事業に即した実践力を養うためにカンパニーごとに個別の専門教育を行っています。また、商標・ブランディングについては、マーケティング・営業担当者に対しても教育対象を広げています。

知財情報の全社活用(IPランドスケープ)

当社グループでは、知財情報を中心に、市場・技術情報を組み合わせた分析(IPランドスケープ)活動に取り組んでいます。既存製品の事業競争力の強化や新製品・新事業の創出の場では、戦略立案、知的財産のポートフォリオの強化に役立てています。一方で、 M&Aなどの高度な経営・事業判断する際の意思決定にも役立てており、全社的な活用促進を図っています。

パフォーマンスデータ

当社は、株式会社パテント・リザルトが公表した「特許資産規模ランキング」および「他社牽制力ランキング」において、2020年は化学業界でそれぞれ4位となり、直近5年でトップ10を維持しています。

特許資産規模ランキング2020

他社牽制力ランキング2020

特許出願数(国内)

特許保有件数(国内外)

人権尊重の取り組み

積水化学グループは自らの事業活動において影響を受けるすべてのひとびとの人権を擁護することを責務と認識しており、グローバル規模で、事業活動によって影響を受けるあらゆるステークホルダーの人権尊重を目指し、取り組みを促進しています。

積水化学グループ「人権方針」

英国現代奴隷法への対応

グループ全体で人権課題へ取り組むことの必要性を踏まえて、 2019年9月に「積水化学グループ 英国現代奴隷法に関する声明」を開示しています。この声明は、英国で施行された2015年英国現代奴隷法第54条第1項に基づき、当社グループが自らおよびそのサプライチェーンにおいて奴隷労働その他の隷属状態のもとでの労働並びに人身取引が発生しないことを確保するために実施している取り組みを開示するものです。今後は、英国以外の国・地域の人権に関する法規制についても、適宜対応を行っていきます。

英国現代奴隷法に関する声明(pdf:1.3MB)

人権デューデリジェンス
仕組み構築に向けた取り組み

人権デューデリジェンスの仕組み構築に向けて、2018年11月に外部専門機関に依頼し、人権リスクアセスメントを実施しました。その結果、主に海外(中国・インド・タイ・ブラジル)において労働安全衛生等の人権リスクが潜在的に高いことが確認され、2019年2月からタイ・中国・インドのグループ会社駐在経験者および関連部署の社内関係者に第三者機関によるヒアリングを実施し、アセスメント結果との間にギャップが生じていないかを確認しました。

※人権デューデリジェンス:自社の事業活動において、人権に負の影響を与える可能性(人権リスク)がないかを分析・評価して特定し、もし可能性があれば、その影響を防止または軽減するための仕組みをつくり、対処する継続的なプロセス。

主要事業における10の人権課題
アセスメント結果(2018年)

※10の人権課題:(1)児童労働(2)適正賃金(3)適正な労働時間(4)職場における差別(5)現代奴隷(6)結社の自由と団体交渉権(7)先住民族の権利(8)土地、財産および住宅に関する権利(9)労働安全衛生(10)プライバシーの権利

ヒアリングの結果、「海外生産会社においては安全への意識が高く、安全活動が定着している」「ヒアリング対象のグループ会社においては移住労働者の使用、外国人、女性への差別は見られない」などポジティブな状況が確認できた一方、「CSR調達アンケートの実施が見られるものの、現場レベルで人権の観点からのサプライヤーチェックは行われていない」「海外生産会社の中には派遣労働者(期間工)を多数使用する工場がある」などさらなる現場状況の確認が必要とされる事案も浮かび上がりました。これを受けて、人権に関する負の影響の有無確認と、影響度の深刻さを把握することを目的に、2020年度は下記の国内事業場にて、第三者機関による従業員インタビューを行いました。

対象:環境・ライフラインカンパニー東日本積水工業に勤務する外国籍従業員(契約社員なども含む)およびその人事労務管理担当者
結果:大きな人権リスクは見受けられなかったものの、工場内での案内、告知文の多言語化の必要性など、改善すべき課題が抽出されたため、フィードバック報告会を実施

今後は、課題の対処に関する追跡評価などを行うとともに、海外においても同様の人権インタビューを実施することで、人権デューデリジェンスの仕組みを構築していきます。

サプライチェーン全体で
人権問題に配慮

取引先に対しては、CSR調達を通じて人権への配慮状況を確認しています。調達基準に満たない取引先に対しては、改善の申し入れを行うとともに、その実施を取引先と協働で進めています。特に海外の取引先には、現地統括会社を通じて改善を働きかける仕組みの構築を進めています。2021年度からは、現状の直接の取引先への調達方針の確認だけでなく、2次、3次以降のサプライヤーを含むサプライチェーン全体に当社グループの方針が行きわたるような詳細な内容を落とし込んだ調達ガイドラインを作成し、それに沿って取引先への確認を行っていく予定です。さらに、人権デューデリジェンスの質の向上のために、認定されたサプライチェーン関連のイニシアチブへの署名、参加を検討していきます。

また、コンゴ民主共和国および周辺諸国で人権侵害や環境破壊などに関わる武装勢力の資金源となっている紛争鉱物問題について懸念し、CSRの観点からサプライチェーン全体にわたって紛争鉱物使用の調査を実施しています。

