積水化学工業株式会社(代表取締役社長:根岸 修史、以下当社)は、中国の河北可耐特玻璃鋼有限公司(董事長:郜
東河(がお とんふぁ)、以下KNT社)との合弁で、強化プラスチック製品をはじめとする水インフラ関連事業の新会社、積水可耐特(河北)環境科技有限公司(持分:当社75%、KNT社25%)を設立し、4月1日より事業を開始します。
KNT社が強みを持つ中国沿岸部の販売網と施工能力を活かし、中国の水インフラ関連事業において、当社が推進しているバリューチェーン展開の拡大を目指します。
1.背景
中国の水インフラ関連投資は、主に西部大開発を進める内陸部と、経済発展やそれに伴う人口増加が著しい沿岸部で活発で、内陸部では水源地から需要地への導水管路整備、沿岸部では工業用水や生活用水の管路整備が中心となっています。
当社はこれまで、中国での水インフラ関連事業において、2005年に新疆ウイグル自治区の新疆永昌複合材料股份有限公司(現
永昌(積水)複合材料有限公司)を買収、2011年には、上海市に積水(上海)環境科技有限公司を設立し、強化プラスチック複合管事業を中心に事業を展開してきました。
一方、KNT社は、沿岸部を中心とする公共物件への入札対応や、20年以上にわたり築いてきた人脈と営業体制を強みとして事業を展開してきましたが、さらなる事業規模拡大に向け、資本力やマネジメント力不足が課題となっていました。
2.合弁会社設立の概要
当社75%、KNT社25%の出資比率で合弁会社を設立し、KNT社から次の3つの強化プラスチック関連事業と、これに係る資産(土地、建物、設備、営業権、人員)を譲り受けます。
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①強化プラスチック複合管:導水や引水用 |
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②冷却塔/浄化槽:冷暖房用パイプ/生活排水の浄化用 |
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③工業用タンク:化学品や食料関連工場のプラント用 |
3.合弁会社設立の狙い
1)公共投資案件の受注拡大
中国のパイプ関連市場の内、民間の建築投資は不動産市況に左右される半面、公共の水インフラ投資は市場参入が困難ではあるものの、安定した売上が見込まれます。KNT社の販売網や人脈を活用し、公共投資案件の受注拡大を目指します。
2)沿岸部における販売力および施工能力の強化
KNT社の販売網と施工体制を活用することで、沿岸部での受注拡大に加えて、従来の製品販売中心から工事を含んだ包括受注の獲得など中国水関連事業でのバリューチェーン展開を目指します。
3)合弁会社によるシナジー効果
当社とKNT社の製品を相互の販売網を活用して拡販します。なお、工業用タンク分野においては、KNT社が中国で唯一「馳名商標(※)」を取得しています。
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※ |
中国の馳名商標国家工商行政管理総局商標局が認定する、中国における認定ブランド。中国における知 |
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名度が高く、公によく知られたブランドを指す。 |
4.事業目標
2013年4月に生産・販売を開始し、初年度となる2013年度は売上高45億円、2015年度には売上高70億円を目指します。
5.新会社の概要
1) |
社 名 |
積水可耐特(河北)環境科技有限公司 |
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2) |
所 在 地 |
中国 河北省冀州市興華南大街西側1198号 |
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3) |
設 立 |
2013年2月27日 |
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4) |
代 表 者 |
董事長 |
佐藤 公厚(当社 執行役員) |
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副董事長総経理 |
郜 東河(がお とんふぁ) |
5) |
事業内容 |
強化プラスチック製品および各種プラスチック管の生産・販売・施工 |
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6) |
資 本 金 |
2億10万元(約30億円) ※1元=15円で算出 |
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7) |
出資比率 |
積水化学 75% K N T社 25% |
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8) |
従 業 員 |
約630名 |
新会社の本社および生産拠点 |
【ご参考①】KNT社の概要
1) |
社 名 |
河北可耐特玻璃鋼有限公司 |
2) |
所 在 地 |
中国 河北省冀州市金鶏大街124号 |
3) |
設 立 |
1992年 |
4) |
代 表 者 |
董事長 郜 東河(がお とんふぁ) |
5) |
事業内容 |
強化プラスチック製品の生産と販売 |
6) |
資 本 金 |
5080万元(約7.6億円) ※1元=15円で算出 |
7) |
従 業 員 |
約630名 |
8) |
売 上 高 |
約39億円(2012年度見込) |
【ご参考②】新会社がKNT社から譲り受ける主要製品例
・強化プラスチック複合管 |
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(GRP:Glass fiber Reinforced Plastic pipes) |
・冷却塔 |
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・工業用タンク |
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以上