資材調達

ハラスメントの防止を含む
人権に関する研修・教育

人権に配慮した経営を行うため、従業員に対して人権をテーマとした研修や教育を行っています。特に入社や昇進などの節目に実施される研修に、強制労働、児童労働、ハラスメントなど人権に関わる問題について意識を高める内容を取り入れています。 2020年度から社内イントラネットを活用した「ビジネスと人権e-ラーニング」を開始し、事業活動によって影響を受けるすべてのひとびとの人権尊重を目指す姿勢の周知を進めています。また、ハラスメントの防止を目的としたハラスメント研修を毎年実施しており、2020年度は367名が受講しました。

ステークホルダー
エンゲージメント

積水化学グループは、「お客様」「株主」「従業員」「取引先」「地域社会・地球環境」の5つのステークホルダーとの信頼関係を構築するためには、企業価値向上に向けた建設的な対話が重要だと考えています。ステークホルダーを企業価値向上に向けたパートナーと位置付け、建設的な対話を通じて、その期待や要請を把握し、社会全体の課題をともに解決していくことが、大きな事業機会につながります。ステークホルダーと共存共栄の関係をつくり、持続的な成長をさらに進めていきます。

ステークホルダーとの
建設的な対話の促進

お客様との対話

「モノづくりのはじまりはお客様の声からのキャッチフレーズのもと「指名され続ける品質」の実現を目指し、2020年度も住宅販売会社の経営幹部層がお客様のご意見を直接お伺いする「CAT(Customer And Top)ミーティング」(2020年度は約50邸を対象)を実施しました。

従業員との対話

会社を取り巻く問題点や仕事上の課題を解決していくためにも、経営層と従業員の対話が不可欠だと考え、2002年度より、従業員が経営層と直接対話をする機会を設けています。

2020年度は、新たに策定した長期ビジョン「Vision 2030」やそれを実現するための鍵となるESG経営について浸透を図るため、全グループ従業員を対象に国内8回、海外(東アジア、ASEAN、インド、豪州、北米、欧州)5回の「ビジョンキャラバン2020」をオンラインで開催しました。社長と取締役が「Vision 2030」の実現に向けた自身の想いや、当社グループのESG経営について説明をし、それを受けて従業員は、「Vision 2030」の実現のために各々の業務をどのように意識して進めたら良いか、自分の業務と当社グループのESG経営のつながりなど、従業員同士で議論し、理解を深めます。従業員からの質問や、従業員同士で議論した内容の発表に対して、社長や取締役がコメント、フィードバックをし、双方向での活発な対話を進めました。

オンラインで開催されたビジョンキャラバン2020

株主・投資家の皆様との対話

当社グループでは、適時、適切かつ積極的な情報開示が重要であると考えており、積水化学のWebサイトでは、「企業情報開示理念」のもと、具体的な開示内容や開示体制などに関して「企業情報開示規則」を策定し、社内の情報開示体制を強化しています。またフェアディスクロージャーに十分配慮し、決算情報・説明会資料については、Webサイト上に和英同時公開を行うほか、その説明会の模様についての配信や質疑応答の掲載を行っています。 2020年度は経営陣による長期ビジョンおよび中期経営計画説明会および四半期ごとの決算説明会をオンラインで開催しました。

当社グループの事業領域が多岐にわたることからグループ全体の事業内容やESG経営の取り組みについて、理解を深めてもらうためには、個別に丁寧な説明をすることが重要だと考え、機関投資家・セルサイドアナリストの方々との面談などを積極的に行っています。 2020年度は、当社の高機能プラスチックスカンパニーの成長戦略、各事業戦略について、セルサイドアナリスト向け「高機能プラスチックスカンパニー スモールミーティング」を開催しました。

そして、「投資家と経営層の積極的なエンゲージメント」を重要課題の一つとして掲げ、株主・投資家の皆様と建設的な対話を行い、そのフィードバックを経営に活かしています。また、いただいたご意見やご質問を基に統合報告書をはじめとする各種IR資料の改善に努めています。2020年度、日本証券アナリスト協会ディスクロージャー研究会が毎年実施している「証券アナリストによるディスクロージャー優良企業選定」において、化学・繊維の業種で2位の評価をいただきました。これは非財務情報(ESG情報等)の開示に積極的に取り組んでいることなどを評価いただいたものです。

これからも、分かりやすく丁寧な説明を心がけるとともに、資本市場の声に耳を傾け、企業価値向上や持続的成長のための取り組みを推進していきます。

地域社会・地球環境

事業を通じた地域発展への貢献、地域との共生、環境保全という視点を重視しています。地域社会と連携して、次世代の子どもたちに自然環境の大切さを伝える取り組みや事業特性を活かした小中高生向けのキャリア教育の実施、自然環境保全のためのグループ事業所におけるさまざまな環境保全活動の実施、自然に学ぶ研究活動への支援・助成などさまざまな活動を進めています。

九州積水こども自然塾

ステークホルダーへの価値配分(2020年度)

積水化学グループでは、GRIスタンダードなどを参考にして、財務諸表に基づきステークホルダー別に、その配分状況を算出しています。